【コラム】アップサイクルの10の事例

コラム

今月、いちかわフードバンクbyフリスタに寄付をしてくださった、ゆずりばいちかわ様は、市川市行徳駅前で、学生服のリユース事業と、制服・園服、ランドセルのリメイク事業(アップサイクル事業)を営んでいます。

ゆずりばいちかわ 公式Webサイト
https://www.yuzuriba-ichikawa.com/

ゆずりばいちかわ公式Webサイト内(2023年7月7日)
学生服寄付回収金額の寄付についてのご報告
https://www.yuzuriba-ichikawa.com/20230707/

フリースタイル市川公式Webサイト(2023年7月18日)
【ご支援いただきました】ゆずりばいちかわ様より(2023.7.7)
https://fs-ichikawa.org/yuzuriba20230707/

今、さりげなく「アップサイクル」という言葉を登場させたのですが、気付きましたか?

昨秋、「アップサイクル」に関する記事を書いたことがあり、

この記事の中で、いくつかアップサイクルの事例を紹介していたのですが、本稿ではより多くの事例を紹介します。
※なお、以降では企業名に敬称を付けません。

衣料品、食品、化粧品、楽器など、多様なジャンルい、カテゴリーで、アップサイクルの取り組みが行われています。

それでは、約10の事例を見ていきましょう!

ランドセル → パスケースやペンケースなど (ゆずりばいちかわ)

ゆずりばいちかわでは、ランドセルのアップサイクルをおこなっています。

ゆずりばいちかわ公式Webサイト
ランドセルのアップサイクルで制作した商品例
https://onl.bz/qC6XQqh

こちらの動画を見ていただくと、制作過程やアップサイクル商品の魅力がよくわかると思います。

りんご箱 → 家具 (キープレイス)

使い古しのりんご箱の板材を使って家具を制作しています。出荷時に書かれた文字を残し、りんご箱だったことを雄弁に物語る家具、使ってみたいですね。

OZmall(更新日:2021年3月3日)
廃棄されるりんご箱から生まれた、“りんご愛”あふれるアップサイクル家具。青森県北津軽郡で誕生【サステナブルチャレンジ】
https://www.ozmall.co.jp/sdgs/sustainablechallenge/article/27085/

廃棄楽器 → インテリア (島村楽器)

島村楽器では、耐用年数を過ぎた楽器の部品、ユーザーから集めた廃棄楽器、学校などから引き取った廃棄楽器などを、提携する団体に渡し、テーブル、スタンドライト、ウォールシェルフ、ミラーといったインテリア製品を制作しています。これらを島村楽器で販売し、利益(全額)を寄付金や楽器購入資金に充て、国内外の楽器演奏の機会を得にくい子どもたちに寄贈しています。

島村楽器公式Webサイト
楽器アップサイクルプロジェクト
https://www.shimamura.co.jp/p/csr/upcycleproject/index.html

コーヒー粕 → カップ (カフェフォルム、アサヒユウアス)

コーヒー好きのデザイナー、ジュリアン・レヒナーさんが、カフェで大量のコーヒー豆粕(かす)を見たことで、捨てられてしまう粕を使ってカップをつくるアイデアを思いつき、誕生したのが、コーヒーを丸ごと味わえるカップ、「KAFFEE FORM(カフェフォルム)」です。

MONOCO 公式Webサイト
コーヒーを“丸ごと”味わえるカップ
https://monoco.jp/brand/kaffee

画像出所:KAFFEE FORM 公式Instagram
https://www.instagram.com/p/Cng3Lheq4sb/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==

アサヒユウアスは、コーヒーの副産物をアップサイクルする「Coffeeloop(コーヒーループ)プロジェクト」に取り組んでいます。ホテルグランヴィア京都で出たコーヒー粕を使って作った「Coffeeloopカップ」を、ホテルヴィスキオ京都の宿泊者専用ゲストラウンジに導入しました。

アサヒグループホールディングス公式Webサイト(2023年7月6日)
コーヒーの副産物をアップサイクルする「Coffeeloopプロジェクト」
https://www.asahigroup-holdings.com/pressroom/2023/0706.html

デッドストック衣料 → バッグ (ビームス)

セレクトショップのBEAMS(ビームス)は、衣料廃棄ロスを解決するプロジェクトとして、「ReBEAMS(リ・ビームス)」に数年前から取り組んでいます。これは、古くなって販売できなくなったデッドストック品を、新たな商品にアップサイクルさせる事業で、今年、新たに、ワンショルダーとミニショルダーバッグをラインナップに追加しました。

ビームス公式Webサイト(2023年2月3日)
衣料廃棄ゼロへ向かうプロジェクト『ReBEAMS』。新型アイテム含む第二弾を2月10日(金)より発売
https://www.beams.co.jp/special/tsuzukufuku/20230203-rebeams_2/

汚れた服 → 藍染して商品化 (コーセー)

コーセーは2023年7月1日に、化粧品ブランド「雪肌精」が取り組む環境保全活動の一環として、「SAVE the BLUE~Upcycle Project~」を始めました。これは、衣類の廃棄処分をなくす取り組みとして、藍染(あいぞめ)でアップサイクルするプロジェクトです。汚れた衣類や試着用サンプルなど、販売できない商品を、サステナブル・ライフスタイル・ブランド「O0u(オー・ゼロ・ユー)」から提供してもらい、藍染によりアップサイクルし、コーセーが販売します。
※「SAVE the BLUE」プロジェクトは、「雪肌精」の青いボトルから連想される青い地球を守る取り組みとしてスタートしました。

