【ワークショップ】市川市の未来を語り明かしました(市川市企画部企画課主催、2023年11月26日)

活動紹介

現在の市川市は、どんな市なのか、2人の市川市民に聞いてみましょう。

まずは、一人目の方。都内の会社に勤務する女性の声です。

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今の市川市ですか?そうですね、まず、周りに高い建物が少ないので、空が広いです。あと、公園が多くて、行けばすぐに気軽にヨガとかアクティビティができます。自然が多くて、騒音がなくて、静かで、とても暮らしやすい環境ですね。

私は会社に勤めているんですが、リモートワークできる場所が近所にたくさんあるので、今日はここ、明日はこっち、みたいな感じで、気分によって仕事する場所を選べるんです。

休日は、オシャレなパン屋さんや本屋さんがたくさんありますし、近所に図書館もあるので、わざわざ都内に出なくても、地元で楽しく過ごせます。

それに、地域には同世代の知り合いが多いので、情報共有や悩みの解消もしやすいです。

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良いですね、とても快適な環境で生活をしているのが羨ましいです。公園が多い、リモートワークできるスポットが多い、という、拠点・施設の数の多さは生活のしやすさを考えると重要かもしれません。市内にこんな施設がある、といっても、自宅から遠かったり、行きづらい場所にあると、利用したい時に利用できませんし、そもそも数が少ない(供給が少ない)と、利用希望者数(需要)に対応しきれないですから。

続いて、長年勤めていた会社を定年退職された男性の声を紹介します。

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昔よりも、社会保障、セーフティネットが手厚くて、貧富の差が小さくなっていますね、今は。

昔、地元に、「行徳富士」っていう、このあたりで一番標高が高い、いわくつきの山があって、長年放置されていたんですが、撤去されてなくなりました。今は、町がきれいで、路上にゴミがなく、地域のコミュニティが活性化しています。自分のまちを自分でつくるという考えを持って、まちづくりに主体的に関わる人が多いですね。

困ったときはお互い様、みんなで助け合う風土があります。なんでですかね。読書習慣のある人が多いことと関係しているかもしれません。近所でもよく読書会が開かれていますよ。本を読むっていうことは、疑似体験というか、他人になることでもあるので、みんな、自分とは違う人の立場で考える癖がついているのかもしれないですね。

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社会保障が充実していて、その上で、地域コミュニティの中で、みんなが自然に手を差し伸べて互いをカバーし合えっている状況、これは生きやすいように思います。公助があって、その上で、共助の風土がある、理想的ですね。

地域コミュニティとは、つまり、近所付き合いですよね。お互い、顔が見える関係で、自分たちの暮らす地域を綺麗に保とうという意識が行動に結びついているのでしょう。自分が市川市の、あるいは、その町の主人公・主役だから、主体的にまちづくりに関わって当然という考え方をしている人が昔よりも多いんじゃないでしょうか。

ちなみに、私(40代半ばのossan)も現在の市川市について語ったので、一部を紹介しますね。

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25年くらい前と比べると、今は、市内に書店や小さな映画館、ライヴハウスやクラブが、当時の10倍以上に増えていて、規模は小さくとも個性的な拠点が多い市になっています。

当時、市長が健康寿命日本一を目指すと宣言したのですが、ただ長生きするだけじゃなくて、歳をとってからも楽しめる多様なスポットが市川市内にないと、退屈な老後になると思っていたんですよね。今では、楽しめる場所がそこかしこにあるので、長生きしてずっと楽しんでいたくなるってもんですよ!

あと、以前であればハンディキャップとして捉えられていたような心身の状態にある人が、そうではない人と同じように人生を謳歌できていて、楽しむことや挑戦することをあきらめる必要がないことが、昔との大きな違いかもしれません。市川市では、かなり前に、差別禁止条例ができたこともあって、自分と異なる考えや出自の人を排除しようという動きがないのも、過ごしやすい理由だと思います。

休日に公園や河川敷でバーベキューをしたり、サンドイッチを持ち寄ってピクニックしたり、フットベース大会をやったりしているところに、初めてでも、ひとりでも、参加しやすいムードがあるのが凄く良いですね。近所には、市外から移り住んでくる人も結構いますが、みなさん、すぐに仲間作りができている感じです。

