公開日 2023年1月20日
14日ぶり22回目となる、「フードバンクにゅ~す」です。なお、冒頭の画像は、皆様から「いちかわフードバンクbyフリスタ」に寄贈していただいた食品の一部です。いつも、温かなご支援、本当にありがとうございます。
ところで、先日、改めてフードバンク関連用語を取りまとめて1本の記事にしました。
- フードバンク
- フードドライブ
- フードパントリー
- フードロス
といった言葉の意味を確認したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
それでは、今日の「フードバンクにゅ~す」です。
- 「函館のNPOが『循環』フードバンク 失業者に農園の野菜→就職後に収穫協力を 事業化に向けCF」(2023年1月11日)
- 岩手県「住民の寄付で一人親世帯に食料や衣料品提供 宮古」(2023年1月10日)
- 「規格外でもおいしいから!野菜を廃棄せず困窮家庭の支援に 卸売市場経由の配送を考案 世田谷『ネッスー』」(2023年1月8日)
- 北海道「生活困窮者・在留外国人への『食料支援・生活相談会』を1月24日に(一社)フードバンクセンターにて開催〜食品詰め放題イベントも実施〜」(2023年1月19日)
- 「フードバンク 支援要請増加も 電気代の値上がりなど運営に影響」(2023年1月12日)
- 群馬県高崎市「ひとり親家庭に学用品渡す『制服バンク』高崎の団体が取り組み」(2023年1月16日)
- 八王子市「医療ケア児へ『こども食堂』 市内で開催 9組参加」
「函館のNPOが『循環』フードバンク 失業者に農園の野菜→就職後に収穫協力を 事業化に向けCF」(2023年1月11日)
障害者の就労支援に取り組む函館市のNPO法人セラピア(平田聡理事長)は今春から、生活困窮者らに無料で食料品などを配布するフードバンク事業を始める。新型コロナウイルスの影響などで職を失った人を対象に同法人の農園で収穫した野菜を提供。その代わりに就職が決まった後には農園の作業を手伝ってもらうなど「循環型」の事業を目指す。生産量を増やすため、同法人はトラクターを導入する計画でクラウドファンディング(CF)で購入費を募っている。
出所:北海道新聞デジタル、「函館のNPOが『循環』」フードバンク 失業者に農園の野菜→就職後に収穫協力を 事業化に向けCF」(2023年1月11日)、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/785786、2023年1月11日閲覧
フードバンクを通じて食品を提供した人が、就職した後に、農園作業を手伝ってもらう、という、未来にまでつながっていく関係が築かれる仕組みが面白いですね。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」が行っているフードパントリーの利用者さんにも、「いつか恩返しがしたい」と言ってくれている人がいます。とてもうれしいことですね。
今、自分が安定的である、あるいは不安定であるとして、その立場が今後もずっと続いていくとは限りません。たまたま今の自分は~~である、だから、今はできることをやる、いつか・・・になったら、その時には、やりたいことをやる、そんなスタンスでいられたら良いなと思っています。
岩手県「住民の寄付で一人親世帯に食料や衣料品提供 宮古」(2023年1月10日)
一人親世帯の生活を地域で支援しようと、宮古市で9日、住民がお金を出し合って食事や衣料品などを提供する取り組みが行われました。
この取り組みは宮古市の住民などでつくる「ひとり親を応援する会」が9日、市内で行いました。
地域の一人親世帯に支援が必要か聞いたうえで、要望のあった11世帯・33人分向けに▽ホタテの炊き込みご飯と▽ラーメン、▽それにギョーザを人数分、用意しました。
用意した食事は新型コロナの感染防止対策からその場では食べずに容器に入れて持ち帰ってもらい、申し込んだ人たちが受け取っていました。
「応援する会」では、こうした取り組みのため住民に寄付を呼びかけているほか、家庭で余っている食品などを持ち寄ってもらうフードバンクを、毎月開いているということです。
会場にはフードバンクで集めた乾麺などの食品や子ども服なども用意され、必要な人たちが持ち帰っていました。
子ども2人を働きながら育てているという30代の母親は「子どもが冬休み中で連日の食事の準備は大変なのですごく助かります。きょうは子どもたちも一緒に来て楽しんでくれたのでよかったです」と話していました。
「ひとり親を応援する会」の事務局長を務める大森桂子さんは「一人親の方ははっきりとは言いませんが、困っている方もいますので支援を続けていきたい」と話していました。
出所:NHK NEWS WEB (岩手 NEWS WEB)、「住民の寄付で一人親世帯に食料や衣料品提供 宮古」(2023年1月10日)、https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20230110/6040016490.html、2023年1月12日閲覧
