【フードバンクにゅ~す】2022年7月8日

フードバンク

1週間ぶり、3回目となる「フードバンクにゅ~す」※1をお届けします。フードバンクのみならず、子ども食堂などの記事も取り上げています。

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「野菜買えぬ困窮家庭の悲鳴『政治家に苦境見えているのかな』」(2022年7月3日)

国は4月、物価高対策として、低所得の子育て世帯に子ども1人あたり5万円を給付すると発表した。県内の対象は約4万世帯にのぼる見通しだ。「埼玉フードパントリーネットワーク(埼玉FPN)」に加盟する団体も、3年前の設立時の4団体から67団体に増え、ニーズは増す一方だという。

埼玉FPNによると、利用者の多くがシングルマザーの非正規労働者で、コロナ禍で雇い止めにあうケースも多かった。そこへ物価高が追い打ちをかけている。「電気代を払えず電気を止められた。食料だけでも確保したい」「失業し、家賃を3カ月滞納している」「手元に100円ほどしか残っていない」といった切実な声が届く。

国による5万円給付は、低所得世帯の物価高による負担増をほぼ解消できる規模だとの民間シンクタンクの試算がある一方、急場しのぎであり、困窮から抜け出す道は見えない。将来への不安は根強い。

埼玉FPNの草場澄江理事長は「本当に次世代のことを考えるなら、所得制限なく大学までの教育費をゼロにしたり、そもそも親が失業に悩まなくてもすんだりするような抜本策が必要ではないか」と話す。

出所:朝日新聞デジタル、「野菜買えぬ困窮家庭の悲鳴『政治家に苦境見えているのかな』」(2022年7月3日)、https://www.asahi.com/articles/ASQ72759JQ6QUTNB00P.html、2022年7月4日閲覧

ツエーゲン金沢「【6月分】選手から『いしかわフードバンク・ネット』へ食料品寄贈を行いました」(2022年7月3日)

ツエーゲン金沢では、「特定非営利活動法人いしかわフードバンク・ネット」に対し、選手・スタッフより定期的に飲食料品を寄贈させていただいております。

6月分として、6月24日(金)に飲食料品を寄贈してまいりました。選手寄贈分としてお米やお菓子などの他、パートナー企業である明治安田生命金沢支社金沢東営業部様からも、従業員の皆さまから集めていただいた食料品を合わせて寄贈してまいりました。

今シーズンも、月に1回のペースで飲食料品を寄贈させていただきます。

出所:ツエーゲン金沢Webサイト、「【6月分】選手から『いしかわフードバンク・ネット』へ食料品寄贈を行いました」(2022年7月3日)、https://www.zweigen-kanazawa.jp/news/p5375.html、2022年7月8日閲覧

「大館市が『思いやり型返礼品』 フードバンクに提供など」(2022年7月2日)

秋田県大館市は1日、ふるさと納税の寄付者が返礼品を市内のフードバンクに提供できる取り組みを始めた。このほか、障害者施設などで製造した品を通常の返礼品としてPRするなど、返礼品を障害者や生活困窮者らの支援に積極的に活用する取り組みを進めている。

ふるさと納税仲介サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラスト(東京)と岩手県北上市、前橋市が連携して立ち上げた、思いやり型返礼品プロジェクト「きふと、」の一環。「自分のためでなく誰かのために返礼品を」と呼びかけているプロジェクトで、現在は114自治体が参画している。

出所:秋田魁新報電子版、「大館市が『思いやり型返礼品』 フードバンクに提供など」(2022年7月2日)、https://www.sakigake.jp/news/article/20220702AK0017/、2022年7月4日閲覧

「『娘が私学なら、修学旅行は諦めさせるかも』ひとり親家庭の苦境」(2022年7月5日)

雨が降っていた6月の土曜午前、福岡市中央区の簀子(すのこ)公民館には、子供を連れた母親らが集まってきた。「バス代ももったいないけれど、バス代以上の食材をいただけるので毎回来ています」。同市博多区の契約社員の女性(50)は小学4年の長女(9)の手を引きながら米2キロや水1本(2リットル)、缶詰、野菜、調味料などが入った袋を受け取った。

同公民館がある簀子地区で活動する「港町まちづくり協議会」は月に一度、フードバンクなどから提供された食材をひとり親家庭に手渡す。5年ほど前に始めた子ども食堂はコロナ禍で中断し、食材提供に切り替えると希望者が殺到した。現在は子ども食堂を月2回、事前受け付けをしたひとり親世帯に月末1回、食材を提供している。この日は市内外の33世帯に約90人分の食材を配った。

