【フードバンクにゅ~す】2023年8月5日

フードバンク

※冒頭の画像は、TVK「食品の値上げが夏休みの家計直撃…フードバンクの需要が過去最大」(2023年8月3日)からの引用です。

2023年6月10日以来、56日ぶり、29回目の「フードバンクにゅ~す」です。前回の「にゅ~す」から、間隔インターヴァルが空いてしまったので、本稿で紹介する出来事を、「にゅ~す(にゅ~ず)」でなく「お~るず」だと感じる人もいるでしょうね。旧聞に属する話もあるかもしれませんが、2023年6月半ばから8月初旬にかけてのフードバンク関連の出来事を記録として残しておく意味もあり、収集した記事を紹介します。

神奈川県「食品の値上げが夏休みの家計直撃…フードバンクの需要が過去最大」(2023年8月3日)

相次ぐ食品の値上げが夏休みの家計を直撃しています。神奈川県内のフードバンクには申し込みが過去最も多く寄せられ、対応に苦心しています。

平塚市のNPO法人「フードバンク湘南」では、給食がない夏休み中、食費が増える子育て家庭を中心に支援を強化しています。
8月3日は母親たちに米やレトルト食品に加えて、スイカやお菓子なども箱に入れ、手渡していました。

3人の子を育てるシングルマザー
「1.5倍くらいにはなったと思う。 特に夏は。本当に必要最低限しか買っていない」

フードバンク湘南 大関めぐみ理事長
「今が過去最高の支援件数になっている。 食材を買うので精一杯でお菓子は買ってあげることができないので本当に助かるという声をいただくことが多いので、切実な思いで生活しているのかなと感じる」

帝国データバンクによりますと、8月は乳製品など1102品目の食品が値上げに。 団体の支援件数は、2022年の時点で2021年の1.8倍まで増えていましたが、この夏休みは更にひとり親家庭などからの申し込みが急増。
7月は過去最多の170件以上に上り、「フル稼働」の状態だといいます。

出所:TVK(テレビ神奈川)公式Webサイト「食品の値上げが夏休みの家計直撃…フードバンクの需要が過去最大」(2023年8月3日)https://www.tvk-yokohama.com/tvknews/news1.php#0039405、2023年8月4日閲覧

「リテールパートナーズ/食品スーパー5社とフードバンク団体が協定を締結」(2023年8月1日)

リテールパートナーズ傘下の丸久の子会社ハツトリーは7月26日、宮崎県内のスーパー4社(マルミヤストア、マルイチ、毎日屋、ながやま)と共にフードバンク3団体(フードバンク日向、フードバンクみやざき、フードバンクみやこのじょう)と協定を締結した。

今回、貧困問題や食品ロス問題解決に向けて取り組む機会を作ろうとスーパー5社とフードバンク3団体が合同で協定を締結することとなった。複数のスーパーと団体で共に連携していくという取り組みは、宮崎県内でも初めての取り組みとなる。なお、今回は飲料や米、即席麺、カレー、お菓子等全部で131ケースを寄贈した。今後も、宮崎県内全域のスーパーでのフードドライブ実施し、食材の寄贈を行う予定だ。

出所:流通ニュース「リテールパートナーズ/食品スーパー5社とフードバンク団体が協定を締結」(2023年8月1日)https://www.ryutsuu.biz/strategy/p080141.html、2023年8月4日閲覧

「いなげやがフードドライブ活動 余剰食品をスーパーで回収 子ども食堂などへ」(2023年8月4日)

 首都圏でスーパーを展開する「いなげや」(東京都立川市)が一部店舗で、家庭の未使用食品を回収し、子ども食堂やフードバンクに寄付するフードドライブ活動を始めた。国内で年間523万トンにもなる食品ロスを減らしながら、生活困窮世帯を支援する取り組み。2025年度までに全133店舗での実施を目指す。

