公開日:2022年12月16日
更新日:2024年2月11日(誤字訂正)
冒頭の画像:Pixaboy上のPexels氏による画像を使用しました。
5か月前の2022年7月4日に、「もしデジタル地域通貨『いちコイン(仮)』が導入されたなら」と題したコラムを書きました。
この記事を書いた時は、「if もしも」※1(仮定形)だった「市川市でのデジタル地域通貨の導入」が、いよいよ現実味を帯びてきたので、再度このテーマを取り上げることにしました。
デジタル地域通貨とは?
え?デジタル地域通貨?ちょっと待って!(ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん…※2)そもそも地域通貨って何なの?何なんw?と、疑問をお持ちのお兄さん、お姉さん、弟さん、妹さん、お母さん、お父さん、おばあさん、おじいさん…もいらっしゃることでしょう。これについては、上の記事を参照していただければ概ねご理解いただけると思いますが、320字という限られた文字数で説明するならば、ザっと以下のようになります。
- 地域通貨とは:特定の地域やコミュニティ内だけで流通、利用できる通貨
- 地域通貨の導入効果:地域経済や地域コミュニティの活性化(「今ここでしか買えない」という購買心理を刺激することで、地域内での経済循環を促す効果がある。無利子で資産価値をなくすことで、貯蓄に回すことなく、流通を促せる)
- デジタル地域通貨の特徴:紙の地域通貨と比べ、印刷コストや運用面での労力を大幅に削減できる。加盟店はQRコードを店頭に掲示するだけで良い。改竄や不正利用に強いブロックチェーン技術により、偽造リスクを大幅に低減できる。
- デジタル地域通貨の導入効果:①地域内経済が活性化・循環すること、②地域コミュニティのベースになり得ること、③経済活動が可視化されデータ活用が可能になること
情報出所:NECソリューションイノベータWebサイト、「デジタル地域通貨は地域活性化の切り札になるか」(2022年4月8日)、
https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20220408_local-currency.html
市川市のデジタル地域通貨実証実験(2023年5月より)
2022年11月21日に市川市役所第1庁舎で行われた定例記者会見において、正式に市川市でデジタル地域通貨の導入が発表されました。会見時に配布された資料(市川市公式Webサイトで閲覧できます)では、このように説明されています。
市内の店舗で利用できるデジタル地域通貨を導入して、地域経済の活性化を図ります。
出所:市川市「令和4年11月定例記者会見」配布資料(会見日時:2022年11月21日、13時30分~。場所:市川市役所第1庁舎5階第2委員会室)、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/new01/file/0000416100.pdf、2022年12月15日閲覧
また、健康づくり、環境に配慮したエコ活動、市事業へのボランティア参加等に対するインセンティブとして、デジタル地域通貨として使用できるポイントを付与し、市民活動の活性化を図ります。
ボランティアに参加した場合に、ポイントをゲットでき、そのポイントはデジタル地域通貨として使用できるというのは面白いですね(と、書きましたが、このような仕組みは何もデジタル地域通貨に特有のものではありません。市川市では過去にも同様の取り組みをした歴史があります。詳細は後掲!)。せっせとボランティアに参加する市川市民も現れることでしょう(市川ポイ活パースン現る?!)。
同資料によると、来年の5月から7月にかけて、八幡地区の店舗でデジタル地域通貨の実証実験を行い、8月から10月に効果を検証した上で、11月頃から、段階的に市内全域での使用に向けて事業規模を拡大していく予定ということです。
デジタル地域通貨の実証実験の概要
- 実施時期:2023年5月~7月
- 対象地区:八幡地区
- 対象者:市川市民 15,000人
- 方法:スマートフォンアプリおよびプリペイド式カード
- 店舗数:200店舗以上(目標350店舗)
- 検証事項等:利用者や店舗を対象としたアンケート調査を実施して、消費動向の分析を行い、経済効果などを算出する
情報出所:市川市「令和4年11月定例記者会見」配布資料、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/new01/file/0000416100.pdf、2022年12月15日閲覧
市川市民、15,000人が実証実験にユーザーとして参加することになるので、実験に参加することになった人はせっせとデジタル地域通貨を使っていただき、有益な知見を獲得してください。
ところで、今から18年前に、市川市では地域通貨の実証実験が行われていたことを覚えている人はいますか?
プレイバック2004!地域通貨「てこな」
おもちゃの時計の針を戻して※3…18年前にひとっ飛び!
