【コラム】4年制の市民大学「佐倉市民カレッジ」

コラム

公開日 2023年1月2日

先日、「チイコミ!」で興味深い記事を読みました。

チイコミ!
全国的にも珍しい4年制市民大学『佐倉市民カレッジ』3年ぶりのリアル文化祭
https://chiicomi.com/press/1988382/

佐倉市民カレッジは全国的にも珍しい4年制の市民大学です。

共に学び行動する仲間づくりと、生涯の学習活動を支援するため、30年前に開設、中央公民館で開催されています。

カレッジ生の皆さんは、生きがいと郷土愛を持ち、住みよいまちづくりを考え行動していく主役として、仲間と楽しみながら、元気に学び続けています。

出所:チイコミ!、「全国的にも珍しい4年制市民大学『佐倉市民カレッジ』3年ぶりのリアル文化祭」(2022年12月28日)、https://chiicomi.com/press/1988382/、2022年12月31日閲覧(太字は筆者)

カレッジの対象者は、佐倉市内に在住する40歳以上で、4年間継続して通学でき、卒業後は地域活動に積極的に参加できる人となっています。学習内容は以下の通りです。

1・2年生 であい課程

一般教養

  • 佐倉の歴史
  • 健康
  • 家庭
  • 生きがい
  • 法律
  • 環境
  • 市政
  • 福祉
  • 経済 など

3・4年生 専攻課程

4コースの中から1つ選択

  • あったか福祉コース
  • ふるさと歴史コース
  • さわやか情報コース
  • ゆっくり元気コース

情報出所:千葉県佐倉市公式Webサイト内の「佐倉市民カレッジ」紹介ページ、https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/chuokominkan/302/2526.html、2022年12月31日閲覧

画像出所:千葉県佐倉市公式Webサイト内の「佐倉市民カレッジ」紹介ページ(https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/chuokominkan/302/2526.html)より。

専攻過程では、国立歴史民俗博物館、高速ネット296、順天堂大学、NPO日本ランナーズ、東京情報大学などから講師を招き、専門的な講義と実習などを行うそうです(情報出所:チイコミ!、「全国的にも珍しい4年制市民大学『佐倉市民カレッジ』3年ぶりのリアル文化祭」(2022年12月28日)、https://chiicomi.com/press/1988382/、2022年12月31日閲覧)

チイコミ!の記事によると、3年ぶりにリアル開催された「佐倉市民カレッジ文化祭」では、会場となった公民館のホールに、絵画、写真、工芸品などが展示されたとのことです。また、学習室では個人やサークルによる学習成果、調査研究活動の発表があり、歌・音楽を披露する音楽祭も開催されたそうです。

カレッジ生同士は交流し、共に地域活動、まちづくりを行う仲間として、つながりをつくりやすいと思いますが、このカレッジ文化祭は、外に開かれており、未来のカレッジ生にとっての入口になりえます。中高年の大人たちがいきいきと楽しそうに活動していることが、文化祭を通じて広く伝わると、同年代の佐倉市民はもちろん、若い世代にとっても、地域への関心や帰属意識が高まるなど、好影響があるかもしれせんね。

* * * * *

市川市には、NPO法人いちかわライフネットワーククラブと市川市が共催する、まちづくりのリーダー(Town Management Officer)を養成するための「いちかわTMO講座」があります。

この講座では、「これから地域活動を始めたい」「今の活動の幅を広げたい」「コミュニティービジネスを立ち上げたい」といった想いを持つ受講者が、課題発見力、表現力、コミュニケーション能力などを学びます。市川市と包括協定を締結している千葉商科大学、和洋女子大学、千葉工業大学の協力もあり、講義内容は多岐にわたっています。また、ワークショップを通じて、プレゼンテーション能力(共感を得るために必要な表現など)を学びます。

「いちかわTMO講座」を受講することで、既に市川市で地域活動をしている人であれば、活動の輪郭を明確にしたり、他者に説明する際の伝える力を高めたり、直面している課題を解決する糸口を見つけることにつながるでしょう。

また、当時の私がそうだったように、「地域で何かしたいけれど、それが何か全く決まっていない」という人にとっては、自分が関心を持っている地域課題が何なのかを考える良い機会になります。

そして、地域で活動する/しようとしている仲間と出会える貴重な機会となります。性別、年代、関心領域、専門分野などの異なるメンバーが1つの期に集まります。期を越えた交流の機会もありますので、普段の交遊関係では接点がないような人と、交流し、混ざり合う、大変刺激的な日々を送ることができます。

「いちかわTMO講座」の受講生募集は、毎年7~8月に『広報いちかわ』や、下記Webサイトで告知されると思います。興味のある方は、チェックしてみてください。

NPO法人いちかわライフネットワーククラブ Webサイト
いちかわTMO講座

https://www.i-lnc.jp/ichikawa-tmo/

出所:特定非営利活動法人フリースタイル市川公式Webサイト、「【TMO講座】フリスタのメンバーズとたくさんの仲間たち」(2022年3月6日)、https://fs-ichikawa.org/tmo20220306/、2022年12月31日閲覧

「いちかわTMO講座」には、ベーシック講座と、その講座を修了した人が対象の、アドバンス講座があり、後者の終了発表会は、受講者以外にも開かれているため、誰でも聴講できます。その他、市川市民であれば誰でも参加できる「TMOシンポジウム」(概ね年に1回開催されます)という公開型イヴェントもあります。

ただし、この講座でどのようなことが学べるのか、修了生がどのような活動をしているのか、外(つまり、いつかわTMO講座未受講者)からは、ほとんど見えないようにも思えます。

「佐倉市民カレッジ」が開催している文化祭(昨年は11月に5日間の期間を設けて開催していました)のように、「いちかわTMO講座」でも、未受講者との接点を増やす、あるいは接面の面積を広げるような工夫を講じても良いと思います(TMO講座運営者からすれば余計なお世話だと思いますが)。

また、市川市で、「市川市民カレッジ(仮)」を、中高年対象ではなく、20~40代のパースンを対象に開講/開校するのも面白いと思います。そう思いませんか?

などと書き連ねながら思ったのですが、フリースタイル市川も、外から見ると、何をしているのか、どんなメンバーがいるのか、よくわからないかもしれません。フリスタこそ、外から中が良く見えるように窓を大きくすることや、接点を増やしたり、接面を広げることをすべきなのかもしれませんね。

参考記事