【コラム】スーパーマーケット頂上決戦!市川市田尻にて

コラム

公開日:2022年12月20日
更新日 2023年1月6日

※オーケーとヤオコーのロゴは、ともに、オレンジ、赤、白で構成されています。

市川市田尻にオーケーがオープン(2023.2.7)

市川市田尻で営業していた業務用卸売スーパー「メトロ市川店」が、運営するメトロジャパン社の日本からの撤退(メトロ本社はドイツの企業で、日本事業を終了することになりました)により、2021年10月31日に閉店しました。

市内の飲食店など、このお店で商品を調達していた事業者は多かったと思われ、閉店が発表された際には、嘆く声がSNSのタイムライン上を流れて行ったものです。

一般のお客様も歓迎する姿勢を打ち出す「業務スーパー」(神戸物産)とは異なり、メトロは一般消費者は入店できない、完全に業務用の卸売に特化した業態でしたが、近隣住民には入店、購入の門戸を開いており、私も1度だけ買い物をしたことがありました。今となれば※1、貴重な体験です。

在りし日の「メトロ市川店」(2018年8月時点)

跡地に何が出来るのか、アンテナを空高く掲げ、情報のキャッチに余念がなかった私は、メトロ閉店から1年後に、こんな情報を入手しました。

画像出所:オーケー公式Webサイト、「【2023年2月上旬開店予定】オーケー市川田尻店 オープニングスタッフ募集中」(2022年10月24日)、https://ok-corporation.jp/news/entry-1894.html、2022年12月20日閲覧

高品質・Everyday Low Price を掲げるスーパーマーケットの「オーケー」が、この地、田尻に、2023年2月7日にオープンする――衝撃は電流となり、私の身体中を駆け巡りました。

(2023年1月6日追記)
オーケー公式Twitterで、市川田尻店が2月7日に開店することが発表されました。

というのも、この場所から500メートルの位置には、食生活提案型スーパーマーケット、「ヤオコー」の市川田尻店があるからです。これは、単にスーパーマーケットの既存店の至近距離に、競合他社の店舗が開店するということに留まりません。オーケーとヤオコーは、首都圏のスーパーマーケット群雄割拠の中でも、消費者からの支持の高さ、消費者の満足度の高さでは、一二を争う、いわばスーパーマーケット2強のチェーンなのです。

ヤオコー市川田尻店(2021年11月時点)

ちなみに、ヤオコー市川田尻店と新たにできるオーケー市川田尻店は、いずれも京葉道路の南側にありますが、京葉道路の北側(鬼高3丁目)には、商業施設SHOPSに「コープ市川店」が、隣接する区域に「スーパーベルクス市川鬼高店」があります。田尻のヤオコーと、鬼高のコープおよびベルクスは、直線距離は近いものの、京葉道路で商圏が分断されているため、競争はそれほど激しくないと思われます。

しかし、ヤオコーとオーケーは、いずれも「市川田尻店」を名乗り、入口間の距離は約500メートル(オーケー新店の入口がメトロと同じ位置の場合。よりヤオコー寄りの位置に入口を設ける可能性もあります)です。激しい競合関係になるでしょう。

市川まちガチャ町名小判札の第2弾に「田尻/タジリ」の札がありました。画像出所:市川まちガチャ公式Webサイト

首都圏のスーパーマーケット2強はオーケーとヤオコー

先ほど、ヤオコーとオーケーはスーパーマーケット2強だと書きました。

「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、地域最安店として名を轟かせるオーケー。

「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」を目指し、業界内でもいち早くメニュー提案に取り組んでおり、同業他社からも一目置かれる存在のヤオコー。

この2つのスーパーマーケットは、TBSラジオ「ジェーンスー生活は踊る」内で2017年に始まった「スーパー総選挙」で、常にトップ争いをしています。ランキングは、ラジオ・リスナーからの人気投票(「推しスーパー」への投票)の結果です。

コロナ禍で未実施だった2年を挟み、これまでに4回行われている「スーパー総選挙」の結果は、下表の通りです(チェーン名の右の数字は得票数)

出所:TBSラジオ公式Webサイト等の情報を元に作成。なお、番組が放送されているエリアが首都圏を中心とした関東地方であるため、他地域のスーパーマーケットはベスト10には入っていません。

