国府台共栄会のバス停「公民館」前で営まれていた精肉店、「肉のこばやし」が営業を終了してから、どれくらいの時が流れたことでしょう。
このたび、閉ざされていたシャッターが開け放たれ、「アトリエ029」として生まれ変わりました。
「アトリエ029」は、有限会社京葉不動産管理が管理・運営を、フリースタイル市川が企画を担当し、株式会社タンポポデザインが設計を、MIKAZUKI.Design(ミカヅキデザイン)がロゴの制作を担当した、「女性クリエイター向けのギャラリーと共用アトリエ併設のシェアハウス」です。約50年の歴史を持つ「肉のこばやし」の建物をリノベーションすることで、これまでの歴史を継承して、新しい場をつくる試みです。
2022年4月16日(土)の17時30分から、「アトリエ029」のオープンを記念し、内覧会兼パーティを開催しました。
※「内覧会兼パーティ」、および、「二人展」は、新型コロナウイルス感染予防に努めておこないました。
内覧会兼パーティが行われる前、10時から17時までは、市川市在住の二人のアーティストによる「二人展~宗宮瞳×くずはらまり~」が開催されていたため、パーティが行われた会場(ギャラリー)には、宗宮さんの絵画と、くずはらさんの写真が展示されており、アコーディオンの音色が流れ、くずはらさんが撮影した奥市川ムーヴィーが壁に投影されていました。
内覧会では、1Fと2Fの全ての部屋、廊下、階段などを見ていただきました。老朽化していたところは、強度を持たせ、きれいな状態になっていますが、昭和の建築の意匠が、いたるところに残されています。摺りガラス、戸の形状、ネジ式の鍵…。
当日は、プロジェクトの関係者、近隣にお住まいの方、SNSで二人展、内覧会、パーティのことを知って興味を持った方、学校関係の方、フリースタイル市川や京葉不動産管理の仲間たちに加え、「肉のこばやし」を営んでいた方のご家族にもご来場いただきました。ご家族の方は、この建築の2階に住んでいたことがったとのことで、当時住んでいた場所が、どのような状態であるかを見ていただいたのですが、見て歩きながら、生活していた当時のことを思い出し、懐かしい気持ちになった、とおっしゃっていました。
長引くコロナ禍の影響で、地域の人たちが集まって交流することがほとんどできなかったこともあり、この日、パーティの参加者たちは、大いに語らい、立場の違いを超えて、意気投合したり、今度一緒に何かをやろうという新たな動きの萌芽があったりと、それぞれにとって刺激があったようです。
私自身、それまでにSNSで交流をしてはいたものの、当日初めてお会いした方々から、興味深い話をお聞きし、久しく感じたことがなかったような興奮を覚えました。そして、ふと周りを見ると、かつて当たり前のように目にしていた、飲食をしながら、この地域のこれからについて語らうという光景が広がっており、やけに懐かしく感じました。胸が熱くなりました。
「アトリエ029」では、居住者同士はもちろん、1階のギャラリーでイヴェントを開催する際には、来場者同士で、あるいはクリエイターと来場者が、交流し、新しいムーヴメントが生まれることが期待されます。
市川市の北部、国府台の地は、大学や高校が多い文教地区です。そして、市川の杜とも称されるように、ふくろうが住む森があるなど、豊かな自然が魅力的な場所です。西には江戸川、東にはじゅんさい池もあります。これほど素晴らしい緑と水に囲まれた場所が、JR市川駅からバスで10分の場所にあるというのは、改めて考えてみれば、奇跡的なことかもしれません。この地がもつポテンシャルの高さたるや!
今後、「アトリエ029」では、様々な展覧会が開かれることでしょう。その第一弾が、今回の「二人展」です(2022年4月30日までの金、土、日曜日の10時から17時まで)。「アトリエ029」が、クリエイターの創造性を刺激し、文化の発信地になることを願っています。
「アトリエ029」の内覧会兼パーティにご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。これから、「アトリエ029」が、奥市川からどんな文化を発信していくか、楽しみにしていてください。そして、是非、一緒に地域を盛り上げましょう!
▼アトリエ029
「女性クリエイター向けのギャラリーと共用アトリエ併設のシェアハウス」
・所在地:市川市国府台5-9-12
・アクセス:JR市川駅北口ロータリー京成バス1番乗り場より「松11」バスで約10分、バス停「公民館」下車すぐ
・管理・運営:有限会社京葉不動産管理
・企画:NPO法人フリースタイル市川
・設計:株式会社タンポポデザイン
・ロゴデザイン:MIKAZUKI.Design(ミカヅキデザイン)