公開日 2023年3月2日
※冒頭の画像はレイ・オルデンバーグ著、忠平美幸訳『サードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』(みすず書房)の書影を加工したものです。
「まちづくり」をおこなうNPO、フリースタイル市川は、「まち」(市川市を念頭に置いてはいますが、どのような地域でも構いません)に、「みんなの居場所」がたくさんあれば良いな、と考えています。
自宅や職場は大事な居場所ですが、時には、そこで期待される自分の役割から解き放たれて、好きなように過ごしたくなるものです。自宅(第1の場所)や職場(第2の場所)ではない、居心地の良い「第3の場所」が地域にあると、その地域への愛着が湧いたり、帰属意識が高まったりするかもしれません。
そんなことを考えていたら、皆さんにとってのサードプレイスは、どんな場所なのか、知りたくなりました。そこで、こんなものを用意し、「あなたのサードプレイスを教えてください」と題したアンケートを実施しました(現在も回答を受け付けています。是非、あなたのサードプレイスを教えてください!)。
あなたのサードプレイスを教えてください(アンケートフォーム)
https://forms.gle/bZbs96bckX3Jhy3K6
これまでにお寄せいただいた回答を、こちらの記事で一挙に紹介しています。是非、チェックしてみてください。
人によって、サードプレイスは様々ですね。居心地の良い場所、お気に入りの場所…
ところで、先日、サードプレイスにまつわる、こんな記事を読みました。
「弊社でもサードプレイスを持っている人は生き生きしています。社業の経験を生かして地域の古民家再生に貢献する方がいたり、出身地である長野県の野菜の魅力を関西で発信する方がいたり」
そう話すのは、都市ガス供給会社「大阪ガスネットワーク」(大阪市)で事業基盤部に所属する田仲香子(かこ)さん(55)。大阪ガスを中心とした「Daigasグループ」で働く従業員を対象に、サードプレイスでの活動や出会いの大切さを語り合う「わたしプロジェクト会議」を立ち上げた。
多くの企業で「従業員は社業に専念すべきだ」という時代が長く続いてきた。しかし、働き方改革が叫ばれる不透明な時代の中で、従業員が働く時間を豊かにし、生産性を上げ、これまでにない商品や仕組みをつくるには、社外での人脈や経験値が必要になってくる。
田仲さんが現在の部署に移ったのは3年前。彼女自身も広報や営業などの仕事を渡り歩き、仕事と家の往復だけの人生を送っていた。そんな時、偶然にも地域社会への貢献に携わる現在の部署に異動した。「社外に、こんなにもたくさんの社会を支える団体があることにびっくりしました」。環境団体やこども食堂などへの取材に自ら足を運び、貧困者の支援団体のボランティアにも参加した。今まで見てきた企業社会と、暮らしとともにある地域社会は全く違っていた。休日に手伝いにいく団体が彼女のサードプレイスになった。
終業後に催される「わたしプロジェクト会議」では、社会活動を既に行っている人、これから始めてみたい人が、仲間を募ったり、アドバイスをもらったりと輪が広がっている。12月に開催された会合では、話題提供者として聴覚障がいのサポートを目的とし、要約筆記を学ぶ従業員が登場。解説役として聴覚障がい者の支援団体の人も招き、参加した従業員は初めて触れる世界に刺激を受けた。
出所:毎日新聞公式Webサイト、「あしたに、ちゃれんじ|心潤う“サードプレイス” 大阪ガスネットワーク 田仲香子さん=中川悠 /大阪」(2023年1月20日)、https://mainichi.jp/articles/20230120/ddl/k27/040/256000c、2023年2月28日閲覧。太字は筆者
この記事を読んで、地域で活動するNPOは、その地域に住む、あるいはそこで働いたり学んだりする人たちにとってのサードプレイスたりうる、そう思いました。
例えば、フリースタイル市川のフードバンク活動、「市川フードバンクbyフリスタ」にボランティアとして関わってくれている素敵な仲間がいますが、この方々にとって、フードバンクの活動をすることは、慈善的な活動であり、社会貢献である、という意味合いだけでなく、フードバンクの倉庫で他の仲間と一緒に食品の仕分けをしながら、おしゃべりをしたり地域の情報交換をする楽しい時間を過ごすことでもあるかもしれません。
家でも職場でもない、NPOでのボランティア活動が、参加する人の気力を充実させ、ひいては、生活を充実させる、サードプレイスになっている可能性があります。
いちかわフードバンクbyフリスタ
https://fs-ichikawa.org/ichikawafoodbank/
先ほど、「NPOは」と書きましたが、NPOであっても、そうでなくてもよく、例えば、市川市で自転車を活用した「まちづくり」を行うために昨年結成された「自転車天国研究会」(通称てんてんけん)は、NPOではありませんが、このグループが主催する自転車ツアーが、地域の人たちにとってのサードプレイス的な機能を持つことは想像に難くありません。
自転車天国研究会 公式Webサイト
https://www.tentensuisui.com/
フリースタイル市川の活動が、市川市に関わりのある人たち(すなわち、市川パースン)にとってのサードプレイス的なものを生み出しているとしたら、アムロ・レイならずとも、「こんなにうれしいことはない…」と思わずつぶやきたくなります。
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ところで、「サード」といえば、この人、長嶋茂雄さんですが、実は市川市で「4番サード長嶋」が誕生した、ということをご存じでしょうか。この記事を是非読んでみてください。
それでは、また近いうちにお目にかかりましょう。チャオ!