【フードバンクにゅ~す】2022年7月1日

フードバンク

11日ぶり、2回目となる「フードバンクにゅ~す」※1をお届けします。今回は、幾つか外国のニュース(にゅ~す)も紹介します。なお、「フードバンクにゅ~す」では、フードバンクのみならず、子ども食堂などの関連する事項も取り上げます。

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「外国人向けにフードバンク 福山の社団法人やハローズ」(2022年6月24日)

食品を必要とする人の支援に全国で取り組む一般社団法人ジャパン・フードバンク・リンク(JFL、広島県福山市船町)が、福山市内で暮らす外国人留学生たちへの食品提供を始めた。スーパーのハローズ(同市南蔵王町)が食品ロス削減のため、賞味期限が迫ったり、包装が破れたりして販売できない商品を用意する。

出所:中国新聞デジタル、「外国人向けにフードバンク 福山の社団法人やハローズ」(2022年6月24日)、https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/179270、2022年7月1日閲覧

「『サーラ・ジュビロ フードドライブ』実施のお知らせ」(2022年6月28日)

この度ジュビロ磐田では、サーラグループ・磐田市・磐田市社会福祉協議会と共同で、地域貢献活動の一環として『サーラ・ジュビロフードドライブ』を行うこととなりました。ジュビロサポーターの家庭にある保存食品の持ち寄りを呼びかけ、支援を必要とされている方へ食料をお渡しする活動です。これは、ジュビロ磐田のシャレン活動の一環です。フードバンク活動はジュビロ磐田としては昨年に続き2回目の実施となります。

出所:ジュビロ磐田Webサイト、「『サーラ・ジュビロ フードドライブ』実施のお知らせ」(2022年6月28日)、https://www.jubilo-iwata.co.jp/newslist/detail/?nw_seq=8375、2022年7月1日閲覧

「子ども食堂『冷凍庫があれば…』嘆くスタッフに自治体動いた」(2022年6月28日)

6月26日昼、愛媛県四国中央市の三島公民館で開かれた「四国中央子ども食堂」には多くの家族連れや高齢者らが訪れ、ご飯を食べたり、談笑したりと楽しいひとときを過ごした。この日のメニューは、野菜たっぷりの牛丼やズッキーニとトマトの卵スープなど。栄養バランスも考えられ、優しい味付けでおいしい。デザートにはスイカやサクランボの入ったみつ豆もあり、食欲をそそる。スタッフの分も合わせて100食分を準備。米だけで7升を炊いた。

(中略)

「実は、肉や魚など冷凍保存できるものは次回まで各スタッフが自宅に持ち帰って、各自の冷蔵庫で保管しているんです」。同食堂の発起人、山田政春さん(73)が教えてくれた。食堂には豚のひき肉や魚の切り身など、冷凍保存ができ、次回以降も使える食材がよく寄付で届くが、申し出があっても保管場所がなく断ることもあった。山田さんは「スタッフに持って帰ってもらうけれど、皆の冷蔵庫を圧迫して申し訳ない気持ちがあった」と明かす。21年末ごろに子ども食堂の視察に来た三浦克彦市議に「大きな冷凍庫が必要」と伝えたことで話が進むことになった。

三浦市議は21年12月の市議会定例会で「公民館に今ある家庭用冷蔵庫では対応できず、スタッフの家庭で一時保管することもある」と指摘した上で、食材を保管する冷蔵庫を支援するよう市に求めた。市は前向きに検討すると表明し、22年度当初予算では市内3カ所の子ども食堂などに対して10万円を補助する事業を盛り込んだ。更に、備品購入に使える予算を6月補正予算で組み、市内3カ所に各35万円を上限に助成する。

出所:毎日新聞Webサイト、「子ども食堂『冷凍庫があれば…』嘆くスタッフに自治体動いた」(2022年6月28日)、https://mainichi.jp/articles/20220628/k00/00m/040/119000c、2022年7月1日閲覧

「相鉄ローゼン コメ年間6・6トン施設に寄付へ」(2022年6月29日)

相鉄ローゼン(横浜市西区)は7月から、フードバンクかながわ(同市金沢区)を通じ、福祉施設や子ども食堂など食品支援を必要としている施設にコメの継続的な寄付を行う。持続可能な開発目標(SDGs)の活動の一環で、有料レジ袋の収益金の一部をコメの購入に充てる。

同社は2021年度から家庭で使い切れない未使用食品を寄贈してもらい、同バンクに寄付する「フードドライブ事業」に取り組んでいる。しかし、支援先の食品不足がなかなか解消されない実態を踏まえ、食品の寄付も行うこととした。

期間は7月から来年6月までで、1回当たり270キロのコメを月2回、寄付。年間で計6・6トンを計画している。21年度の1年間に販売した有料レジ袋の収益金の一部を活用。同市内に本社を構えるミツハシからコメを購入する。

出所:カナロコ、「相鉄ローゼン コメ年間6・6トン施設に寄付へ」(2022年6月29日)、https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-920253.html、2022年7月1日閲覧

奈良クラブ 「6/26(日)『おてらおやつクラブ』フードドライブ実施報告」(2022年6月30日)

