公開日 2023年3月5日
総武線の本八幡駅からみて西に20駅目、市川駅からみて西に19駅目といえば、
本八幡
市川
小岩
新小岩
平井
亀戸
錦糸町
両国
浅草橋
秋葉原
御茶ノ水
水道橋
飯田橋
市ヶ谷
四ッ谷
信濃町
千駄ヶ谷
代々木
新宿
大久保
東中野
というわけで、東中野駅です。本八幡駅から乗り換えなしの47分で到着します。
その東中野駅を出て、線路沿いを歩いて数分のところに、
![](https://fs-ichikawa.org/wp/wp-content/uploads/2023/03/ポレポレ東中野-768x1024.jpg)
「ポレポレ東中野」という映画館があります。2023年2月24日、初めてこの映画館に行き、
![](https://fs-ichikawa.org/wp/wp-content/uploads/2023/03/劇場版センキョナンデス.jpg)
噂の映画『劇場版センキョナンデス』を鑑賞しました。
「選挙は祭り!」 by センキョナンデス
ドキュメンタリーのお作法などお構いなし、自らも喋 りまくり聞きたいことをズケズケ聞いて、相手から思わぬ本音を引き出していく ラッパーと芸人。二人の問題意識は、ジャーナリズムにも向けられる。とりわけ 自他ともに認める「新聞読みのプロ」であるプチ鹿島には、どうしてもその姿勢 を問い質したい新聞社があった。香川県の四国新聞だ。本社に乗り込み、ド正論 という刃を突き付ける鹿島 vs 四国新聞のバトルが始まった。
選挙は祭り!参院選 でもヒリヒリする現場を取材しようと二人は大阪に乗り込んだ。その真っ最中に 起こった安倍元首相の銃撃事件。ドキュメンタリーは想定外の方向に展開してい く。街頭演説を取り止める候補者、敢えて行う者、対応が分かれるなか、ある候 補者の取材中に安倍氏の死を知る。事件の真相が分からぬままネット上に飛び交 う無責任な言説を憂い、民主主義とは何かという問いへの答えを探す旅となって いった……。
出所:劇場版センキョナンデス公式Webサイト「イントロダクション」、https://www.senkyonandesu.com/、2023年3月3日閲覧
昨年、2022年に行われた参議院議員選挙の模様を収めたドキュメンタリー映画です。とても面白い作品でした。上の文章に「選挙は祭り」という言葉があります。活動の現場に行くと、祭りの活気は物凄いものがあります(そうでもない陣営もありますが)。こんなに面白い選挙ですが、残念ながら投票というかたちで祭りに参加する人の割合、つまり、投票率は高くなく、この時の参院選の投票率は52.05%でした。市川市にいたっては50.02%で、全国平均を2ppt以上も下回っていました。
2022年7月の参議院議員選挙については、こちらで細かく投票率についてみているので、気になる方はお読みください。
今、市川市の投票率が全国平均を下回ったと書きましたが、市川市では毎回投票率が低いのです。
![](https://fs-ichikawa.org/wp/wp-content/uploads/2022/07/市川市における投票率の推移new.jpg)
来月、2023年4月には、選挙という祭りがあります。是非、投票しましょう!
4月9日(日)は千葉県議会議員一般選挙、4月23日(日)は市川市議会議員一般選挙の投票日です。
投票率が低いと、どのような問題があるのか?については、こちらの記事にまとめています。
投票率アップのために活動する有志の皆さん in 市川市
上で紹介したコラムにも載せていますが、低い投票率のままではいけないと考える人がいて、投票率を高めるべく、活動をしている人が市川市にもいます。
■若者とママの投票率向上委員会in市川
〈私たちは、政党・イデオロギー・思想に関係なく、「選挙に興味を持ってもらう」また「投票率をあげる」ために、選挙や立候補予定者・立候補者の方の情報を、若者とママが分かり易い言葉と提示方法で、公平に発信するグループです〉(Facebookページより引用)
※若者とママの投票率向上委員会in市川の皆さんは、立候補予定者・立候補者への質問と回答をわかりやすく伝えて下さっています。
Facebookページ
Twitter
■iVoters 市川市の投票率向上を目指すプロジェクト
〈i Votersは、市川市の投票率が千葉県ナンバーワンになることを目指して活動します。そのために市政に関わる様々な情報を発信し、市民の政治的関心を少しでも高め、投票行動の促進に繋げたいと考えています。投票率を向上させるためのアイデアを皆さんと一緒に考え、それを実現できるように声を上げていきます。多くの人が暮らしやすく誰もが住みたい市川市になるように、皆さんと一緒に地域を盛り上げていきたいと考えています〉(Webサイトより引用)
Webサイト
Twitter
■市川スウィーパーズ
〈市政への関心および地域への愛着を高め、市川市の選挙の投票率向上と議会構成の正常化を目指す、市川市民による任意のボランティアです。ネット⇔リアル双方から認知→共感→具体行動を促せるプラットフォームとなれるよう、ありたい未来を掲げつつ、自分らが楽しみながら活動をして参ります〉(Twitterより引用)
Twitter
※各団体のコメントは2022年6月5日時点のものです。
国分寺の投票率を1位にプロジェクト
