こんにちは。フリースタイル市川のノスタルジー鈴木です。
你好!我是来自弗里斯泰尔市川的怀旧铃木。(中国語、簡体字)
Xin chào! Tôi là Nostalgia Suzuki từ Free Style Ichikawa.(ベトナム語)
नमस्कार! म फ्रिस्टाइल इचिकावा बाट नोसटाल्जिया सुजुकी हुँ।(ネパール語)
Kumusta! Ako si Nostalgia Suzuki mula sa Free Style Ichikawa.(フィリピン語・タガログ語)
안녕하세요! 저는 프리스타일 이치카와의 노스탤지어 스즈키입니다.(韓国語)
မင်္ဂလာပါ! ကျွန်တော်က ဖရီစတိုင်း အိချိကာဝါမှ နိုစတယ်ဂျီး ဆူဇူကီ ဖြစ်ပါတယ်။(ミャンマー語・ビルマ語)
本稿では、私が3年前に書いた記事「市川市は小さな地球」の内容や、このタイトルについて、再考してみたいと思います。
市川市は小さな地球(日本語)
市川市是一个小地球(中国語、簡体字)
Thành phố Ichikawa là một Trái Đất thu nhỏ(ベトナム語)
इचिकावा शहर सानो पृथ्वी हो(ネパール語)
Ang Lungsod ng Ichikawa ay isang Munting Mundo(フィリピン語・タガログ語)
이치카와시는 작은 지구입니다(韓国語)
အိချိကာဝါမြို့သည် သေးငယ်သောကမ္ဘာတစ်ခုဖြစ်သည်(ミャンマー語・ビルマ語)
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私は、「市川市は小さな地球」に、〈市川市内の外国人の総数は2021年9月末時点で16,765人でした〉(引用)と書きました。
3年後に当たる2024年9月末時点の市川市内における外国人の総数は、4,494人増えて、21,259人となっています(出所:市川市「令和7年版 市川市統計年鑑」、元データ出所:市川市総務部総務課、市川市市民部市民課。https://www.city.ichikawa.lg.jp/gen01/0000480878.html)。
下図は、2017年から昨年(2024年)までの市川市内の外国人数の推移を表しています。
この図から、2019年まで増加していた市川市内の外国人の数は、コロナ禍に一旦は減少に転じたものの、2023年に大幅に増加し(+9%)、昨年もその勢いが続いた(+12%)ことがわかります。
また、「市川市は小さな地球」には、〈市川市には、103の国・地域の人が住んでいます(無国籍、未設定を除く。2021年9月末時点)。〉(引用)とも書きました。
2024年9月末時点では(前回同様、やはり筆者がカウントしたところ)、112の国・地域の人(日本国籍の人以外)が住んでいることがわかりました。
外国籍の人が増え、国籍も増えています。多様化が進んでいます。多様性はあたりまえという状況があります。「市川市は小さな地球」という表現が、あながち大げさではないと思うのですが、どう思いますか?
ちなみに、1年半前に、「【コラム】112か国・約1万8千人の外国籍の方が暮らす市川市が「多文化共生社会」を目指すのは自然なこと」を書いた時には、112か国の人が住んでいる状態にありました。既に。
ところで、この記事で詳述していますが、「多文化共生」を市川市では「multicultural coexistence」という英語で表記しています。しかし、この英語表現は、やや和製英語的であるという見方もあります。記事では「多文化共生社会」を「intercultural society」とする表現を紹介しています。
「multicultural」は「共存(並立)」であるのに対し、「intercultural」には「相互理解と対話」といったニュアンスがあり、「異なる文化の人々が交流し、相互に影響を与える関係」を表すようです。前者の場合、「異なる文化が同じ空間に存在する」が、「交流しない可能性もある」ということですね。
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さて、先ほど、市内の外国人の人数が増えていることを図(棒グラフ)で確認しましたが、国籍別に見てみましょう。ここでは、2020年と2024年(いずれも9月30日現在)の国籍別人口を比較します。下図は、2024年時点の人口が多い上位10か国のデータを表しています。

この図から、
- 1位の中国が圧倒的に多いこと、増加幅は2位や3位の国と比べて小さいこと
- 2位のベトナム、3位のネパール、6位のミャンマー、8位のスリランカ、9位のインドネシアの増加幅が大きいこと
が見て取れます。
また、国籍別人口の上位5か国が外国人の人口全体に占める割合は、2020年には73%でしたが、2024年には69%に低下しています。一方、6位~19位が占める割合は、21%から25%へと上昇しています(市川市のデータを用いて筆者が算出)。国籍別の上位集中度が、やや弱まっていると言えます。私たちが市川市で生活していると、より多様な国籍の人と出会う可能性が高まってきているとも言えるでしょう。
ちなみに、ウクライナ国籍の人は、2020年には7人でしたが、2024年には20人に増加しています。ロシアによるウクライナへの侵攻により、世界各国に避難したウクライナ人が多くいますが、日本にも、市川市にも、ウクライナ人が避難しています※1。
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まさに、「小さな地球」のように、多様な人たちが住んでいるのが、市川市なのです。
今年の2月11日に、「みんな集まれ!パレードしようよ!」、「Al We Need is ごたまぜ~ごたまぜこそが全て~」と高らかに謳った、多様性を大歓迎する、そんなイヴェント「市川ごたまぜミュージカルパレード」の記念すべき第1回が開催されました(ニッケコルトンプラザにて)。
筆者もこのイヴェントの運営に関わったのですが、今後は外国籍の人たちにも参加してもらえたら良いなと考えています。Come together !
