フリースタイル市川のWebサイトにようこそ!毎度おなじみ、フリスタの理事を務める鈴木雄高(a.k.a.ノスタルジー鈴木)です。
当サイトでは、しばしば「eモニ」こと、市川市の「e-モニター制度」を活用したアンケート調査結果を紹介しています。例えば…
これら、既出の記事で取り上げている調査内容と類似したものではありますが、地域活動や地域における居場所に関する最新の調査結果が公表されていたので、紹介することにしました。
市川市 e-モニター制度Webサイト
地域福祉に関するアンケート
https://www.e-moni.city.ichikawa.chiba.jp/em/user/enqResultList/enqLink?enqId=QAQOinm9DQQ%3D
実施期間:2024年1月9日~1月22日
対象者:市川市内在住者限定
有効回答者数:n=1,137
このアンケート調査の結果は興味深いものなので、是非、上のリンク先のWebページをチェックしてほしいのですが、本稿では選りすぐりの質問3つの結果を紹介します。
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▼以下の地域活動に参加していますか。
選択肢は以下の9つです。これら9つの選択肢から、回答者は当てはまるもの全てを選択する方式で回答します。最も回答者割合が高いもの(唯一の40%超)はどれだと思いますか?
選択肢(1~9)
- 自治(町)会の活動
- 地域の伝統行事や祭り
- PTA・子ども会の活動
- ボランティア団体・NPO団体に参画してのボランティア活動
- 近隣に住んでいる方の見守り・声がけ・手伝いなどの活動
- 高齢者クラブ・サロンの活動
- 地区社会福祉協議会の活動
- その他
- いずれにも参加していない
早速、回答の集計結果を見てみましょう。
(2024年1月23日。調査実施は1月9日~22日)より作成
9つの選択肢の中で回答者の割合が最も高いのは、「いずれにも参加していない」で、46%でした。これに次ぐのが、36%の「自治(町)会の活動」です。
「地域の伝統行事や祭り」には、「祭りで神輿を担ぐ(揉む)」ことは含むでしょうが、それを見に行く、出店で買ったかき氷を食べながら歩く、といった行動(オーディエンスになること)も、参加していることに含まれるのでしょうか。そのあたりが、この質問では不明瞭です。
また、「伝統行事や祭り」とありますが、「ボロ市」や「にらめっこオビシャ」は「伝統行事」ですが、「ニューボロイチ」や「鬼まちマルシェ」、「市川ごちそうマルシェ」は、伝統行事ではないです。別の選択肢に「現代的な祭りやマルシェ」があれば良いのですが、それがないのは、こうした新しく誕生した祭的なイヴェントに参加している人は「その他」を選ぶだろうと、設計者が想定しているからなのでしょうか。
私は「ボランティア団体・NPO団体に参画してのボランティア活動」に参加しています。ジョギングをしながらストリートのゴミを拾う活動、「市川プロギング」であれば、主催者も参加者も、この選択肢を選ぶことになります。一方、フードドライブのイヴェントを開催する時、スタッフとして関わっている人は、この選択肢を選ぶでしょうが、食品を寄付しに来てくれた人は、ボランティア活動をしているわけではないので、選びませんよね。
などなど、なぜ、このような選択肢にしたのか、調査設計に対する疑問が次々と湧き上がってきます。eモニの設計の監修か何かを誰か(例えば私)に委託してはどうでしょうか。
ハッ!すみません、私としたことが、話がwakimichi(脇道)に逸れてしまいました。どうしても調査設計が粗い部分に目が向いてしまいます。話をhondai(本題)に戻します。
まず、半数近くの人が地域活動に参加していないという実態、これが一番大きな意味を持ちます(個人の感想です)。2番目に多くの人が選択した項目が、自治会や町会への参加でした。ご存じの通り、自治会や町会の会員は高齢化しており、たとえ町内に若い人が住んでいても、入会しないことが多いのです。そう考えると、現時点で私(たち)が知りえる情報に、この調査結果の年齢別クロス集計表は含まれないのですが、例えば30代以下の若年層においては「いずれにも参加していない」が46%を超える高水準である可能性が高いと予想できます。
年代別情報がない以上、年代別の話題の中に突っ込んでいっても得られる実りは少ないので、やめておきましょう。
そもそも、「地域活動」に、どのようなモノがあるのかを洗い出すところから、やってみたい気がしますが(つまり私はこう書くことで、この調査項目の不十分さを大胆にも指摘しているわけです)、今わかっているのは、地域活動に参加していない市川市民が非常に多いということですね(おそらく、eモニ登録者は地域への関心が相対的には高い人が多いでしょうから、eモニ非会員を含めた全市民で見ると、「いずれにも参加していない」は50%か、それ以上の高さかもしれません)。
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▼お住いの地域で平時における防災訓練を実施するなど、顔の見える関係づくりができていると思いますか。
この問いに対する回答は、「そう思う」から「そう思わない」の4段階と、「わからない」の、5つの選択肢から、あてはまるものを1つだけ選択する方式で得ています。結論から言うと、地域で顔の見えるかんけいづくりができている人は少数派です。
(2024年1月23日。調査実施は1月9日~22日)より作成
この結果をふまえて、市川市ではどのようなアクションを取るでしょうか。防災は重要課題ですから、今後の市のアクション、アナウンスを注視していきます(ところで、アクションは視覚的に認識できるので、注視でよいのですが、アナウンスは聴覚的に認識できるものであるがゆえ、注視ではなく、耳順か何か別の語の方が相応しいですよね)。
