【コラム】「市長、市川市でこれからあればよいなと思うロボットはどんなロボットですか?」「コピーロボット」(2019.2.17)

コラム

執筆日 2023年4月20日
公開日 2023年4月23日
冒頭の画像の出所は、藤子・F・不二雄大全集「パーマン」1巻 P20です。

2019年2月17日(日)の10時10分から11時30分、市川市の行徳文化ホール I&I 1階会議室で、「シンクロニシティ-あるいは、すでに起きた未来」という風変わりなテーマが設けられた会合が開かれました。

これ、実は、村越祐民前市川市長が市内で開催していたタウンミーティングなのです。テーマが何のことかよくわからないですね(ちなみに、乃木坂46の「シンクロニシティ」という曲のYouTube公式動画の総視聴回数は、2023年4月20日0時の時点で53,718,617回でした)

このタウンミーティングの議事要約は、2023年4月20日時点でも、市川市公式Webサイトで閲覧できます。

市川市公式Webサイト
タウンミーティング「シンクロニシティ-あるいは、すでに起きた未来」議事要約
https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000303636.pdf

この記事要約の最後に、「開催中にとりあげることのできなかった意見とそれに対する村越市長(当時)の回答」が掲載されており、面白い内容なので、紹介したいと思います。

<11>技術を進化させる上で、文化や歴史が淘汰されることが度々懸念されますが、その
ような財産をいかにして守るか、何か案がありましたら、お教えください
市長:
文化や歴史を大切にします。

<12>今回のテーマ「シンクロニシティ」は、「同時性」、「共時性」等と日本語に訳される
言葉ですが、どのような意味合いで使われているのでしょうか。
市長:
みなさんがそれぞれバラバラに夢みていることが現実になるという意味合いです。

<13>市内の公園にあるトイレの清掃の自動化ロボットの可能性はありますか?
市長:
人の手で掃除をしたほうがいいのではないか。

<14>市長、市川市でこれからあればよいなと思うロボットはどんなロボットですか?
市長:
コピーロボット。

出所:市川市公式Webサイト、2019年2月17日に開催されたタウンミーティング「シンクロニシティ-あるいは、すでに起きた未来」議事要約、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000303636.pdf、2023年4月20日閲覧、太字は筆者

11の質問への回答は、回答になっていません。

13の質問への回答は、なぜそう思うのか、理由を知りたいところです。

14の質問への回答も、なぜそう答えたのかを問うてみたいですね。個人的に欲しいロボットは何ですか?という質問ではなく、市川市にあればよいロボットが、コピーロボット。

画像出所:藤子・F・不二雄大全集「ドラえもん」16巻 P470

コピーロボットは、パーマンが使っているロボットで、赤い鼻を押すと、押した人物とそっくりな姿になり、身代わりになってくれるものです。身代わりになってもらっている間に、パーマンは正義のために働き、帰還したら、コピーロボットの額に自分の額をつけて、コピーロボットの記憶を共有します。

漫画、あるいはアニメの『パーマン』の主人公、みつ夫くんは小学生で、それほど正義感が強いわけではなく、バードマンというパーマンの親玉から召集がかかると、嫌々パーマンに変身して、だるそうな顔つきで集合場所に向かうことが多いのですが、文句を言いながらも頑張って役割を全うするみつ夫くんはカッコいい男です。

そんなみつ夫くんはクラスメイトのみっちゃんという女子が気になっていますが、みっちゃんは相手にしてくれません。みっちゃんは正義のヒーロー、パーマンに夢中です。

みつ夫くんは、自分がパーマンであるとみっちゃんに告げて、振り向いてもらいたいけれど、パーマンはその正体をバードマンや他のパーマン以外に知られてはいけないというルールがあるので、正体が自分であるとは言えません。

ちなみに、みっちゃんがパーマンに憧れるように、みつ夫くんは、テレビで活躍する小学生アイドル星野スミレさんに夢中です。

みつ夫くんがパーマンに変身して活動するとき、彼はパーマン1号なのですが、パーマン3号の正体が、星野スミレさんなのです。パーマン同士は正体を明かして素顔を見せても良いのですが、スミレさんは、アイドルだからとちやほやされたくない、同じ仲間として対等な関係でいたい、という思いから、正体を他のパーマンたちにも教えません。

そして、パーマン3号こと星野スミレさんは、パーマン1号ことみつ夫くんのことが大好きなのです。そのことを言いはしませんが。

スミレさんは、みつ夫くんが夢中になっているみっちゃんに嫉妬しています。また、パーマン1号は、同僚の3号の正体が気になりつつも、おてんばなキャラクターと認識しており、好意を表に出すような相手ではありません。

『パーマン』は実に奥深い作品です。

  • みつ夫 → みっちゃん → パーマン1号
  • みつ夫 → 星野スミレ → みつ夫
  • パーマン3号 → みつ夫

ところで、アニメ431話「なんでもパータッチ」という回は名作ですよ。

パータッチというのは、パーマン同士が手をつなぐと2倍のスピードで飛べるようになる、というもので、3人でつないだら3倍、4人なら4倍になります。

「なんでもパータッチ」は、このパータッチにまつわるエピソードなのですが、パーマン1号と3号の手が、接着剤でくっついてしまって、互いに嫌がっているそぶりをみせつつも、パーマンとして世のため人のために活動します。しかし、その活動が終わって、解散する頃になっても、まだ手が離れない、参ったなぁ、帰れないよ、でもしょうがないか、という感じで隣り合って家屋の屋根に座ったりして隣り合って過ごす二人。時間が経過して、実はもう接着剤の効き目がなくなって手を離せるのだけど、気付かないふりをしてずっと手をつないでいる――という話です。パー子ことパーマン3号は幸せだったでしょうね。一方、1号は、家に戻ったら、親の手伝いか学校の宿題をしなくてはいけないけれど、どうしても帰れない理由があるから、それができないのもしかたないか、手が離れないから、と、トラブルを都合の良いように利用していました。したたかな少年、みつ夫。

アニメ『パーマン』の「なんでもパータッチ」、久しぶりに見たくなりました。