【フードパントリー】「当日の寄贈」と「場づくり」と「工夫」

フードバンク

「いちかわフードバンク by フリスタ」では、「フードドライブ」で寄贈していただいた食品や皆様からのご寄付で購入した食品などを、適切に保管、仕分け、運搬した上で、「子ども食堂」や「フードパントリー」の実施主体、他のフードバンク団体などに届けています。

私たちの「フードバンク事業」では、この一連の活動に加え、必要としている方に直接食品を届けたい、現場を知り生活困窮その他の実態をなるべく把握したい、との考えから、毎月第2土曜日に、お困りの方に無償で食品をおすそ分けする「フードパントリー」を行っています。

本日(2022年5月14日)は、5月の第2土曜日ということで、市川市内の3拠点(真間の「アンカー市川」、八幡の「大人の学び舎 大黒家」、妙典の「gate.」)で「フードパントリー」を行いました。冒頭の写真は、「フードパントリー」の利用者さんにお渡しする食品の一部です(拠点ごと、カテゴリーごとに、カゴに収納している様子です)。

妙典のgate.(ゲート)に「フードパントリー実施中」であることを示す幟(のぼり)を設置するスタッフ。

朝から降り続いた雨は、お昼頃には止み、15時から17時のフードパントリー実施時は晴れ間も見えました。3つの拠点には、事前にお申込みいただいた利用者さんが次々に訪れ、スタッフと会話しながら食品などを受け取っていました。

お渡しする食品は、私たちが管理する際の制約があるため、原則的には常温食品であり、皆様にお願いしている食品の寄贈、フードドライブでも、冷蔵・冷凍が必要なものは受け取れません、としています(フードドライブで受け付けている品物の条件などは下の記事をご参照ください)。

ところが、例外的なこともあります。本日、フードパントリーの当日に、お花の移動販売のkiku-su様より生花を、船橋市の奈良たまご様より今朝産まれたての卵を、個人の方よりお庭で採れた夏みかんを寄贈していただいたので、直後にフードパントリーにいらっしゃた方にお渡しすることができました。寄贈いただいた皆様、どうもありがとうございました!

本日、フードバンクに寄贈していただいた品です。早速、フードパントリーでお渡ししました。上から右回りに、「お花の移動販売のkiku-su様より生花」、「船橋市の奈良たまご様より今朝産まれたての卵」、「個人の方よりお庭で採れた夏みかん」です。

パントリー当日に持ってきていただくことで、栄養がたくさんある生鮮食品もお渡しすることが可能となります。

生卵で食べるととても美味しい奈良たまご様の卵は利用者の皆さんも大変喜んでいました。

また、きれいなお花をお渡しした女性は家の中が華やかになると笑顔で受け取っていただきました。

出所:フリースタイル市川のFacebookページ投稿記事(2022.5.14) https://www.facebook.com/freestyleichikawa/posts/543472450777018

これは、フリースタイル市川のFacebookページに、フリスタの代表理事である「ずん野口」が記した文章の一部です。

フードパントリーの当日に、「よかったらどうぞ」と、ご厚意をいただいたことを通じて、私たちの活動というのは、地域の皆様の「優しさ」と「困った時はお互い様」という「温かな気持ち」に支えられているのだな、と改めて実感しました。

フードパントリーの各会場にいらっしゃる利用者の方々は、様々な事情から食品の入手にお困りでいらっしゃるわけですが、その場では、必要なものを入手するという直接的な目的を果たすだけでなく、スタッフとの会話を楽しんだり、休息しながら新聞を読んだりと、思い思いの過ごし方をしています。月に1回のフードパントリーが、ほっと一息つける場になっていたり、互いの近況を伝える機会になったりしているようです。

フードパントリーを始めた当初は想定していなかったのですが、「食品の提供」という第一目的以外に、利用者さんそれぞれが、パントリーの場にいらっしゃる目的を見出してくれているように感じています。関わっているスタッフにとっても、人とのふれあいから「場づくり」「まちづくり」を考えるきっかけになっているようです。

ところで、今回のフードパントリーでは、カゴに入った品物を利用者さんご自身で選び取ってもらう方法を導入しました。従来は、あらかじめ世帯人数などを踏まえて仕分けしたものをお渡ししていましたが、仕分けを担当するスタッフの作業負荷や、パントリー拠点でのスタッフの行動などを多方面から検討した結果、新しいトライをしたのです。

「いちかわフードバンク by フリスタ」は、活動開始から1年に満たないので、確立された方法論を持っているわけではありません。また、既に多くの方からご支援をいただいていますが、資金面、人材面など、まだまだ十分とは言えません。今後も、常に「工夫」して、より良い効果を得られるように、必要とされる限りは、持続的、安定的に運営していきたいと思います。

皆様からの引き続きのご支援、応援、そして、ご助言、仲間としての参加など、どうぞよろしくお願いいたします(フードバンク活動の支援の仕方、関わり方については、下の記事をご覧ください)。

最後に、自分たちに言い聞かせるために、「K.U.F.U」(つまり、「工夫」)という歌のリリックを引用します。

常に研究

常に練習

知恵を結集し

君をレスキュー

武器はたゆまぬ「K.U.F.U.」

出所:「K.U.F.U.」RHYMESTER ※1(作詞:宇多丸・Mummy-D)

〈注釈〉
※1:「RHYMESTER(ライムスター)」は、〈宇多丸(ラッパー)、Mummy-D(ラッパー/プロデューサー/またグループのトータルディレクションを担当 *作編曲家としての名義はMr. Drunk)、DJ JIN(DJ/プロデューサー)からなるヒップホップ・グループ。自他共に認める「キング・オブ・ステージ」。フィジカルとエモーションに訴えかけるパフォーマンスと、当意即妙なトークによって繰り広げられるライブに定評がある。1980年代後半、まだヒップホップが広く一般に認知されるはるか前より「日本語でラップをすること」の可能性と方法論を模索。並行して精力的なライブ活動を展開することによってジャパニーズヒップホップシーンを開拓/牽引してきた〉(出所:RHYMESTER Webサイト「BIO」 https://www.rhymester.jp/bio/)という、稀有な存在です。