2004年の12月から翌年1月までの2か月弱、市川市では地域通貨「てこな」の実証実験が行われました。
- 目的:①地域コミュニティの再生(NPO、ボランティア団体支援)、②地域経済の活性化(商店街支援、雇用創出)
- テーマ:子育て、福祉・介護、健康、安全
- 実験期間:2004年12月4日~2005年1月31日
- 参加者数:①個人 1,120人、②団体 20団体、③公共施設 8組織、④民間商店 1組織(150店舗)
- 発行総量:134万てこな(うち商店利用32万てこな)
- 価値の尺度:1てこな=1円、1時間の活動=100てこな
- 実験結果:①実験期間中、一人あたり平均1.1回の利用、②自宅PCから地域通貨を利用した参加者は全体の2%、③「てこな」により地域活動を意識した参加者が全体の8割(アンケート結果より)、④地域通貨を利用し続けたい参加者は全体の8割(アンケート結果より)
- 今後の課題:本格実施に向けた体制作り
情報出所:市川市情報政策監井堀幹夫「市川市の取り組みと問題点」(平成17年8月29日)、https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/daityo_card_rikatu/pdf/050829_1_s1-5.pdf、2022年12月16日閲覧
「てこな」導入の目的は2つありますが、1つ目に挙げられているのが「地域コミュニティの再生(NPO、ボランティア団体支援)」でした。ボランティア活動などに参加すると、1時間の参加で100てこな=100円分のポイントがもらえる、という仕組みは、この目的を達成するために組み込まれたのでしょうね。この時に得た知見が、来春実施されるデジタル地域通貨の実証実験にも生かされるものと思われます。
18年の時を超えて、新たにスタートするデジタル地域通貨(デジタルてこな?電子てこな?eてこな?それとも、いちコイン?)が、実証実験をやって終わり、ではなく、市内全域で広く使われるものになることを願っています。
市川市の小さな楽団が奏でるクリスマス
ところで、「てこな」のスタート時(2004年12月4日)には、鬼高の商業施設ニッケコルトンプラザで、華々しくイヴェントが行われ、市長のあいさつ、参加団体紹介の他、テーマソングの生演奏(画素の粗い画像を目を凝らして見たところ、アコースティックギターを持った2名の男性によるライヴの様子が確認できました。ゆず風?)もありました。「てこな」テーマソング、今どこかでリッスンすることはできるのでしょうか?市川市の小さな楽団ノスタルジー&ルミエールのメンバーでもある私としては、是非リッスンしてみたく、カヴァーすることもやぶさかではありません。
市川発の小さな楽団♪ ノスタルジー&ルミエール【市川市】
https://chiicomi.com/press/1939368/
※ちいこみ(2022年9月1日公開の記事)
「市川市の小さな楽団」を自称する「ノスタルジー&ルミエール」とはどんな楽団なのか?という謎に初めて迫ったメディア、それが、ちいき新聞さんであり、ちいこみさんです。是非上の記事をチェックしてみてください。
ところで、もうすぐクリスマスですね。
ノスタルジー&ルミエールが奏でる市川のクリスマス・ソングをリッスンしてみたいという人は、そっと下のURLをクリック or タップしてみてください。
ペケマスじゃないよ demo ver. / ノスタルジー&ルミエール
https://soundcloud.com/user-26725798/demo-ver
1年間の12分の11が過ぎて
ふくろうの森に雪が降りそうな季節人間の子どもたち皆、楽しみにしてる
鬼越の鬼の子どもたちも待ちきれない(X’masを)「ペケマス」と読むパースンもいるけれど
「クリスマス」と読むのが正しいことを知ってるプレゼントもらえるかな
注:ペケマスとは、『ちびまる子ちゃん【5】』収録の「その28 家庭内クリスマス」内で、まる子の祖父である友蔵が、福引券に記されたXmasを”そう読んだ”ことに由来します。
プレゼントもらえたらいいな
プレゼントもらえるかな
プレゼントもらいたい
それでは、少し早いですが、メリー・クリスマス!
* * * * *
〈注釈〉
※1:〈『if もしも』(イフ もしも)は、フジテレビ系列(フジテレビ・共同テレビ・日活撮影所)製作で、1993年4月22日から同年9月16日まで、毎週木曜日 20:00 – 20:54(JST)に半年間放送されていたオムニバステレビドラマ。〉(Wikipediaより)岩井俊二作品として有名な『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』は、元々この「if もしも」内で放送されたテレビドラマでした。
※2:「8.6秒バズーカー」という日本のお笑いコンビのリズムネタ「ラッスンゴレライ」内で発せられるフレイズ、それが、「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」です。なお、「ラッスンゴレライ」が流行した時期は、2014年末から2015年前半とのことです。8年前ですね。
※3:。「おもちゃの時計の針を戻す」は、Mr.Childrenが1992年8月、つまり30年前に発表した1枚目のシングル、『君がいた夏』のサビで歌われる印象的なフレイズです。