【コラム】市川市の人口減少と高齢化(他市との比較)

コラム

公開日 2023年1月25日

2022年の8月3日に公開したコラムに、次のようなことを書きました。

2020年の6月に498,069人という最高値(ピーク)に達しましたが、2020年の10月に顕著な人口減少が生じていることがわかります。図中には数値をほとんど記載していませんが、元データを確認すると、2020年7月から、2021年3月まで、前月比で減少を続け、2021年4月、5月は前月比で増加を記録したものの、同年6月から12月までは、またしても前月比で減少を続けています。

このことから、市川市の人口は、ゆるやかな減少局面に入ったということができます。

出所:特定非営利活動法人フリースタイル市川公式Webサイト、「【コラム】人口と世帯からみる市川市の姿」(2022年8月3日)、https://fs-ichikawa.org/pp_hh_20220803/、2023年1月22日閲覧

市川市の人口は順調に増加してきましたが、2020年6月に498,069人に達してからは、この人数を超えることができずにいます。上のコラムでは「ゆるやかな減少局面に入った」と書いていますが、2022年の4月に人口が増加しています。ただし、増加基調にあるわけではなく、増えたり減ったり、一進一退という感じです。

ちなみに、上で引用した箇所に、2022年10月に顕著な人口減少があったとありますが、これは、2022年10月に実施された国勢調査の結果が反映されたから、ということによります。

市川市の、というか、各自治体の毎月の人口は、以下の2つの方法で把握できます。

  • 住民基本台帳
  • 5年に1度の国勢調査のデータを基に各月の人口の変化を反映したもの

前者は住民票の登録人数なので、実際にその自治体に住んでいる人数とは乖離がある場合もあります。後者は、5年に1度実施されている悉皆しっかい調査、「国勢こくせい調査」で把握した、その場所に住んでいる人数をもとに、各自治体の毎月の人口の増減を反映させたものです。こちらの方が実態に近い数値といえます。

この、国勢調査データをベースにした各月の自治体人口をみていくと、その自治体の人口が増加傾向にあるか、減少しているのか、増えたり減ったりしている状況が続いているのか、といったことがわかります。

では、市川市の毎月の人口の推移を確認してみましょう。

出所:千葉県毎月常住人口調査のデータ(https://www.pref.chiba.lg.jp/toukei/toukeidata/joujuu/index.html)を用いて作成

2020年、2021年、2022年と、3年連続で4月に人口が増えています。これは、4月からの新年度スタートに合わせて、市川市に引っ越してきた人が多いことをうかがわせます。市川市がベッドタウンであること、市内に複数の大学があることから、3月中に市川市に転入する人が多いのでしょう。

グラフの中で2020年6月だけ色を変えていますが、上述の通り、この月が今までのところ市川市史上最多の人口でした。人口50万人を目前にして、到達できていない市川市。それは松戸市も同じです。2市の人口争いのデッドヒートについては、こちらのコラムで言及しています。

ところで、冒頭の画像は、2015年の国勢調査で把握された市川市の人口に基づいて、国立人口問題社会保障研究所が将来人口を予測したものです。2020年の国勢調査よりも前のデータがベースになった予測ですが、現時点(2023年1月)では、これが将来人口推計値としては最新のものです。

この推計値から、5年間での人口の増減を確認すると、

2015年
↓  +4,120
2020年
↓ +577
2025年
↓ ▲1,943
2030年
↓ ▲4,561
2035年
↓ ▲6,179
2040年
↓ ▲7,407
2045年

となっています(▲は「マイナス」の意味)。2025年をピークに、どんどん人口が減っていく見込みで、その減少幅は大きくなっていくと予測されています。

2015年の市川市の人口を100として、その後、5年毎の推計人口を指数化してグラフにしてみました。ついでに比較のため、千葉県(全体)、近隣の船橋市、松戸市、浦安市、そして、若年層の流入が続く流山市についても同じように指数化し、グラフを重ねてみます。

出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧

まず、流山市の人口が増加を続けていくという予測になっていることがわかりますが、同時に、それが特異なことだということもわかります。最近発売された新書のタイトルを借りて、「流山がすごい」と叫びたくなります(「流山がすごい」は大西康之さんの著作です)。

とはいえ、この推計によると、流山市でさえも、人口の増加率は逓減していくということになっています。

それでも、日本全体で人口が減少局面にあり、千葉県全体でみても、2015年比の人口は、2045年時点で87.8と1割以上減ると予測されていることをかんがみると、「異次元の人口増加」※1と言い出す人がいてもおかしくない程の人口の伸びではあります。

浦安市、市川市、船橋市の3市は、いずれも(5年毎の推計では)2025年まで人口が増加し、2030年以降は減少するということになっています。浦安市は減少度合いがゆるやかで、2045年の人口が2015年とほぼ同水準という予測ですね。

市川市(オレンジ)と船橋市(グレー)の人口の増減は、2030年までは船橋の方が上に膨らんだカーブで、2035年から2045年まではほぼ同じ動きになっています。両市とも、2045年の人口が、2015年比で3%ほどしか減少しません。

* * * * *

続いて、市川市及び他市の、人口に占める、年少人口(15歳未満=14歳以下)、生産年齢人口(15以上64歳以下=15歳以上65歳未満)、老年人口(65歳以上)の割合が、今後どのように推移していくか、予測をみます。今、老年人口と書きましたが、これを、厚労省などがいう、前期高齢者(65歳以上74歳以下)と、後期高齢者(75歳以上)にわけ、それぞれの人口割合をみることにします。先ほどと同じく、2015年の国勢調査のデータを基に、国立社会保障人口問題研究所が推計した数値を用いて、グラフを作成しています。

