【コラム】市川市の児童議会(2023年、夏)

コラム

昨日、つまり、2024年1月4日に公開したコラムで、先月の『広報いちかわ』に掲載されていた、2023年に市川市で起きた10に出来事を紹介しました。

10の出来事のうちの1つが、2023年8月19日に市川市議会の議場で開催された「児童議会」でしたが、市川市ウォッチャーの私としたことが、ウォッチャーの資格ナシ!と言われかねない(市川市ウォッチャーに資格は必要なく、自称なのですが)ことに、「児童議会」なるものを認知していませんでした。オー!ミステイク!※1

児童議会の様子を、こちらの動画で垣間見ることができます。

児童から田中市長への質問
「田中市長にとって『人生』とはなんですか」

出所:市川市公式YouTubeチャンネル、児童議会の様子 https://www.youtube.com/watch?v=IHB2b9_9gNE

田中市長から児童へのエール
「みなさんの未来が市川市の未来です」

出所:市川市公式YouTubeチャンネル、児童議会の様子 https://www.youtube.com/watch?v=IHB2b9_9gNE

2023年8月19日に開催された「児童議会」について、その直後に開かれた、市川市の「おとな議会」、とはあえて言いませんが、おとなである市川市議会議員が出席して行われる「市川市議会」で、議員から質問があり、市の職員が回答していました。

市川市議会令和5年9月定例会(第2日、2023年9月4日)におこなれた「清風いちかわ」の代表質問で、総括質問者・石原みさ子議員が、タウンミーティングとして開催された児童議会の概要と効果、ならびに、今後継続して実施するかどうかについて質問し、これに対して、市川市の職員、複数名から、次のような回答がありました。

麻生文喜市長公室長の発言

  • タウンミーティングでは市民と市長が直接意見を交換する
  • タウンミーティングでは市民は市政に対して感じていることを直接市長に伝えられる
  • 2022年度は自治会を対象に市内14地区でタウンミーティングを開催した
  • 2023年度は、6月に子ども会育成会連絡協議会を対象としてタウンミーティング第1回目を開催
  • 2023年度、2回目のタウンミーティングとして、市長が市内の小学校に通う子どもたちの声を聞くために開催し、これを児童議会と称した(2023年8月19日)
  • 児童議会に参加した児童議員は42名で、公立小学校、私立小学校に依頼して選出してもらった
  • 児童議員には事前にワークショップに参加してもらった。児童の意見や質問の類似性により8つのグループをつくり、これを8つの会派と見立て、代表質問風に内容を組み立ててもらった
  • 児童議会の当日は8つの会派から大きく24の質問があった(質問の例:通学路の安全のこと、トイレの修繕やエアコンの設置といった学校の設備のこと、公園や広場についての改善点)
  • 児童議会の主な効果は、今後、事業を進める上での優先性や重要性を決める目安になったこと、参加した子どもたちや保護者から、楽しかった、貴重な経験となったなどの感想があり、夏休みのよい思い出になったと思われることである
  • 今後については、目的を明確化して子どもにとってより良い形で開催できないか(今回のようにタウンミーティングとして子どもたちの声を聞く場とするのか?社会の仕組みを学ぶ場とするのか?新たな政策の提案の場とするのか?)を関連部署と検討したい

藤井義康学校教育部長の発言

  • 教育委員会では、昭和55年から平成12年まで(1980年から2000年まで)中学生模擬議会を行っていた
  • しかし、学習指導要領の改訂に伴い、児童生徒の考えや思いを発表する場面が総合的な学習の時間をはじめ、全ての教科、領域にて保障されるようになったことから取りやめた経緯がある
  • 今回の議会形式の様子を見て、社会科教育を体感する場としても、議場を利用した児童議会は、参加する子どもたちにとっても貴重な体験の場であったと感じた
  • 今後については、学習内容との関連や時期など様々な課題等も含めて、教育委員会としてもほかの部署と連携して検討したい

田中庸惠教育長の感想

  • 市川市の課題、学校の課題をしっかり子どもたちが押さえて、力強く、落ち着いて主張していた
  • 課題に対して質問・要望をするときには根拠が必要だが、その根拠もしっかりしており、真剣さ、切実感も感じた
  • 小学生と市長の間でほのぼのとした質問の応答もあった
  • 市長とディスカッションをする経験は子どもたちにとって大きいことで、市長という存在と市川の市政というものを、子ども自身が非常に身近に感じたのではないか
  • 子どもたちが感じていること、考えていることを、児童議会を通して市長とやり取りすることは、将来にわたって子どもたちにとって、市川市にとって有効に機能するだろう

情報出所:市川市公式Webサイト、「令和5年9月 市川市議会定例会会議録」(暫定版)https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/cou01/file/0000442355.pdf

一度きりの「児童議会」にしてほしくないですし、市川市が推進する事業の優先度を決める際の目安になると市長公室長が話しているので、「この事業を優先的に進めることを決めたのは、児童議会における子供たちの意見も踏まえてのことである」というような説明をしてほしいです。

というわけで、2023年8月に開かれた市川市の「児童議会」について、綴りました。明日は、本稿の内容を受けて、全国の自治体で行われている子どもの意見を施策に反映する取り組みなどを紹介します。

* * * * *

〈注釈〉

※1:「オー!ミステイク」は、一般には「オー・ミステーク」と表記されることが多い語で、1950年の「日大ギャング事件」の犯人が発したとされる言葉。印象的な発言から、この事件は「オー・ミステーク事件」とも呼ばれています。事件の顛末は、この記事に詳しいです。https://bunshun.jp/articles/-/48829

* * * * *

執筆日 2023年1月4日
公開日 2023年1月5日