コーセー雪肌精公式Webサイト
SAVE the BLUE Upcycle Project
衣類の廃棄処分をなくすために、藍染で新たな価値を。

https://sekkisei.jp/site/p/savetheblue_upcycleproject.aspx

メイクアップ化粧品 → 絵の具 (コーセー、花王)

コンセプトストア「Maison KOSÉ銀座(メゾン・コーセー銀座)」には、メイクアップ化粧品をアップサイクルした絵具でアート体験ができる「GREEN ATELIER(グリーンアトリエ)」があります。この絵具は、化粧品ならではの綺麗なカラー、キラキラのラメなどが、一般的な絵具とは異なる雰囲気の色合いを生み出すそうですよ!

メゾン・コーセーWebサイト
GREEN ATELIER
https://maison.kose.co.jp/site/p/concept_store.aspx

画像出所:メゾン・コーセーWebサイト(GREEN ATELIER)https://maison.kose.co.jp/site/p/concept_store.aspx

コーセーに続き、花王も、廃棄せざるをえないメイクアップ化粧品をアップサイクル絵具として生まれ変わらせる取り組みを始めました。これは、花王とコーセーの「サステナビリティ領域での協働」の第一弾とのことです。

花王公式note(2022年9月5日)
廃棄せざるをえなかった化粧品が、“アップサイクル絵具”に生まれ変わる
https://note.kao.co.jp/n/n07b3cc8ccc03

鯛のカマ肉 → 商品化 (セブン-イレブン ネットギフト)

セブン-イレブン ネットギフトは、美味しいのに余ってしまう未利用の食材・部位など、理由があってギフトとして販売できない多くの食材を抱える生産者の悩みを受け、環境に優しいお得なお取り寄せ商品を拡充することにしたそうです。「三重県産真鯛(養殖)カマ肉一夜干し」は、真鯛の捨てられる部位であったカマ肉を活用した商品です。

セブンイレブン プレスリリース(2023年7月10日)
想いを贈る夏にしよう。環境にやさしいセブン-イレブンの夏ギフト ~お得で便利な「セブン-イレブン ネットギフト」~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000125412.html

野菜の茎や皮 → チップス (オイシックス・ラ・大地)

野菜を加工して製品化する漬物工場や冷凍野菜工場では、大量の茎や皮が廃棄されています。オイシックス・ラ・大地では、野菜の加工現場で発生した茎や皮を、廃棄せずに、野菜チップスやチョコクランチなどに加工し、アップサイクル商品として、食材を余すことなく食べられるようにしています。

未活用のまま廃棄されてしまう茎や皮を、おいしいおやつとして生まれ変わらせたUpcycle by Oisixの商品には、「ここも食べられるチップス」のシリーズ(ブロッコリーの茎、だいこんの皮、なすのヘタなど)があります。

Upcycle by Oisix 公式Webサイト
プロダクトの紹介ページ
https://upcyclebyoisix.jp/products

ビール粕 → グラノーラ (アサヒユウアス)

上にも登場したアサヒユウアスは、2022年に誕生した、アサヒグループのサステナビリティ事業を展開する会社です。そのアサヒユウアスでは、隅田川ブルーイングで製造するサステナブルクラフトビール「蔵前BLACK」のビール粕(かす)を原料としたグラノーラを販売しています。ビール粕の、食物繊維が豊富で、高たんぱく、低糖質という特長を生かした商品です。
※ビール粕とは、ビールを製造する際のろ過工程で発生する麦芽粕です。

アサヒグループホールディングス プレスリリース(2022年8月10日)
ビール粕を原料に使用した『アップサイクルグラノーラ』発売
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000058947.html

アップサイクルに関する解説動画

上で紹介したほぼすべてのアップサイクル製品は、こちらの動画で紹介されていますよ!9分30秒くらいのところから、事例紹介が始まります。

※52分50秒あたりで、この動画で流れる音楽にまつわる「秘密」に言及しています。

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というわけで、アップサイクルについて10種類ほど事例を紹介しました。どの事例が気になりましたか?

りんごの箱を家具にアップサイクルする事例は、アップルの箱のアップサイクル、略して「アップルサイクル」と、たぶん誰も言っていないので、私が言っておきたいと思います。

今、多くの人は、アップサイクルによってつくられたアイテムを1つも身に付けていない、あるいは、アップサイクルによってつくられた食品を食べたことがないと思いますが、数年後には、そうではなくなっているだろうと予想していますよ、私は。

今後も、アップサイクル関連情報を折に触れて紹介していきます。市川市内でも、ゆずりばいちかわ様に続く動きが出てくれば良いですね!

あ、建築分野におけるリノベーションには、アップサイクルに通じるものがありますね。

市川市国府台で営業していた精肉屋さんだった建物をリノベーションして、ギャラリー併設のシェアハウス「アトリエ029」にした事例は、アップサイクル的でもあります。

次回の「アップサイクル情報局(仮)」をお楽しみに!

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執筆日 2023年7月16、17日
公開日 2023年7月20日