昨年の参院選の投票率が全国平均より低く、なんとか50%を超えた市川市ですが、逆に全国平均を大きく上回っている自治体もあります。東京都国分寺市は全国平均を、ヌ・アント!10ppt近く上回りました。
国分寺市には、「国分寺の投票率を1位にプロジェクト」があり、投票率アップのために様々な取り組みをしてきました。
選挙期間中、JR国分寺駅前にコーヒーの屋台を出店。近くの期日前投票所の場所を案内したほか、コーヒーを飲みながら来客に政治や暮らしに関する会話を楽しんでもらった。投開票日には市内のカフェで、投票済証の提示と引き換えにアイスクリームを振る舞うイベントを開催。夜にはスポーツ観戦のように、選挙特番を大型のスクリーンで流して盛り上げた。自分たちが投票した人の当落を知ってもらうと同時に、当選者がどのような思いで政治活動をするのか知ってもらうためだ。
鈴木さんは「私たちの活動を機に投票した人がいたらうれしい。来春の統一地方選や国政選挙でも続けたい」と次を見据える。プロジェクトのメンバーで自営業の諏訪玲子さん(39)は「投票して終わりだとは考えていない。有権者が政治に関心を持ち続けることが大切。当選者も多くの人の意思で選ばれたという自覚を持ってほしい」と語った。
出所:東京新聞公式Webサイト、「東京・国分寺市で投票率アップの原動力は? コーヒー屋台や大型スクリーン…若者有志の活動が後押し<参院選2022>」(2022年7月17日)、https://www.tokyo-np.co.jp/article/190096、2023年3月3日閲覧 太字は筆者
選挙という祭りを盛り上げるナイスな工夫(K.U.F.U.※1)ですね。
参加=投票したくなります!コーヒーを飲みに、アイスを食べに、市民と話をしに、そして、投票しに行き、自分が参加した祭り=投票した選挙の結果速報を大きなスクリーンで皆でパブリック・ヴューイング!
18歳の有権者へのバースデーレター in 文京区
東京都の文京区も投票率が高いのですが、こちらは区がこんな啓発活動をしています。
若い世代への呼びかけにも力を入れていて、選挙権を新たに得た18歳の有権者には「バースデーレター」。
お祝いの手紙と一緒に、投票の流れや候補者や政党についての情報の集め方などをまとめた冊子を郵送で送るなど、啓発にも力を入れています。
文京区選挙管理委員会 大武保昭 事務局長
出所:NHK NEWS WEB、「参議院選挙 2022 投票率ランキング 全国最下位の街では…」(2022年7月12日)、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220712/k10013713101000.html、2023年3月3日閲覧 太字は筆者
「長い時間をかけてこれまで地域の方と一緒に取り組んできた啓発活動があるからこそ、投票率が高いと思います。啓発活動はすぐに効果を出すことが難しい面もあるため、こうした地道な活動にしっかり取り組んでいきます」
投票率が低い市川市では、上に挙げたような有志の方々が投票率アップのために活動をしていますが、行政は投票率が低いことをそれほど問題視しているようには(私には)見えません。
2021年10月の衆議院議員選挙の際、市川市公式Twitterでは、選挙公示日に投票日のことを投稿したくらいで、投票に行くよう市民に呼び掛けるような投稿はしていませんでした。
文京区の取り組みを参考に、市川市には、「千葉県で投票率が最も高い市」を目指して、行政が率先して投票率アップに取り組んでほしい、というのは、甘えすぎでしょうか?(求めすぎてる?僕 ※2)
ノルウェーの首都オスロの場合
住民に政治への興味を持ってもらい、選挙で投票してもらうためには、外国で行われているK.U.F.U.も参考になります。
9日、北欧ノルウェーでは統一地方選挙を迎える。国政選挙と大きく違う点が、地方選挙では多くの移民(外国人)も投票ができること。
首都オスロの大通りカール・ヨハンでは各政党のスタンドが並び、選挙運動が連日おこなわれていた。
無料配布されているのは飲食物や文房具だけではなく、公約が書かれたパンフレットもある。
各党の政策の特徴、「今年の選挙でなぜあなたは投票をしたほうがいいのか」訴えた紙、若者や高齢者などにターゲットを絞ったチラシなど。
党によっては20種類はあるのではないかと思われる大量のチラシから、自分が欲しいものだけをもらうことができる。
出所:Yahoo!ニュース、「投票率が低い移民や若者にどう語りかけるか 北欧ノルウェーの例」(2019年9月9日)、https://news.yahoo.co.jp/byline/abumiasaki/20190909-00141919、2023年3月3日閲覧 太字は筆者
映画館で、今後上映される予定の映画のチラシを何枚か取って持ち帰って読むように、各政党の、あるいは各立候補者のスタンドが街中にあって、自由にチラシ、リーフレットなどを持ち帰れるのは良いですね。
政治は政(まつりごと)とも言いますが、古代においては政治と祭りが一体だったことに由来する表現だそうですね。今こそ、政治は祭だ!という構えで、みんなが参加してこの祭りが盛り上がるようにK.U.F.U.したいものです!
* * * * *
〈注釈〉
※1:「K.U.F.U.」はライムスターの名曲です。活動休止期間を経て復活したライムスターが2010年に発表したアルバム『マニフェスト』収録。
※2:「求めすぎてる?僕」は及川光博氏の名曲です。1996年発表作品。