Ichikawa Gotamaze Musical Parade
Come one, come all — let’s parade together!
All We Need Is Gotamaze – Because Gotamaze Is Everything!
市川ごたまぜ音乐游行
大家快来!一起游行吧!
我们只需要“ごたまぜ”——“ごたまぜ”就是一切!
Cuộc Diễu Hành Ca Nhạc Gotamaze tại Ichikawa
Mọi người ơi, đến đây diễu hành cùng nhau nào!
Tất cả những gì chúng ta cần là Gotamaze – Gotamaze chính là tất cả!
इचिकावा गोतामाजे म्यूजिकल परेड
सबै जना आऊ, हामी सँगै परेड गरौं!
हामीलाई चाहिने सबै कुरा Gotamaze हो – Gotamaze नै सबैथोक हो!
Ichikawa Gotamaze Musical Parade
Halina kayo, sama-sama tayong mag-parade!
Ang kailangan lang natin ay Gotamaze – Gotamaze ang lahat!
이치카와 고타마제 뮤지컬 퍼레이드
모두 모여요! 함께 퍼레이드해요!
우리에겐 고타마제만 있으면 돼요 – 고타마제가 전부예요!
အိချိကာဝါ Gotamaze ဂီတပွဲတော်
အားလုံးလာပါ။ အတူပဲ Parade လုပ်ကြရအောင်!
ကျွန်ုပ်တို့အတွက်လိုအပ်တာက Gotamaze တစ်ခုပဲ – Gotamaze ကတန်ဖိုးတစ်ခုလုံးပါပဲ!
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さて、本稿執筆日は2025年7月16日で、4日後の7月20日は「第27回参議院議員通常選挙」の投開票日です。
ん?「通常選挙」?それって、「総選挙」とどう違うんだっけ?あと、国会議事堂(の建物)に、「参議院(の議場)」と「衆議院(の議場)」が存在するの?それとも、ひとつの議場を各院の議会開催時に使い分けている、ゆずり合っているの?どうなの?――そんな疑問が湧いた人もいることでしょう。ズバリ!そうでしょう!※2
ポッドキャスト番組 !ka !ch!kawa(イカ市川)の通算233回目の放送『市川市は小さな地球と言われる理由』(2025年7月13日公開)で、その辺のことを話していますよ(誰が?筆者こと私が)。
その参議院選挙では、各党、各立候補者が、外国人政策を掲げており、争点としてにわかに注目を集めていますね。私の記憶では、国政選挙で外国人に関することが、これほどまでに話題に上がったことはありません。色々な意見があって当然ではあるのですが、外国人の排斥につながりかねないような政策も目につきます。
国際基督教大学の橋本直子准教授は、2025年7月9日にFacebookに投稿した記事で、2025年7月20日の参議院選挙を前に外国人に関するデマ※3が横行しているとし、以下の点をデータに基づいて解説しています。
外国人入国者数と在留者数
コロナ禍を除いて急増しており、昨年(2024年)は4,000万人以上が入国し、そのうち約3,700万人が観光客でした。中長期在留外国人は約377万人で、人口の約3%を占め、これも増加傾向にあります(出典:入管庁)。
不法滞在者数
2025年1月1日時点で74,863人であり、ピーク時の1993年と比較して約4分の1に減少しています(出典:入管庁)。不法滞在者が刑法犯を犯しやすいというデータはなく、送還を恐れるためむしろ逆であるという見解が示されています。
外国人犯罪の状況
短期入国者と中長期在留者が急増しているにもかかわらず、外国人犯罪は近年ほぼ横ばいです。刑法犯の約6割は窃盗で、殺人や強盗などの凶悪犯は極少数です(出典:法務省『犯罪白書』)。また、外国人の起訴率は日本人の起訴率よりも高いとされています。
国民健康保険の利用状況
2023年度の被保険者総数に占める外国人の割合は4%であるのに対し、総医療費に占める外国人の割合は1.39%です(出典:厚生労働省)。橋本氏は、比較的若く健康な外国人が日本の高齢者医療を支えている実態が明らかであると述べています。
生活保護の利用状況
生活保護を援用・準用できる外国人は、特別永住者、永住者、永住者の配偶者、定住者、日本人の配偶者か難民です。これらの外国人が増加しているのに対し、2023年の被保護外国籍世帯は約4万6千と、ほぼ横ばいで推移しています。被保護世帯総数は約163万世帯で、うち外国人世帯比率は2.8%となっています。
なお、被保護外国籍世帯の多くは韓国・朝鮮籍の高齢者で、この方々は1981年に日本が難民条約に加入するまで社会保障に入れず(差別により就職も難しく)、無年金または低年金ゆえに生活保護が必要なケースが多いとのことです。
外国人による土地取得
包括的な中長期データはありませんが、2023年度の「重要施設周辺等における土地取得」において、外国人・外国系法人による土地取得面積は0.75%、件数は2.2%でした(出典:内閣府)。
外国人留学生は優遇されているのか?
