【フードバンクにゅ~す】2022年10月20日

フードバンク

9日ぶり14回目の「フードバンクにゅ~す」です。

今回は「生活保護費の減額」、「生活保護の打ち切り」について、裁判で違法という判決が下されたというニュースがあります。

「子ども食堂、私は行っていいの?」(2022年10月14日)

「家族が子ども食堂に行こうと言っているけれど、本当に厳しい家庭があるので遠慮すべきだと思っている」

こんな趣旨の投稿をきっかけにSNS上で議論が始まったのは今月上旬。
このツイートには900件を超えるコメントが寄せられ「誰でも行っていい」という人と「行くべきではない」という人に分かれていました。
このうち湯浅さんが注目したのは「誰でも行ってもいい」という声の多さ。
数年前とは、明らかに違うといいます。

NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」理事長 湯浅誠さん
「私はこの問題に関わって6年ですが、ああ、変わってきたんだなとしみじみ実感しました。今でも子ども食堂は貧困や不登校の子どもが行く場所だと思っている人のほうが多いと思っていますが『誰でも行っていい場所』と言う人がこんなにいっぱいいる。世の中の子ども食堂のスタンダードが変わり始めていると感じて、感動しました」

大人も子どもも、経済的に厳しい人も、そうでない人も「誰でも行っていい」という湯浅さん。
そもそも子ども食堂の役割とは、どのようなものなのでしょうか。

湯浅さん
「運営する皆さんのことばを使うと『分け隔てなく、ここに来てくれる人たちを、もてなしたい、歓待したい。そして、この場所を好きになって自分の居場所だと感じてくれるそういう場所を作りたい』そんな思いがベースにはあります。今、世の中全体の“つながり”のいわば総量が落ちてきてる。だんだん高齢化して人も子どもも減っていく中で、なんとか踏みとどまり、つながりを取り戻したい。そのためにやっているという事なんですよね」「行くべきではないと言った人たちも、善意なんですよね。『あそこは食べられない人が行くところなんだから、あなたが行ったら必要な人の分を1食食べちゃう。必要としてる人に届かなくなるから行かないことが支援だ』というふうに思っているわけです。しかし、実は行くことこそが支援なんだと知ってほしい。なぜなら、みんなが子ども食堂に行くことを控えてしまうと「行く人=大変な人」と見られるようになってしまい、むしろ本当に大変な人が行きにくくなる。子ども食堂は、みんなの中に大変な誰かを包み込む、しかもさりげなく包み込む場所なんです」

ただ、コロナ禍や物価高で子ども食堂の運営が厳しいという話をニュースなどで目にすることがあります。利用者がどんどん増えても、大丈夫なのでしょうか。

湯浅さん
「ある子ども食堂が試算していましたが、原価200円の食事を300円で大人が2人食べてくれれば、1人の子どもに無料で同じ食事を出せるわけですね。コロナで大変だし、物価高騰で大変だからこそ、行ける人は行って応援してあげてほしい

(中略)

湯浅さんは、子ども食堂のような“居場所”がもっと世の中に必要だと話します。
「いわゆる総称しての居場所ですよね。子ども食堂とか地域の居場所、高齢者の居場所。これらはだんだん境界線がなくなってきていると思っていて。経済的に困ってなくても、孤立や孤独を感じる人はいっぱいいるし、1人暮らしがどんどん増えている。みんなに居場所が必要で、こうした居場所を公民館や牛丼屋、コンビニ、事業者、個人…いろんな人たちがあちこちでやっている状態。それが理想ですね

出所:NHK公式Webサイト、「子ども食堂、私は行っていいの?」(2022年10月14日)、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221014/k10013850461000.html、2022年10月14日閲覧(太字は筆者)

湯浅誠さんが子ども食堂の現状と今後について語っています。2021年12月に、湯浅さんがTBSラジオの『アシタノカレッジ』に出演した際、湯浅さんにフードバンクに関する質問を投げかけたところ、回答をいただきました。その時の様子(文字おこし)を記事にしているので、興味がある方は是非お読みください。

