公開日 2023年4月4日
3か月ほど前に、あるスポーツを通じて、市を盛り上げようという動きがある、という報道を目にしました。
全日本女子野球連盟から「女子野球タウン」に認定された和歌山県田辺市で、女子野球を通じて地域を盛り上げようという事業が本格化している。18~20日には元プロら女子社会人クラブチームの選手が訪れ、児童生徒を対象にした野球教室やプロモーション動画の撮影があった。
田辺市は女子野球の大会や合宿を積極的に受け入れていることなどが評価され、昨年10月にタウンに認定された。現在は全国で12自治体が認定されている。
出所:AGARA 紀伊民報、「女子野球でまちおこし 田辺市、教室や動画でアピール」(2022年12月20日)、https://www.agara.co.jp/article/245879、2023年4月1日閲覧
「女子野球」で地域を盛り上げようとしている和歌山県の田辺市は、全国に12自治体しかない「女子野球タウン」の1つなのですね。
この記事を見て思ったのは、市川市発祥との説もある(正確なことはわかりません)「フットベースボール」で、市川市を盛り上げることができるかもしれない、ということでした。
なお、フットベースボールの他にキックベースボールという呼称もありますが、本稿ではフットベースボールという語を用います。ちなみに、少年時代に友人とプレイしていた時、私たちはフットベースと呼んでしました。
フットベースボールとは・・・
ボールはドッチボール(2号)と同じ大きさのボールを使用して行い、
ルールはソフトボールをお手本にしており、9人制のスリーアウトチェンジです。
ホームベースにボールを置き、蹴ってから試合がスタートします。
身体の動きとしては、走る・取る・投げる・蹴る、そして素早い判断力が求められる
など小学生児童の女子にもっとも適しているスポーツです。
出所:市川市女子フットベースボール連盟のブログ、「市川市女子フットベースボール連盟について」(2020年5月28日)、http://awahiro.blog133.fc2.com/、2023年4月1日閲覧
ソフトボールに範をとっているフットベースボール、私が子どもの頃は小学校区内の子ども会ごとに女子チームがありました。プレイしていたのは小学生女子だけで、男子はおらず、中学生以上もいなかった気がします。
ちなみに、上の記事では9人制と書かれていますが、「日本フットベースボール協会」の「全国共通ルール」には、11人制と書かれています。
この全国共通ルールには、「一般的な守備位置」が掲載されています。これを書き写したものが、お気づきでしょうか、冒頭の図なのです。せっかくなので、再掲します。
ホームベースと一塁ベース、二塁ベース、三塁ベースに囲まれたダイヤモンド、あるいは、内野と呼ばれる場所に、⑤ライトフォワード、⑥センターフォワード、⑦レフトフォワードという3人がいる点が、ソフトボールや野球とは異なりますね。
また、ピッチャーはおらず、ホームベースにセットしたボールをキッカーが蹴った瞬間に、ゲームが動き出します。
かつて、「夢がMORIMORI」というテレビ番組内では「スーパーキックベース」という競技が行われていましたが、ここでは、ピッチャーが転がしたボールをキッカーが蹴っていました。私が子どもの頃にプレイした競技では、ホームベースに置いたボールを蹴る場合と、ピッチャーが転がすボールを蹴る場合の2通りがありました。
日本フットベースボール協会の公式Webサイトには、恐らくこれが参加している自治体名なのだと思いますが、11の自治体名が載っています(が、市川市は載っていません)。
- 大阪
- 大分
- 広島
- 宮城
- 岡山
- 福井
- 静岡
- 久留米
- 藤井寺
- 臼杵
- 三原
市川市は、この協会に参加していこともあり、協会が定める11人制ではなく、9人制ルールでゲームを行っているのかもしれません。これは完全に私の推測にすぎませんが。
それでは、ここで、再び「市川市女子フットベースボール連盟のブログ」から文章を紹介しましょう。
みなさん、フットベースボールというスポーツをご存知でしょうか。
出所:市川市女子フットベースボール連盟のブログ、「市川市女子フットベースボール連盟について」(2020年5月28日)、http://awahiro.blog133.fc2.com/、2023年4月1日閲覧
市川市が発祥のスポーツといわれており50年以上前から行われております。
現在市内では20チームしかなく(以前は60チーム位ありました)最近は、
チーム数が減少傾向になっているのが現状です。
市川市が発祥ということが史実なのかどうか、私にはわかりませんが、上記の通り、市川市内でかつては大変盛んだったという実感はあります。2020年時点で20チームしかないとのことですが、市川市には市川市立の小学校が39校あるので、市立小学校(の学区)の約半分にはフットベースボールのチームがないという計算になります。
記事のタイトルを「フットベースボールで市川市を盛り上げる」としましたが、フットベースボール自体が市川市で盛り上がりを欠いていると思われる現状なので、まずはフットベースボール競技人口の増加、フットベースボールへの関心を高めることから始める必要がある、そのように理解する方が妥当だと思いました。
* * * * *
ところで…
私が小中学生だった1980年代から1990年代にかけて、サッカーや野球の部活動、クラブ活動に、女子が参加することは、きわめて稀でした。少なくとも自分が通った学校では、皆無だったと思います。女子は野球ではなくソフトボールをプレイし、男子はソフトボールではなく野球をプレイしたものです。野球とソフトボールは違うスポーツであり、野球の女性版がソフトボールではないにも関わらず。
フットベースボールは、市川市でも、他の自治体でも、概ね、「女子小学生のためのスポーツ」という位置づけです。
これを、市川市で、次のようにしていくことはできないのでしょうか。
すなわち…
既存の女子児童の部だけでなく、男子児童の部、男女混成の部、中高生の部、大人の部、シニアの部、性年代混成の部などを設け、市川市内で草野球ならぬ、草フットベースボールのチームがたくさん作られ、互いに試合をし、フットベースボール大会を開催して大いに盛り上がる!
ということになれば、楽しそうですよね。
フリースタイル市川では、よくみんなで「何やりたい?」という話をするのですが、メンバー(他ならぬ私ことノスタルジー鈴木)が、「フットベースボール大会をやりたい」と高らかに宣言したこともあります。
まずはフリスタ内でフットベースボールをやってみようカナート※1思います!
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〈注釈〉
※1:「カナート」は、「かな、と(思いました)」の意味です。「カナート」をご存知ですか?
地下水路式灌漑(かんがい)施設で、アラビア語で地下水路を意味する。乾燥地帯では地表には水はなくても、高峻(こうしゅん)な山脈の山麓(さんろく)に発達する扇状地には、山腹から流下してきた水が地下に浸透するので、扇頂部には塩分を含まない地下水が豊富に存在する。そこで母井戸とよばれる深さ20~30メートルほどの元井戸を30~50メートルの間隔ごとに掘り、井底にわき出した地下水を、長さ数キロメートル、ときには40キロメートル以上に及ぶほとんど水平に掘られた長い地下水路で、元井戸から遠く離れた地点まで誘導して集落に良質の飲料水や灌漑水を供給する。地下水路は地表では見えないが、掘り出した土を搬出し、また通風などのために掘られた多数の竪坑(たてこう)が地下水路に沿って配列されているのがカナートの特異な景観である。カナートは紀元前のペルシアに起源をもち、東はアフガニスタン、パキスタンから中国のトゥルファンにまで及び(カレーズKarezという)、また西はアラブ人によって北アフリカに(フォガラFoggaraという)、さらにスペイン人によって南アメリカのペルーにまで伝えられたという。
出所:コトバンク「カナート」より。https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%88-45771