【フードバンクにゅ~す】2024年2月6日

フードバンク

2024年1月11日以来、26日ぶりの「フードバンクにゅ~す」です。

はじめに、季節の話題として、フードバンク山梨さんがチョコレートの寄贈を呼び掛けていることを紹介し(冒頭の画像はフードバンク山梨さんのWebサイトからの引用です)、続いて、最近のフードバンク関連の記事を紹介します。

「フードバンク山梨 バレンタインアクション2024【あなたの力が必要です!】」(2024年2月1日)

「お米やおかず類を用意するのに精いっぱいで、おやつはなかなか買えない」といった声は多く、
「フードバンクからのお菓子に、子どもたちは声をあげて喜びました」というお礼のメッセージは誇張ではないと受け止めています。

そこで私たちは、「フードバンクバレンタインアクション2024」と題し、食べきれないチョコレートや、子どもたちのためのお菓子の寄付を受け付けることにしました。

出所:認定NPO法人フードバンク山梨、「フードバンク山梨 バレンタインアクション2024【あなたの力が必要です!】」(2024年2月1日)https://fbyamana.fbmatch.net/%e3%83%95%e3%83%bc%e3%83%89%e3%83%90%e3%83%b3%e3%82%af%e5%b1%b1%e6%a2%a8-%e3%83%90%e3%83%ac%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b32024%e3%80%90%e3%81%82/、2024年2月6日閲覧

バレンタインのチョコレート、クリスマスのケーキやブーツ型容器に入ったお菓子、節分の恵方巻やデザインに鬼を施した福豆、ハロウィン仕様でパッケージにカボチャやコウモリなどを散りばめたお菓子、今の季節だと受験シーズン向けということで「合格」と掛けたゲン担ぎのネーミングやパッケージデザインに変更したお菓子や加工食品――スーパーマーケットの売場には、年間を通じて、特定の期間に集中的に売れる(需要が高まる)特別仕様の季節商品が並び、次々と移り変わっていきます。近年、クリスマスケーキや恵方巻のような、賞味期限・消費期限が短い商品の廃棄ロスが問題視され、販売者が事前予約を呼び掛けることが増えました。菓子など、生もの以外の食品は、シーズンが過ぎると値引き販売されますが、売場に陳列しきれないほど余った場合は、店舗のバックヤードに運び込まれ、結局、廃棄されてしまいます。

一方、消費者が購入した場合でも、食べられることなく家庭内在庫としてしばらく眠っているケースがあります。季節モノの場合、シーズンを過ぎると気分が乗らないという理由で食べない人もいるかもしれません(多くはないと思いますが)。バレンタインやハロウィンのお菓子の場合、誰かにプレゼントする予定で買ったはよいけれど、渡しそびれてしまった、という人は意外といるのではないかとも思います。

お店のバックヤードや一般家庭内に、品質に問題はなく、まだ賞味期限が残っていて、食べられるけれど、このままでは廃棄の憂き目にあう、そんな食品が存在しています。フードバンクは、そのような食品を寄贈していただいて、必要なところに届けることを主活動としています。

フードバンク山梨さんの「バレンタインアクション」(ナイスなネーミング!)は、今、長々と綴った、普段のフードバンク団体としての活動と大きな違いはないと思われます。私たちもフードバンクの活動を行っていますが、普段の活動と異なる、イレギュラーな動きをするのは大変です。その点、「バレンタインアクション」は、いつも通りにフードドライブを促し(食品の寄贈を呼び掛け)、食品を受け取る、という基本動作はそのままに、今の季節ならではの食品(お菓子)、チョコレートにフォーカスを当て、特別企画として打ち出すことで(ニュースとして告知することで)、普段以上に広く食品ロスや貧困という社会課題に注目してもらうことにつながりますし、食品を提供する方のうち、特にお子様のいる方々によろこんでもらえます。

私たちも真似したい企画です。全国のフードバンク団体に広がる可能性もありますね。

コープさっぽろ「際物商品の食品ロス削減の取り組み 鏡餅のフードバンク提供のお知らせ」(2024年1月29日)

生活協同組合コープさっぽろ(以下、コープさっぽろ)では、食品ロスを削減するために、2016年にフードバンク事業「トドックフードバンク」を開始し、宅配システムトドックの返品された食品を北海道内の児童養護施設など社会的養護が必要な施設へ提供を行っております。
この度、お正月の飾り物として販売された鏡餅を「トドックフードバンク」を通じて、児童養護施設に鏡餅1,473パック(589,578円相当)をフードバンク提供いたします。店舗で販売される鏡餅は賞味期限が長いにも関わらず、季節商品であることから店頭から撤去および廃棄していることが課題になっていました。今回、この鏡餅を店舗から回収し、児童養護施設に提供いたします。本取組みは2022年から開始し、今回で3回目となります。