愛知県「【特集】子供プロジェクト フードバンクに支援を」(2022年10月14日)

愛知県北名古屋市にある「フードバンク愛知」では、企業などから寄付された食料を子ども食堂や大学生、留学生などに無料で配布する取り組みを行っています。個人への支援は直接行っていませんが、フードバンク愛知には、食料支援を求めるメールや問い合わせが数多く寄せられているということです。

3人の男の子を育てるシングルマザーからは、「値上げラッシュで生活がかなり苦しくなり、子どもたちに満足する量のご飯を食べさせることができず我慢させています」とか、別の女性からは、「幼稚園でコロナが発生し休園しています。働きたくでも働けず、収入は減るばかり。物資を分けていただけますか」など、どうしたら支援を受けられるかといった問い合わせが寄せられています。

また、中には、「食料も尽きてしまい、ここ2日ほど水道水で生活しています。お助け願います」とか、「あす食べるものがなく苦しいので支援よろしくお願いします」といった、緊急を要するメールも届いているということです。

フードバンク愛知では、食料支援が受けられる子ども食堂などを案内しているということです。

支援を求める人が増えている一方で、原材料や物価の上昇で、企業からの食料の寄付は減っていることから、フードバンク愛知では、企業だけでなく、一般の人たちにも食料の寄付を呼びかけています。

さらに、ボランティアも不足しているため、平日、北名古屋市のフードバンク愛知で、配布する食料を仕分けたり、子ども食堂に配送できる人のほか、県内外から、電話やメールで、企業と連携などの対応ができる人なども募集しているということです。

寄付やボランティアの申し込みや問い合わせは、フードバンク愛知のホームページからお願いします。

10月30日には、午前9時から正午まで、北名古屋市のピアゴ西春店で家庭で余っている食品の寄付を受けつける、フードドライブが行われます。

食欲の秋、みんなが、おなかいっぱい食べられるように「寄付の秋」にもできるといいですね。

出所:NHK NEWS WEB(東海 NEWS WEB)、「【特集】子供プロジェクト フードバンクに支援を」(2022年10月14日)、https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20221014/3000025358.html、2022年10月14日閲覧(太字は筆者)

これは、北名古屋市の「フードバンク愛知」さんが置かれている状況ですが、どこのフードバンク団体も似たり寄ったりだと思います。

私たち、「いちかわフードバンクbyフリスタ」も、需要(食品の提供を求めているお困りの方々)が増加している一方で、寄贈していただく食品の量は減っていると感じています。また、食品を集め、倉庫に保管し、それを仕分けして、配布先に届ける(配布先で余った場合はそれを倉庫に戻す)という、物流(運送と保管)の業務量も増えており、人手不足感は強いです。

ボランティア活動をご希望される方、職員の寄贈やお金の寄付を検討している方、何らかの形で「いちかわフードバンク」の活動を支えたいとお考えの方は、こちらのページを是非ご覧の上、お気軽にご連絡ください。

「子どもたちが元気になる思い出を 新宿の稲荷鬼王神社で10月15日に『子ども食堂お祭り』開催」(2022年10月13日)

不登校や引きこもり、障害を持つ子どもたちの居場所づくりに取り組むフリースクール「みんなでつくる学校 とれぶりんか」東京支部は、10月15日(土)に新宿の稲荷鬼王神社(新宿区歌舞伎町2-17-5)で「子ども食堂お祭り」を開催する。

「とれぶりんか」では「子どもたちに元気になる思い出を作ってもらいたい」という。
開催時間は午前10時から午後4時。小雨決行。

食料品・飲料の配布が行われる。お米、カップ麺、乾麺、缶詰め、お菓子など日持ちする食品、と飲料水、お茶と、ラムネなどのジュース類が配られる。希望の方、先着30セットまで用意がある。
また、ヨーヨーすくい、コイン落とし、輪投げ、ビンゴ、射的の屋台も出る。
イベントも開かれる。Coulro(コルロ)のマジック&バルーンアートが、午前10時半、11時半、午後1時半、2時半に行われる予定だ。
さらには、起き上がり小法師絵付け体験やネイルシール体験もできる。

