2024年2月某日、午後3時過ぎ、八幡一番街。
コートをまとった中年男性と学生服を着た少年が、並んでストリートを歩き、あちこちを見ては、指差しながら、何やら話をしています。一体どんなことを話しているのか、気になりますよね。
上の画像は、八幡のストリートではなく大阪の方だと思いますし、季節も冬ではなく夏ですが、八幡一番街を歩く二人の雰囲気と近からずとも遠からず、といったところです。
あ、一番街を歩く二人が先に行ってしまいます。気付かれないようにそっと接近して、耳をそばだててみましょう。
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「この通りの両側は、再開発の対象なんですよ」
「じゃぁ、サイゼリヤ1号店の跡地も」
「なくなっちゃいますよね」
「タワーマンションを建てるんですよね」
「そうです。ところで、なんで再開発を行うと思いますか?」
「やっぱり、防災面とか。あとは、きれいにする目的もあると思います」
「そうですね。この路地みたいに、細い道があると、火災があった時に車両が入れないかもしれません。あ、でも、タワマンの高層階で火災があったら、消防のはしご車で消火できるんですかね」
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なるほど、本八幡駅北口再開発について話しているようですね。
一番街を歩く二人は誰なのか――
中年男性は筆者、フリースタイル市川の鈴木雄高です。そして、学生服を着た少年は、個人情報保護の観点から語れることは少ないのですが、市川市在住の中学2年生である、ということだけお伝えしておきます。
学生服を着た少年――ここでは仮にXさんとしておきましょう――の学校では、自分で決めた取材対象に連絡をし、実際に取材を行い、調べたいことについて明らかにして、レポートを作成する、という、一連の活動、いわゆる「調べ学習」を行うことになっていました。Xさんは当サイトに掲載されている記事を読み、「調べ学習」のテーマを本八幡駅北口再開発にしたということでした。
Xさんと連絡を取り合い、私からも「どうせなら」ということで、実際に再開発対象となっている場所を歩きながら話をし、その上で、カフェなどに移動して、Xさんの質問に答える、という順で進めるのはどうか、と提案し、その流れに沿って取材を行いました。
私は大学、大学院で、都市計画・まちづくりを専門に研究していたので(といっても、修士課程修了後は、その世界からは離れましたが)、都市再開発について、少しは知識を持っていますが、そうは言っても学んだのはかなり昔です。間違ったことを話してはいけないな、と思い、事前に再開発について復習をして取材に臨みました。
これまでに、当サイトで再開発のことを何度も取り上げて記事を書いてきたので(リンクを下の方に貼っておきます。行為としては「貼る」ですが、意味としては「張る」の方が正しそうです)、自分なりの考え――再開発に期待することや懸念していること、街の景観や歴史、積み重ねられてきた時間の層のようなものを、その場所で継承するために知恵を出して工夫をしてほしいという願望など――を、すらすらと淀みなくXさんに伝えることができました。
Xさんからもたくさん質問をいただき、なるべく丁寧に答えました。
先ほど、歩いた後でカフェなどでさらに深い話をする、という流れで取材を進めたと書きましたが、実際には、八幡一番街に1号店があった(閉店した後は有志の方々がお金を出し合って場所を保存し、教育記念館になっている)サイゼリヤの、その場所に最も近い現存する店舗こと、本八幡北口パティオ店で、甘いものを食しながら深い話をしたのでした。
Xさん、もうレポートは作成を終え、提出済みですか?良いレポートができるとよいですね!市川市在住ということですので、今後、本八幡駅北口再開発がどのように進んでいくのか、じっくりと観察できますね。学校の課題でも、そうではなくても、市川市におけるまちづくりなどで興味があることがあれば、いつでもフリースタイル市川にご連絡いただければうれしいです。親御さんや学校の先生にも、よろしくお伝えください。
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ちなみに、取材実施の翌日、千葉日報にこんな記事が出ていました。
千葉日報(2024年2月2日)
タワマン2棟、間に「にぎわい通路」… 本八幡駅北口再開発案を承認 市都計審、交通課題で付帯意見
https://nordot.app/1125966930719195826
市によると、事業区域は本八幡駅北口の駅前ロータリー東側に広がる「パティオビル」(通称)から国道14号にかけての約1.1ヘクタール。南北に地上44階建てと地上21階建ての高層居住施設2棟(計870戸)を建設するほか、両棟周辺に広場や空き地を憩いの場として設置。両棟の間に東西に延びる幅7メートルの「にぎわい通路」をつくり、葛飾八幡宮にアクセスしやすい交通環境を整える。
同日、審議会は原案を了承したが、一部委員が「地元では車の利用が今より不便になるとの声が多い」「(高層居住施設に)荷物を配達する車の路上駐車がロータリーにあふれる恐れがある」と発言。一般からの市への意見書でも交通渋滞や歩行者安全への懸念が出ており、審議会は「交通面の課題に市がきちんと取り組んでほしい」との要望を付帯意見として出すことを決めた。
出所:千葉日報、「タワマン2棟、間に『にぎわい通路』… 本八幡駅北口再開発案を承認 市都計審、交通課題で付帯意見」(2024年2月2日)https://nordot.app/1125966930719195826、2024年2月2日閲覧
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学校の先生や、アクティヴ・ラーニングや調べ学習などを行っている生徒・学生の皆さん、上記のように、まちづくりに関する取材を受けることや、フードバンク活動について取材を受けることなど、色々な方法、色々な分野で、お役に立てることがあると思いますので、お気軽にお問い合わせください。
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▼再開発関連の記事、色々。
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執筆日 2024年2月14日(聖ヴァレンタインズ・デイ)
公開日 2024年2月14日