6/26(日)vsソニー仙台FC戦にて、認定NPO法人おてらおやつクラブ様と連携しご家庭にある寄贈が可能な食べ物や日用品を集めて寄付する「フードドライブ」を実施いたしました。ファン・サポーターを始め多くの皆さまにご参加いただき、総計46.4kgものご寄贈をいただきました!ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

奈良クラブは今後も日本国内における子どもの貧困という社会課題に対して活動されているおてらおやつクラブ様と、子ども貧困問題をより多くの方々に知っていただく「啓発事業」、文化的な機会や居場所を提供する「学び・居場所づくり事業」の活動もクラブ・選手一同一緒に取り組んでまいります。

出所:奈良クラブWebサイト、ニュースリリース「6/26(日)『おてらおやつクラブ』フードドライブ実施報告」(2022年6月30日)、https://naraclub.jp/archives/50171、2022年7月1日閲覧

上のニュース(にゅ~す)は、サッカーJFLの奈良クラブがソニー仙台FCとの試合の際にフードドライブを実施したことを報告したものです。

「路上生活、生活保護…困窮する人が無料で使えるアトリエ、板橋に 絵筆の先に浮かぶ『生き方』」(2022年7月1日)

路上で暮らすなど、生活に困窮する人たちに無料で画材を貸し出し、自由に絵を描いてもらう施設が、東京都板橋区の住宅街にオープンした。複雑な事情を抱えて語れぬことが多くても絵筆の先には「生き方が浮かぶ」のだという。貧困の現状を伝え、偏見をなくすきっかけにするため、ここで生まれた作品を紹介する展覧会の計画も進められている。

東武東上線大山駅から歩いて6分ほど。アーティストの尾曽越おそごえ理恵さん(71)=埼玉県和光市=が主宰する「アートスタジオ大山」は絵画やイラスト、立体作品まで美術表現がしたいのなら年齢制限なしで誰でも使えるアトリエ空間。1日あたりの利用料は1000円で、生活困窮者には無料で貸し出している。絵を描く場所ではあるが「お茶を飲みにくるだけでもいいから誰でも気軽に利用してほしい」と尾曽越さんは話す。

現在は路上生活の体験者や生活保護の利用者、心の病気を患った人らが通っている。

「これが一番の楽しみだよね」。赤や黄色の色鮮やかな絵の具で、浮世絵を模写した長沼鉄男さん(81)が話した。生活保護を利用しながら、週に数回のペースで利用しているという。

黙々とキャンバスに向き合っていた路上太郎さん(自称・50代)は「コンクリートの上で寝て、体温が奪われた。動けなくてどうしようもなかった」と、ホームレス時代を振り返る。段ボールに囲まれた帽子に涙を描いた作品は、つらかった当時の体験を重ねたものだ。

出所:東京新聞Webサイト、「路上生活、生活保護…困窮する人が無料で使えるアトリエ、板橋に 絵筆の先に浮かぶ『生き方』」(2022年7月1日)、https://www.tokyo-np.co.jp/article/186836、2022年7月1日閲覧

‘Food bank demand rising in Germany amid record-high inflation’,June 20,2022

ドイツでは、記録的な高インフレの中でドイツでフードバンクの需要が増加しています。

価格の上昇によって予算が圧迫されているため、ドイツ人はスーパーマーケットではもはや買えない生活必需品を購入するための支援を求めています。 「スーパーマーケットに行って家に帰ると、もう何も買えないので、泣きそうになることがあります」と、ベルリン近郊のベルナウにあるフードバンクの列に並んで待っているガブリエレ・ワシャさん(65)は話します。

(中略)

ウクライナでの戦争により悪化した5月のドイツのインフレ率は前年比7.9%に達し、1990年の再統一以来の最高水準となりました。ドイツの統計局であるDestatisによると、ウクライナでのロシアの戦争とCOVID-19に関連するサプライチェーンの中断の結果としてのエネルギー価格の上昇が、物価上昇を後押ししています。

しかし、フードバンクでさえ、現在、価格を抑えるのに苦労しています。ターフェルはボランティアで運営されており、スーパーマーケットからの寄付に依存していますが、ランニングコストをカバーするために製品の料金を請求しています。ウクライナ戦争により、エネルギーコストが急騰しているため、それを顧客に転嫁する必要があるのです。ベルナウのフードバンクのマネージャーであるマリナ・ヤンコウは、次のように述べています。「全国レベルでは、(フードバンクに対する)需要は年初から明らかに増加しています」

(中略)

ベルナウのフードバンクのディレクターであるノーバート・ヴァイヒは、スーパーマーケットによって捨てられる食品を規制する新しい法律が導入されることを期待しています。「私たちは長い間、フランスのようにスーパーマーケットに売れ残った商品を配ることを強制する法律を政府に求めてきたが、法律は成立していない」

出所:Euronews.com,’Food bank demand rising in Germany amid record-high inflation’,June 20,2022,https://www.euronews.com/2022/06/20/food-bank-demand-rising-in-germany-amid-record-high-inflation (日本語訳はDeepLなどによる)