「とれぶりんか」という名称は、第二次世界大戦中にヒットラー率いる独ナチス党の手によって子どもたちとともに虐殺された作家で教育者のヤヌシュ・コルチャック先生が収容された強制収容所からつけられた。

出所:OVO(オーヴォ)、「子どもたちが元気になる思い出を 新宿の稲荷鬼王神社で10月15日に『子ども食堂お祭り』開催」(2022年10月13日)、https://ovo.kyodo.co.jp/news/culture/a-1808418、2022年10月14日閲覧

本稿公開時点では、既に終了しているイヴェントですが、フリースクールが主催するイヴェントであるという点と、子どもたちに元気になる思い出を、という志、そして、フリースクールの名前の由来が「トレブリンカ」※1である(コルチャック先生※2が収容された強制収容所)、という点が気になり、本稿で取り上げました。

なお、子ども食堂と銘打っていますが、記事の内容からすると、食品の無償提供、フードパントリーとする方が適当かもしれませんね。

鳥取県「困窮者支援、踏ん張り時 物価高、円高で必要性高まるフードバンク・地域食堂」(2022年10月18日)

物価や燃料費の高騰などで打撃を受ける世帯を支えるため、岸田文雄首相が子ども食堂の支援拡充などを月内にまとめる総合経済対策に盛り込む考えを示した。鳥取県内でも関係者らは困窮世帯が物価高の大きな影響を受けていると指摘。生活が窮する世帯にとっては追い打ちとなり、フードバンクや地域食堂の必要性が高まっている。一方で急激な円安が進み、関係者は困窮者のさらなる増加を懸念する。

出所:日本海新聞公式Webサイト Net Nihonkai、鳥取県「困窮者支援、踏ん張り時 物価高、円高で必要性高まるフードバンク・地域食堂」(2022年10月18日)、https://www.nnn.co.jp/news/221018/20221018048.html、2022年10月20日閲覧

「いなば食品 缶詰を蒲原ライオンズクラブに寄贈 フードバンク用」(2022年10月19日)

静岡市清水区由比の缶詰製造販売「いなば食品」(稲葉敦央社長)はこのほど、フードバンク用の缶詰30ケースを蒲原ライオンズクラブ(LC、佐野敏夫会長)に寄贈した。

缶詰の内訳はカレーやツナ、カツオ大根など。同区由比のいなば食品配送センターで、同社の担当者が佐野会長らLCメンバーに缶詰の箱を手渡した。缶詰はLCメンバーが各人で集めた食料と合わせて、県のフードバンクに贈るという。

出所:あなたの静岡新聞、「いなば食品 缶詰を蒲原ライオンズクラブに寄贈 フードバンク用」(2022年10月19日)、https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1138463.html、2022年10月20日閲覧

本稿で紹介した別記事で、フードバンク団体への企業からの食品提供量が減っているという状況が伝えられていましたが、この厳しいご時世で、いなば食品さんの食品寄贈は素晴らしい活動であり、静岡県のフードバンク団体、そして、その先の困っている方々にとって、うれしいことですね。

企業とフードバンク団体をつないでいるのが、ライオンズクラブです。良く名前を聞くと思いますが、どのような組織なのかご存知ですか?ライオンズクラブは、〈単なる社交クラブでもなく、寄付団体でもなく、また慈善団体でもない、国際協会を構成する一単位で、クラブの会員の力を集結して諸般のアクティビティを実行する国際的な社会奉仕団体〉なのだそうです。また、「ライオンズ」は、〈「Liberty Intelligence Our Nation’s Safety」(自由を守り、知性を重んじ、われわれの国の安全をはかる)の頭文字を並べたもの〉だとか。初めて知りました(情報出所:ライオンズクラブ国際協会330-A地区キャビネットWebサイト、https://330a.jp/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96/about