(中略)

同会の二田豊昭会長(73)は「子ども食堂では、子供は無料で親は300円もらっているが、子供にだけ食べさせる家庭もある。数百円でも苦しい世帯があるのが実情」と語った。

契約社員の女性は、長女が進学する際の金銭面に不安を抱く。「親の収入によって進学の選択肢が限られる。私の今の収入では私学だと修学旅行を諦めさせるかもしれない。子どもに格差を感じさせないために、せめて平等に教育を受けられる支援をしてほしい」。思いは切実だ。

出所:毎日新聞Webサイト、「『娘が私学なら、修学旅行は諦めさせるかも』ひとり親家庭の苦境」(2022年7月5日)、https://mainichi.jp/articles/20220705/k00/00m/010/079000c、2022年7月5日閲覧

「物価高がひとり親、非正規雇用の家計を圧迫 フードバンク利用者コロナ前の3倍」(2022年6月27日)

「ガス代がどんどん上がって毎月請求書を見て驚いている。野菜も高いのでお弁当のおかずは作らず、スーパーで総菜が値下がりするのを待って買っている」

6月上旬の午後、JR新小岩駅近く。民間団体「フードネット江戸川」(東京都江戸川区)が運営するフードバンクの拠点で、訪れたパート女性(60)はそう漏らした。

高校3年の息子と暮らすシングルマザー。コロナ禍が本格化した2020年5月からフードバンクを利用する。同団体は区内のひとり親や生活困窮者向けに、個人や企業から寄付された米やレトルト食材、缶詰のほか地元産の野菜を配布。受け取れるのは月に1回に限られるが、女性は「子どもの学費のために節約していて、少しでも食費を抑えられるのは助かる」と話す。

同団体によると、利用世帯数は19年度は月平均22.7世帯だったが、コロナ禍が始まった20年度は同48.1世帯、21年度は同69.2世帯とコロナ禍前の約3倍に増加した。代表の棚橋幹夫さん(74)は「ひとり親の利用者は非正規雇用の人が多い。コロナ禍で生活が苦しくなった人が増えた」という。

出所:東京新聞Webサイト、「物価高がひとり親、非正規雇用の家計を圧迫 フードバンク利用者コロナ前の3倍<くらし直撃~2022参院選>」(2022年6月27日)、https://www.tokyo-np.co.jp/article/185874、2022年7月4日閲覧

「『フードバンク岩手』認定NPO法人に」(2022年6月27日)

生活に困っている人に食品を届けている「フードバンク岩手」が、寄付の際に税金の優遇措置が受けられる「認定NPO法人」に認定されました。

長引くコロナ禍で需要が増え続けていて、団体ではさらに支援の輪が広げられると期待を寄せています。

(中略)

国の制度である「認定NPO法人」は、寄付の規模や適切な情報開示など8つの基準を満たすことが条件で認定されると、寄付をした際に個人では所得税や住民税の控除が受けられ、企業では経費として扱える額が引き上げられます。

阿部さんは「多くの人に参画してもらいやすい環境が整ったので大変ありがたい。最終的にはフードバンクがなくてもいい世界を目指してさらに頑張りたい」と話していました。

出所:NHK NEWS WEB(岩手 NEWS WEB)、「『フードバンク岩手』認定NPO法人に」(2022年6月27日)、https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20220627/6040014655.html、2022年7月4日閲覧

「千葉商科大学、学生チームが食料品などを無償で提供する『フードパントリー』を6月27日より定期開催」(2022年6月29日)

千葉商科大学では、学内で「フードパントリー(食品の支援が必要な人が必要な時に受け取ることができる場所)」や、「フードドライブ「(家庭で余っている食品を学校や職場などに持ち寄り必要な人に届ける活動)」を開催すること等を目的に、市川市社会福祉協議会と連携し、「フードバンク学生チーム」を2021年12月に発足。同月23日に1回目を実施した。

長引くコロナ禍で、アルバイトのシフト減少など学生の経済状況に影響が生じるだけでなく、日常生活における「人との繋がり」も減少している。そんな現状の中、「フードバンク学生チーム」は、フードパントリーが人と人とが繋がり、“支え合う”活動ができる場所であることに着目。企画・運営に取り組むようになった。同じくフードバンクに取り組む市川市社会福祉協議会と連携し、コンビニエンスストアの在庫商品ならびに個人で寄付があった生理用品、お米などの提供を受けて実施してきた。

