【コラム】市川文芸倶楽部がスタート!~市本発の文芸誌発行へ

コラム

公開日 2023年2月2日

学習交流施設市本いちぼんをご存知ですか?

市本(市川市公式Webサイト内)
https://www.city.ichikawa.lg.jp/edu12/0000377465.html

JR市川駅前に2021年11月にオープンした施設で、置いてある本を読みながらコーヒーなどの飲み物やちょっとした食べ物を飲食することができます。仕事や勉強をしている人もいます。また、読書会や音楽鑑賞会などのイヴェントも開催しており、読書や本を介して交流を促進するような試みを数多く行っています。

私が「市本」のオープン直後に行われた読書会に参加した時の様子をこの記事で読むことができます。

突如スタートした「市川文芸倶楽部」

そんな「市本」が、このたび、「市川文芸倶楽部クラブを立ち上げました。

市川市在住のミステリー作家・石川智健ともたけさんがこの倶楽部クラブの発足に関わっており、市本のTwitterでの発信にもあるように、「市川市にまつわる読み物を集めた文芸誌づくり」を目標に掲げて活動していく倶楽部です。

第1回の集まりが、2023年1月21日(土)に市本であったので、そろそろ市川市にまつわる読み物を書きたいと思っていた私は、渡りに船とばかりに参加しました。

倶楽部の初回は、参加した20人を超える人たちの参加動機を聞き、リーダーである石川さんの考えをうかがった後、皆でどのようなものをつくるのがよいかを話しました。

その中で、そもそもどのような文芸誌をつくるのか、という話になりました。「文學界」、「新潮」、「群像」、「すばる」、「文藝」のような偉大なる文芸誌のようなものをつくろうというわけではなく、石川さんとしては、小さな本屋「双子のライオン堂」さんが年に1回出している「しししし」のようなものを念頭に置いているということでした。作家だけでなくお店のお客さんも執筆陣に名を連ねていると言います。良いですね、自由で。

第2回以降が楽しみです。今の時点では、どのような文芸誌が出来上がるのか、まったく想像もできませんが、ワクワクします。

私は倶楽部活動に最後まで参加する予定なので、折に触れて活動の進捗を(むろん、公開してよいことについて)当サイトなどで発信しようと思います。お楽しみに!

市本について

市本の施設コンセプト・特徴は、その名前に込められています。市川の本にまつわる施設という意味に加え、新しい知識と出会える本の市場という意味もあります。書店でも図書館でも本との出会いがありますが、市本には毎月テーマごとに揃えられた本が掲出・陳列されているので、自分の思考パターン、行動パターンでは巡り逢わないであろう本と出会いやすいのではないかとも思います。市本が、狭く、そこにおける本の冊数に限りがあるため、思い切って特定のテーマに沿った本にしぼって並べているのだと思いますが、それが良いのですよね。

画像出所:市川市公式Webサイト、広報いちかわ(Pdf版)2021年11月6日号、「新たな学びと交流の場 市本」、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/pr/file/0000380503.pdf、2023年1月27日閲覧
画像出所:市川市公式Webサイト、広報いちかわ(Pdf版)2021年11月6日号、「新たな学びと交流の場 市本」、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/pr/file/0000380503.pdf、2023年1月27日閲覧

ZINEを買い、ZINEを読む

冒頭の画像は、

  • 左上:「しぷり」5号、6号
  • 右上:「生活考察」6号、7号
  • 左下:「メルボルン1」、「イルクーツク2」
  • 右下:「平安朝文学と翻案」、「市川文学散歩」、「#この本いいね」

です。ほとんど全て「文学フリマ」というイヴェントで購入しました。プロアマ問わず、商業出版物だけでなく、いわゆる同人誌、最近ではZINEとも呼ばれるようなインディーズ雑誌のようなものを、執筆者・制作者が自らブースで直接お客さんに販売するイヴェント、それが「文学フリマ」です。オリジナルの小説、歌集などもたくさん売っています。歩き回るだけで面白いですよ。

俱楽部の初回の参加者には、出版関連の仕事をしている人もいました。また、「文学フリマ」で自作の何かを販売している人もいました(今になって、その人とお話をすればよかったと思います。次回は話しかけてみます)。

倶楽部活動を通じてつくっていくものは、ZINE(といっても、かなり厚い文芸誌のようなものもありますが)ではないのかもしれません。インディーズの雑誌はほとんどすべてZINEなのかもしれません。自分たちがつくるものが何であり、何でないか、ということは、それほど大きな問題ではないような気もします。

冒頭の画像の左上にある2冊は「しぷり」というZINEで、文学フリマで買ったのですが、これらを販売していたブースに掲出されていたPOPに「おとなと子どもが書いています」というようなことが載っていました。一瞬で魅了されました。おとなと子どもが書いているなんて最高!

なお、冒頭画像の右下、「平安朝文学と翻案」、「市川文学散歩」、「#この本いいね」の3冊には、すべて和洋女子大学の日本文学文化学科「文学と芸術を通じた地域社会参画型表現教育プログラム(SEREAL)」が関わっています。これらも文学フリマで買ったものです。

フリースタイル市川でもZINEをつくり、文学フリマで販売したいと思っています。今(2023年1~2月)、こちらの記事で取り上げた「サードプレイス」に関するアンケートへの回答を募っています。

アンケートフォームこちらです。

是非、皆さんのサードプレイスを教えてください!

たくさんサードプレイスが集まったら、当サイトの記事で紹介したいと思っています。また、ZINEにして文学フリマで販売したいとも思っています。

話が蛇行しますが、冒頭画像の左下は「メルボルン1」と「イルクーツク2」という同人誌で、やはりこれらも文学フリマで買いました。というか、これらを買うために文学フリマに行ったのです。当時は秋葉原の会場で行われていました。「イルクーツク2」について説明している文を紹介します。

2007年に文芸同人ゴニングミ(長嶋有/柴崎友香/福永信/名久井直子/法貫信也)によって限定1700部発行された文芸同人誌『イルクーツク 2』です(これはゴニングミによる2冊目の同人誌。ちなみに1冊目のタイトルは『メルボルン 1』)。ゲストに、いしいしんじ、池田澄子、伊藤存、中原昌也、100%ORANGE、穂村弘、ほしよりこ、松田暢子(松田青子)を迎えています。名久井直子による気合の入った装丁もすばらしいです。

出所:https://aucfree.com/items/t683475777

何とも豪華な顔ぶれですね。私は福永信さんと初めて文学フリマでお会いし、サインをいただいたのですが、福永さんは、私の名前の漢字を知った瞬間、「お父さんが好きなんですか?埴谷雄高」という質問を私に投げかけたのです。鮮明に覚えています。

それでは、また近いうちにお目にかかりましょう。おやすみなさい!