 フードドライブ活動は七月二十四日、いずれも立川市内の立川幸店、立川栄町店、ららぽーと立川立飛店の三店舗でスタート。各店の入り口に専用の回収箱を設置し、買い物客に未使用食品の寄付を呼びかけている。
 回収対象の食品は、レトルト食品、インスタント食品、カップ麺、缶詰、調味料、菓子、飲料で、賞味期限が二カ月以上あるもの。冷蔵庫や冷凍庫で保管が必要な食料品、賞味期限表示のない食品、開封済みの食品、米・酒・サプリメント類は対象外となっている。回収した食品は、納品用トラックの帰り便を使って運送し、社会福祉協議会などを通じて子ども食堂やフードバンクに送られる。

 取り組みをスタートした三店では早速、買い物客らが家庭で余ったレトルト食品や缶詰などを提供。お中元の不用品などを持ち寄る人もいるといい、同社の担当者は「数も多く、予想以上の反響」としている。

出所:東京新聞公式Webサイト「いなげやがフードドライブ活動 余剰食品をスーパーで回収 子ども食堂などへ」(2023年8月4日)https://www.tokyo-np.co.jp/article/267755、2023年8月4日閲覧

「飲食店はフードバンクへの食品提供がしやすくなる? 政府『食品ロス削減推進法』改正を検討」(2023年6月29日)

ここ数年で注目が高まってきている「食品ロス」。まだ食べられる食品の廃棄を減らすために、自民党の環境・温暖化対策調査会における「食品ロス削減プロジェクトチーム」は今年4月、食品ロス削減推進法の見直しに関わる提言を岸田総理に申し入れている。このような動きもあり、政府は「食品ロス削減推進法(食品ロスの削減の推進に関する法律)」などの食品ロス関連法について、来年の通常国会での法改正を目指すと見られている。

(略)

今回の改正のポイントは二つ。一つは、フードバンクで食中毒などの事故が起きた場合でも、食品を提供した事業者に対し、一定の条件下であれば責任を問わないとするもの。

(略)

これまでは、事業者が提供した食品で食中毒などが起こった場合、損害賠償訴訟になってしまう可能性もあり、事業者からフードバンクへの寄付が進まない要因となっていた。法改正では、フードバンクの公的な認証制度を作り、認証済みのフードバンクに寄付した場合は責任が免除されるようになると見られる。

もう一つは、飲食店などで食べきれなかった食品を消費者が持ち帰り、万が一食中毒などが起こった場合に、飲食店の責任が免除されるようなルールを整備すること。現状では明確なルールが存在しないため、客側の責任で持ち帰った場合であっても、飲食店側に一切責任が発生しないとは断定できない。今回の法改正では、消費者自らの責任において持ち帰るというルールを作ることで、持ち帰りの環境整備を目指し、食品ロスの削減につなげたい考えだ。

出所:飲食店ドットコム「飲食店はフードバンクへの食品提供がしやすくなる? 政府『食品ロス削減推進法』改正を検討」(2023年6月29日)https://www.inshokuten.com/foodist/article/7024/、2023年7月3日閲覧

この記事で取り上げられている、フードバンクに食品を寄付した事業者が責任を問われないようにしようという法改正については、認定NPO法人フローレンスさんが、国会議員や関係省庁の担当大臣に対して、提言してきたことでもあります。

寄付した事業者の免責は「善きサマリア人の法」と呼ばれ、企業などからのご寄付で「こども宅食」を運営しているフローレンスとしても、実現に向け政策提言を行ってきました。

特別非営利活動法人フローレンス「【提言実現】食品寄付のハードルを下げる仕組み『善きサマリア人の法』」(2023年7月13日)https://florence.or.jp/news/2023/07/post62433/、2023年8月4日閲覧

法改正がおこなわれれば、余っている食品をフードバンクに寄付したくても、何か問題があった時に責任を問われることでダメージを被ることを恐れ、これまで寄付してこなかった事業者が、フードバンクへの寄付を行うようになり、食品ロスを削減することと、より多くの困っている人に食品をおすそ分けしたり、子ども食堂運営団体に食品を提供することにつながると思います。

「『困っている皆さまの力になれれば』全日空が期限近づいた災害備蓄食品をフードバンクへ寄付 北海道千歳市」(2023年6月30日)

