昨年末(2022年12月)に「知っていますか?本八幡駅北口の再開発計画を」と題したコラムを綴りました。
このコラムは、次のような構成になっていました。
- 本八幡駅北口は再開発でどのように変わるのか?
- ジェントリフィケーション~新しい居場所ができると、元々いた人がいなくなるかもしれない
- 「安全・安心」~生活に入り込んでいる「おかしな表現」
- 本八幡駅北口は再開発でどのように変わるのか?(reprise)
前に読んだことがあるという方は、本稿を読み終えた後に是非再読を、未読の方は、本稿を読み進める前に(あるいは読んだ後に)読んでみてください。
このコラムを書いてから半年が経ったこのタイミングで、市川市民、市川パースン、特に本八幡民の胸をかき乱したであろう、ニュースが飛び込んできました。
建設通信新聞(2023年7月12日)
本八幡駅北口駅前再開発/規模は2棟総延べ11.5万㎡/協力者に三井不レジ、大成ら
https://www.kensetsunews.com/archives/846271
日刊建設新聞(2023年7月12日)
本八幡駅前にビル2棟 市街地再開発で27年度の着工(千葉県市川市)
http://www.jcpress.co.jp/wp01/?p=33040
昨年末のコラム「知っていますか?本八幡駅北口の再開発計画を」で取り上げた再開発計画の一部が明らかになったのです。
報道を受けて、即座に様々な媒体が反応していました。
市川にゅ~す(2023年7月13日)
【本八幡駅北口再開発の詳細が明らかに】パティオからスクランブル交差点までの間に2棟のタワマン建設計画
https://ichi-24.jp/archives/36261
超高層マンション・超高層ビル(2023年7月12日)
JR本八幡駅前に三井不レジらによるタワマン計画!地上44階、高さ160m「本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業」の計画概要が明らかに!
https://bluestyle.livedoor.biz/archives/52549440.html
東京・大阪 都心上空ヘリコプター遊覧飛行(2023年7月13日)
千葉県市川市 地上44階、高さ160mの「本八幡駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業」 2棟で総延床面積約114,900㎡を想定!
http://building-pc.cocolog-nifty.com/helicopter/2023/07/post-ff5b48.html
本八幡駅北口駅前地区再開発準備組合(千葉県市川市)が、JR総武本線本八幡駅の北東側で計画している第一種市街地再開発事業の施設規模が2棟総延べ約11万4900㎡を想定していることが分かった。住戸数は約870戸。事業協力者として三井不動産レジデンシャル、東京建物、野村不動産、大成建設が参画する。コンサルタント業務は都市設計連合が担当している。2024年3月の都市計画決定、24年度の本組合設立認可、25年度の権利変換計画認可、26年度の解体工事を経て27年度に建築工事に着手し、30年度の完成を目指す。
出所:建設通信新聞「本八幡駅北口駅前再開発/規模は2棟総延べ11.5万㎡/協力者に三井不レジ、大成ら」(2023年7月12日)https://www.kensetsunews.com/archives/846271、2023年7月13日閲覧
施行区域は八幡2-15、14、6の約1.1ha。西側は北口駅前広場を含めた八幡中央通り、東側は市道6002号と6005号、南側はJR総武本線、北側は国道14号に接している。
再開発では、区域のうち南側にRC一部S造地下2階地上44階建ての南棟、北側にRC一部S造地下2階地上21階建ての北棟を建設する。塔屋などを除いた最高高さは160m。2棟の地下階に駐車場など、南棟の地上1-3階と北棟の地上1、2階に商業・業務、北棟の地上3階に公益施設や集会施設など、2棟の5階以上に住宅を設ける。2棟の地下1階をつなげるほか、地上低層階も歩行者デッキで2棟などを接続する。駐車台数は約340台、駐輪台数は約1215台。
南棟西側には約200㎡の広場、北棟西側には約200㎡の広場状公開空地を設ける。市道6002号や6005号、区域中央を東西に横断する旧市道6003号(八幡一番街)はそれぞれ拡幅する。
…というわけでございます。
今回の報道で明らかになったのは、上で紹介している市川にゅ~すさんの記事タイトル「パティオからスクランブル交差点までの間に2棟のタワマン建設計画」ということに尽きます。
冒頭の画像※における赤枠線内が2018年に公表された「本八幡駅北口再開発基本構想」の対象地区で、タワーマンションが建設されることが発表されたのは、そのうち、水色枠線で囲んだエリアです。ここに、2棟のタワーマンションが建設されます(地下でつながっているため建築基準法上では1棟扱い)。
※市川市『本八幡駅北口再開発基本構想』掲載図と建設通信新聞「本八幡駅北口駅前再開発/規模は2棟総延べ11.5万㎡/協力者に三井不レジ、大成ら」掲載の配置図を使用して作成。
本八幡駅北口には、既に複数のタワーマンションが存在しています。
青文字は2016年5月の資料「本八幡駅北口再開発事業の状況」を元にした。
赤文字は各種報道を元にした。高さはいずれも「約」であり北棟の高さは筆者による推計値。
赤文字は各種報道を元にした。高さはいずれも「約」であり北棟の高さは筆者による推計値。
八幡一番街を含むエリアでは、2026年度に解体工事が行われ、2027年度に工事スタート、2030年度に完成する予定だそうです。南棟は本八幡駅北口では最も高い建物になるわけですね。
ちなみに、市川駅南口のアイリンクと比較すると、こんな感じです。
https://web.archive.org/web/20100727031733/http://www.ichikawa45.com/i-link/outline.html
展望台のあるアイリンクのザ・タワーズ・ウエスト(西棟)が約160mなので、南棟はそれと同等の高さということになります。想像できますか?
ビル風が、突風が吹くことが予想されますが、模型を使った風洞実験をするとのことです。そりゃまぁそうですよね。
それにしても、タワーマンションが好きなのですね、本八幡の再開発に関わる方々は。
市川市、そして再開発に関わる設計、建設を担う事業者にとっては素晴らしいプランかもしれません(そう思っていないと実行に移さないでしょう)。そして、完成した後に、ここに入居する新住民の皆さん、低層階に入るお店や会社などにとっても、きっと素敵な環境になることでしょう。ならなきゃ困ります。
他方で、今、この界隈で事業を営んでいる人、住んでいる人、ここにあるお店に通っている人の多くはは、もう、ここにはいられなくなります。きっとそうなりますよね。そのようなことについては昨年末のコラムに記しているので、読んでみてください。
今ある、この写真のような街並みは消えてしまうことになりそうです。サイゼリヤ1号店跡地の記念館も。もちろん、パティオも。
突然ではありますが、今の私の精神状態では本稿をこれ以上書き進めることが難しいと言わざるを得ないため、残念ですが、これにて本稿を終えたいと思います。今の私の素直な気持ちは、このミュージックが表してくれているので、よろしければウォッチ&リッスンしてみてください。
岡村靖幸「どぉなっちゃってんだよ」
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執筆日 2023年7月14日
公開日 2023年7月14日