【コラム】NHKスペシャル『まちづくりの未来 〜人口減少時代の再開発は〜』を見ました(Part2)

コラム

こんにちは。鈴木雄高です。本稿には前編にあたるPart1が存在します。

【コラム】NHKスペシャル『まちづくりの未来 〜人口減少時代の再開発は〜』を見ました(Part1)
https://fs-ichikawa.org/city_planning_in_the_future_20240123/

本稿、Part2では、番組の後半で紹介された「下北沢しもきたざわ」と「紫波町しわちょう(岩手県)」の取り組みを紹介します。いずれも大変興味深い内容ですよ。

そうそう、読むのって面倒♪と言っちゃうような人には、じゃ、リッスンしてホシーノ♪とお願いしちゃうゾ♪(珍奇な文体)

この記事を読む前に、あるいは読んだ後で、一部の人に(だけ)人気があると言われる、(市川市を代表する)ポッドキャスト番組(と言わざるを得ないのが現状)、『!ka !ch!kawa(イカ市川)』をリッスンすることをおすすめします。

参考:冒頭の画像は、当番組で秋葉原に170mのビルが建設される計画があるという話題を伝えていた場面の画面キャプチャを引用、加工したものです。

東京・下北沢

  • 再開発反対派が多かったので、開発事業者は地域の人々と200回以上も議論を重ねた。
  • 再開発によって誕生した「ボーナストラック」は、1店舗面積を狭くし賃料を抑えた。
  • 地域から要望のあった、個人のチャレンジを支えるという要素を持たせた。
  • シモキタ園藝部は、3年前から開発されたまちで主体的に緑を育てている。こうした活動を通じて住民にとってまちづくりが自分事になる。

鈴木雄高コメント:
上で紹介した『!ka !ch!kawa』で語っていますが、通常、施設の持ち主は、そこに入居するテナントの数が多いと、管理の手間が増えますし、なるべくなら広い場所を貸して、高い賃料をいただきたいと考えるのではないでしょうか。
下北沢「ボーナストラック」では、あえて1区画を狭くしたところがユニークですね。しかし、そうしようと決めるまでには、(たぶん)焦らずじっくりと地域の人たちと話を聞きまくっています。

岩手県紫波町

  • 紫波町しわちょうは全国から注目されている。
  • 地方でありながら年間100万人が来訪。
  • 最初にサッカーグラウンドを整備。岩手県サッカー協会と20年契約を結び、練習や試合で年間6万人が利用する施設をつくった。
  • サッカーグラウンドに続いて、図書館、役場といった「普遍的集客装置」の建設が決まってから、テナントを誘致した。
  • 入居したい店舗などの予算や将来展望を踏まえ、希望になるべく沿うようにした(例:予算を抑えるために天井の配管はむき出しのまま)。
  • 紫波町では施設の建設のあとで分譲住宅をつくると、過疎化が進行していたエリアであるにも関わらず、地価は3割上昇。

鈴木雄高コメント:
まちづくりを行う際、その手順が重要だということを思い知る事例ですね。市川市とはだいぶ事情がことなりますが、流行りや廃りがなく、安定的に人を吸引する(常に一定の来訪者数を計算できる)施設、「普遍的集客装置」を、市川市内のどこにどのように(再)配置するかを考える機会はあると思うので、その時は、紫波町がどのような手順を踏んだかを調査し、参考にできることは参考にすると良いかもしれませんね。

スタジオの有識者のコメント

平田オリザ氏(劇作家、演出家など)

  • まちづくりにおける多様性といった場合、色々な人が多様な考えを持っているので、下北沢のように時間をかけてまちづくりをしていく必要がある。
  • 若者がチャレンジする時に、中高年男性(例:鈴木雄高)がその邪魔をしないことが肝要。

中空麻奈氏(証券アナリスト)

  • 時間軸にフォーカスすることが重要。
  • 短期的な視野と長期的な視野は接合的ではないこともあり、長期的な視野は欠かせない。
  • 日本の色々な問題には、高度経済成長期の視点に合ってしまっていることがある(例:市街地再開発事業は1969 年に制定された都市再開発法に基づく都市計画事業)。

鈴木雄高コメント:
中空氏が言っているように、高度経済成長期の日本社会にフィットする法律に今も従わねばならないのは、ナンセンスだと思うのですが、どうでしょうか。そう思うのは私が無知だからでしょうか。

おわりに(謝辞)

機会があれば、番組を是非ウォッチしてください。

Gyo-logの管理人、ワタナベナオヒトさんが、Xこと旧Twitterで、NHKスペシャル『まちづくりの未来 〜人口減少時代の再開発は〜』が放送されることを小声で呟いていたのをキャッチした私は、普段はテレビ番組をほとんど見ないのですが、この番組は是非見たいと思い、無事、見ることができました。ワタナベさん、ありがとうございました。

ちなみに、ワタナベさんには、2024年1月27日(土)の『第28回いちカイギ~OLD is NEW~』にご登壇いただきます。行徳の古い趣ある道を、どのように整備すれば、多くの人にその景観の素晴らしさが伝わるか、ということなどをお話しいただきます。また、発揮しきれていない(埋もれている)ものの、見え隠れしている行徳の魅力を引き出して、市川市内外の人に伝えることについても語っていただけるかもしれません。

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執筆日 2024年1月23日
公開日 2024年1月24日