市川市でも、「企業(山崎製パン)」→「ライオンズクラブ」→「いちかわフードバンクbyフリスタ」→「子ども食堂」と、想いをつないで食品の流れをつくったことがあります。

各地でライオンズクラブがもつネットワーク(人脈、情報収集力)と行動力、実践力、経験値が生かされているのだろうなと思います。

九州農政局「『令和4年度フードバンク活動促進に向けた情報交換会』の開催について」(2022年10月12日)

九州農政局は、令和4年11月16日(水曜日)に、熊本市において「令和4年度フードバンク活動促進に向けた情報交換会」を開催します。
本情報交換会は公開です。カメラ撮影も可能です。

1.目的
(中略)フードバンク関係者におけるマッチングを促進するなど状況に即した取組を推進するため、関係者相互の連携体制の構築を目的とした情報交換会を開催します。

2.日時
令和4年11月16日(水曜日)13時30分~17時00分(受付開始は13時00分)

3.場所
熊本地方合同庁舎A棟1階共用会議室(熊本市西区春日2丁目10番1号)

4.参加対象
フードバンク活動団体、食品関連事業者、子ども食堂関係者、福祉関係団体、物流関連事業者、地方公共団体、農林漁業者(団体)

5.定員
80名

6.内容
(1)食品ロスをめぐる現状と取組事例報告
 ア 九州における食品ロス削減の取組について
   九州農政局 経営・事業支援部 食品企業課 課長 松尾 佳典
 イ フードドライブを実施する事業者からの取組事例紹介
   イオン九州株式会社 コーポレートコミュニケーション本部
   社長室 エリア政策グループ 担当部長 古賀 健司 氏
 ウ フードバンクと物流事業者の連携による取組事例紹介
   一般社団法人フードバンクママトコ 代表理事 山下 海南子 氏
   ヤマト運輸株式会社 熊本主管支店 営業担当 平川 裕也 氏
(2)出席者による意見交換会

出所:九州農政局公式Webサイト、「『令和4年度フードバンク活動促進に向けた情報交換会』の開催について」(2022年10月12日)、https://www.maff.go.jp/kyusyu/press/syokuhin/221012_17.html、2022年10月20日閲覧

 「生活保護費の減額は『違法』 横浜地裁が処分取り消し 東京などに続き4例目」(2022年10月20日)

国が2013〜15年、物価下落などを理由に生活保護費を引き下げたのは生存権を保障した憲法に違反するとして、神奈川県内の受給者が減額処分の取り消しを求めた訴訟で、横浜地裁は19日、国の手続きを違法と判断し、処分を取り消した。岡田伸太裁判長は「厚生労働相が裁量権の範囲を逸脱または乱用した」と指摘した。多くの受給者が、現状も引き下げられたままで、国に見直しを求める声が強まる。

(中略)

生活保護費を引き下げた国の減額処分に横浜地裁が19日、「ノー」を突き付けた。判決の後、原告側弁護士が地裁前で「勝訴」の垂れ幕を掲げると、受給者や支援者らは拍手で迎え、涙ぐむ人もいた。ただ、物価高の現在も、安倍政権下で決定した保護費の基準は変わらず引き下げられたままだ。生活環境が厳しくなっている受給者は「保護費を上げてほしい」と窮状を訴えた。弁護団は「最高裁まで争えばさらに時間がかかる。国は政治決着も考えるべきだ」と国にボールを投げ掛けた。

出所:東京新聞公式Webサイト、「生活保護費の減額は『違法』 横浜地裁が処分取り消し 東京などに続き4例目」(2022年10月20日)、https://www.tokyo-np.co.jp/article/209096、2022年10月20日閲覧

山口県山陽小野田市「『息子の収入申告せず』と女性の生活保護打ち切り 市が敗訴」(2022年10月19日)

