【コラム】LGBTQ+市民講座を受講しました(2024年2月28日、Zoom)

コラム

市川市が毎年実施しているLGBTQ+市民講座を昨年に続いて受講しました。先日、当サイトでも講座が行われることを告知したので、もしかしたら記事を読んで受講を決めた人がいるかもしれません。

※冒頭の画像は、Filmbetrachter氏により制作されたもので、Pixabayからの引用です。

昨年(2023年)1月30日に受講した内容を含む記事はこちらです。

今回受講した内容について、市川市の総務部、多様性社会推進課の方から、ぜひ、周りの人にシェアしてほしいと言われたこともあり、聴講しながら取ったメモランダムの一部を紹介します。

2024年2月28日、Zoomで開催された講座――
LGBTQ+市民講座 はじめて学ぶ多様な性
「LGBTQ+を切り口に多様性を考える」(講師:進藤夏葉氏)

映画『カランコエの花』の紹介

講座の冒頭で、映画『カランコエの花』の紹介がありました。昨年(2023年)、私が映画館で鑑賞した映画の中で最も魅了された作品、『少女は卒業しない』の監督、中川駿氏が、それよりも前に監督を務めた映画が『カランコエの花』です。

「うちのクラスにもいるんじゃないか?」
とある高校2年生のクラス。ある日唐突に『LGBTについて』の授業が行われた 。
しかし他のクラスではその授業は行われておらず、 生徒たちに疑念が生じる。
「うちのクラスにLGBTの人がいるんじゃないか?」生徒らの日常に波紋が広がっていき…
思春期ならではの心の葛藤が 起こした行動とは…?

出所:映画『カランコエの花』公式Webサイト、https://kalanchoe-no-hana.com/、2024年2月28日閲覧

主演は今田美桜氏。見たいと思いつつも、これまでに見たことがなかったので、今回の講座を受けたことをきっかけに、見ることを誓います。

セクシュアルマイノリティは自分のセクシュアリティをカミングアウトしているか?

電通による2020年の調査によると、当事者555人のうち、「誰にもカミングアウトしていない」の割合は57%でした。半数以上です。

よく、
「セクシュアルマイノリティに会ったことがない」
「セクシュアルマイノリティは周りにはいない」
と言う人がいるが、近くにいても(あなたに)言えていないだけ、と言う可能性もあります。

自分(あなた/わたし)は、セクシュアルマイノリティ当事者にとって、自身のセクシュアリティをカミングアウトしやすい、言いやすい相手でしょうか。

LGBTQ+の理解の前に

そもそも、人権・差別・多様性の理解があって
その上で、SOGIを理解し
その上でLGBTQ+を理解する

――という順序で理解するものです。

「偏見はない」は危険な考え方

「全然気にしないよ」
「私偏見ないよ」
と言う人がいますが、そう考えること、それを相手に伝えるのは危険かもしれません。

講師の進藤氏は、昔はそういう言葉を言われて、うれしいと感じたそうです。しかし、今、そう言われると、モヤモヤするということです。

セクシュアルマイノリティ当事者が自身のセクシュアリティを伝えた時、「そうなんだ、全然気にしないよ」「そうなんだ、私、偏見は持っていないよ」とわざわざ言うことは、不自然ではないでしょうか(いちいち、偏見がないよと言う必要ありますか)?

シスジェンダー(Cisgender。自分の性をどう認識するかという「性自認」と、生まれ持った性別が一致している人)に対して、セクシュアルマイノリティ当事者は、「全然気にしないよ」と言いますか?(言いません)。

マイクロアグレッション

マイクロアグレッションは、小さな攻撃というような意味で、日常的に行われています。障がい者、高齢者、女性、セクシュアルマイノリティ、人種や民族的な少数者などが、日常的に経験しています。

「そんなつもりはなかったのに」、相手を傷つけてしまいます。

その人が属する集団を理由に、貶めるようなメッセージを、日々のやり取りの中で発してしまい、なかなか気づけないと言います。自然に語っていることが、相手にとっては貶められていると感じてしまうことがあるため、マジョリティは、相手のマイノリティ性を踏みにじっている可能性に自覚的であるべきなのです。

☞ マイクロアグレッションの事例を知っておかねばならない!

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、完全に光を遮断した「純度100%の暗闇」の中、視覚障害者の案内によって、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむ(体験する)、ソーシャル・エンターテイメントです。会場へは竹芝駅や浜松町駅からアクセスできます。

進藤氏は2回体験し、重要な気付きを得ました。

1回目に感じたことは――

  • 障がいは弱さではない
  • 障がい者は弱者ではない

2回目に感じたことは――

  • 障がいは個人が持っているのではなく、社会が、私たちが、つくっているもの

「障がいは社会の方にある」の例:
ある、目が見えない人は、
「ショッピングモールに入ると出てこられなくなるかもしれないと思って入れない」
「エレベーターに乗って降りると何階にいるかわからなくなる」
そうです。エレベーターやショッピングモールをつくる人は、誰かが困るようにつくっているわけではありません。しかし、困っていない人がつくっているエレベーターやショッピングモールは、「そんなつもりはなかったのに」誰かが困るようなものになってしまっている、無自覚にそうしてしまっているかもしれません。

