【用語解説】フードバンクとは?フードドライブとは?フードパントリーとは?

フードバンク

公開日 2023年1月15日

フードバンクの活動では、似たような言葉が多く使われるため、会話している時や、記事を読んでいる時に、混乱してしまうかもしれません。そこで、本稿では、フードバンク関連の用語のうち代表的なものについて、簡単に説明します。

フードバンクとは

フードバンクの直訳は「食品の銀行」です。
フードバンクとは、食品をお預かりし、保管した後、必要なところに届ける団体を指します。
また、その団体の活動や拠点(場所)を意味する場合もあります。

  1. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動をする団体のこと。
  2. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動のこと。
  3. 預かった食品を管理して届けるための拠点(場所)のこと。

フードドライブとは

フードドライブとは、食品を寄付(寄贈)することです。
具体的には、家庭や企業等で余ってしまった食品などを、フードバンク団体に預けることを指します。
次のような寄贈方法があります。

  • フードバンク団体の拠点に食品を直接持ち込む
  • 店舗や施設に常設されているフードドライブ用のボックスに食品を入れる
  • インターネット通販サイトで食品を購入し、フードバンク団体の拠点などに郵送する
  • イベント内で特別に開催されるフードドライブに食品を持ち込む

詳細はこちらをご覧ください。

参考:アメリカには、Food Drive(フードドライブ/食品の寄付)以外にも、次のようなDrive(ドライブ/寄付)があります。

  • Paper Drive(ペーパードライブ/古紙回収)
  • Book Drive(ブックドライブ/本の寄付)
  • Toy Drive(トイドライブ/おもちゃの寄付)
  • Clothing Drive(クロージングドライブ/衣類の寄付)
  • Uniform Drive(ユニフォームドライブ/着なくなった制服の寄付)
  • Blood Drive(ブラッドドライブ/献血)

※各種ドライブの情報出所は以下の通りです。Yahoo!ニュース、井出留美「フードドライブって何?家庭の食品ロスを減らして必要な人へ繋ぐ、低コストで出来る『地産地消』の社会貢献」(2018年8月1日)、https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20180801-00091288、2022年9月19日閲覧

フードパントリーとは

フードパントリーとは、食品をおすそ分けすることです。
具体的には、何らかの理由で食品を入手することが困難な方に対して、食品などを無償で提供すること、または、その会のこと。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」でも、2023年1月現在、毎月第2土曜日にフードパントリーを行っています。
詳細はこちらをご覧ください。

食品ロス(フードロス)とは

まだ食べられるにもかかわらず、廃棄される食品のこと。
日本では食品ロスが年間570トン(2019年推計)も発生しており、これは、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い量です。
食品ロスは次の2種類に大別されます。

  • 家庭系食品ロス:一般の家庭で発生する食品ロス
  • 事業系食品ロス:事業活動を伴って発生する食品ロス

フードバンクの活動では、家庭系、事業系、いずれの食品ロスの発生も抑制できます。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」の場合、ご家庭で余っている食品を寄贈いただくことが多いですが、それ以外に、企業様から、中身・品質には問題がないものの、外装・包装が破損したため、店舗で販売できなくなった食品などもご提供いただいています。
※食品ロスの説明は農林水産省のWebサイトを参考にしています。

参考:井手留美さんによる「フードドライブ」の説明

フードドライブについて、栄養学の博士で食品ロス問題ジャーナリストとして活動している井出留美さんによる説明を紹介します。

家庭で余っている食べ物はないだろうか。お中元やお歳暮で頂いたものの「うちでは食べないよね」というもの。安売りやまとめ買いで買い過ぎてしまったもの。備蓄していたが、使わなかったもの。冠婚葬祭で頂いた茶葉や菓子、海外旅行のお土産で頂いたもの、など。

そのような食料を、捨てないで持ち寄り、食べ物に困っている人や福祉施設などに寄付する取り組みを「フードドライブ」と呼ぶ。

「ドライブ」という名前がついているので、初めて聞いた人からは「車?」「運転するんですか?」と聞かれることがある。”drive(ドライブ)”という単語には”organized effort or campaign to achieve”、すなわち「募集のための宣伝」や「運動」という意味がある。

1960年代にフードドライブが盛んになった米国では、食品以外にも「Paper Drive(古紙回収)」や「Book Drive(本の寄付)」、「Toy Drive(おもちゃの寄付)」「Clothing Drive(衣類の寄付)」「Uniform Drive(着なくなった制服の寄付)」「Blood Drive(献血)」など、いろんな「ドライブ」がある。

出所:Yahoo!ニュース、井出留美「フードドライブって何?家庭の食品ロスを減らして必要な人へ繋ぐ、低コストで出来る『地産地消』の社会貢献」(2018年8月1日)、https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20180801-00091288、2022年9月19日閲覧(太字は筆者)

スーパーで値引きシールが貼ってある商品を見ると、ついつい買ってしまい、気付けば自宅冷蔵庫内に食品が溢れ、消費が間に合わない!という人はいませんか?賞味期限が切れてもなお残ったままにしておくのは、もったいないですよね。買い込みすぎないようにするのが一番ですが、もし消費量を大きく上回る量を購入してしまった場合は、賞味期限が1か月以上残っている段階で、最寄りのフードバンク団体に寄付・寄贈(フードドライブ)してはいかがでしょうか。

井手さんの文章には、米国では1960年代にフードドライブが盛んになった、とあります。日本とは大違いですね。それでも、最近は日本でもフードドライブが行われたという報道を目にする機会が増えているという印象があります(参考:フードバンクにゅ~す)。

「いちかわフードバンクbyフリスタ」とは

「いちかわフードバンクbyフリスタ」は、市川市で「まちづくり」を行う、特定非営利活動フリースタイル市川が取り組んでいる、フードバンク事業です。

福祉団体ではない私たちがフードバンク活動を行うことの意義は、まちづくりを通じて「つながり」を持った地域の様々なプレーヤー(NPO、企業、子ども食堂、福祉団体、行政、学校など)との相互協力により、地域で余ってしまった食品を集め、それを必要としているところに届けることで、皆の想いを「つないで」いくことにあります。また、地域のあらゆる人が「まちづくり」の現場で活躍できるよう、フードバンク事業では、皆さんの「出番」と「役割」を用意しています。参加者同士が「つながり」をもつことも、地域コミュニティの基盤づくりになると考えています。

なお、本稿は、以下のWebページ(2023年1月13日閲覧)の掲載内容の一部を加筆修正したものです。以下のページには、「いちかわフードバンクbyフリスタ」の活動の概要や、色々な形で地域の皆様に関わっていただけるということを記載しています。

本稿では、フードバンク関連の用語について解説しました。他にも、この言葉の意味がよくわからないので教えてほしいということがあれば、お知らせください。

「いちかわフードバンクbyフリスタ」は、Twitterでも情報を発信しています。チェックしてみてください。