息子に収入があると知りながら申告しなかったとされ生活保護を打ち切られたのは違法として、山口県山陽小野田市の女性が市に処分の取り消しを求めた訴訟で、山口地裁は19日、処分を取り消す判決を言い渡した。山口格之(のりゆき)裁判長は、家庭の事情などが十分考慮されていなかったとし、市の対応を「裁量権の逸脱または乱用があった」とした。

判決などによると、女性は離婚後にうつ病などで働けなくなり、2000年10月から生活保護を受給していた。市は、2人暮らしをしていた高校生の次男が15年ごろに始めたアルバイトで約2年間に67万円近い収入があったことを把握。女性が次男のアルバイトを知っているのに申告しなかったとして17年8月に生活保護を打ち切った。

(中略)

山口裁判長は判決で「保護者が就労を知り得るかは家庭環境などで異なる」とし、市が次男に直接話を聞かないまま、女性が就労を認識していたと決めつけたと指摘。市の処分を「保護を直ちに打ち切る緊急性・必要性や、打ち切りによる生活困窮の程度を十分考慮しておらず、社会通念に照らし著しく妥当性を欠く」などと認定した。

出所:毎日新聞公式Webサイト、「『息子の収入申告せず』と女性の生活保護打ち切り 市が敗訴」(2022年10月19日)、https://mainichi.jp/articles/20221019/k00/00m/040/277000c、2022年10月20日閲覧

「食べ物か暖房か… イギリスではこの冬、多くの人々が厳しい選択を迫られることに —— 利用者が急増するフードバンクを取材した」(2022年10月13日)

人々が生活費高騰の危機に直面する中、イギリスではフードバンクの利用がこれまでにないペースで増加している。
その数はマクドナルドの約2倍だ —— イギリスにはフードバンクが2500カ所以上、マクドナルドが1463店舗ある。
フードバンクでは、食料品やその他の生活必需品を購入できない利用者が増えている。イギリス最大のフードバンクのネットワークを誇る慈善団体トラッセル・トラスト(Trussell Trust)では、需要が80%以上伸びたという。
2022年5月にIndependent Food Aid Networkがフードバンクを運営する団体を対象に実施した調査では、93%が2022年の初めから食料品の需要が高まったと答えていて、その原因として95%が生活費危機を挙げた。

ノースロンドン郊外の裕福な住宅地でフィンチリー・フードバンク(Finchley Food Bank)を8年以上運営しているアンナ・モーガンさんは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがフードバンクに対するニーズを飛躍的に高めたとInsiderに語った。パンデミック前は週に45世帯だった利用者がロックダウン(都市封鎖)中には週に140世帯 —— 人数にして約420人 —— に増えたという。
「人々はCOVID-19の危機から復活していないし、生活費危機で困窮世帯は増加しています」とモーガンさんは話した。賛同者からの寄付によって成り立っているモーガンさんのフードバンクでは最近、1日で152世帯に食料品を配ったこともあるという。

ロンドンはイギリスの中で最も多くのフードバンクが運営されている地域だ。トラッセル・トラストでは、2021/22年度に28万3563人のロンドン市民を支援してきたし、他にも多くのフードバンクが助けを必要とする人のために食料品を提供してきた。ウエストロンドンのアールズ・コートで活動する「ダッズ・ハウス(Dad’s House)」もその1つだ。
10月の爽やかな日差しが窓から差し込む中、ダッズ・ハウスのオフィスのテーブルには10人の人々が集まっていた。
彼らは、4人の子どもと一緒にイギリスに移住したシリア難民のジャマナさんが用意した昼食を食べていた。ダッズ・ハウスはもともとシングルファーザーを支援するために立ち上げられた慈善団体だが、今では数百人がさまざまなニーズを抱えてここを訪れている。全ての利用者に共通するのは、ジャマナさんの料理が大好きということだ。
ザヒアさんもダッズ・ハウスでジャマナさんの料理を楽しんでいた1人だ。食事が終わってオフィスを出る時、ザヒアさんは2人の10代の娘と夫のために1週間分の食料品を抱えて帰った。
COVID-19のパンデミックで生活が本当に厳しくなったと、ザヒアさんはInsiderに語った。夫がサービス業の仕事を失い、一家の収入が突然ゼロになったため、食べる物を確保するにはフードバンクを頼らざるを得なくなった。
そして今、状況はさらに厳しさを増している。この冬、暖房が使えなくなるのではないかと不安だという。

