【コラム】「スポーツの日」には慣れましたか?

コラム

祝日、正式には、国民の祝日ですが、これは1年間に何日あるんでしたっけ?

知っていますか?知っている人がいたら教えてください。

あ、今、誰かが教えてくれました。目の前にいるのだから、直接教えていただければ良かったのですが、スマホへのメッセージで教えてくれました。何はともあれ、ありがとうございます。

こう書いてあります。

国民の祝日は1年間に16日あります。

――と。

本当かどうかは、これを見て確認してください。数えてくださいよ、ちゃんと。

出所:「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号)を元に作成。

16ある祝日のうち、9日までが5月までに集中しており、上半期最終月の6月には祝日がありません。祝われていない6月。12月も祝日はありませんが、クリスマスがありますから、祝われている月というイメージがあります。

さて、本稿の公開日である、2023年9月29日(金)から最も近い将来にやってくる祝日は、10月の第2月曜日、すなわち、2023年10月9日(月)の「スポーツの日」です。

もう慣れましたか?「スポーツの日」という名称に。以前は「体育の日」でしたよね。何がどう変わったのでしょうか。そもそも「体育の日」って何なんw・・・とお思いかもしれません。お思いではないかもしれません。

内閣府Webサイト「各『国民の祝日』について」https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou/kaku.htmlの2023年9月28日現在の情報を元に、ざっとまとめてみました。ざっと。ザット。Zat。That。

「体育の日」から「スポーツの日」へ

  • 昭和41年(1966年)の「国民の祝日に関する法律」の改正により「体育の日」が設けられる
    • 「体育の日」は当初10月10日だった。以下の理由による
      • 昭和36年(1961年)に制定されたスポーツ振興法において10月第1土曜日が「スポーツの日」とされていたこと
      • 昭和39年(1964年)に東京オリンピックの閉会式が行われた日が10月10日だったこと
  • 平成10年(1998年)の法改正により、「体育の日」は平成12年(2000年)から「10月第2月曜日」となった
    • 連休化により余暇活動の充実化を図り、ゆとりある国民生活を実現するための日程変更
  • 平成30年(2018年)の法改正により、令和2年(2020年)から、「体育の日」が「スポーツの日」に名称変更となる
    • 趣旨は、「体育の日」の「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」から、「スポーツの日」では「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」に変更された

「体育の日」の趣旨に、スポーツに「したしみ」とありますが、これが「スポーツの日」では、「楽しみ」になっています。そもそもスポーツというものが持つ大きな魅力である、プレイしたり見ることで、楽しさを感じること、楽しい気持ちになれることが、趣旨に明記されました。

また、「体育の日」の趣旨が、あくまでも自分自身という主体の健康な身体と精神を育むことにあるのに対し、「スポーツの日」のそれには、他者という客体をリスペクトすることや、自分と他人が構成する、この社会の活力増進を願うことが謳われています。

私たち個々人が、というよりも、例えば地方公共団体(市川市など)が、イヴェントの開催などを通じて、「スポーツの日」の趣旨にあるようなことを達成してほしい、という願いが込められています。

実際、「スポーツ基本法」では、「スポーツの日」に国、地方公共団体は、人々が広くスポーツについての関心と理解を深め、積極的にスポーツを行う意欲を高揚するような行事を実施するよう努めることなどが定められています。

そんなわけで、市川市でも、2023年の「スポーツの日」である10月9日(月)には、「第6回 いちかわスポーツフェスタ」が開催されるというわけです。ちなみに、冒頭の画像は、昨年(2022年)行われた「いちかわスポーツフェスタ」の様子を捉えた数枚の写真です。

市川市公式Webサイト
第6回 いちかわスポーツフェスタ(2023年10月9日開催)
https://www.city.ichikawa.lg.jp/pub06/0000410401.html
※詳しくは&具体的なことは↑のWebページで確認してください。

■開催日時:
2023年10月9日(月・祝)10:00~16:00(開会式 9:30~)

■開催場所:
J:COM北市川スポーツパーク(市川市柏井町4丁目277番地1)

■内容:
プロチームやトップアスリートによる講習会・体験会(事前予約が必要なものあり)

■講習会・体験会
・走る!-誰でも足が速くなる!スイッチマン体操教室ー:青山剛さん(プロランニングコーチ、元トライアスロン日本代表)
・テニス:近藤大生さん(全日本選手権 ダブルス優勝3回、元デ杯日本代表)、藤原里華さん(ダブルス世界ランキング最高13位、全日本選手権 シングルス優勝2回、ダブルス優勝4回)
・ソフトテニス:高川経生さん(全日本選手権大会優勝9回、日本リーグ優勝12回、国民体育大会優勝7回、世界選手権大会国別対抗優勝2回)
・キッズ・エンジョイ・ベースボール:千葉ロッテマリーンズ(武藤一邦さん、山口剛さん、遊佐華好さん)
・バスケットボール体験:千葉ジェッツ(千葉ジェッツアカデミーコーチ)
・ウォーキングサッカー・サッカークリニック:佐藤勇人さん(元Jリーガー 元日本代表)

■スポーツ体験会
・フラッグフットボール体験:ブルーサンダース
・フリースローチャレンジ:千葉ジェッツ
・健康太極拳、アルファビクス
・ペタンク、グラウンドゴルフ

