執筆日 2023年5月8日
公開日 2023年5月10日
当サイトでは何度も取り上げてきた、学習交流施設「市本(いちぼん)」。本稿では多くを語りません。「市本」って何?と思われた方は、是非、関連記事を読んでみてください。
2021年11月3日にオープンし、2023年3月31日にクローズした市本が、インキュベーターとなって立ち上がった活動のひとつ、「市川文芸倶楽部」は、2023年4月15日に再始動しました。私は、幸運なことに、記念すべき再始動の瞬間に立ち会うことができました。その時のことを、こちらのコラムに書いています。
同じく、市本で誕生した企画、「みんなの読書会」は、市本クローズの後も、読書会の参加者から存続が望まれていました。そして、何ともありがたいことに、市本のヘビーユーザーだった「なかざわあおば」さんが、この活動を「市本・みんなの読書会」として引き継いでくださることになったのです!
なかざわあおばさん、ありがとうございます!!
市本・みんなの読書会 公式note
https://note.com/mindoku_1bon
市本・みんなの読書会 公式Twitter
https://twitter.com/mindoku_ichibon
市本の名前を冠したこの読書会は、2023年4月から、毎月1回、市川市内のどこかで開催するとのことで、その第1回が、2023年4月29日(土)に開催されました。参加者の募集がはじまってすぐに申し込み、参加することができたのですが、定員はすぐにいっぱいになったそうで、読書好きな人と交流したい、本の話をしたいと思っている人が、市川市にはたくさんいるのだということを思い知りました。
「市本・みんなの読書会」の記念すべき第1回の様子は、なかざわあおばさんによる開催レポートに記されています。
市本・みんなの読書会 公式note
市本・みんなの読書会vol.1「タイトルについて語りたい本」開催レポート
https://note.com/mindoku_1bon/n/n853d94b27b36
私がタイトルについて語りたいと思って持参した一冊は、小野絵里華さんの第一詩集『エリカについて』でした。
青い字で著者名、赤い字で詩集タイトル。文字を円形に配置したデザイン。
なお、持参したものの、紹介はしなかった(テーブルに置いてはいた)もう1冊は、上坂あゆ美さんの第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』です。
読書会では、他の参加者やファシリテーターの並木さん(元・市本スタッフで、名前はエリカさん!)、なかざわさんによる、持参本の紹介が大変おもしろく、あぁ、地元、市川市で、こんなふうに素敵な「船」を用意していただき、それに(幸運にも!)乗船することができるなんて、うれしいなぁ、と、しみじみと思いました。今、この文章を書きながらも、そんな気持ちが膨らんでくるようです。
ちなみに、なかざわさんによる読書会レポートに、
休憩中もお互いが持ってきた本を見せ合ったり、最近(特に)本八幡界隈から注目されている『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』(済東鉄腸 著 左右社)の話題で盛り上がりました。
出所:市本・みんなの読書会 公式note「市本・みんなの読書会vol.1『タイトルについて語りたい本』開催レポート」(2023年5月4日公開)、https://note.com/mindoku_1bon/n/n853d94b27b36、2023年5月8日閲覧、太字は筆者
と書かれていますが、この本(長いので『千葉ルー』という略称を用いることを推奨します)の話題を休憩中に放り込んだのは、他ならぬ私(ノスタルジー鈴木)です。
そして、済東鉄腸さんは、この開催レポートを読まれたそうで、Twitter上での私と市本・みんなの読書会公式アカウントの会話に済東さんも加わって、ひとしきり、楽しいやりとりがありました!(また、このやりとりとは別ですが、私がTwitterで『千葉ルー』のことを発したのを見た、浦安・行徳・妙典 東京湾岸千葉情報(https://urayasu.gyotoku.org/)さんが、早速この本を購入したそうです)
『千葉ルー』については、こちらの記事をご参照ください!市川市民ならば是非読んでほしい奇書(home kotoba)です!
ちなみに、この『千葉ルー』の記事にも登場するニッケコルトンプラザの書店、有隣堂さんでは、2023年5月上旬現在、『千葉ルー』の大プッシュとともに、こちらの本のプッシュもしているのですが、
添えられたPOP(Point of Purchase)を書いたのは、ヌ・アント!なかざわあおばさんなのです!
この、大津に住む小説家、宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』は、最近、色々な書店で大々的に取り上げられており、何度も目にしていました。カバーの黄色と主人公と思われる少女の横顔が印象的で、「気になる一冊」でしたが、買うには至らず、という状態でした。
コルトンの有隣堂さんで、このPOPを目にしたことが後押しとなり、購入、そして、読みかけの『街とその不確かな壁』を読み進める速度を緩め、こちらを一気に読んだのでした(読んだ期間は、2023年5月1日~6日)。
実にフレッシュな作品です。
文体も、主人公の成瀬も、奇をてらっていない点が共通しています。成瀬のまっすぐなところ(本人は筋を通していると思っているところ)が魅力です。
宮島未奈さんはこれがデビュー作ですが、『池袋ウエストゲートパーク』でデビューした石田衣良さんが、このデビュー作を今も続くシリーズにしたように、宮島さんにも「成瀬モノ」をシリーズ化してほしいですね。
そんな風に思えるほど、成瀬あかりという人物は魅力的で、周囲の様々な人の視点から語ってもらいたい、それを読んでみたいです。
なかざわさん、読書会の中ではなく、外で、ではありますが、本を推薦していただき、ありがとうございました!
参考までに、コルトンプラザの有隣堂さんがオープンする前に、その場所で長年営業していたのは、「福家書店 市川店」さんなのですが、昨年、閉店することが決まってから、お店へのメッセージを募ったところ、とても多くのメッセージをお寄せいただいたので、興味のある人はチェックしてみてください。
というわけで、次回の読書会を楽しみにしつつ、そろそろ(空想上の)筆を(空想上の硯の上に)置くとします。置くとしますガーデン。