まず、千葉県全体の年代別人口割合がどのように推移していくかを確認しましょう。

出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧

千葉県全体でみると、2015年時点では人口の1割強だった75歳以上が、30年後の2045年には、2割強になっている、という予測です。65~74歳の人口割合はほとんど変わらないので、「高齢者(65歳以上)の割合が高まる」とは言えますが、その実態は「後期高齢者(75歳以上)の割合が高まる」ということなのですね。その分、「15歳以上65歳未満」の割合が下がっていきます。

次に市川市をみてみます。

出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧

2015年時点の年代別人口割合をみると、「15歳以上65歳未満」の割合が高く、千葉県全体の61.8%を3.2ポイント上回っています。この65.0%という割合は、浦安市よりは低いですが、船橋市、松戸市、流山市を上回っています。市川市は相対的に若い世代の割合が多い自治体だ、と言えると思います。

しかし、徐々に高齢者の割合が高くなり、2045年に「15歳以上65歳未満」の割合は千葉県全体より1.3ポイント高いだけになります。

そして、2045年、「65歳以上75歳未満」の割合は千葉県を超え、「75歳以上」の割合は千葉県に肉薄します。「65歳以上」の高齢者人口の割合は、千葉県を超えます(市川市は36.6%で千葉県は36.4%)!というわけで、市川市でも高齢者の存在感が大きくなっていくことが、この推計から見て取れます。ちなみに、人口減少カーブが船橋市と非常に近い市川市ですが、2015年時点では船橋市を上回っていた「15歳以上65歳未満」の割合は、2045年時点では逆転を許すことになりそうです。

以下、比較対象の各自治体の年代別人口割合の推移グラフを掲載します。興味のある市の予測値をご確認ください。

出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧
出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧
出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧
出所:千葉県公式Webサイト、「(健康情報ナビ)健康寿命ほか、健康施策の推進をサポートする各種統計情報」掲載データより作成、https://www.pref.chiba.lg.jp/kenzu/seikatsushuukan/kennkoujyouhounabi.html、2023年1月22日閲覧

というわけで、2015年の国勢調査のデータを基に将来の人口を推計したものを色々とみてみました。市川市の人口は2025年から2030年の間に減少局面に入るだろう、というのが、2015年までのデータを基にした予測です。2020年からコロナ禍になったことで、人口の流入、流出にも影響があるでしょうから、この予測がそのまま未来予想図※2になるわけではないとは思いますが、将来の「まちづくり」を考える上で参考になる、参考にすべき資料の1つであることは間違いありません。

* * * * *

市川市というのは、人口や世帯のデータをみていると、かなり特徴が際立っている自治体だということがわかります。

このコラムで確認していますが、とにかく一人暮らしの世帯割合が高いのです(単身世帯、あるいは単独世帯と呼ばれる世帯の割合が45%!)

また、外国人が多く住んでいる自治体でもあります。

 市川市は、市民の約30人に1人、17,621人もの外国人住民が暮らしており、国籍数も106か国・地域という多文化で国際的な都市です(令和4年11月末現在)。出入国管理庁によると、外国人の人口が全国で20番目となっています(令和3年6月現在)。
 国際都市・市川市では、言語・文化・習慣の違いを互いに寛容し、すべての市民が地域社会の一員として共に生きていく「多文化共生社会」となることを目指し、様々な取り組みを行っています。

出所:市川市公式Webサイト、「多文化共生推進事業『世界の食卓から』」、https://www.city.ichikawa.lg.jp/pla05/0000391892.html、2023年1月22日閲覧

先日(2023年1月20日、金曜日)、妙典のgate.で開催された、夜の公共圏「スナックえみり」で初めて会った人と話をしていた時に、行徳のモスクに行ってみると良いですよ、という話を聴きました。是非、行ってみたいと思います。また、その方から、以前、市川市とNPOか何かの団体が共同で、外国籍の方々と日本人が一緒に中山地区で街中に飾られる雛人形を見て歩くイヴェントを開催していたことがありて、非常に良いものだったけれど、それが今は行われていないことが残念だ、という話を聴きました。

生活している地域に根付いた伝統的なお祭りを、外国の方はもちろん、日本人であっても、知りたい、体験したいと思う人は多いと思うので、上記のひな祭りや、夏祭り、盆踊り、お神輿、花火大会などを、紹介するような参加型のイヴェントを企画できやしないだろうか、と、スナックえみりで語らいながら思ったのでした。

今後、第3金曜日に妙典のgate.で開催されることになりそうな「スナックえみり」、普段出会うことがない人同士が偶然めぐり逢い、語り合う、とても面白い場で、私にとってはサードプレイスになっています。気になる人はSNSなどで開催日時などをチェックしてみてください。

スナックえみり
公式インスタグラム

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〈脚注〉

※1:異次元の、というフレイズは、先日、岸田文雄内閣総理大臣が、2023年の年頭記者会見の中で放った次の発言の中で使用され、注目されました。

特に、2つの課題、第1に、日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する。第2に、異次元の少子化対策に挑戦する。そんな年にしたいと考えています。

首相官邸公式Webサイト、「岸田内閣総理大臣年頭記者会見」(2023年1月4日)、https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0104nentou.html、2023年1月22日閲覧(太字は筆者)

※2:「未来予想図」はドリームズ・カム・トゥルーの曲で、「未来予想図Ⅱ」も存在します。というよりも、発表されたのは「Ⅱ」が先で、知名度も「Ⅱ」が高いです。圧倒的な映像がYouTubeで公開されているので、それを紹介します。

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