今回、フードバンク学生チームは、コロナ禍でのさらなる学生支援の必要性を感じ、在校生を対象に食料品や日用品を無償で提供するフードパントリーを6月27日(月)から月1回定期的に実施することにした。また、事後アンケートでリクエストの多かったお米については、LINEを用いて事前に予約を取ることで、確実に必要としている学生へ届けるような工夫を取り入れた。

出所:大学ジャーナルオンライン、「千葉商科大学、学生チームが食料品などを無償で提供する『フードパントリー』を 6月27日(月)より定期開催」(2022年6月29日)、https://univ-journal.jp/168471/、2022年7月4日閲覧
参考:千葉商科大学プレスリリース、「企業の廃棄ロス削減×学生の経済的支援
学生による『フードパントリー』 6月27日(月)より定期開催」(2022年6月6日)、https://www.cuc.ac.jp/news/2022/mstsps000002mvga-att/cuc_press220606_foodpantry.pdf

「ららぽーとで『ふなばし子ども食堂ネットワーク活動報告パネル展』」(2022年6月28日)

船橋市内各エリアに点在する22か所の子ども食堂を統括する「船橋子ども食堂ネットワーク」の活動報告展が6月19日、ららぽーとTOKYO-BAY(船橋市浜町2-1-1)南館3階の通路で行われた。同パネル展に参加したのは、ネットワークに加盟する市内全22か所の子ども食堂の内、現在稼働している21食堂。

(中略)

現在、ネットワーク加盟の子ども食堂は毎月ないし毎週開催し、各回あたり30~100食の食事や食品提供を行い、年間利用者数はのべ6000人程度まで拡大している。

こうした同ネットワークの成長と共に、それぞれの子ども食堂の活動報告も展示。現在、同ネットワークでは北部、西部、東部、南部と市内を5ブロックに分けてエリア特性に合わせ管理を実施。子ども食堂全体としては、フードバンクなどとの連携で、収支は損益分岐点を超えている食堂が多いという。「ネットワーク開設当初よりも助成金なども増えて運営は楽になった」と、現状を話す及川代表。市内では、北部エリアや中央部の芝山・飯山満などでの子ども食堂開催がなく同エリアでの開設希望者を募っているという。

出所:MyFunaねっと、「ららぽーとで『ふなばし子ども食堂ネットワーク活動報告パネル展』、市内21食堂が一堂に会し活動実績を報告」(2022年6月28日)、https://myfuna.net/archives/townnews/220628、2022年7月4日閲覧

岐阜県「子ども食堂、値上げせず続けたい 県内の代表者が情報交換」(2022年7月3日)

(岐阜)県内の子ども食堂の代表者らによる情報交換会が二日、羽島市舟橋町出須賀の「一般社団法人 こどもがセンター」であり、参加者は物価高対策を話し合った。

出所:中日新聞Webサイト、「子ども食堂、値上げせず続けたい 県内の代表者が情報交換」(2022年7月3日)、https://www.chunichi.co.jp/article/500898、2022年7月4日閲覧 ※()内は筆者加筆

「豆腐移動販売の『染野屋』がこども食堂へ大豆加工食品を中心に無償提供促進」(2022年7月4日)

関東を中心に100台の車両で豆富などの大豆製品を移動販売で展開している株式会社染野屋(代表:八代目染野屋半次郎 小野 篤人、本店:茨城県取手市東2-1-32)は、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(理事長:湯浅 誠、所在地:東京都新宿区西新宿1-20-3)と協力し、同社商品(豆富類)のこども食堂への提供を7月より促進します。同社は注文配達形式ではなく、買い物を楽しんでもらうため、予約品以外の商品がほとんどで、売れ残りの商品が廃棄になるケースが発生していました。

それにより以前から、販売員個人の意思で、地域のこども食堂に売れ残りの商品を無償提供していたことが今回のむすびえおよび、こども食堂ネットワークとの協働に繋がりました。

まず埼玉県子ども食堂ネットワークと連携し、さいたま営業所(さいたま市北区)の近辺のこども食堂に対する支援から開始します。

出所:ニューズウィーク日本版Webサイト、「豆腐移動販売の『染野屋』がこども食堂へ大豆加工食品を中心に無償提供促進 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ等による展開支援」(2022年7月4日)、https://www.newsweekjapan.jp/press-release/2022/07/npo-6.php、2022年7月4日閲覧

「ダイドードリンコと御殿場市が協働で子どもたちを支援」(2022年7月5日)

