【コラム】サウンドアート「Ruhe:夢見る貝」、それは、市川市役所第1庁舎2階の休息地

コラム

市川市役所第1庁舎の2階に、波などの音が流れる不思議なベンチがあることをご存知ですか?

どんなベンチかというと、冒頭の写真のようなもので、これがただのベンチではなく、ベンチ型サウンドアートなのです。

ちなみに、このベンチは、市川市役所第1庁舎が2021年1月に全面開庁した際、1階に設置されました。その後、当初の設置場所に執務室が設けられたこともあり、2階に移設されました。

ソニフィデア合同会社(後述する及川潤耶じゅんやさんの会社)のプレスリリースによると、庁舎にサウンドアートが常設されたのは、これが国内初なのだそうです。

日常に溶け込む音が、公共空間を憩いの場に。市川市新市庁舎で、ソニフィデアがサウンドアートを常設。(2021年1月12日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000058481.html

「Ruhe(ルーエ):夢見る貝」と名付けられたベンチ型サウンドアートは、センサーに手を近づけて動かしたり、止めたりすることで、音が流れます。動かし方が違えば、流れる音の種類、旋律などが異なります。

制作者は、ドイツを拠点に国際的に活動する、音の芸術家・及川潤耶さん。これまでに、法然院や知恩院の庭園、カナダやポルトガルの遺跡など、国内外で幅広い活動をしており、2012年くらいから、日本での活動拠点のひとつを市川市としているとのこと。音符をつないで行う作曲方法とは異なり、街の音、自然の音を録音し、コンピュータの中で作曲をしているそうです。

え?なんで私がそんなことを知っているかって?

実は、市川市公式YouTubeで公開されている及川さんのインタヴュー動画をウォッチしたからなのです。

「Ruhe:夢見る貝」とは、どんなものなのか?この動画で及川さんが語っていたところによると――

  • 市役所第1庁舎の建設工事の際に縄文時代の貝が発掘された
  • 過去には第1庁舎からも近い場所でコククジラの骨が発見された
  • そこから海との関係があると感じた
  • さざ波の音を使いたいと思ったが、サンプルではなく、実際の音を使うことにした
  • 市川塩浜の小さな砂浜でさざ波の音をフィールドレコーディングした
  • ベンチに設置したセンサーには拾ってきた貝殻を使っている
  • 音づくりにもその貝殻を鳴らした音を使ったりしている
  • 江戸百景の真間の絵に紅葉が描かれている
  • そこで、人工物ではあるが、紅葉や、海辺にあるような植栽をベンチに設置した
  • ベンチの表面を杉材で全体を覆っている
  • 傷ついたり割れ目ができても、それが味になる
  • 木なので座っていると温かくなる
  • 9つのスピーカーを使用している
  • スピーカーは意図的に全く見えないようにしている
  • Ruhe(ルーエ)は静寂や休息、心の安らぎというような意味のドイツ語
  • ちなみに、及川さんが住んでいる、ドイツの「カールスルーエ」の由来は、「カールさんの休息所」

という由来や特色のある、ベンチ型サウンドアートなのです。

情報出所:市川市公式YouTubeチャンネル「市川市庁舎探検リポート ベンチ型サウンドアート Ruhe編」(2021年5月12日)https://www.youtube.com/watch?v=Q8Fcgu9DkpY

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Ruhe、ちょっとばなし――

2021年、開庁してから初めて市役所を訪れた私は、1階のフリースペースに置かれている、一風変わったベンチ(植物が生えている!)に気付きました。近づいてみると、案内文があり、貝に手をかざしたり動かすと音が流れるという説明が記されていたので、着座せずに、貝に手をかざしてサウンドを聴いてみました。すると、波の音がベンチから聞こえてくるではありませんか。

一瞬でこのベンチのことを気に入った私は、用事があって市役所を訪れるたびに手をかざしてサウンドを聞いていました。ある日、久々に訪れると、Ruheが置かれていた場所に、執務室がつくられていて、撤去されているではありませんか。一体どこに行ったのだろう?案内係の方に質問してもよかったのですが、その日は聞かずにモヤモヤしたまま、市役所を退出。

2階に移設されていることに気が付いたのは、2023年9月22日(鈴木雅之氏=ラッツ&スター=の67歳の誕生日、石井竜也氏=米米CLUB=の64歳の誕生日)でした。

この日、Ruheに着座した私は、こんなものを飲みました。

市役所第1庁舎の2階にあるカフェで買ったピスタチオのスムージー。2023年9月22日撮影。
写真の右下に見えるのがRuheです。

市役所第1庁舎の2階で、Ruheに座ってピスタチオ・スムージーを飲みながら、おもむろに貝に手をかざす――何やら小説の中の一場面のようですね。

どなたか、こんな場面が出てくる小説を書いてみてはいかがでしょうか(第1庁舎のフリースペース=Wi-Fiが使えて自習や仕事もOK=にPCかタブレットを持ち込んで)。誰もいなければ、他ならぬ私が書きます。

おっと、話が逸れましたね。珍しく。それでは、また、お目にかかりましょう。See Ya !!

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執筆日 2024年2月4日
公開日 2024年2月5日

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〈注釈〉

※冒頭の画像は2023年11月25日に私(フリースタイル市川の鈴木雄高)がパシャった(撮影した)ものです。