コープさっぽろ ニュースリリース「際物商品の食品ロス削減の取り組み 鏡餅のフードバンク提供のお知らせ」(2024年1月29日)https://www.sapporo.coop/corporate/content/?id=1005&release、2024年2月6日閲覧

コープさっぽろさんが〈店舗で販売される鏡餅は賞味期限が長いにも関わらず、季節商品であることから店頭から撤去および廃棄していることが課題になっていました〉と書いているように、季節商品で、かつ、賞味期限が長い食品を、廃棄してしまっているケースは多いはずです。コープさっぽろさんの場合は、ニュースリリース中でも言及されているように、宅配事業において、返品された食品を集め、必要としているところに届ける、「トドックフードバンク」を8年前から手掛けていたこともあり、店舗事業における食品ロスの発生を抑制することと、フードバンクでの活用が、自社内で直結しました。

一般のスーパーマーケットの場合は、自前でフードバンクの活動を行うことは稀ですが、地域のフードバンク団体と連携している例は増えており(私たちも、カスミ様、コープみらい様と連携しています※1)、綿密に連絡を取り合うことで、食品ロスの発生を防げますね。

ちなみに、コープさっぽろさんは今年から健康診断事業に参入するそうです。2021年からは学校給食の提供も始めています。少子高齢化と過疎化が進む北海道で、事業を拡大するコープさっぽろさんの動向から、目が離せません。

「ベトナム人会がふるさとの正月料理を石川県の被災地に 『不安抱える被災者に安心を』」【新潟】」(2024年1月31日)

能登半島地震では外国人も多く被災しました。そうした被災者を支援しようと、新潟県内に住むベトナム人などが、石川県の被災地に支援物資を届けました。

1月29日、石川県七尾市を訪れたのは在新潟県ベトナム人会のメンバーなど6人です。食料や衛生用品などの支援物資を届けました。

(略)

支援物資のほかに、県内のフードバンクなどの協力を得ながら、ベトナムの正月料理で、もち米や豚肉などを蒸して食べるバインチュンを作り、石川県で暮らすベトナムの技能実習生などに手渡しました。

発案したリンさんは「石川では地震で仕事を失ったベトナム人もいる。異国の地で不安を抱える被災者に少しでも安心してほしい」と話しています。

出所:FNNプライムオンライン、NST新潟総合テレビ「ベトナム人会がふるさとの正月料理を石川県の被災地に 『不安抱える被災者に安心を』【新潟】」(2024年1月31日)https://www.fnn.jp/articles/-/651058、2024年2月5日閲覧

災害時、困っているのは日本人だけではありません。外国人も困っており、言語や文化が異なることから、大きな不安を感じる人も多いと思われます。そんな時に、同胞の仲間が支援してくれたらホッとすることでしょう。と書きましたが、出身、出自、人種によらず、皆が必要な支援を受けられるようにすべきですね。

NHKの公式Webサイト「明日をまもるナビ」
外国人の避難 災害時みんなで助かるために(2023年2月22日)

https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/article/12798.html

この記事は、

  • 日本に暮らす外国人は総人口の2パーセント
  • 熊本地震 外国人が感じた壁
  • 外国人に伝わるやさしい日本語とは
  • 異なる食文化に対応する非常食
  • 外国人を孤立させない地域のつながり
  • 地域を守る 外国人防災リーダー

という構成になっています。「やさしい日本語」の説明もあります。わかりやすく話すコツは「は・さ・み」(はっきりと、さいごまで、みじかく言う)だそうです。例として、

  • 土足厳禁 → 靴を脱いでください
  • ご自由にお持ちください → 一人1個です

が紹介されています。私自身、外国語の習得よりも、やさしい日本語を習得したいと考えています。ちょうど、今、講義を受けている「ふなばし市民大学校」(ソーシャルビジネスコース)のクラスメイトの中に、やさしい日本語を習得して、地域でそのスキルを活用している人がいるので(この記事を書いている日の夜に講義を受けるので、その時にでも)、あれこれ聞いてみます。

ちなみに、市川市には外国籍の人が約1万8千人、ベトナム人は約1,800人が住んでいます。

「新潟県、フードバンクへの寄贈促進 ふるさと納税活用」(2024年2月5日)

