【ちょっと昔】懐かしのお店や銭湯が満載の下総中山駅南口の案内板

コラム

先日(2024年3月18日)、市川市ではなく船橋市ではありますが、JR総武線の下総中山駅の南口、高架下の「餃子の王将」の入口付近の金網フェンスに「街の案内板」が掲出されていることに気が付きました。

ちなみに、なぜ私がそこにいたのかというと、「餃子の王将」でランチを食したからなのです。食べ、そして飲んだのは、

  • 焼き餃子6個
  • 生ビール
  • ソース焼きそば(初)

でした。ソース焼きそばを王将で食したのは初めてです。

さて、冒頭に掲載した画像が、その――王将の入り口付近の金網に設置されし――案内板です。

改めて案内板を見てみましょう。全体ではなく、部分を。

①下総中山駅の南には多様なコンビニがありました

私が黄枠で囲んだセブンイレブンは現存します(し、私はしばしばこの店=セブンイレブン船橋本中山3丁目店=で買物をしたりプリントアウトをしています)が、赤枠で囲んだ4つのコンビニ(100円コンビニを含む)は、もうありません。

今は、いずれもコンビニ以外の業態の店舗などになっています。店舗の屋号として、ampm(ファミリーマートに買収されて消滅)、ショップ99(ローソンストア100になり消滅)はなくなり、スリーエフもなくなりました(企業は現存し、屋号としてはローソン・スリーエフがありますが、純粋な=ローソンが付かない=スリーエフはないのです)。

案内図中のショップ99は、ローソンストア100になった後、しばらく営業したものの、閉店し、跡地にイオン系のアコレという小型ディスカウントスーパーになりました。この店も閉店し、現在は「茶々華」という素敵な(ギャラリーのある)カフェになっています。

この案内図が描かれた時(2010年頃?あるいはそれより前でしょうか?)よりも、全国のコンビニエンスストア店舗数は大幅に増えています。日本フランチャイズチェーン協会によると、2010年1月には42,704店舗だったコンビニエンスストア店舗数は、2023年1月には28%増加して54,784店舗になっています。が、下総中山駅の南のこのエリアのコンビニ店舗数はぐっと減りました。

②下総中山駅の南には「寿湯」と「桔梗湯」がありました

子の案内板が制作された時点で、2つ銭湯がありました。2つとも目視したことはありますが、行く機会がないままに、営業終了してしまったため、永久に入浴することはできなくなりました。桔梗湯さんの近くには豆腐屋さんがありましたね。

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手書きで描かれ田この種の案内図、実は、大変貴重なものなのではないでしょうか。ある時点のスナップショットとして。

こちらは、本八幡駅前で2019年の夏に撮影した写真です。北口のロータリーにあるバス停の柵に取り付けられてました。板面が歪んでいることから、今(2023年3月)はもう外されて、そこにはないかもしれません。

京成百貨店があり、十字屋があります。京成百貨店のある区画は直角三角形の形状をしており、再開発前であることがわかります。

JR本八幡駅北口の案内板。2019年8月24日撮影。

地図(手書きのもであれ何であれ)には、過去のある時点の街の姿が刻まれています。手書きの案内板は、常に最新の情報に塗り替えられていくGoogleマップよりも利便性や正確性では劣ります。利便性云々以前に、2019年時点で上の案内板は全く役に立たないとさえ言えるでしょう。表題に記した「ちょっと昔」どころか、「相当昔」の八幡エリアの様子が刻まれているものですので。

アート作品として愛でることはできます。というか、パブリック・アートとは別の意味で、元は実用性のあるものとして制作され、配置されたものが、その価値を失ってなお、そこにあり続けていることで、アートの域に達したとも言えそうです。人の記憶を喚起し、その人をほろ苦いノスタルジーの隘路に誘引する魔力を秘めているとも。

ところで、以前、国府台を舞台に、過去の記憶を辿って地図を描くというワークショップを開催したことがあります。

この記事でも触れた、(ワークショップで描いた地図とはやや異なりますが)個人のある時期の日常を地図にプロットして作り上げていく「日常記憶地図」というメソッドがあります。これを行うことで、その土地において、人々が、普段、特段意識していない場所の記憶や風景が、グッと立ち上がると言います。

前々から、一度、「日常記憶地図」を制作するワークショップに参加してみたいと思っています。どこで?市川市で。ジュニアハイスクール時代の仲間と制作してみようカナート思います。

では、またお会いしましょう!See Ya!

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執筆日 2024年3月20日
公開日 2024年3月20日