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▼気軽に立ち寄れる地域の居場所はありますか。
さて、本稿で所為買いする調査結果の3つ目は、居場所に関するものです。この問いに対する回答は、「ある」から「ない」の4段階と、「わからない」の、5つの選択肢から、あてはまるものを1つだけ選択する方式で得ています。結論から言うと、気軽に立ち寄れる地域の居場所がある人は少数派です。
(2024年1月23日。調査実施は1月9日~22日)より作成
この結果をふまえて、市川市ではどのようなアクションを取るでしょうか。居場所づくりは重要課題ですから、今後の市のアクション、アナウンスを注視していきます(ところで、アクションは視覚的に認識できるので、注視でよいのですが、アナウンスは聴覚的に認識できるものであるがゆえ、注視ではなく、耳順か何か別の語の方が相応しいですよね)。
※あえて「顔の見える関係づくり」のパートに綴ったのと(ほぼ)同じ文章をここに配置しました。グラフの階段の形状も全く同じですね。つまり、
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とうような形状です(「わからない」を除く)。
おまけ:サードプレイス
家でも仕事場でもない、第3の場所「サードプレイス」が地域にあると日々の生活が楽しいものになるかもしれません。「サードプレイス」は、1つでなくてもよく、2つ、3つ・・・・7つ、8つ、たくさんあってよいと思うのです。熊谷晋一郎氏は、「自立しているということは、依存先をたくさん持っていることだ」という意味のことを述べています。
それまで私が依存できる先は親だけでした。だから、親を失えば生きていけないのでは、という不安がぬぐえなかった。でも、一人暮らしをしたことで、友達や社会など、依存できる先を増やしていけば、自分は生きていける、自立できるんだということがわかったのです。
出所:全国大学生活協同組合連合会公式Webサイト「大学生協の保障制度 自立とは『依存先を増やすこと』」https://www.univcoop.or.jp/parents/kyosai/parents_guide01.html、2024年2月3日閲覧
「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。これは障害の有無にかかわらず、すべての人に通じる普遍的なことだと、私は思います。
サードプレイスを増やし、趣味を増やし、仲間を増やす(人数が増やすことを必ずしも意味しておらず、仲間の種類を増やすことをむしろ念頭に置いています)ことは、自立につながります。自分の可能性を広げることにもなりますよね。
私個人の話で恐縮ですが、昨秋のパラレルキャリアコースに続き、現在、ソーシャルビジネスコースを受講している「ふなばし市民大学校(特別講座)」では、多様な人々(主に船橋市民ですが、市川市や松戸市、鎌ヶ谷市など、船橋市外の人も受講しています)との、ゆるいつながりを作ることができ、これは貴重な人間関係だな、と実感しているところです。
またしてもhanashi(話)が逸れますが、「弱い紐帯の強さ(strength of weak ties)」を思い出します。家族や親友、同僚など、強い紐帯よりも、たまに会う仲間のような弱い紐帯の方が、価値のある情報の伝達などにおいては重要、という理論です。
同じような労働環境で働き、同じような不満を抱える同僚と語り合って、転職したい、という話をよくしていたとしても、本当に転職に踏み出すきっかけとなるような出来事は稀にしか生じないものです。これに対して、たまたま参加した同窓会で数年ぶりにあった旧友から、転職をした体験談を聞いて、その気になって、なかなか踏み出せなかった一歩を踏み出す、なんていう話は珍しくありません。
弱い紐帯(弱いつながり、弱いネットワーク)がいくつかあれば、家族や同僚、親友などの近し人との関係が悪化した場合に、少し離れた位置にいる人と会って話したりすることで、気分を切り替えられます。行きつけの飲み屋(サードプレイス)でたまに会う謎の探偵と本音トークができる、そういう場があり、出会う人がいると、生活の中でハプニングが発生する確率が(そうではない場合より)高そうですよね。
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まとめ
本稿では、地域活動をしていますか?顔の見える人間関係はありますか?地域に居場所はありますか?という、eモニを対象としたアンケート調査の結果の紹介を中心に、サードプレイスのことや、薄い人間関係(弱い紐帯)が意外と重要だ、ということを綴りました。共通の趣味を持つ仲間と一緒に定期的に遊ぶのも良いですよね、会社の同僚や、学生時代の友人とは別の、地域における「趣味縁」、いいですね。例えば――
- 一緒に映画を見る仲間
- 一緒にボードゲームやカードゲームをする仲間
- 一緒に自転車散歩を楽しむ仲間 like てんてんけん
- 一緒にゴミ拾いをしながらジョギングをする「プロギング」仲間
- 一緒にバンド演奏を楽しむ仲間
- 一緒にカラオケを楽しむ仲間
参考:自転車を使って市川市を楽しむ活動をするグループ「てんてんけん」(自転車天国研究会)
https://www.tentensuisui.com/
市川市にもたくさんの趣味サークルがあるので、探してみて参加してみるのも良いと思います!
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執筆日 2024年2月2日、3日
公開日 2024年2月3日(節分)