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以上、私を含む3名が語る、「今の市川市」でした。

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これらは、実際には、「今の市川市」の話ではありません。今(2023年)、行徳富士はありますし、書店は増えるどころか減少しています。

行徳富士について

閉店することを発表した山本書店さん

では、3人の声は、完全に私の創作、あるいは、私が聴こえたつもりになっている幻聴なのかといえば、そうではありません。

これらは、2023年11月26日(日)10~13時に、市川市役所第一庁舎で開催された、「想い描こういちかわの未来 DRAW THE FUTURE OF ICHIKAWA」(主催は市川市企画部企画課)と題された市民ワークショップの場で、3人が発した言葉を、少し脚色したものです。

市民ワークショップ「想い描こういちかわの未来 DRAW THE FUTURE OF ICHIKAWA」

先程の3人の声は、一体何かというと、自分たちが、今の年齢のまま、2050年(今から27年後)に時間移動したと仮定して、その時、市川市はどのようになっているか、2050年の市川市を(理想の姿として)妄想したことなのです。

私が語ったことは、個人ワークで書き出したもの(下図参照)がもとになっています。

冒頭の画像は、このようにして書かれ、語られた2050年の市川市の姿を、参加者が出し合って、それをグラフィックレコーディングという手法で模造紙に描いていったものの一部です。

ちなみに、上で声を紹介した私以外の2名(男女1名ずつ)が、私の妄想を聴いて、

①私が大事にしていること
②私が見ている情景・環境

を書き出してくれたものが、ピンボケし(ピントがボケ)ていますが、下の付箋です(左が①、右が②)。

2050年の私が大事にしていることと、2050年の私が見ている情景・環境を、書き出すと――

大事にしていることは,
我慢少なく,ポジティブに.
周りの人とのコミュニケーション大事に.
心身ともに健康に.
心にもゆとり.
(周りの人→)立場・ジェンダー・出身など関係なく

情景・環境
・好きなことして生活できる社会
・コミュニティーの活性化
 (ハンデのある人,外国人含む)
・スポーツ・エンタメできる環境の充実
・好きなことができる社会

ということでした。このように書き出してもらうと、自分を客観視できて良いですね。

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ところで、上記の2人とは、余白時間に色々と話したのですが、市川市内を移動するには自転車が適しているという意見で一致しました※1

ただ、行徳地区と八幡地区は、京葉道路や江戸川で分断されていて、経路選択を誤ると、市川インターチェンジを突破できなかったり(途中で歩道が消える!?)、歩道橋が階段のみでスロープが設置されていなかったりと、「あちら側」に行くのをあきらめさせられる、渡りたいという気持ちが挫けてしまうことが起きえます。

市川市内を、自転車で、スムーズに、スイスイと、南から北へ、北から南へ、移動するのに適した経路がわかるように、「いちかわ南北スイスイる~と」とでも名付けて、Web上で閲覧できるようにするのはもちろん、ストリートにも看板を立てるなどして、あっちですよ!と教えてほしいものですね。迷わないように。

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ところで、このワークショップは、現状の「市川市総合計画」の内容を見直して、令和8年度、つまり、2026年度から25年間(2050年まで)のものに改定するための、一つのプロセスとして開催されました。未来の姿を描く、ゼロからイチのフェイズだそうです。

「市川市総合計画」とは、市川市の将来の都市像が掲げられた基本構想です。現行のものは、2000年から2025年までをターゲットにしているため、2026年以降、市川市が目指べき像を今のうちから考えておく必要がある、そのために、このようなワークショップが開催されたというわけですね。

ワークショップは、はじめに事務局から趣旨説明や参加するにあたって注意すべき事項の伝達があり、情報のインプットがありました。

情報のインプットとして、覚えているのは、

・市川市の人口減少や高齢化
・今後10年間で変わるであろう観点

  ①気候変動
  ②サイバーセキュリティ
  ③地政学的緊張とグローバル協力
  ④テクノロジー進化

です。その後で、各テーブル(参加者3~4人と市川市企画課の職員1人)で、チェックインを行いました。チェックインでは、

  1. 呼ばれたい名前
  2. 事務局からのインプット情報を聴いた感想
  3. 市川市で最近ワクワクしたりうれしかったこと

の3つを言い合いましたが、私は3番目の問いに対して、2023年9月9日(土)に、ノスタルジー&ルミエールとして、市川市内のライヴハウス cooljojo jazz+art で「第6回 いちかわミュージック・パーク」のステージに立って演奏したことを挙げました。