出所:BUSINESS INSIDER、「食べ物か暖房か… イギリスではこの冬、多くの人々が厳しい選択を迫られることに —— 利用者が急増するフードバンクを取材した」(2022年10月13日)、https://www.businessinsider.jp/post-260423、2022年10月14日閲覧(太字は筆者)

「JR小樽駅マーケット10周年記念事業 フードバンク開催」(2022年10月15日)

JR小樽駅内の商業施設・小樽駅マーケット(5店舗)では、2022(令和4)年の今年4月に開業10周年を迎え、10月14日(金)〜16日(日)の3日間で記念イベントを実施している。

北海道済生会との共催で、記念事業のひとつとしてフードバンクを行い、14日は10:00〜16:00に駅構内コンコースに特設会場を設置し、常温で保存可能な食品の寄贈を募った。

16日までは、小樽サンジェルマン・セブンイレブン小樽店・可否茶館JR小樽駅前店・バーガーキングJR小樽駅前店・駅なかマートタルシェ5店のレジで、直接持ち込みを受け付ける。

同事務局の敦賀康夫さんが、物価高騰で生活困窮者がいる中で10周年を迎え、何か地域貢献したい・皆さんに何か還す事業はないかと、小樽済生会に力を借りてフードバンクを実施する経緯を説明し、「1個でも2個でも、みんなで実施すると大きな力になる。できる範囲でできることをしたい。今後も定期的にできれば」と話した。

出所:小樽ジャーナル、「JR小樽駅マーケット10周年記念事業 フードバンク開催」(2022年10月15日)、https://www.otaru-journal.com/2022/10/post-86834/、2022年10月20日閲覧

JR小樽駅で数日前に開催されたイヴェントに関する記事です。多くの人が出入りする鉄道駅で食品の寄贈を受け付けることは、イヴェント前の告知をしやすく、食品を集めやすいことに加え、開催日に多くの人の目に触れることで「フードバンク」の認知向上にも寄与します。

私たち「市川フードバンクbyフリスタ」も、JR本八幡駅の改札外コンコースで「フードステーション@もっとやわた」と銘打ってフードドライブを実施しました。

また、前回の「フードバンクにゅ~す」で取り上げましたが、JR中央線の東小金井駅で、10月30日と31日に「ハロウィンフードステーションinJR東小金井駅」が開催されます。

ハロウィンフードステーションin東小金井駅
https://ftcj.org/archives/32452

ところで、この小樽駅に関する記事で「記念事業のひとつとしてフードバンクを行い」とありますが、正しくは「記念事業のひとつとしてフードドライブを行い」です。用語の意味について下記をご参照ください。

付録:フードバンクに関する用語

フードバンクの活動では、一見似た言葉が多く使われるため、用語を混同する人も少なくありません。ここでは、代表的な用語を簡単に説明します。

フードバンク
食品の銀行という意味で、食品をお預かりし、保管した後、必要なところに届ける団体のことです。
団体そのものを指すだけでなく、活動や拠点を意味する場合もあります。
1. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動をする団体のこと。
2. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動のこと。
3. 預かった食品を管理して届けるための拠点(場所)のこと。

フードドライブ
食品を寄贈すること。
具体的には、家庭や企業等で余ってしまった食品を、フードバンク団体に預けることを指します。
次のような寄贈方法があります。
1.フードバンク団体の拠点に直接持ち込む
2.店舗や施設に常設されているフードドライブ用のボックスに入れる
3.インターネット通販サイトで商品を購入し、フードバンク団体の拠点などに郵送する
4.イベント内で特別に開催されるフードドライブに持ち込む