‘Plans to open 14th Coventry food bank’,June 17,2022

イングランドのコヴェントリーで、新しいフードバンクが、需要の高さから、今月オープンする予定です。パークサイドにあるクリスチャン・ライフ・ミニストリーズ教会は、コヴェントリー・フードバンクの14番目の配送センターとなる予定です。

フードバンクのネットワーク全体の需要は今年15%増加し、現在では少なくとも週に600人に食事を提供しています。しかし、一般市民からの寄付は減少しており、フードバンクは3月以降赤字が続き、今年は入荷量より20トンも多い食品を配給しているとのことです。

地方民主報告サービスによると、コベントリー・フードバンクのプロジェクトマネージャーであるヒュー・マクニール氏は、生活費とロシアによるウクライナ侵攻が、人々が慈善事業に寄付できる額に影響を与えたと述べているということです。

出所:BBC.com,’Plans to open 14th Coventry food bank’,June 17,2022,https://www.bbc.com/news/uk-england-coventry-warwickshire-61828566(日本語訳はDeepLなどによる)

‘Plymouth food bank donations squeezed by cost of living’, June 13,2022

家計が圧迫される中、フードバンクは食料の寄付が大幅に減少し、打撃を受けていると、フードバンク主催者は述べています。

イングランドのプリマスのフードバンクによると、今年に入ってからの寄付は、2021年の同時期に比べ9トンも減少しているとのことです。「寄付は崖っぷちに落ちました」と、プリマスのストーンハウスのプロジェクト・マネージャー、マリア・ミルズさんは言います。

(中略)

ミルズさんは、生活費の危機は、普段から寄付をしている人たちにも影響を及ぼしているとも言います。「完璧な嵐の中にいるようです(最悪の状況です)」

「今年1月から6月10日まで、受け取った食品は昨年より9トン少なかったのですが、私たちのフードバンクに対する需要は76%増加しました」

出所:BBC.com,’Plymouth food bank donations squeezed by cost of living’,June 13,2022,https://www.bbc.com/news/uk-england-devon-61787924 (日本語訳はDeepLなどによる)

‘Mobile Pantry comes to OP’, July 1, 2022

ニューヨーク市のフードバンクは、先週の金曜日、モバイルパントリー・プログラムを、オゾンパークに持ち込み、タンパク質、全粒穀物、乳製品などの常温保存食品のほか、ハラールアイテムや生鮮食品などを住民に配布しました。

このプログラムは、Stop&Shopからの80,000ドルの寄付のおかげで可能になりました。

モバイルパントリーは、8月26日まで毎週オゾンパークにサービスを提供するように設定されています。

グループのプレスリリースによると、160万人以上のニューヨーカーが食糧不安に苦しんでいます。パンデミックが発生する前は、22.1万人以上のクイーンズ居住者がすでに食糧不足に陥っていました。現在、その数は36万人に近く、人口の16%近くに上ります。昨年、ニューヨーク市のフードバンクは1億2100万食以上を配布しました。

QueensChronicle.com, ‘Mobile Pantry comes to OP’, July 1, 2022,https://www.qchron.com/editions/queenswide/mobile-pantry-comes-to-op/article_5524f725-6da2-592f-bbba-a09fc78599f2.html(日本語訳はDeepLなどによる)
ニューヨーク市で2022年6月に実施されたモバイルパントリーの様子。(出所:QueensChronicle.com,’Mobile Pantry comes to OP’, July 1, 2022,https://www.qchron.com/editions/queenswide/mobile-pantry-comes-to-op/article_5524f725-6da2-592f-bbba-a09fc78599f2.html)

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以上、2022年7月1日版の「フードバンクにゅ~す」(通算2号)をお届けしました。

今回は10本の記事を取り上げました。内訳は、日本国内の記事6本、外国の記事4本です。2020年春先からの新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの影響と、今年2月から今に至るロシアによるウクライナ侵攻の影響は、世界各地で物価上昇を引き起こしており、フードバンクに対する需要を高める一方、フードバンクに対する食品の寄贈量を減少させています。

福山市で、外国人留学生向けに食品の提供を開始したという記事を読み、外国籍人口が多く(100以上の国・地域の方がお住いで、ロシアやウクライナの方もいます)、増えてもいるここ市川市で、困っている外国籍の方はフードパントリーや子ども食堂の存在を知っているのだろうか?彼ら彼女らに伝える術はあるのだろうか?ということを考えました。

東京都板橋区の「アートスタジオ大山」は、困窮者は無料で使え、それ以外の人も1,000円で利用でき、自由に絵を描くことができる場です。この記事を見る直前に、TBSラジオ「荻上チキ Session」で紹介されていたのをリッスンして知りました。

ニューヨークの公園で行われたモバイルパントリーも興味深い取り組みです。今後も追いかけてチェックしてみます。

今後、1~2週間に1回程度の頻度で、「フードバンクにゅ~す」をお届けします。こんなニュースがあったよ!という情報提供も有り難く承っています。よろしくお願いいたします。

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〈注釈〉

※1:「フードバンクにゅ~す」は、「市川にゅ~す」さんへのオマージュです。