この会に参加した親子の、お子さんが、会を楽しんでいた様子が語られていますね。こういう会ができたら良いですよね。
昨年6月に開催した「第1回フードバンクシンポジウム」で、ある子ども食堂の運営者の方が、コロナ禍で食堂形式から、お弁当を手渡しして持ち帰ってもらうやり方に変更した時に、並んでいる利用者さんに次々と弁当を渡すことになり、ゆっくり食べながら喋って交流する楽しい時間を持てなくなる、交流の場は貴重だったということを改めて認識した、と言っていました。
参加する人たちが楽しい気持ちになれる、福祉的な意味合いがある場だとしても、そんな場づくりができたらよいと思います。
関連記事:フードバンクシンポジウムの開催レポート
続いて、2022年12月23日の「フードバンクにゅ~す」で紹介した「ネッスー」に関する新しい記事を紹介しました。
「規格外でもおいしいから!野菜を廃棄せず困窮家庭の支援に 卸売市場経由の配送を考案 世田谷『ネッスー』」(2023年1月8日)
大きさや形が規格から外れて廃棄される大量の野菜を、困窮家庭への支援につなげようと、東京都世田谷区の小さな会社が、卸売市場を中継拠点にした配送システムを考案した。市場では行き場がないが、困窮者支援現場でニーズが高い野菜を生かす取り組み。昨年12月、神奈川県三浦市の農協や世田谷区内の都中央卸売市場と連携して都内で実証実験に着手し、結果は上々。今年春に本格運用する。
考案したのはフードバンク事業の準備を進める「ネッスー」で、昨年6月に設立された。経営戦略コンサル会社勤務や子育て支援団体スタッフなどを経験してきた木戸優起さん(37)が代表を務める。これまで農家が廃棄野菜を寄付したくても、各地の支援団体と接点がない上、運搬経費や冷蔵保管場所が難題となっていることに目を付けた。
システムは農家に廃棄野菜が出ると、通常の出荷品と同じトラックに乗せて、各地の卸売市場に配送。卸売市場内で保管してもらう。ネッスーは専用アプリを通じて各地の支援団体の必要量を調べた上で、ネッスーのトラックで市場で野菜を引き取り、支援団体に配る。廃棄野菜を途中まで通常の物流ルートに乗せることで、大幅に時間や経費が削減される仕組みだ。
(中略)
三浦市の農家出口剛さんは「天候などの影響で栄養に問題ないが、規格に合わない野菜が出る。人助けにつなげられれば生産者としてうれしい」と話した。
食料配布や子ども食堂など困窮者支援現場で、生鮮食品は貴重だ。世田谷区で子ども食堂を運営するNPO法人「ら・ら・ら」の森田清子理事長は実証実験に参加後、「現在寄付金や支援金をもらっているが、野菜は高くて、十分に買えない。この取り組みが広がると、とても助かる」と期待した。
出所:東京新聞公式Webサイト、「規格外でもおいしいから!野菜を廃棄せず困窮家庭の支援に 卸売市場経由の配送を考案 世田谷『ネッスー』」(2023年1月8日)、https://www.tokyo-np.co.jp/article/224233、2023年1月12日閲覧
北海道「生活困窮者・在留外国人への『食料支援・生活相談会』を1月24日に(一社)フードバンクセンターにて開催〜食品詰め放題イベントも実施〜」(2023年1月19日)
冬の寒さが一層厳しくなりました。
FUTUREFLIGHTグループ一般社団法人フードバンクセンター(本社:北海道札幌市、代表理事:釜澤剛璽)は、事情を抱えた子ども、難病をもつ障がい者、仕事のない出所者、シングルマザーを主に対象とした「食料支援・生活相談会」を2023年1月24日(火)に開催いたします。
地元に暮らす日本人のみならず、外国人に対しても同様の支援を開始します。
【URL】https://foodbankcenter.info/
出所:PR TIMES(一般社団法人 フードバンクセンター プレスリリース)、「生活困窮者・在留外国人への『食料支援・生活相談会』を1月24日に(一社)フードバンクセンターにて開催〜食品詰め放題イベントも実施〜」(2023年1月19日)、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000111380.html、2023年1月19日閲覧
市川市には現在106か国の国籍の人が住んでいるそうです。中には困窮している人もいることでしょう。頼れる仲間がいなくて孤立していたり、困っている人は少なくないのではないでしょうか。私たち、「いちかわフードバンクbyフリスタ」は、国籍などの属性に関わらず、地域でお困りの方のサポートをしていきたいと思います。
「フードバンク 支援要請増加も 電気代の値上がりなど運営に影響」(2023年1月12日)
物価高の影響が続く中、NHKが困窮家庭などに食料支援を行う20のフードバンクに取材したところ、16の団体で支援の要請が増加している一方で、12の団体で、電気代の値上がりなどが運営に影響を及ぼしていることがわかりました。
全国フードバンク推進協議会は「支援に必要なランニングコストをどう負担していくのか、多くの団体が頭を悩ませている」と話しています。
フードバンクは、生活が困窮する家庭などに食料支援を行う団体で、NHKは全国フードバンク推進協議会に加盟する関東と近畿の20の団体に取材しました。
