【コラム】千葉県の「危ない交差点」が発表されました~人身事故件数上位に、千鳥町・大野町・高浜町・鬼高~

コラム

2023年10月3日の日本経済新聞(電子版)に、『千葉県の「危ない交差点」、市川市などで目立つ』と題された記事が掲載されていました。

日本経済新聞電子版(2023年10月3日)
千葉県の「危ない交差点」、市川市などで目立つ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC024E80S3A001C2000000/

この記事では、日本損害保険協会が発表した、各都道府県の「危ない交差点」ランキング(2022年)の千葉県版より、県内で人身事故の発生件数が多かった交差点を紹介しています。記事ではランキングに入ったワースト交差点13箇所全てに言及していたわけではないので、情報元である「日本損害保険協会」が発表した13箇所を確認してみました。

千葉県における人身事故発生件数が多い交差点ランキング(2022年)

出所:一般社団法人日本損害保険協会 公式Webサイト「千葉県 令和4年の交差点事故状況」
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/kousaten/2022/12/ より作成

千葉県内で人身事故件数が多い交差点の、1位、3位タイ、5位タイに、計4か所、市川市の交差点が入っています。

各交差点が、どのような形状をしていて、通行状況にはどのような特徴があるのか、そして、典型的な事故の要因は何で、予防策としては、どのようなことが考えられるのか――これらについて、日本損害保険協会のWebサイトに掲載されているので、それらを紹介します。
情報出所:出所:一般社団法人日本損害保険協会 公式Webサイト「千葉県 令和4年の交差点事故状況」(※は筆者が加筆)

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千鳥町交差点

  • 住所:市川市千鳥町12番地
  • 交差点の形状:四差路交差点
  • 交差点の特徴:高架道路(東関東自動車道)、高架線(JR東日本京葉線)の下に交差点がある。
  • 交差点の通行状況:深夜・早朝の物流関係の交通量が多く、恒常的な渋滞がある。

件数が多い事故類型の主な要因と予防方策
【右折事故】
・事故要因:進行方向ばかりに気を取られ、横断歩道上の安全確認を怠ったまま進行したことにより、横断者等と衝突する事故が発生した。
・予防方策:横断歩道手前で減速しつつ、左右の安全確認を確実に実施する。横断者等がいれば必ず一時停止をする。
【左折事故】
・事故要因:進行方向ばかりに気を取られ、横断歩道上の安全確認を怠ったまま進行したことにより、横断者等と衝突する事故が発生した。
・予防方策:横断歩道手前で減速しつつ、左右の安全確認を確実に実施する。横断者等がいれば必ず一時停止をする。

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市川市大野町3丁目2073番地付近交差点
※「ガナーズ通り」と「船橋松戸線」の交差点

  • 住所:市川市大野町3丁目2073番地
  • 交差点の形状:四差路交差点
  • 交差点の特徴:特徴はない。
  • 交差点の通行状況:比較的スムーズに流れている。

件数が多い事故類型の主な要因と予防方策
【右折事故】
・事故要因:横断歩道上の安全確認を怠ったまま進行したことにより、横断者等と衝突する事故が発生した。
・予防方策:横断歩道手前で減速しつつ、左右の安全確認を確実に実施する。横断者等がいれば必ず一時停止をする。

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市川市鬼高4丁目1番1号付近交差点
※「浦安市川バイパス」と「千葉県道283号若宮西船市川線(通称「産業道路」)の交差点。くら寿司がある。

  • 住所:市川市鬼高4丁目1番1号
  • 交差点の形状:五差路交差点
  • 交差点の特徴:四差路北側に交差点より進入する一方通行の道路が接続している五差路である。
  • 交差点の通行状況:朝夕の通勤時間帯に渋滞がある。

件数が多い事故類型の主な要因と予防方策
【追突事故】
・事故要因:前車に対する動静注視を怠ったことにより、追突する事故が発生した。
・予防方策:車両を運転する際は、運転に集中し、周囲の安全確認を確実に行う。

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高浜交差点

  • 住所:市川市高浜町11番地
  • 交差点の形状:四差路交差点
  • 交差点の特徴:高架道路(首都高速)がある四差路交差点である。柱などが遮蔽物・障害物となり見通しが悪い。
  • 交差点の通行状況:比較的スムーズに流れている。

件数が多い事故類型の主な要因と予防方策
【追突事故】
・事故要因:前方注視を怠り進入したことにより、信号機に従って停止している前車に衝突する事故が発生した。
・予防方策:車両を運転する際は、運転に集中し、前方および周囲の安全確認を確実に行う。
【右折事故】
・事故要因:交差点を右折する際、安全確認不十分のまま漫然と進行したことにより、横断歩道を横断中の自転車と衝突する事故が発生した。
・予防方策:横断歩道手前で減速しつつ、左右の安全確認を確実に実施する。横断者等がいれば必ず一時停止をする。

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なお、上で紹介した日本経済新聞の記事には、次のような記載がありました。

千葉県では人身事故の63%が交差点と、その付近で起き、全交通事故死者数(124人)のうち交差点事故は54%を占めた。

市川市沿岸部に位置する千鳥町は危ない交差点ランキング上位の「常連」。物流関係の交通車両が多く慢性的に渋滞している。事故要因は右左折の際に、進行方向ばかりに気を取られて、横断歩道の確認を怠る例が多いという。

出所:日本経済新聞(電子版)「千葉県の『危ない交差点』、市川市などで目立つ」(2023年10月3日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC024E80S3A001C2000000/、2023年10月5日閲覧(赤色太字は筆者)

千鳥町?そっちの方には全然行かないし、自分には関係ないや!

