【ローカルメディア漫遊記】多彩な鳥が飛ぶ『鳥爺残日録』

コラム

ご存知ですか?
去年のクリスマス・イブ(2021年12月24日)、市川市内でこんな攻防があったことを。

…カラスに追われて猛禽類が目の前に飛んできた。慌ててカメラを向けたが近すぎてピントが合わない。目の前の木の左から右に抜けようとしたので、その後を追おうとしたら、木の右には出てこない!あれ!!空を見上げてキョロキョロしたが、やはりいない。木の中に入ったか?なかなか見つかられなかったが木の周辺を廻り探してやっと見つけた。オオタカだ!近い!カラスはそれを見ていたのか、数羽うるさく鳴いている。そのうちの1羽が木に入り始めたので、オオタカは…

出所:「大柏川沿い オオタカ(Northern Goshawk)が近づいてきた!おまけは、ジョウビタキ(Daurian Redstart)♂とセグロセキレイ(Japanese Wagtail)」、『鳥爺残日録』2021.12.24 https://torijijiisuga.blogspot.com/2021/12/northern-goshawkdaurian.html

食物連鎖の頂点に君臨する猛禽類であるオオタカがカラスを強襲したのかと思きや、そうではなく、カラスの方がオオタカを…という攻防を描写しているのは、鳥爺清左衛門とりじじい せいざえもんさん。オオタカとカラスの攻防が、最終的にどうなったのか?是非、リンク先の記事でチェックしてください。

鳥爺清左衛門さんは、2019年から『鳥爺残日録』というブログを綴っています。

鳥爺残日録とりじじい ざんにちろく
https://torijijiisuga.blogspot.com/

ブログの紹介文には、次のような記載があります。

【日残りて昏るるに未だ遠し】※1なのでブログを始めました。

散歩をしながら市川市にある大柏川第一調節池緑地、大町自然観察園等の野鳥を紹介します。

出所:『鳥爺残日録』 https://torijijiisuga.blogspot.com/

鳥爺清左衛門さんが散歩で訪れるのは、市川市の北部にある、次のような場所です。

  • 大柏川第一調節池緑地(北方町)
  • 大町自然観察園(大町)
  • 大柏川沿い(大野町、南大野など)
  • いちかわ市民キャンプ場(柏井町)
  • 市川大野高等学園裏(大野町)
  • こざと公園(南大野)

散歩に出かけた先で出会った鳥たちをカメラで撮影しており、ブログには鳥の写真がたくさん掲載されています。

冒頭で紹介した、去年のクリスマス・イブの記事には、オオタカなどの写真が添えられており、いや、添えられているというよりは、写真が主で文章が従という印象を受ける、そんな構成になっており、それぞれの日の記事には、鳥の写真を中心に、植物の写真も掲載されているため、季節による自然の変化を楽しめます。

ブログには非常に多くの種類の鳥が登場しており、市川市に生息する鳥の種類の多様性に気付かされます。例えば、2021年1月は、鳥の写真が掲載されている記事が10本あるのですが、登場する鳥は27種類※2にも上りますます。年間を通じて何種類の鳥が登場するのでしょうか。私たちの身近に、こんなにたくさんの鳥たちがいることに、驚くばかりです。

市川市には外国籍の人が多く住んでおり、国籍などによらない共生社会をつくろうという動きがありますが※3、鳥さんたちもたくさんの種類が市内に住んでいるのですね。

『鳥爺残日録』2021年4月に登場する鳥たち。左上:コチドリ、右上:キビタキ、左下:カケス、右下:オオタカ。画像は『鳥爺残日録』掲載のものではありません。

もう1つ、記事を紹介しましょう。

2020年1月に、南大野のこざと公園を訪問した際の日記です。
「今日の写真は、トリミング、明暗調整一切なし。これだけ近くで撮れる日もない」ということで、被写体の鳥さんたちの美しい姿が大きく写っています。