☞「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、フリースタイル市川の定例会議でも、あるいは私が受講した「ふなばし市民大学校 ソーシャルビジネスコース」の懇親会でも、話題になっており、是非行きたいです。

人が持っているバリア

4種類のバリアがあります。

  • 物理的なバリア
  • 制度的なバリア
  • 文化情報面のバリア
  • 意識上のバリア・・・絶対にあるものだが、自分でしか変えられない。自分で持っているバリアに気付いて自分で壊すしかない

進藤氏いわく、

  • このようなバリアが誰にもないようにすること、それが人権を守ることだと思っている
  • 困っていない人がバリアに気付くのは難しい
  • 「マンガでわかるLGBTQ+」という本がわかりやすい
  • 漫画「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」「青のフラッグ」も良かった
  • 書籍「社会問題のつくり方」は激推し
  • Netflixドラマ「HEARTSTOPPER」「SEX EDUCATION」も良い
  • 人権、シチズンシップ(市民性)が重要

とのことです。

☞ 人権について学ぶことは必須!

特権性

あるマジョリティ側の社会集団に属していることで労なくして得る優位性が、特権性です。

目が見えているから得ている優位性がある、ということは、その分、得ていない人たちもいます。そのことはあまり気付かれていません。自分たちが無意識につくっているバリアを自覚することが重要です。

(映画『タイタニック』のストーリーを振り返りつつ、)誰かだけが生き残れる社会をつくっていると、環境・状況・基準・状態が変われば、自分や自分の大事な人が生き残れなくなるかもしれません。人権を重んじる社会は、全員が生き延びられる社会とも言えます。

困っている当事者だけでなく、みんなで考えよう!

SOGI(Sexual Orientation & Gender Identity)

SO:好きになる性 & GI:自認する性。セクシュアリティ(性のあり方)は、誰もが持つアイデンティティです。

構成する4つの性は――

  • 自認する性
  • からだの性
  • 好きになる性
  • 表現する性(髪型、言葉づかい、服装、ふるまい)

自認する性、好きになる性は、見た目ではわかりません。

☞ アンケート調査で性別を選んでもらう設問があります。
  かつては「男性」「女性」だけでした。
  現在はこれらに「その他」「回答しない」が加えられています。
  これは戸籍上の性別を答えるのでしょうか?マイクロアグレッションになっていやしませんか?

☞ シス男性が、相手を女性だと思って好きになったとしても、その人のSOGIが何であるか見た目だけではわからりません。

異性愛者は「普通の人」ではなく、ヘテロセクシュアル。「私は普通の人」という言い方は、まさにマイクロアグレッションです。

アライ(ALLY)

LGBTQ+では無いけれどLGBTQ+の人たちの活動を支持し、支援している人たちのこと。他者からは、その人がALLYなのかどうか見た目では判断できないので、ALLYの人は自身がALLYであると、サポーティブな姿勢を示してほしい、と進藤氏が語っていました。

☞ 私は「東京レインボープライド2023」で購入したレインボウのアイテムを身に着けてアピールし(てい)ます!

おわりに~良い社会の実現を少しでも早く

以上が、市川市の総務部多様性社会推進課が主催し、進藤夏葉氏が講師を務めた、「LGBTQ+市民講座 はじめて学ぶ多様な性『LGBTQ+を切り口に多様性を考える』」(2024年2月28日、Zoom)を受講しながらメモったものを元に、かろうじて記事化したものです。

進藤氏が講座の中で言っていた、

今も、生きることに絶望している人がいる。
少しでも早く、その人が安心して生きられるように、社会をより良くしたい。

という言葉が忘れられません。この言葉の前段には、「以前よりは社会も良くなっている」「大変だと思いますが、あと10年後にはもっと社会はよくなっているはずですよ」といったことを進藤氏が言われる、ということが語られ、社会が良くなるのはもちろん歓迎します、しかし――、という風にして、進藤氏は、この言葉を話したのでした。

私が(フリースタイル市川の鈴木として、ではなく、一個人として)SNSなどで、パレスチナに自由を求めるような発言をするのも、「ゆくゆくは平和な世界に」などという悠長なことを言ってはいられないという焦りのような気持ちがどんどん強く大きく膨らんできたからです。前職でYouTube配信をしていた時にレインボーのネックストラップを装着していたのも同じことです。

今日(執筆日の2024年2月28日)の講座はとても勉強になりました。勉強になった、その満腹感でサティスファクションを感じているだけでは「社会を良くする」ことにはつながりません。何か一歩、踏み出して、学んだら(十分な知識を得ていなくても、例えば、こういうことを学んだ、ということでもよいので)SNSやWebサイトや会話の中で発信していくと良いと思います。

それでは、またお目にかかりましょう。今日も読んでいただき、ありがとうございました。

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執筆日 2024年2月28日
公開日 2024年2月29日(4年に1回、閏年にしかない日付)