ノスタルジー&ルミエール YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@nos_lumi/featured
※2023年9月9日のノスルミのライヴの模様を垣間見ることができます。

ワークショップでは、参加者も市の職員も、呼ばれた名前を書いたシールを服に貼りました。

ワークショップは、その後、個人ワークがあり(2050年の自分がどんな生活をしているか、今の年齢のまま2050年に移動したという想定で書き出しました)、それを共有するグループワークがありました。

その後、全体を2つのグループに分け(1グループは、テーブル4つ分)、改めて、みんなで2050年の市川市の理想像を出し合っていき、グラフィックレコーディングの達人が、参加者の話を聴いたそばから、模造紙に描いていくという荒技を見せ…

冒頭の画像は、この時に描かれたものに、参加者が描き足したいことを加えたものです。

最後に、2つのグループで、それぞれ描かれたグラフィックレコーディングの結果を全体に共有しましたが、一方のグループの内容発表を私が行いました。

最後の最後に、このワークショップに参加して感じたこと、考えたことを記す、「ふりかえりシート」に書き込んで、それを提出しました。それが、これです。

私がワークショップに出席して感じたことなどを書き込んだふりかえりシート。企画課に提出しました。

こんなことを書きました。青色のインクのペンで。

①模造紙全体を眺めてみてください。この街はどんな街でしょう。キーワード、特徴、印象、キャッチフレーズ、思いつく表現で書いてみてください。
いろいろなバリアがなくなっていて
がまんしなくてよい市川市

②参加しての満足度は10点満点中何点ですか?
9

③点数の理由を教えてください。
他の人の意見をきく機会が貴重なので。
さらに外国人なども参加していれば10点でした!

④参加しての気づきや学びはなんですか?気持ちの変化はありましたか?
自分の理想とするまちについてコトバで表せてよかったです。

⑤その他、言葉にしておきたい事、市川市に伝えたい事をご自由にどうぞ。
市民の声を背に受けて、上司や市長でなく市民の方をむいて他市と一線を画した2ユニークなまちづくりを先導してください!市民も一緒にまちづくりしていきます!大胆に!

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ワークショップに参加して良かったと思っています。今後、「市川市総合計画」の策定を進めるにあたって、市川市役所や市のWebサイトなどで、進捗報告があると思うので、チェックしておきます。特筆すべき事項があれば、当サイトで取り上げます。

本稿の最後に、「総合計画」とも関係が深い、「市川市都市計画マスタープラン」に関するコラムを初回して、締めくくります。

それでは、また、お目にかかりましょう。Ciao!!

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〈注釈〉

※1:実は、2人のうち1人は自転車天国研究会(a.k.a.てんてんけん)のメンバーで、私もメンバーなので、ワークショップで同じグループを構成した3人中2人は、自転車天国研究会のメンバーだったのでした。

自転車天国研究会(てんてんけん)公式Webサイト
https://www.tentensuisui.com/

記事本編で言及した、市川市の南(行徳地区)と北(八幡地区)を自転車で移動する時に、どの経路を進めば、ストレスなくスムーズに、ハイウェイ(京葉道路)や、ビッグ・リヴァー(江戸川)を超えられるのか、てんてんけんのメンバーでありながら、知らないので、今度てんてんけんで調べて、てんてんけんのWebサイトに「いちかわ南北スイスイる~と」の地図を載せたいと思います。

※2:ことさら他の市を意識して、差別化を図ろうとする必要があるとは思っていませんが、他市の取り組みを参考にするあまり、市川市でなくても良いようなまちづくりになっては良くないと思うので、敢えて「他市と一線を画した」と書きました。

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執筆日 2023年11月28日、29日
公開日 2023年12月13日