引用したのは文章のみなので、是非、リンク先の記事で、鳥爺さんが撮影した鳥の写真を見てください。とても素敵です。

今日は、曇り。昨日が暖かかったからか寒い。こざと公園を経由して大柏川沿いを歩こうと思ったが、途中で腹痛となり こざと公園のみの撮影となった。途中で、小雨がぽつぽつ落ちてきたので、これはこれで良しとしよう。
今日の写真は、トリミング、明暗調整一切なし。これだけ近くで撮れる日もない。

【ハシビロガモ(Northern Shoveler)】頭の毛がびろびろ。
【メジロ(Japanese White-eye)】ふわふわな羽毛が暖かそう。
【キセキレイ(Grey Wagtail)】少し汚れが目立つ。
【ヒヨドリ(Brown-eared Bulbul)】いつもは撮らないのだが?
【カワセミ(Common Kingfisher)】車道からわずか数mの距離。うるさくない?

出所:「こざと公園 いつもの野鳥達 ハシビロガモ(Northern Shoveler)、メジロ(Japanese White-eye)、キセキレイ(Grey Wagtail)、ヒヨドリ(Brown-eared Bulbul)、カワセミ(Common Kingfisher)」、『鳥爺残日録』2020.1.22 https://torijijiisuga.blogspot.com/2020/01/northern-shovelerjapanese-white-eyegrey.html

この記事でもおわかりのように、鳥爺さんからそれぞれの鳥さんへのコメントがあります。
これを読むのがとても楽しいのです!
最近の日記より、いくつか紹介します。

今季2回目の出会い。
(アトリ、2022.2.25)

椿の花とのコントラストがきれいだね。
(メジロ、2022.2.25)

葦に捉まるのは珍しいね。
(エナガ、2022.2.25)

水面に映る姿も美しいね。
(キセキレイ、2022.2.25)

今日は沢山見かけたよ。
(ウグイス、2022.2.12)

動きが速すぎ。すぐ隠れる。
(ミソサザイ、2022.2.12)

この後、別れた!喧嘩別れ!
(ジョウビタキ、2022.2.11)

この子はいつも一人でいるね。
(アカハラ、2022.2.11)

この子も一人。雪の中だときれいだね。
(ツグミ、2022.2.11)

出所:『鳥爺残日録』2022.2.11、2022.2.12、2022.2.25 ※一部誤字を修正(早すぎる→速すぎる)

上で引用した記事にも登場した、こざと公園(こざと北公園、こざと南公園)は、人工のため池と遊歩道から成り、道路ストリートを挟んだところには、市川グリーンハイツ(A~D棟)、市川パークハイツ(A~C棟)という、共に11階建てのマンションが立っているなど、昭和50年代以降に開発が進んだ住宅地にある貴重な水辺です。
そんなこざと公園には、先の記事にあるように、カワセミがいたり、かつてはハクチョウの親子が住み着いていたこともあります。

こざと公園とマンション群の間の通りストリートを歩くと、一方にはマンション群が立ち並んでいるのですが、反対側にはこざと公園があるおかげで、視界には大空が広がり、とても良い気持ちになります。

南大野のこの通りストリートを、特別に歩行者天国/自転車天国にしてもらって、爽やかな風と柔らかな陽光を浴び、水と緑を身近に感じながら、近隣の店舗で開かれているワークショップに参加したり、大野公民館のキッチンでつくられた美味しいものを購入して食べながら歩いたり、公民館の一室で鳥爺さんに市川の鳥さんの写真をスライド投影でご紹介いただいた後、一緒にこざと公園で、または自転車か徒歩で大柏川第一調整池緑地に赴き、鳥さんの姿を眺め、歌に耳を澄ます…という休日を過ごせたら良いな――そんなことを、南大野出身の私※4は夢想(あるいは画策)しています。話が逸れました。素直に I’m sorry ※5

『鳥爺残日録』2021年11月に登場する鳥たち。左上:ヤマガラ、右上:カワセミ、左下:ウグイス、右下:キセキレイ。画像は『鳥爺残日録』掲載のものではありません。

そういえば、昨年12月に『市本いちぼん※6で開催された読書会※7の参加者に、野生動物の研究をしており、鳥のフィールドワークをしている大学生がいたことを思い出しました。読書会で、この大学生が紹介していた本は、川上和人著『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』でした。今度、読んでみたいと思います。