首都圏のスーパーマーケット2強はオーケーとヤオコーである、という言説には、一定の説得力があると言えそうです。今年行われた「第4回スーパー総選挙」では、首位オーケーの得票数にヤオコーが肉薄しています。3位以下との差が大きく、2強が群を抜いて高い支持を得ていることがわかります(ライフとロピアの3位争いも激しいことがわかります)

スーパーマーケットの年次ランキングには他にもあるので、いくつか紹介します。

公益財団法人日本生産性本部サービス産業生産性協議会が毎年発表している、「JCSI(日本版顧客満足度指数)」のスーパーマーケット業種では、2011年の開始時から、今年2022年まで、顧客満足度の1位はずっとオーケーが獲得しています。12年連続1位という圧倒的な実力(イチローがもしNPBにずっと在籍していたら、12年連続首位打者に輝いていたかもしれませんが、オーケーの強さはそれくらい異次元のものだと言えるかもしれません)

別の角度から発表されるランキングもあります。その年にオープンした新店の中から評価の高い店を選ぶ、「ストア・オブ・ザ・イヤー」は、いわば新人王ですが、「ストア・オブ・ザ・イヤー2022」に輝いたのはヤオコーの店舗でした。

2021年10月にオープンした和光丸山台店は、2020年11月に大改装を行った所沢北原店の取り組みを深化させたモデルであり、ヤングファミリー層に特化した旗艦店モデルの構築を目指した店舗となります。
同店はヤオコー最大の冷凍食品売場の広さを誇り、ヤングファミリー層に向けて開発したデリカ新商品や、直輸入商品の冷凍スイーツ、ストックに便利な大容量の冷凍生鮮などを販売。コロナ禍を機にさらに需要が高まった商品を数多く扱うことで、ヤングファミリー層の獲得を目指す新しい商品政策にチャレンジしています。
これらの取り組みが評価され、流通業界専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」が毎年企画する『ストア・オブ・ザ・イヤー2022』において和光丸山台店が1位を受賞いたしました。

出所:ヤオコーグループ統合報告書 第65期(2021年4月1日~2022年3月31日)YAOKO REPORT 2022(日本語版) Section 04「持続可能な成長のために”Well-being”&”Sustainable”」、https://www.yaoko-net.com/pdf/ir/ir/library/i-report/2022/i-report_2022_sc04.pdf (太字は筆者)

この店舗だけが高評価ということ?他店を含むチェーン全体に対する評価じゃないよね?との声が今聴こえた気がします。もちそん、その通りではありますが、上の文にある通り、「旗艦店きかんてん」と位置付けられている新店が高い評価を得るということは、今後新たにつくられる店や、既存店のリニューアルに際して、この店と同じような取り組みや要素を導入することが想定されますので、ヤオコーの新店が「ストア・オブ・ザ・イヤー」1位を受賞したということは、今後のヤオコーの売場づくり、店舗運営、品揃えなどが、より高いレヴェルで展開されることを想像させますよね。

オーケーの本音はオネストカードにあり

話は変わりますが(Part1)、オーケーが熱烈な支持を得ている理由は、商品の安さだけではありません。売場に掲出されたPOPには、このような言葉が躍っています。

只今販売しておりますグレープフルーツは、
南アフリカ産で酸味が強い品種です。
フロリダ産の美味しいグレープフルーツは
12月に入荷予定です。

出所:オーケー公式Webサイト、「オネスト(正直)カード」、https://ok-corporation.jp/feature/honestcard.html、2022年12月20日閲覧

長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、
値段も高騰しています。
暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。

出所:オーケー公式Webサイト、「オネスト(正直)カード」、https://ok-corporation.jp/feature/honestcard.html、2022年12月20日閲覧

通常であれば、今、ここで、これを販売したい、買ってほしいと思うものですが、このような「オネストカード」と呼ぶPOPで、正直に商品情報を伝え、来店客が後から(例えば、後日、品質が良い商品や安い商品が売り出されているのを見て)損をしたと思うことがないようにしているのです。

オーケーでは、このようなお知らせを『オネスト(正直)カード』と呼び、出来るだけ正確で、正直な商品情報をお客様にお知らせするように心掛けております。
私たち従業員が、家族と一緒にオーケーで買い物をする時、そっと家族に教えるような商品情報は、お客様にも是非お知らせしなくては、と考えているからです。