2024年5月時点の外国人留学生約34万人のうち、日本政府から奨学金を得る国費留学生は9,304人のみで、大部分は私費留学です(出典:文部科学省)。橋本氏は、国費留学生は帰国後に要職に就くエリートの卵であり、日本にとって中長期的に有益な投資であると指摘しています。
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本稿を読んだ方は、是非、ポッドキャスト番組 !ka !ch!kawa(イカ市川)の通算235回目の放送『市川市は小さな地球と言われる理由』(2025年7月16日公開)をリッスンしてみてください。
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ところで、JR本八幡駅の南には、国際色豊かなストリートがあるのですが、ご存知ですか?
何の国際色かというと、「食の国際色」です。
ストリートに面して、
- イタリアン
- フレンチ
- 中華
- インド
- 世界中のビールが飲めるバー
- おでん
- 寿司
- 串カツ
の飲食店が並んでいるのです。いわば、
International Gotamaze Food Street
ですね。具体的な場所、わかりますか?今度、一緒に行きましょう!(近くには、英国料理や韓国料理のお店もありますよ)
各国のおいしいものを食べながら、「多文化共生ごたまぜ社会」について考え、その社会の実現を目指しましょう!
All We Need is Gotamaze(ごたまぜ)!
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〈注釈〉
※1:3日前、NHKのWEBサイトに「ウクライナから日本に避難 長期化で支援終了も 約2000人岐路に」と題された記事が掲載されていました(2025年7月13日公開、https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250713/k10014861821000.html)。少し長いですが、引用します。
〈ロシアによる軍事侵攻が始まって3年以上たったいまも、ウクライナから国外に避難している人は564万人を超えています。そうした人たちへの支援は世界各国で先細っていく傾向にあり、日本に避難しているおよそ2000人のウクライナ人も日本で生活を続けるのか、帰国するのか、岐路に立たされています。
(中略)
ウクライナから避難した人たちへの支援を続けている「日本財団」は2022年5月から一定の条件を満たした人々に対し1人当たり年間100万円を支給し、合わせて2000人が申請しました。
支援は最長3年でことし5月から順次終了していて5月はおよそ140人、6月はおよそ360人、7月はおよそ170人への支援が終了します。
日本財団がことし1月から3月にかけてウクライナからの避難者を対象に行ったアンケートでは、回答した937人のうち「できるだけ長く日本に滞在したい」または「ウクライナの状況が落ち着くまでは、しばらく日本に滞在したい」と答え、日本での滞在を希望したのは合わせておよそ70%でした。
ただ「働いている」と答えた人は半数ほどで、このうち安定した収入が得られるフルタイムで働いている人は25%にとどまり、就職は大きな課題となっています。〉(引用)
ウクライナ情勢に関する報道が減っていると言われています。それに伴い、人々の関心が低下していくことは想像に難くありません。筆者も、ロシアによる武力行使が始まった直後は、その衝撃から、様々なところで憤りや戸惑いを発露したものです。しかし、最近ではそうすることはほとんどないのが実情です。
「見える化」の逆、「見えない化」が進んでしまっていると言えるかもしれません。これについてはウクライナ情勢に限った話ではありませんね(例えば、2024年1月1日に発生した能登半島地震に関する報道の減少と感心の低下など)。悩ましいですね。
※2:『ちびまる子ちゃん』の登場人物、丸尾末男氏の決め台詞です。
※3:この記事の最下段に記した「余談」のような発言・発信は、決して珍しいものではないと思います。
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執筆日:2025年7月16日
公開日:2025年7月16日
執筆者:ノスタルジー鈴木