【コラム】「第4回 難民・移民フェス」に参加して印象に残ったいくつかのこと

コラム

今年(2023年)5月20日に平成つつじ公園(東京都練馬区)で開催された「第3回 難民・移民フェス」に参加したところ、大変楽しかったので(楽しいだけではなく、難民・移民の方が身をおいている厳しすぎる現実を知り、辛い気持ちにもなりますが、それも含めて)、また参加したいと思っていたところ、11月4日(日)に柏の宮かしのみや公園(東京都杉並区、最寄駅は京王井の頭線の浜田山駅)で「第4回 難民・移民フェス」が行われることを知り、絶対に行きたい!と思って、すぐに壁にかけた小さなカレンダーに予定を書き込んだ ossanオッサン isイズ meミー.

参考記事:この記事で、「第3回 難民・移民フェス」に行った時のことに触れています。

総武線で御茶ノ水駅まで赴き、そこで中央線に乗り換えて、吉祥寺駅で…

あれ?何線でしたっけ?思い出しました、京王井の頭線でしたね。井の頭線に乗り換えて、浜田山駅で下車、電柱か何かの上の方に設置されたスピーカーから哀愁漂うメロディが大きな音量で流れる商店街を抜け、踏切を渡り、歩いて数分。

高い樹木がたくさん生えている小路こみちに「ビッグイシュー」の販売員さんがいたので、最新号を1冊購入しました。既にFUNIさんのラップが聴こえています。小路を抜けると、フェス会場の広場に至ります。ブースで買ったフードを坊と共に食しながら、FUNIフニさんのラップと歌と話を聴きました。

たぶんチュニジアのお菓子です。2種類の味がありました。
たぶんクルドのお菓子です。パイです。

ステージでは、FUNIさん(在日コリアンのラッパー)のパフォーマンスの後も、外国にルーツを持つ歌い手によるパフォーマンスが繰り広げられました。

ある国から日本にやってきたイスラム教徒の女性が歌を歌った後(神様のことも歌っていました)、別の国から来たキリスト教徒の女性がゴスペルを歌っていたのですが、ステージの下では先に歌ったイスラム教徒の女性が楽しそうゴスペルを聴いていました。信じる神様が違っても、歌の言葉が違っても、音楽で心を通わせることができるということをの当たりにした瞬間でした。

ステージで歌を披露した人は、途中で自分が置かれている状況や母国のことを話していました。また、ステージで公開収録が行われた、TBSラジオ『荻上チキSession』にゲスト出演した外国籍の男性2人も、日本で体験したつらいことなどをを語っていました。

聞いた話の中で、印象的だったことを4つピックアップしてみると――

①時代は変わった
川崎市でハルモニ(韓国語で「おばあさん」の意味)が作ったキムチを日本人の小学生たちが美味しいと喜んだり、メディアでキムチが健康に良いと報じられたりするのを目にして、かつては、朝鮮人キムチくさいなどと悪口を言われていたが、時代が変わったことを実感した、と感慨深く語ったハルモニの話。

②日本のまずい外交
日本がミャンマーにODAで支援をすると軍事独裁政権にお金が渡り、その金で武器を買い、結果としてミャンマーの国民の弾圧につながってしまうという話。

③日本のまずい報道
ひどい状況の国であっても、メディアがそれをほとんど報じないため、人々に知られておらず、必要な助けが講じられていないケースがあるという話。

④牛久入管でのひどい仕打ち
牛久の入管(東日本入国管理センター)に収容された時のひどい体験の話。

――といったところです。

あまり具体的なことは書けないのですが、これらの中には目の前で当事者が語ったものもあり(そうではないものもあります)、それはとても生々しくてリアルで、聞きながら、日本社会は変わらなきゃいけない、僕らが変えなきゃいけないと、強く思いました。だって仲間がつらい思いをしているんだから。

TBSラジオ『荻上チキSession』公開収録が終わり、撮影に臨む出演者たち。

フェスの最後には、国籍も年齢もてんでバラバラな人たちが、一緒になって、綱引きをやりましたが(第3回にもやったそうですが、それには参加しませんでした)、めちゃくちゃ楽しかったです!3回戦やりましたが、思いっ切り、縄を、否、綱を引いたので、翌日、翌々日は、太ももや背中がめちゃくちゃ筋肉痛でした。

* * * * *

さて、東京都杉並区から千葉県市川市に視点を移動させてみましょう。市川市の広報誌からの引用です。

 本市には、112カ国・17,913人(2023年3月末現在)の外国籍の方が暮らしています。人口の3.6%を占め、28人に1人が外国籍の方です。
 また、法務省の在留外国人統計(2022年6月末時点)によると、全国市区町村の中で、本市は33番目に外国籍の方が多い市です。

出所:「広報いちかわ」No.1714(2023年6月17日)

市川市は多文化共生社会で、

市川市は小さな地球なのです。

「でも、外国人との共生っていうけれど、難民は日本にいるの?市川にいるの?自分とどう関係があるの?」と思った人は、この記事や、

あるいは、この記事を読んでいただくか、

映画『マイスモールランド』を見ていただきたいと思います。

映画『マイスモールランド』

「国家を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。埼玉県には2000人ほどのコミュニティが 存在するが、クルド人が難民認定された例はこれまでないに等しい。そして、本作の企画が動きだした2017年 当時より、出入国管理及び難民認定法(入管法)を巡る状況は、悪化の一途をたどっている……。
この現状を、17歳の少女の目線を通して描いたのは、是枝裕和監督が率いる映像制作者集団「分福」に在籍する新鋭・川和田恵真監督。イギリス人の父親と日本人の母親を持つ監督が、成長過程で感じたアイデンティティへの想いを元に、理不尽な状況に置かれた主人公が大きな問題に向き合う凛とした姿をスクリーンに焼き付け、本作を企画段階からサポートした是枝監督の『誰も知らない』(04)の系譜に連なる“日本の今”を映し出した。

出所:映画『マイスモールランド』公式Webサイト、https://mysmallland.jp/、2023年11月8日閲覧

この映画では、川口市に住むクルド人ファミリーの生活が描かれています。市川市にも自国にいては殺されてしまう可能性があるということで、逃れてきた人々が住んでいます。そのような人のために何ができるのか、今はわからなくても、考えてみたり、誰かと話したり、詳しい人にどうすればよいのかを聞くことはできます。

私も全然詳しくないのですが、フリースタイル市川のWebサイトの日々コラムなどを書いたり、今回のフェスのようなイヴェントに参加したり、写真展に足を運んだり、ラジオ番組などでウクライナやパレスチナ自治区のガザ地区で起きている虐殺に関する報道に触れたりしながら、「考え」て(続けて)います。一緒に考えてみませんか?今度お茶でも飲みながらお話しましょう。

* * * * *

執筆日 2023年11月7日、8日
公開日 2023年11月12日