出所:オーケー公式Webサイト、「オネスト(正直)カード」、https://ok-corporation.jp/feature/honestcard.html、2022年12月20日閲覧

正直、誠実、人に対して、そうありたいと思うものです。そして、他ならぬ自分自身に対しても。

Honesty is such a lonely word
Everyone is so untrue
Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you

出所:ビリー・ジョエル「オネスティ」※2(作詞:ビリー・ジョエル)

市川市内のヤオコー3店舗は全て外環道沿いにある

話は変わりますが(Part2)、ヤオコーは市川市内に3店舗あり、そのいずれも外環道沿いにある、ということをご存知でしょうか。

市外にも目を向けると、外環道沿いには複数のヤオコー店舗があることが確認できます。

  • 市川田尻店
  • 市川新田店
  • 市川中国分店
  • 三郷中央店
  • 草加原町店
  • 和光丸山台店
  • 和光南店

埼玉県川越市に本社を置くヤオコーは、店舗の多くが埼玉県内にあります。店舗が密に存在する埼玉県内では物流効率が良いのですが、本拠地である埼玉県から離れた千葉県内の店舗に、効率的に商品を搬入したり、本社から社員が各店舗に赴きやすくするには、工夫が必要です。店舗の立地をどこにするかという出店戦略が、店舗運営を左右することになるわけですが、埼玉県から千葉県を1本で結ぶ外環道沿いに複数店を配置することで、物流効率を高くしていると考えられます。

2023年2月はオーケーのみならずヤオコーにも注目です

田尻にオープンするオーケーが、どんな店舗になるのか、注目している人は多いと思いますが、迎ヤオコーにも是非注目してほしいところです。

難敵であり強敵である最強のスーパーマーケット、オーケーが至近距離にオープンするということで、ヤオコー市川田尻店としては、全力で迎え撃つはずです。真正面から価格勝負をすることはないと思いますが、いくつかの商品は思い切った値下げをするかもしれません。また、ヤオコーの真骨頂である、食の提案を売場全体で展開したり、店内調理の惣菜や和菓子(人気のコロッケやおはぎ)などをこれまで以上にアピールする可能性もあります。

「豊さ」と「楽しさ」を提供するヤオコーが、強敵の登場で更にパワーアップするのかどうか、ここにも注目してほしいと思います。

スーパーマーケット業界の注目の的、市川市田尻での2強の激突は、2023年2月に開幕します!

* * * * *

〈注釈〉

※1:「今となれば」という語は、私に、Mr.Childrenの「Over」という曲を想起させます。この曲は、28年前、1994年9月1日に発売されたMr.Childrenにとって4枚目のアルバム『Atomic Heart』の最後に収録されています。なお、『Atomic Heart』というアルバム名は、Pink Floyd 『Atom Heart Mother』からヒントを得て名付けられたものと思われます。

※2:あれは確か1992年頃、私は、AMラジオのニッポン放送「上柳昌彦のベストヒットサンデー」という番組宛てにリクエストはがきを送りました。その時、リクエストした曲が、ビリー・ジョエル「オネスティ」でした※3。はがきが読まれ、曲がラジオから流れ、番組ノベルティグッズの腕時計を送ってもらえるということになり、とても嬉しかったのを覚えています。30年間待ち続けていますが、まだ届いていません。番組は遠い昔に終わりました。

※3:この時、私は双子の兄弟でハガキを書いているという偽りのシチュエーション※4を設定していました。弟が「オネスティ」を、兄が、米米CLUBが1988年に変名「山田実とトップゴージャス」名義でリリースした「嫁津波」をリクエストしたのです。番組では2曲とも流してもらいました。当時「嫁津波」はCD化されておらず、聴きたくても聴く機会がない、私にとっては幻の曲だったので、ラジオから流れた時は感慨深かったです。もちろん、TDKのカセットテープに録音しました。なお、その後、カールスモーキー石井氏が松任谷由実氏の「オールナイトニッポン」に出演した際に、この曲がオンエアされました。

※4:「上柳昌彦のベストヒットサンデー」のノベルティグッズである腕時計が届かない理由は、実際には双子ではないのに双子であると偽ってハガキを送ったことがバレたからかもしれない、と思ったこともあります。真相は藪の中、あるいは、藪知らずの中です。私自身が「オネスティ」を軽んじたことにたいするパニッシュメントだったのでしょうか。

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