【コラム】アートくんとメロディさんと市川市(宮久保、曽谷、北国分、真間山)のニホンリスと特定外来生物、そして、人間のエゴ

コラム

冒頭のざらついた写真、何かわかりますか?

この画像を切り抜いたものです。

出所:筆者が市川市のサンロード商店会通りで2023年11月22日に撮影。
出所:筆者が市川市のサンロード商店会通りで2023年11月25日に撮影。

このふたり(二匹?)は、アートくんとメロディさんといいます。

左の黄色の姿をしたリス(またはリス人間)が、アートくんだと思われます。画家がかぶりそうな(と言っても、現代社会で本物の画家がかぶっているかどうかは定かではありませんが)ハンチング帽、あるいはベレー帽をかぶり、クレヨンのようなものを大事そうに抱えています。

ちなみに、Googleで「画家 ハンチング」という語で検索すると、WEARのこんなWebページがヒットしました。

WEAR
「画家さんコーデ」|ハンチング/ベレー帽を使ったメンズコーディネート
https://wear.jp/men-category/hat/hunting-beret/?tag_ids=26377

一方、右の緑の姿をしたリス(または・・・)が、メロディさんだと思われます。両手で大きな四分音符を抱えています。音楽家だからといって、音符のオブジェを持っているとは限りませんが、何らかの楽器ではなく、音符を持っていることで、特定の音色やジャンルに縛られない、広い意味での音楽、包括的な音楽(包括的な音楽とは何か?)を象徴する存在として、メロディさんを見ることができますね。

このふたり(あるいは二匹)は、市川市文化振興財団の公式キャラクターとして、市内の様々なところで活躍中ですよ(2013年1月より)。デザインを担当したのは、チーバくん、Suicaペンギン、ちびゴジラなどのキャラデザ(キャラクターデザインの略)でも知られる、さかざきちはるさんです。

さかざきちはる公式Webサイト
アートくんとメロディさん
https://sakazakichiharu.com/cha/cha22.html

今年の6月、市川市内で開催されていた、さかざきちはるさんの展覧会『ペンギンアパートメント』に行った際のことを、こちらのコラムに綴っています。

ところで、なぜ、市川市文化振興財団のキャラクターが、リスをモチーフにしていると思いますか?私にもそれはわかりません。が、このように考えています。というか、こじつけています。

これを見てください。

出所:『市川風土記 : 市民の郷土史読本』(市川ジャーナル編集部編、1974年)

これは、1974年に出版された、市川ジャーナル社による『市川風土記』に挟み込まれていた地図(イラスト地図、あるいは地図イラスト)の一部です。中央やや上に「白幡神社」と書かれています。

白幡神社をご存知ですか?「中山・下総・散歩道」という素敵なWebサイトがあるのですが、ここでは、次のように紹介されています。

JR本八幡駅から北に向かって伸びる中央通り、桜の名所真間川を越えてほどなく、宮久保の台地の上に石の鳥居と赤い鳥居が見えます。下総国国府に向かう源頼朝公が馬を休め、衣をかけたという伝えのある「袖掛松之碑」の石碑のある、白幡神社です。参道からの眺めもよく、東京スカイツリーも見えます。頼朝公がここに陣を張って、国府台の国府の方角を確かめていたのかもしれませんね。

出所:中山・下総・散歩道「白幡神社|頼朝公ゆかり袖掛けの松のある下総の古社」https://www.travel.smileandhappiness.net/shrahatajinja.html、2023年12月7日閲覧、太字は元資料

先程の地図をさらに拡大してみます。

出所:『市川風土記 : 市民の郷土史読本』(市川ジャーナル編集部編、1974年)

白幡神社の近くに、アートくん、または、メロディさんが描かれていることがわかるでしょうか。

色がないので、Aくんか、Mさんなのかは、判別できません。もしかしたら、AくんやMさんのご先祖様かもしれません。

当時、宮久保の白幡神社(の後背地にある林)には、野生のリスが住んでいました。住んで?棲んで?後者ですかね、この場合の字は。人じゃないから・・・

それはともかく、過去にリス、ニホンリスが、市川市に生息していたことは、文献にも記されているのです。

  • 1984年 北国分地区
  • 1960年 曽谷・宮久保地区
  • 1933年 真間山地区

情報出所:大野景徳.1996.昭和前半における市川の自然についての調査(1)市川の自然の記録(第 1号).市立市川自然博物館研究紀要 1:1–11.