その結果、16の団体で物価高の影響が深刻化した去年1年間は、前の年に比べ支援の要請が増加していました。
このうち奈良県のフードバンクは、先月の支援先は、前の年よりも200世帯増えて950世帯にのぼり、特に新型コロナの影響で仕事が減ったシングルマザーの女性から、物価高で生活が苦しいという声が多く聞かれるということです。
また、半分以上の12の団体が、電気代やガソリン代などの値上がりで、支援物資の運搬や管理の費用がかさみ運営を圧迫していると答えました。
このうち神奈川県のフードバンクは、食品を保管する冷蔵庫などで、夏場は電気代が2倍近くに上がったため、現在は事務所でエアコンを入れずに活動しているということです。
和歌山県のフードバンクは、冷蔵庫の利用などで電気代が月に5万円ほど高くなったほか、物資を配るためのガソリン代も値上がりし、ボランティアの持ち出しで賄う費用が増えているということです。
出所:NHK NEWS WEB、「フードバンク 支援要請増加も 電気代の値上がりなど運営に影響」(2023年1月12日)、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230112/k10013947751000.html、2023年1月19日閲覧
群馬県高崎市「ひとり親家庭に学用品渡す『制服バンク』高崎の団体が取り組み」(2023年1月16日)
物価高などの影響で生活の厳しさが増すなか、制服やランドセルなどの学用品の寄付を募り、購入が困難なひとり親家庭などに渡す「制服バンク」という取り組みを群馬県高崎市の団体が進めています。
「制服バンク」の取り組みは、群馬県高崎市で、生活が苦しい人たちに食品を配ったり、子ども食堂を運営したりしている民間の団体の「フードバンクM・高崎」が5年前から行っています。
卒業生やその家族から、制服やランドセルなどの学用品の寄付を募り、購入が難しいひとり親家庭などに提供しています。
現在、群馬県内にあるおよそ50の中学校と高校の制服などあわせて200点と、ランドセル20個が集まっていますが、「フードバンク」に比べて「制服バンク」の認知度は低いのが現状だということです。
寄付は、制服は群馬県内に限り、ランドセルは全国から受け付けているということで、問い合わせは団体の電話番号、0274−42−0111です。
物価高などの影響で生活の厳しさが増すなかで「フードバンクM・高崎」の丸茂ひろみさんは「学用品の購入は3月に集中して10万円以上がかかり、支払いが厳しいという声をよく聞いています。自分の生活が本当に厳しい時には、ぜひ声を上げてもらえれば」と話していました。
出所:NHK NEWS WEB 群馬NEWS WEB、「ひとり親家庭に学用品渡す『制服バンク』高崎の団体が取り組み」(2023年1月16日)、https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20230116/1060013660.html、2023年1月19日閲覧
制服の寄付はまだあまり知られていないとのことですね。アメリカでは色々なものの寄付(drive)がかなり昔から盛んだと言います。
- Food Drive(余った食品の寄付)
- Uniform Drive(着なくなった制服の寄付)
- Clothing Drive(衣類の寄付)
- Paper Drive(古紙回収)
- Book Drive(本の寄付)
- Toy Drive(おもちゃの寄付)
- Blood Drive(献血)
情報出所:Yahoo!ニュース、井出留美「フードドライブって何?家庭の食品ロスを減らして必要な人へ繋ぐ、低コストで出来る『地産地消』の社会貢献」(2018年8月1日)、https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20180801-00091288、2022年9月19日閲覧
八王子市「医療ケア児へ『こども食堂』 市内で開催 9組参加」
日常的に医療的ケアが必要な子どもたちや、その家族を対象にした「こども食堂」が昨年12月、八王子オクトーレ9階の空きテナントで行われた。主催は南多摩病院などを運営する医療法人社団永生会、フードバンク八王子が協力。
医療的ケア児は一般的な外食が難しい点から、同法人が企画。当日は9組の家族が参加した。「家族と同じ食事を食べる」というコンセプトで、保護者と同じメニュー内容の食事が流動食でふるまわれた。
今回はトライアル(試行)開催のため、次回開催などは未定。
出所:タウンニュース八王子版、「医療ケア児へ『こども食堂』 市内で開催 9組参加」(2023年1月5日)、https://www.townnews.co.jp/0305/2023/01/05/658378.html、2023年1月10日閲覧
というわけで、今年2回目の「フードバンクにゅ~す」でした。寒い冬、先日記事にも書きましたが、英国では「ウォームバンク」なるものが増えているそうです。暖房の効いた部屋を開放するものです。日本でも光熱費の負担が重くのしかかっている人が増えているのではないでしょうか。「ウォームバンク」が日本に登場する日も近いかもしれません。