【いちカイギ】第17回開催しました/第18回開催します

いちカイギ

国府台共栄会(国府台の商店会)には、かつては150を超える商店が軒を連ねており、地域の人々の生活を支えていました。しかし、この地にあった銀行の支店が閉鎖した1995~1996年頃を境に、商店会は元気を失い、今では数店舗が営業するだけ※1。かつての店構えを保ったまま、長らくシャッターを閉ざした空き家が、バス通り沿いに何軒も並んでいます。

そんな状況をただ眺めていても事態は好転しない!ということで、立ち上がったのが、当商店会の不動産会社、有限会社京葉不動産管理の宮田克仁さん。かつて精肉店だった建物が、どのような経緯で、ギャラリー併設のシェアハウス「アトリエ029」に生まれ変わったのか――については、こちらの記事などに掲載しているので、是非ご一読ください。

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2022年4月22日(金)に、オープンしたばかりの「アトリエ029」で、交流イヴェント「第17回いちカイギ~花桃実芋~」を開催しました。

これは、フリースタイル市川が2020年12月から、毎月1回行っているもので、市川市で活動する方を3組程度の登壇者(ゲスト・スピーカー)としてお呼びし、ご自身のことや活動内容、市川市への想いをお話いただいています。また、参加者とゲスト、スタッフを含む全員でディスカッションをするなど、交流しています。

これまでの「いちカイギ」は、リアル会場の「てらす」(南八幡にある京葉ガス様の施設)などにご来場いただいて開催したこともありましたが、オンライン参加を軸に行ってきました。そのため、交流イヴェントということを謳ってはいるものの、せっかく話が盛り上がっても、Zoomから退室した瞬間、盛り上がりは突然終了し、熱は冷めてしまう、という、虚しさがあったことも否めません。

このたび開催した「第17回いちカイギ~花桃実芋~」は、久しぶりに、あるいは、初めて、会場に多くの参加者にお越しいただきました。冒頭の写真は、登壇者の話を聴く会場参加者(一部)です。

左から、ゲストの後藤さん(焼き芋屋きんちゃん)とフリスタの稲村さん、ゲストの安田さん(モトグル!)と筆者(ノスタルジー鈴木)、ゲストの宗宮瞳さんとフリスタの野口さんです。※くずはらまりさんはにご、自宅よりオンラインで登壇していただきました。

ゲスト3組勢揃いで対談&質問タイム。椅子に座るのは、左から、フリスタのアニキこと小泉さん、ゲストの安田さん(モトグル!)、後藤さん(焼き芋屋きんちゃん)、宗宮瞳さん(アーティスト)で、前方画面の右に座っているのが、くずはらまりさん(アーティスト)です。

今回も、過去の回と同様、リアル会場とオンラインのハイブリッド方式で開催した「いちカイギ」ですが、リアル会場の比重がこれまでより高く、会場参加者と登壇者、スタッフで、大いに交流しました。もちろん、オンラインでご参加の皆様にも、複数のグループに分かれて自己紹介をしていただいたり、登壇者のお話を聴いた感想を述べていただき、交流していただきました。

「いちカイギ」のご参加者には、登壇者のお話を聴いて、
・面白い
・勉強になる
・知らないことを知ることができて刺激になる
などと思っていただくだけでなく、質問や対話、思考を通じて、
・自分に置き換えたらどうなるか
・自分にもできることがないか
など、受け身ではなく、能動的な関わりをしていただいています。今回の「いちカイギ」でも、対話、交流により、思考が活発化している様子がうかがえました。

わざわざ遠方に出掛けなくても、身近なところで定期的に交流イヴェントが開催されており、初めて参加するという方でも心理的なハードルを感じることなく混ざり合える――「いちカイギ」が、そんな場になれるよう、引き続き、内容や運営方法を磨く所存です。

なお、会場の「アトリエ029」は、2階には居住スペースがあり、1階には居住者の共用アトリエ兼ギャラリーがあります。「いちカイギ」が行われたギャラリー空間では、2022年4月16日から30日までの金、土、日曜日に、「いちカイギ」の登壇者でもあった宗宮瞳さんとくずはらまりさんによる「二人展」が開催されており、「いちカイギ」参加者や登壇者は、お二人の作品を鑑賞することもできました。

宗宮瞳さんの作品『じゅんさい池』。「アトリエ029」にほど近い場所にある、市民の憩いの場が描かれています。今回の展示作品の中で特に思い入れがあるものだと言います。
くずはらまりさんによる写真『サクラベンチ』。展示作品の中で特に思い入れのある作品とのことです。この大島桜の樹には、まるで人が腰かけるためのベンチであるかのような形状に伸びた枝があります。写真の中で、アコーディオン奏者の方が腰かけている部分です。このサクラベンチは、国府台・柳原水門南の江戸川河川敷にあります。

リアル会場の参加者には、登壇者の後藤さんから焼きたての石焼き芋の、安田さんからはモトグル!キャンディーのプレゼントがありました。また、「二人展」で作品を展示中の宗宮さんとくずはらさんには、特に思い入れの強い作品と、その理由をお話しいただきました(上掲の画像参照)。会場参加の皆さんには思い出に残る「いちカイギ」になったことでしょう。後藤さん、安田さん、宗宮さん、くずはらさん、ありがとうございました!

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次回、「第18回いちカイギ」は、南八幡3丁目にある京葉ガス様の施設「てらす」で、2022年5月28日(土)14:30~16:30に開催予定です。

5月病を患っていたとしても、仕事でも家庭でも通常の友人関係でもない、「いちカイギ」の参加者や登壇者、フリスタのメンバーズ(スタッフ)と交流することで、心にかかるもやが晴れるかもしれません。5月の「いちカイギ」で皆さんとお会いできることを楽しみにしています!

   

〈注釈〉
※1:2022年4月7日に、オープン直前の「アトリエ029」で、前身である「肉のこばやし」の在りし日の想い出を語り合い、国府台共栄会のかつての姿を地図上に書き込んでいくワークショップ※2を開催しました。このワークショップに出席してくださった方に、「全盛期には150を超える店舗があった」「1995年~1996年頃に銀行がなくなり、それ以降、商店会に元気がなくなっていった」という話をお聞きしました。
※2:2022年4月16日に「アトリエ029」の内覧会兼パーティにご参加いただいた和洋女子大学の小澤京子先生より、「日常記憶地図」というメソッドを教えていただきました。前記のワークショップで実施した、記憶を頼りに地図に往年の店などを書き込んでいくという行為は、「日常記憶地図」とは異なりますが(と言うか、ワークショップ実施時は「日常記憶地図」のことを知りまでんでした)、類似点はあると思います。「日常記憶地図」とは、〈個人のある時期の日常を地図にプロットすることで、普段意識することのない場所の記憶や風景を立ち上げるメソッドです。親や祖父母、パートナーの記憶や風景を”共有”することや、同じエリアで重ね合わせることで、土地の特性や時間の流れを見出すこともできます〉。(出所:日常記憶地図Webサイト https://my-lifemap.net/