『鳥爺残日録』2021年11月に登場する鳥たち。左上:ミサゴ、右上:アオサギ、左下:オカヨシガモ、右下:ダイサギ。画像は『鳥爺残日録』掲載のものではありません。

鳥さんに注がれるやさしい眼差しに溢れたブログ『鳥爺残日録』を、多くの人に知っていただき、読んでいただけると、ブログのファンである私としてもうれしいです。

『鳥爺残日録』を読み/見て、いつ、どこで、どんな鳥さんに会えるかを頭に入れた上で、北市川/市川市北部の水辺や緑地、公園などを散歩してみることをお勧めします。

* * * * *

最後に、鳥と言えば、この言葉、ということで、私が好きな一節を紹介して、本稿を締めくくりたいと思います。

野生のような鴨になれ。

出所:当時オリックス・ブルーウェーブに所属していたイチロー選手に、長嶋茂雄氏が贈った色紙に書いたとされる言葉
野生のような鴨になれ(from 長嶋茂雄さん to イチローさん)

〈脚注〉
※1:「日残りて昏るるに未だ遠し」は、武士である三屋清左衛門が隠居した後の生活を描いた小説、藤沢周平著『三屋清左衛門残日録』に登場する一節です。

※2:『鳥爺残日録』の2021年1月の記事のうち、鳥に言及している10本の記事には、次の27種の鳥が登場します。
アオジ(Black-faced Bunting)
イソヒヨドリ(Blue Rock Thrush)
ウグイス(Japanese Bush warbler)
エナガ(Long-tailed Tid)
オオジュリン(Common Reed Bunting)
オカヨシガモ(Gadwall)
カワセミ(Common Kingfisher)
キセキレイ(Grey Wagtail)
キンクロハジロ(Tufted Duck)
コサギ(Little Egret)
シロハラ(Pale Thrush)
セグロセキレイ(Japanese Wagtail)
セッカ(Zitting Cisticola)
タシギ(Snipe and Teal)
タヒバリ(Buff-bellied Pipit)
ツグミ(Naumann’s Thrush)
ヒドリガモ(Eurasian Wigeon)
ホオジロ(Meadow Bunting)
ホシハジロ(Common Pochard)
マヒワ(Eurasian Siskin)
マミチャジナイ(Eyebrowed Thrush)
ミソサザイ(Eurasian Wren)
メジロ(Japanese White-eye)
モズ(Bull-headed Shrike)
ヤマガラ(Varied Tit)
ユリカモメ(Black-headed Gull)
ルリビタキ(Red-flanked Bluetail)

※3:市川市の市民部市民課資料によれば、2020年9月30日時点で外国籍の人口は17,463人(2015年から4,501人、35%増加)で、国・地域の数は105でした。なお、市川市には、市川市国際交流協会(IIA)という協会があります。「協会は、市川市の歴史的・文化的特性を継承しつつ、その一層の発展に向けて、異なる文化や価値観をともに認め、尊重しあえる豊かな社会づくり、市民主体の国際交流・国際協力の促進を図ることを目的とします」(出所:市川市国際交流協会(IIA)のWebサイト http://www.iia21.jp/iia.html
※4:申し遅れましたが、本稿の執筆者は、NPO法人フリースタイル市川のメンバー、ノスタルジー鈴木です。こざと公園のほとりで少年時代を過ごしました。
※5:「素直に I’m sorry」はチェッカーズのシングル曲。
※6:「市本(いちぼん)」は、次のような特徴を持った施設で、JR市川駅北口にあります。
「主に社会人や大学生の方を対象に、本を介した学びと交流を促進し、働きながらも学び続けていける環境の醸成や新たな交流の機会創出を目的とした施設です。気になる本を読んだり本に関するイベントに参加するなどの新たな学びと交流の機会を提供します」
(出所:https://www.city.ichikawa.lg.jp/edu12/0000377465.html
※7:2021年12月に「市本」で開催された読書会の概要と、私が読書会で紹介した書籍については、以下の記事を参照してください。「【コラム】『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』を読んで」 『フリースタイル市川 Webサイト』2022.1.5 https://fs-ichikawa.org/uwanosora/

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