詳細はこちらをご覧ください。

フードパントリー
食品をおすそ分けすること。
具体的には、何らかの理由で食品を入手することが困難な方に対して、食品などを無償で提供すること、または、その会のこと。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」では、毎月第2土曜日に市川市内の3箇所でフードパントリーを行っています(2022年10月20日現在)。
詳細はこちらをご覧ください。

食品ロス(フードロス)
まだ食べられるにもかかわらず、廃棄される食品のこと。
日本では食品ロスが年間570トン(2019年推計)も発生しており、これは、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い量です。
食品ロスは次の2種類に大別されます。
1. 家庭系食品ロス:一般の家庭で発生する食品ロス
2. 事業系食品ロス:事業活動を伴って発生する食品ロス

フードバンクの活動では、家庭系、事業系、いずれの食品ロスの発生も抑制できます。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」の場合、ご家庭で余っている食品を寄贈いただくことが多いですが、それ以外に、企業様から、中身に問題はないものの、包装が破損したため、店舗で販売できなくなった食品もご提供いただいています。
※食品ロスの説明は農林水産省のWebサイトを参考にしています。

* * * * *

〈注釈〉

※1:フリースクール「とれぶりんか」の名前の由来になった強制収容所「トレブリンカ」とはどのようなものなのでしょうか。〈1941年11月、ドイツ軍当局は占領下ポーランドのワルシャワから北東へ約80キロの地域に、後にトレブリンカと呼ばれる強制労働収容所を建設しました。1942年7月、ドイツ軍当局はトレブリンカIIと呼ばれる絶滅収容所の建設を完成しました。1942年7月から1943年11月にかけて、ドイツ軍とその協力者たちはトレブリンカで87万~92万5,000人のユダヤ人を殺害しました。ドイツ軍はワルシャワゲットーと、ラドム、ビャウィストク、ルブリン地区、およびテレージエンシュタット強制収容所とギリシャのブルガリア占領区域(トラキア)とユーゴスラビア(マケドニア)から、トレブリンカにユダヤ人を移送しました。また、ロマ族(ジプシー)とキリスト教徒のポーランド人がトレブリンカIIで殺害されました。〉(出所:ホロコースト百科事典『トレブリンカ』(簡約記事)、https://encyclopedia.ushmm.org/content/ja/article/treblinka-abridged-article、2022年10月20日閲覧)

※2:〈ヤヌシュ・コルチャック先生(1878年-1942年)をご存じでしょうか。小児科医で児童文学作家、そして孤児院の院長として生涯を子どものために捧げたポーランドのユダヤ人です。1911年ごろからワルシャワに2つの孤児院を作り、子どもの自主性を尊重する革新的な教育を行いました。その実践は30年もの間続けられました。
1942年、ユダヤ人絶滅政策が決定され、ガス室への移送が始まります。コルチャック先生と孤児たちはトレブリンカ強制収容所へ送られることになりました。そこは収容所とは名ばかりの「処刑場」。コルチャック先生と孤児たちを乗せた貨物列車が動き出そうとした時、一人の兵士が、
「先生、今、特赦の知らせが届いたから、列車から降りて良い」
教育者としてその功績が認められ、強制収容所送りを免除されたのです。しかし、先生は兵士に向かって、
「では、子どもたちを先に降ろしてくれ」
兵士からは、「子どもはダメだ。先生だけだ」との言葉が返ってきました。コルチャック先生は、貨物列車から降りませんでした。兵士の再三にわたる勧めに、頑として「子どもが先」そう言い続けたといいます。その後、コルチャック先生と200人の子どもたちはトレブリンカ強制収容所のガス室で亡くなりました。1942年8月のことでした〉(出所:ユニセフ公式Webサイト、ユニセフ・シアター・シリーズ「子どもたちの世界」『コルチャック先生』 上映会、https://www.unicef.or.jp/event/korczak20191026/、2022年10月20日閲覧)

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