■その他
・フライングディスク
・モルック
・ふわふわ遊具

――この他、AKB48のメンバー(平田侑希さん、正鋳真優さん、水島美結さん)のステージや、飲食、物販もあり、楽しく過ごせそうなイヴェントになっています。

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ところで、スポーツとはそもそも何なのか?という話ですが、「スポーツとは何か」とWeb検索すれば、大体こんな感じのことが書かれた記事に行き当たると思います。

  • 英語「Sport」(スポーツ)は、19~20世紀にかけて世界で一般化した言葉
  • 「Sports」の由来はラテン語「deportare」(デポルターレ)だとされている
  • 「deportare」は「運び去る、運搬する」を意味し、転じて、精神的な次元の移動・転換となった
  • さらに、「義務からの気分転換、元気の回復」、「仕事や家事のような日々の生活から離れる」、「気晴らしや遊び、楽しみ、休養」を指すようになった
  • というわけで、「気晴らしや遊び」などが、スポーツの本質といえる

スポーツ庁のWebサイトには、スポーツは、〈人生を楽しく、健康的で生き生きとしたものにするために、〉楽しめばよいのだ、と書かれています。また、〈誰もが自由に身体を動かし、自由に観戦し、楽しめるものであるべきなのです。〉とも。
出所:スポーツ庁Web広報マガジンDEPORTARE(デポルターレ)「スポーツ庁が考える『スポーツ』とは?Deportareの意味すること」(2018年3月15日)https://sports.go.jp/special/policy/meaning-of-sport-and-deportare.html、2023年9月28日閲覧

スポーツというものは、そもそもが「気晴らし」であり「遊び」なのだ、「楽しいもの」なのだ、ということですね。

しかし、学校の「体育」の授業は、自由に身体を動かして楽しむものというよりは、教師のホイッスルにあわせて統制の取れた動きをすることや、体育座りと呼ばれる身体が痛む座り方を強いられるなど、本来は楽しい「スポーツ」から「楽しさ」成分がどんどん削がれていくような減らすようなものでした。「運動会」や「体育祭」では軍隊の行進を思わせる、入場行進を何度も練習させられました。嗚呼ッ!最悪な思い出が蘇ってきました。

自分が体験した「体育」の授業におけるキツさは、日本にスポーツが輸入されてきた時代背景が影響しているようです。

スポーツが日本に“輸入”されるのは、主として明治時代初期であった。ただ、確かに身体を使う活動、競技的な要素はしっかり導入されたのだが、第一義の「遊び」の要素は切り捨てられたといっても過言ではない。

当時、戊辰戦争を経て武士の世を倒した文明開化の日本は、欧米列強と肩を並べるべく近代国家建設に邁進していた。殖産興業、富国強兵を“スローガン”に掲げて、欧米にならい、肩をならべていくことを夢見た。まさに『坂の上の雲』の世界である。

輸入されたスポーツは「楽しむ」よりも、「身体を鍛える」ことが主眼となった。人材育成のための明治の三育、すなわち「知育」「徳育」、そして「体育」である。スポーツは体育となり、軍隊と学校を揺りかごとして浸透、成長していくのである。

出所:笹川スポーツ財団「1. スポーツとは何か【スポーツの歴史を知る スポーツとは】」(2018年1月10日)https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/history/sports/01.html、2023年9月28日閲覧(太字は筆者)

ひぇ~~‥‥。

たまに、日本人は(スポーツに限らず、生活の色々なことを)楽しむことが得意ではない、という言説を耳目にします。日本人という大きな主語で語るなんてバイアスにもほどがあると思いますが、しかし、例えばスポーツを楽しめない人が多いのだとすると、それは、楽しめないというよりも、積極的に、楽しむことから遠く離れようとしてきたことが影を引きずっているのではないかと思います。

スポーツの秋、エンジョイしましょう!仮にキツかったとしても、それをも楽しんじゃいましょう!

辛いときが成長する時だよ!Let’s enjoy!

出所:『バチェロレッテ』における福田萌子さんの発言

先程、『第6回 いちかわスポーツフェスタ』で、フラッグフットボールを体験できると書きましたが、フラッグフットボールについては、こちらの記事で言及しています。ちなみに、フラッグフットボールは、市川市をホームタウンとするアメリカンフットボールチームの「ブルーサンダース」がサポートしてくれるようです。

先程、話の流れでバイアスという語が登場しましたが、バイアスについて色々と綴った記事もあります。

体育とスポーツについて綴った記事もあります。

私は、11月には江戸川河川敷で開催されるマラソン大会(10㎞部門)に出場します。また、数日後には、東京都内某所でナイトランの大会(約10㎞)に出場します。スポーツといえば、この夏、市民プールで50mプールを何往復もしたことは良い経験になりました。

釣りもスポーツだと言いますし、オフィスビルの階段を何十階も上ることだって楽しんじゃえば、それはもうスポーツ。

何だか、久しぶりにフットベース(フットベースボール、キックベースボール、キックベース)をプレイしたくなりました。

それでは、また。ごきげんよう。See Ya !

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執筆日 2023年9月28日
公開日 2023年9月29日