ダイドードリンコ株式会社(本社:大阪市北区)は、「真の子育て支援日本一」を推進する静岡県御殿場市(以下、御殿場市)と事業連携・協力に関する包括連携協定を 7 月 4 日(月)に締結いたしました。

この協定は、子どもに関する施策及び地域活性化の推進を図るために締結され、その取組みの一環として「子ども食堂応援自動販売機」(以下、本自販機)を御殿場市役所本庁舎出入口付近に設置いたしました。本自販機は、売上金の一部を御殿場市社会福祉協議会に寄付し、市内の子ども食堂に贈られます。また、御殿場市長 勝又 正美様によるオリジナル音声メッセージが流れる機能を搭載しており、訪れる方々へ「真の子育て支援日本一」をめざす御殿場市の想いが伝わるものと期待しております。

その他、子ども食堂支援のため、販売した売上げの一部を寄付できる環境の整備、フードバンクへの飲料提供などを通して、子どもの貧困対策に伴う支援ならびに子育て支援を推進してまいります。

当社では、この締結を通じて、未来を担う子どもたちの夢や希望を叶えられる環境づくりの実現に向け、支援してまいります。

出所:ダイドードリンコ株式会社ニュースリリース、「めざせ『真の子育て支援日本一』静岡県御殿場市とダイドードリンコとが包括連携協定を締結~ダイドードリンコと御殿場市が協働で子どもたちを支援~ 」(2022年7月5日)、
https://www.dydo.co.jp/corporate/news/2022/220705/pdf/20220705_01.pdf、2022年7月5日閲覧

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以上、2022年7月8日版の「フードバンクにゅ~す」(通算3号)をお届けしました。今回は11本の記事を取り上げました。

フードバンク岩手の阿部さんが「多くの人に参画してもらいやすい環境が整ったので大変ありがたい。最終的にはフードバンクがなくてもいい世界を目指してさらに頑張りたい」と述べています。フードバンクがない世界を目指して、フードバンクをさらに頑張る――この言葉に矛盾を感じるかもしれません。が、「いちかわフードバンクbyフリスタ」も同じ思いで活動しています。今はまだフードバンクが必要とされる社会だから、頑張って活動を継続する、しかし、フードバンクがなくても誰も困らないような社会こそが理想だ、という意味です。

ダイドードリンコの「子ども食堂応援自動販売機」は、売上の一部を御殿場市の社会福祉協議会に寄付し、市内の子ども食堂に贈られる仕組みです。ドリンクの購入者が、自動販売機で気軽に寄付できる、良い取り組みですね。今後、買い物をして、その売上金の一部を子ども食堂やフードバンク、NPO団体などに寄付する仕組みは増えると予想しています。

今回は、市川市およびお隣の船橋市に関する記事も紹介しました(千葉商科大学でのフードパントリー開催、船橋子ども食堂ネットワークの活動報告)。ぜひ、ご自身の身の回りの、フードバンクや子ども食堂などの動向に注目してみてください。地元で色々な動きがあるのであれば、ご家族やご友人と話してもよいですね。

(付録)フードバンク関連用語説明

フードバンクの活動では、一見似た言葉が多く使われるため、用語を混同する人も少なくありません。ここでは、代表的な用語を簡単に説明します。

フードバンク
食品の銀行という意味で、食品をお預かりし、保管した後、必要なところに届ける団体のことです。
団体そのものを指すだけでなく、活動や拠点を意味する場合もあります。
1. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動をする団体のこと。
2. 食品を預かってから届けるまでの一連の活動のこと。
3. 預かった食品を管理して届けるための拠点(場所)のこと。

フードドライブ
食品を寄贈すること。
具体的には、家庭や企業等で余ってしまった食品を、フードバンク団体に預けることを指します。
次のような寄贈方法があります。
1.フードバンク団体の拠点に直接持ち込む
2.店舗や施設に常設されているフードドライブ用のボックスに入れる
3.インターネット通販サイトで商品を購入し、フードバンク団体の拠点などに郵送する
4.イベント内で特別に開催されるフードドライブに持ち込む

詳細はこちらをご覧ください。

フードパントリー
食品をおすそ分けすること。
具体的には、何らかの理由で食品を入手することが困難な方に対して、食品などを無償で提供すること、または、その会のこと。
「いちかわフードバンクbyフリスタ」では、毎月第2土曜日に市川市内の3箇所でフードパントリーを行っています(2022年7月上旬現在)
詳細はこちらをご覧ください。

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〈注釈〉

※1:「フードバンクにゅ~す」は、「市川にゅ~す」さんへのオマージュです。