と、思う人もいることでしょう。

確かに、この交差点を利用しない人にとって、千鳥町交差点が「危ない」ことは、単なる「ふ~ん、そうなんだ」という程度の情報に過ぎないとは思います。が、日経新聞の記事にある通り、この辺りは物流関係車両の通行量が多いので、多くの人の生活にどこかで関係している可能性があるのです。さっき、自宅に届いたネット通販で注文した商品を運んでくれたトラックは、千鳥町交差点を右折してきたのかもしれません。左折、あるいは直進かもしれません。

交通インフラ(インフラとは、構造物を表すストラクチャーに、接頭語インフラが付いた語である「インフラストラクチャー」の略です。接頭語のインフラには、下部の、という意味があるので、インフラストラクチャーは、社会を下支えするような下部構造という意味合いがあります)は、私やあなたという個々人を直接支えてくれることもありますが(直接、その道路、交差点を利用する場合)、自分たちが生活する上で不可欠な色々な物を運ぶ自動車が日々走行している施設ですので、間接的に私たちの生活を、すなわち社会を、文字通り下から支えてくれている、と考えることができます。

この社会を支えている交通インフラで、交通事故が発生することの痛ましさを思いながら、

千鳥町?そっちの方には全然行かないけれど、よく考えれば、自分たちの今のこの生活を支えてくれているよね、千鳥町の近くにある物流倉庫や、道路を走行する物流事業者は。だから、自分には関係ないなんて、言わないよ、絶対!

と呟く人もきっといるはずです。

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交通事故には、自動車と自動車という組み合わせもあれば、自動車と歩行者、自動車とオートバイ、オートバイと歩行者、自動車と自転車、自転車と人などの間で生じることもあります。人と人の交通事故もあります。これは、一般の道路よりも、もしかしたら混雑している駅のコンコースや階段およびその付近で多く発生しているかもしれません。

歩きながらスマホを操作し、視線がスマホ画面を向いているため、注意が疎かになって、対向車や対向者と衝突しそうになる人もいることでしょう。車いす利用者や杖の利用者、白杖の利用者もいるので、歩きスマホはしないようにしましょう。

また、電動キックボードなどの新しいモビリティ(移動手段)に乗った人など、様々な移動形態があり、これらの多様な動き方をする人たちが、公共空間で安全に共存するためには、ルールの整備、改訂が必要な時期が来ると思います。

一般道での交通安全からは話が逸れますが、エスカレーターの右側を空けるか、空けないか、右側を歩くか、歩かないか、という問題がありますね。

一般社団法人日本エレベーター協会や、鉄道事業者などでは、エスカレーターの歩行禁止を呼びかけています。

今から22年ほど前、東京理科大学理工学部土木工学科の内山研究室(現・計画研究室)に所属していた4年生(当時)が、鉄道駅構内のエスカレーターの右側を歩行することの危険性について研究していたことを思い出します。

エスカレーターの右側を空けちゃうと歩いちゃう人が現れるので、右側を空けずに立っちゃえば、エスカレーター歩行ができなくなっちゃいますし、左右に並んで立っちゃえば、時間当たり輸送量が大幅に増加しちゃう、という効果もあります。

話がかなり逸れましたが、移動には、迅速性と安全性が求められますが、安全性を犠牲にしてまでも保持したい迅速性などありませんので、とにかく安全に移動すること、それが一番大事!(Wow wow…)、このことを、あらゆる交通主体・移動主体が重んじていただきたいですね。ちょっと他人事のような言い方になりましたが、私も心がけます。安全を。

横断歩道は、歩行者優先であり、運転者には横断歩道手前での減速義務や停止義務があります――と、警視庁の公式Webサイトにも書かれています(出所:警視庁公式Webサイト「横断歩道は歩行者優先です」https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/oudanhodou/info.html。私が見る限り、コルトンプラザのダイエー側の出入口の近くにある横断歩道の手前では、今まさに横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいても、アスファルト、タイヤを切りつけながら、暗闇走り抜ける車が、少なくないようです。

ワイルドでタフなこともある局面では大事ですが、柔和マイルドでソフトな気持ちと、注意深いケアフルな行動が、交通におけるセイフティを担保するので、運転する人もしない人も、交通ルールを今一度確認し、上記以外にもある「危ない交差点」でも、交差点以外の場所でも、常に安全な行動をするようにしましょうね。

それでは、 Take care !

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※冒頭の画像は、5033181氏によるPixabayからの画像です。

執筆日 2023年10月5日
公開日 2023年10月5日