【コラム】「いちかわ検定(上級)」の過去問にチャレンジしてみよう!(Part4)

コラム

市川市にまつわる50個の「超難問」から成る「いちかわ検定(上級)」は、2023年1月29日に、制限時間90分で開催されました。1問当たり108秒ですね。

配点は1問2点で、合格条件は、100点満点中70点(50問中、正解が35問)以上だったのですが、当サイトの記事で繰り返し言及してきた通り、1月29日の検定受験者で上級に合格したのは、わずか1名だけでした。広い世界にひとりだけ。

その難問に、ちょっとチャレンジしてみませんか?せっかくこのWebページに立ち寄ったんじゃないですか、せっかくなので、解いてみてください。

あ、でも、50問全部じゃないですよ、5問だけ、どんな問題が出たのか紹介しますね。

▼「いちかわ検定(上級)」2023年1月29日版の第16問から第20問まで

夏目漱石、村上春樹、山下清、里見八犬伝――文学や芸術に関連する問題が複数ありますね。

ちなみに、私が今春(2023年4月13日)から、長らく読み続けていて、いまだに読み終えていない村上春樹さんの長編小説は、『街とその不確かな壁』です。今、397ページ目です。

回答を見てみましょう。

▼「いちかわ検定(上級)」2023年1月29日版の第16問から第20問まで(正解)

第19問は、古奈屋という有名なカレーうどんのお店がありますが、それとは関係ありません。『南総里見八犬伝』に登場する旅籠(はたご。旅館の原点のようなもの)の名前ですね。『南総里見八犬伝』はご存知ですよね、きっと。

こんなお話です。

「南総里見八犬伝」(なんそうさとみはっけんでん)とは、曲亭馬琴が原作の大長編小説です。仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の8つの徳の玉を持つ八犬士を中心に、安房の里見家の興亡を描いた物語で、ヒーロー物の原点のような構成になっています。

(略)

安房国の里見家が滅亡したとき、富山の庵室に逃れていた伏姫(ふせひめ)は、八房(やつぶさ)と言う神犬と契りを結び妊娠するも、鉄砲に撃たれ亡くなります。すると体内から8つの玉が飛び散ります。

そこから犬江親兵衛(いぬえしんべえ=「仁」)、犬川荘助(いぬかわそうすけ=義)、犬村大角(いぬむらだいかく=礼)、犬坂毛野(いぬさかけの=智)、犬山道節(いぬやまどうせつ=忠)、犬飼現八(いぬかいげんぱち=信)、犬塚信乃(いぬづかしの=孝)、犬田小文吾(いぬたこぶんご=悌)という、8つの玉をそれぞれ持つ八犬士が誕生します。散り散りになって誕生した彼らが、玉が引き合うように次々と出会い、里見家再興のために活躍するという物語です。

出所:刀剣・日本刀の専門サイト 刀剣ワールド「歌舞伎の名場面・見どころ『歌舞伎【南総里見八犬伝】』」https://www.touken-world.jp/tips/6921/、2023年11月9日閲覧、太字は筆者による強調

滅茶苦茶面白そうですよね。『アストロ球団』みたいです。というか、『アストロ球団』が『南総里見八犬伝』のリメイクというか、オマージュ作品というか、着想を得ていることは明らかです。

 信乃と現八は激しい戦いの末、組みあったまま芳流閣の屋根の上から、下を流れている川に浮かぶ小舟の中へ転げ落ちました。

 仮死状態の二人を乗せた舟は下総国、行徳の葦の生い茂る入り江に流れ着き、土地で旅籠を営んでいる古那屋(こなや)文五兵衛に助けられます。

出所:館山市立博物館「6.行徳古那屋/絶体絶命」http://history.hanaumikaidou.com/archives/8604、2023年11月9日閲覧、太字は筆者による強調

さて、前に戻って、第16問、鴻の台(こうのだい。現在は国府台と表記)にあった「鐘懸の松」が正解ですが、では、この松はどのようなものなのでしょうか。夏目漱石さんのデビュー長編『吾輩は猫である』から、「鐘懸の松」が登場する場面を紹介します。

こうの台のは鐘懸(かねかけ)の松で、土手三番町のは首懸の松さ。なぜこういう名が付いたかというと、昔しからの言い伝えで誰でもこの松の下へ来ると首が縊りたくなる。土手の上に松は何十本となくあるが、そら首縊りだと来て見ると必ずこの松へぶら下がっている。年に二、三返はきっとぶら下がっている。どうしても他(ほか)の松では死ぬ気にならん。見ると、うまい具合に枝が往来の方へ横に出ている。ああ好い枝振りだ。あのままにして置くのは惜しいものだ。どうかしてあすこの所へ人間を下げて見たい、誰か来ないかしらと、四辺(あたり)を見渡すと生憎(あいにく)誰も来ない。仕方がない、自分で下がろうかしらん。いやいや自分が下がっては命がない、危ないからよそう。

出所:夏目漱石『我輩は猫である』

ギョッとするような描写ですね。

「どうかしてあすこの所へ人間を下げて見たい、誰か来ないかしらと、四辺(あたり)を見渡すと生憎(あいにく)誰も来ない。仕方がない、自分で下がろうかしらん」ですと?!

ふざけているのか、真面目になのか、よくわかりませんね、ここだけ読んでも。でも、この小説は本当に面白いです。私が好きな場面というか描写は、この部分です。

「ナール」と主人は引張ったが「ほど」を略して考えている。

出所:夏目漱石『我輩は猫である』

「なるほど」が転じて、「ナールほど」になり、「ナール」だけしか言わない、というわけですね。私はしばしばこの表現を用います。

おっと、「いちかわ検定(上級)」の問題そのものではなく、それに関連する事柄について綴ってしまいました。まぁ、それもまた楽しいものですけどね。

それでは、また数日後にお目にかかりましょう。See Ya !

いちかわ検定
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執筆日 2023年11月9日、10日
公開日 2023年11月20日