もっとも最近の記録(といっても、それが記された資料自体が1996年に出版された古いものですが)としては、1984年(つまり阪神タイガースが日本一になる1年前。といっても、去年ではもちろんありません)に、北国分地区で確認された、というものです。

ニホンリスと言われてもピンとこない人は、こちらを参考にしてください。

ニホンリス
Google画像検索

さかざきちはるさんは、かつて市川市にいた野生のニホンリスに想いを馳せて、アートくんとメロディさんをデザインしたのかもしれませんね(私による仮説です)。

ちなみに、市川市ではなく、日本でさえないのですが、2015年6月15日、アメリカ第4の都市シカゴの街中(ミシガン湖の畔)をランニングしていたら、何匹ものリスに会いました。

出所:2015年6月15日、シカゴのミシガン湖畔で筆者撮影。

大都会本八幡には野生のリスがいませんが、大都会シカゴには野生のリスがいるのです。

そういえば、市川が「東の鎌倉」、あるいは、「千葉の鎌倉」と呼ばれていることをご存知ですか?市川が、ではなく、市川市の中でも、菅野あたりに限ったことだろうと思いますが、かつて高級別荘地だったことが、その由来だそうです。

鎌倉を「西の市川」や「西の菅野」とは誰も呼ばないと思いますが、その鎌倉には、野生のリスが今も生息しています。私もかつて鶴岡八幡宮でリスを見たことを覚えています。

少し前に、鎌倉のリスにまつわるこんな記事がありました。

毎日新聞(2023年12月7日)
人気者だが…「異常」な捕獲数 鎌倉市、リス駆除の予算過去最高に
https://mainichi.jp/articles/20231204/k00/00m/040/279000c

記事によると、今年、2023年は、特定外来生物のタイワンリスの捕獲数が、11月末の時点で、過去最高だった5年前に迫る多さなのだそうです。

増えている特定外来生物といえば、千葉県のキョン(かつて行川なめかわアイランドから逃げた個体が繁殖したと言われています)が挙げられます。房総半島で繁殖しているのですが、柏市で目撃されていることから、もしかしたら市川市内にもいるかもしれません。

本稿を興味深く読んでいる人ならば、きっとこの(キジも登場する、この)記事も楽しんでいただけるはずです。

ローカルメディア漫遊記(公開日:2022年8月1日、更新日:2022年8月3日)
『自然環境政策専門員の観察日記』で市川の自然を感じよう!

また、少し前に、南大野のこざと公園に、ハクチョウ(白鳥)の親子がいたことを覚えている人もいると思いますが、ハクチョウも外来種なのですよね。

外来ってなに?病院?人間が勝手に地図に線を引いて国とか地域の概念をつくりあげちゃって、「ここにいるはずのない動物・植物」だなんて決めるのは傲慢だよね!と思う人も決して少なくないはずです。

行川アイランドで、人間が人間のために(決してキョンのためにではないはずです)キョンを飼育していて、脱走したキョンが(そりゃ、檻の中や柵の内側で窮屈な生活を強いられるのはキツいですもんね)、房総半島の自然の中で繁殖して、人家の近くに現れて畑の作物を食べることを、「作物を荒らす」と言い、かってに「害獣」だなんて呼んで、鳴き声が聞こえると気味が悪いと言う・・・言うのは自由ですが、しかし、人間だって、舟や船で遠くからやってきて、前に住んでいた人間や動物を駆逐してそこを自分のものにしていたりするわけですよね。外来種じゃん。人間なんて(すみません、言葉が乱れました。なぜならば心が乱れているからです)。

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今、パレスチナで起きているジェノサイドは本当に痛ましく、一秒でも早く殺し合いを止めるべき、終わらせるべきです。そうですよね。

イスラエルによるパレスチナ入植という歴史について、私は全く明るくないですが、知ろうとさえしないわけにはいかず、例えばこのようなわかりやすく歴史的な経緯を紹介しているWebサイトを見るなどしています。

認定NPOパレスチナ子どものキャンペーン(CCP Japan)
パレスチナ問題とは
https://ccp-ngo.jp/palestine/

この問題を解決することは可能です。絶対に。

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執筆日 2023年12月7日
公開日 2023年12月21日