 生活が困難な状況になった人たちの支援に役立ててもらおうと、全日空が、フードバンクを行うNPO法人に食料品を寄付しました。

 30日午前、千歳市のNPO法人に到着した1台の車。

 たくさんの箱に入っていたのは、レトルトの中華丼とビーフシチューです。

 これは、全日空が賞味期限の近づいた災害備蓄用の食料品900食を、千歳市を中心にフードバンクを行う団体に寄付したもので、生活が困難な状況になった人たちへの支援のほか、食品ロスの削減が目的です。

出所:HBC公式Webサイト「『困っている皆さまの力になれれば』全日空が期限近づいた災害備蓄食品をフードバンクへ寄付 北海道千歳市」(2023年6月30日)https://www.hbc.co.jp/news/43648b931d030f608eb06bec2d56a5ff.html、2023年7月3日閲覧

「フードボックス、3カ所追加 一人親世帯など支援 『将来は各校区に』 フードバンク 大和高田 /奈良」(2023年6月29日)

 大和高田市に暮らす一人親の子育て世代などに食品を提供している一般社団法人「フードバンク大和高田」(同市北片塩町)が、食品の寄付を募る「フードボックス」を市内3カ所の公共施設に新たに設置した。

 同法人はこれまで商店街などで食品の寄付を受け付けてきたが、さらに多くの協力を求めたいと3月、公共施設としては初めて同市役所にフードボックスを設置した。

出所:毎日新聞公式Webサイト「フードボックス、3カ所追加 一人親世帯など支援 『将来は各校区に』 フードバンク 大和高田 /奈良」(2023年6月29日)https://mainichi.jp/articles/20230629/ddl/k29/040/271000c、2023年7月3日閲覧

多くの市民が訪れる市役所にフードボックス(フードドライブ用のボックス)を設置することで、食品の寄贈をしやすくなることに加え、多くの市民がボックスを目にすることで、フードバンクのことを知ってもらえるという効果が期待できますね。

市川市では、行徳支所に「いちかわフードバンクbyいちかわ社協」さんのボックスが設置されているはずです。市役所にも、フードドライブのボックスを設置できないでしょうか。

「フードバンク 佐賀市の短大の空きスペースを倉庫に活用」(2023年6月14日)

生活に困っている人に食品を提供する「フードバンク」を運営する協議会は、支援用の食品を管理する倉庫として佐賀市の短大の空きスペースを活用することになり、今後、個人や企業からの寄付を一括して受け付けることにしています。

支援用の食品を管理する倉庫が設けられるのは佐賀市の佐賀女子短期大学で、14日はフードバンクの運営を行っている「食でつながるネットワーク協議会」と短大の関係者が出席して、倉庫の設置に関する協定書に署名しました。

倉庫として貸し出されるのは、短大が使わなくなっていた実習室3室で、広さはおよそ526平方メートルあります。

部屋には冷蔵庫と冷凍庫がすでに設置され、インスタント食品が入った段ボールが積まれていました。

NPOや佐賀県でつくる協議会には、子ども食堂の運営や1人親家庭への支援を行っている17の団体が所属していますが、倉庫が手狭で食品の寄付があっても保管する場所がないといった相談が寄せられていました。

このため今後は協議会が一括して寄付を受け付けて短大の倉庫で保管し、各団体に配ることにしています。

「食でつながるネットワーク協議会」の干潟由美子共同代表は「県内で協力して必要とする人に必要な物を届ける仕組み作りができると期待している。これから関係する団体と食品を配分する方法などを話し合っていきたい」と話していました。

出所:NHK 佐賀 NEWS WEB「フードバンク 佐賀市の短大の空きスペースを倉庫に活用」(2023年6月14日)https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20230614/5080014681.html、2023年7月4日閲覧

地域における大学/短期大学とフードバンクの連携の事例ですね。少子化など、様々な理由で、学内に空きスペースが生じる学校は少なくないと思うので、このような動きは今後増えるのではないでしょうか。

と、いうわけで、かなり久しぶりの「フードバンクにゅ~す」でした。本稿で取り上げ損ねた、画期的な取り組みや、注目すべき動きがあるかもしれませんね。こんなニュースがありましたよ!ということをTwitter(あるいはX?)や、当サイトの問い合わせ・連絡フォームから、お気軽にメッセージをいただければ幸いです。

今後も、情報を収集し、整理し、このように発信していく構えです。