新潟県はNPO法人「フードバンクつばめ」(同県燕市)の活動を広めるため、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング(CF)を始めた。集めた寄付金は同団体が燕市内で運営する、生活困窮世帯向けに無料で食料品を配布する拠点「新潟コミュニティフリッジ」の広告掲載費に充てる。フードバンク活動を広く周知し、食料品などの寄贈促進につなげる。

新潟コミュニティフリッジでは企業や個人が寄贈した食料品などを、冷蔵庫や冷凍庫で保管し、登録している利用者に配布している。無人運営で24時間受け取りが可能。団体の担当者が提供品を管理し、適宜入れ替えを実施している。2023年12月に拠点の運営を開始した。

出所:日本経済新聞「新潟県、フードバンクへの寄贈促進 ふるさと納税活用」(2024年2月5日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC050Y80V00C24A2000000/、2024年2月6日閲覧

最近、少しずつ増えているコミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)。モノづくりのまち、燕市に、昨年、新潟県初のコミュニティフリッジが完成しました。利用者の数に対して、食品の寄贈が不足することがあるそうで、コミュニティフリッジの認知を高め、支援の輪を広げるべく、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングにチャレンジしています。期間は2024年3月3日までです。

ふるさとチョイスGCF
「お互いさまの気持ち」で支えるみんなの公共冷蔵庫 新潟コミュニティフリッジ
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2906

コミュニティフリッジについては、昨日(2024年2月5日)に公開されたばかりの、こちらの記事(行ってみたシリーズ)で詳しく説明されています。

流通経済研究所 公式note
「ありがとう」が会社の何かを変えるかも!?~コミュニティフリッジ草加に行ってみた~

https://note.com/dei_ryuken/n/n0bf1421cec64

フードバンクつばめさんの活動については、昨年10月31日の「フードバンクにゅ~す」で紹介しました。

「下関市とフードバンク活動行う団体が相互協力協定」(2024年1月29日)

下関市と協定を結んだのは、市内でフードバンク活動を行っている「リビング下関」です。
29日は下関市役所で協定の調印式が行われ、はじめに「リビング下関」の畑尾光子代表が、「市の協力を得ることは、私たちの活動を市民に知ってもらうことにもなり、本当に感謝申し上げます」とあいさつしました。
これに対し前田市長は、「多くの市民に周知することで、回収した食料品が生活に困っている方々に届けられるようにしたい」と応えていました。
協定では市が広報誌やホームページを通じて家庭で使われない食品の提供を呼びかけるほか、専用のボックスを設置して食料品を回収し、「リビング下関」が生活に困っている人や福祉団体に無償で譲渡することが盛り込まれています。
調印式のあと畑尾代表は、「まだまだフードバンクの活動をご存じない方もいると思いますが、生活困窮者の方が増えており、皆さんの協力をお願いします」と話していました。

出所:NHK NEWS WEB(山口 NEWS WEB)「下関市とフードバンク活動行う団体が相互協力協定」(2024年1月29日)https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20240129/4060019261.html、2024年2月6日閲覧

下関市とリビング下関さんが協定を結び、下関市のWebサイトや広報誌を通じて、食品の寄贈を市民に呼び掛けたり、フードドライブのボックスを設置する方針です。私たちの場合もそうなのですが、フードバンクの認知はまだまだ低いのが現状です。こうして腕を棒にして記事を書いているのも、フードバンクの認知を高めたい一心からです。

今度、「フードバンク・クイズ」をつくります。「フードバンクかるた」は作るのが大変なので、まずは、クイズを。そういう取り組みを通じて少しでも知っていただきたいと思います。フードバンクのことを。

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執筆日 2024年2月6日
公開日 2024年2月6日

〈注釈〉

※1:企業・団体名に「様」をつけるケースと「さん」をつけるケースが混在しています(先に登場した「フードバンク山梨」、「コープさっぽろ」に「さん」をつけ、ここで登場した「カスミ」と「コープみらい」に「様」を付けました)。企業や団体の名称に敬称は不要という考え方もあるので、どうすればよいのか判断がつかず、「なんとなく」で、つける敬称を決めました。そもそも企業・団体名に敬称は必要なのか?という問題は、例えば、こんな発言を耳にした時に、私自身が違和感を覚えることとも関連しています。

――好きなミュージシャンは誰ですか?

鈴木「最近、よく聞くのは、Adoさん、藤井風さん、爆風スランプさん、ジョン・レノンさん、ビートルズさん、バッハさん、ノスタルジー&ルミエールさん、サンプラザ中野くんさん、ぜったくんさんです」