【コラム】現代の学校給食~スクールランチだよりと給食費無償化~

コラム

執筆日 2023年4月9日
公開日 2023年4月13日

今、この記事を読んでいるあなたは、最近、学校給食を食べましたか?
今、この記事を書いている私は、長らく、学校給食を食べていません。

そんな私は、現代の学校給食が、どのようなものか、知りません。
そんな私が、現代の学校給食が、どのようなものであるかを知る術がありました。

市川市のWebサイト内に、市内の学校給食と、そのレシピを紹介するページがあるのです。

市川市公式Webサイト
スクールランチだより(更新日:2023年2月6日)
https://www.city.ichikawa.lg.jp/edu08/1111000110.html

このWebページには、2023年4月9日現在、市川市内の小中学校の給食メニューとして、以下のものが掲載されています。

  • ピザトースト・大豆のコロコロサラダ
  • 鯖のカレー焼き・チンジャオロースー
  • きなこトースト・ポークビーンズ・もやしのカレーサラダ
  • プルコギ風焼肉・トックスープ
  • チキンのコーンフレーク焼き・トマトと卵のスープ
  • ひじき春巻き・バンバンジー風サラダ
  • 鱒のクリームシチュー・きゃべつサラダ
  • なすの中華あんかけ・みそポテト
  • 豆腐ツナグラタン
  • 鶏のレモン煮 お祝い紅茶ケーキ
  • 手作りひじきふりかけ・れんこんサラダ
  • 太巻き祭りずし(桃の花)
  • 栗ごはん・秋刀魚の塩焼き 大根おろし甘酢かけ
  • サーターアンダギー
  • キャロットゼリー
  • 茎わかめのサラダ・スイートポテト

冒頭の画像は、「スクールランチだよりNo.45」で紹介されている、国分小学校の給食です。

  • あさりときのこのスパゲティー
  • チキンのコーンフレーク焼き
  • コーンサラダ
  • トマトと卵のスープ
  • シューアイス
  • 牛乳

チキンの「コーンフレーク」焼き、食べてみたいですね!

栄養成分は次の通りです。

  • エネルギー 604kcal
  • たんぱく質 31.4g
  • 脂質 26.6g
  • 食塩相当量 3.0g

≪栄養士さんからの一口メモ!≫より

チキンのコーンフレーク焼きは、鶏肉にパン粉・粉チーズ・細かくくだいたコーンフレークを混ぜた衣をつけオーブンで焼きます。マヨネーズで下味をつけることにより、鶏肉が柔らかくジューシーに焼きあがります。
市川市のトマトを使った卵のスープは出し昆布、かつお節のだしとトマトのうまみグルタミン酸との相乗効果でおいしくさわやかなスープにしあがっています。

出所:市川市公式Webサイト、「スクールランチだよりNo.45」、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000292713.pdf、2023年4月9日閲覧、太字は筆者

「スクールランチだより」の各号(市川市教育委員会の保健体育科が制作)には、上記のような情報の他、レシピも掲載されています。

また、学校給食の持つ意味や、紹介されている料理に使われている食材の説明などを綴ったコラム風の文章が掲載されています。

 学校では、入学してから卒業するまで毎日給食を食べています。給食は昼食としてただ食べるだけではなく、給食時間の中でたくさんのことに取り組んでいます。
 みんなで協力して準備したり、片付けたりすること。食事の挨拶をして、感謝の気持ちを持って食べること。食事のマナーを守って友達と仲良く食べること。健康な体をつくるために好き嫌いなく栄養のバランスを考えて、よくかんで味わって食べること。毎日の給食時間の中で、児童生徒はいろいろなことを学んでいます。
 また、学校給食は血や骨、肉をつくる、肉・魚・卵・大豆製品や熱や力になる米・パン・麺・芋類、体の調子を整える野菜や果物など、いろいろな食材を使い、主食・主菜・副菜のそろった献立となっています。
 毎日の給食時間の中で、給食を通して自分の健康な体をつくるためのバランスのよい食事を覚えて、大人になってから自分の食事につなげていってほしいと思います。

出所:市川市公式Webサイト、「スクールランチだよりNo.56」、https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000330246.pdf、2023年4月9日閲覧、太字は筆者

私が学校給食を初めて食べたのは40年前、最後に食べたのは恐らく31年前のことだと思います。給食の時間は学校生活の中でも特に楽しみにしてました。好きだったメニューは、「竜田揚げ」「バンサンスー」で、鮮烈な記憶が今も残っているのは、「ソフトめん」「冷凍みかん」です。

そういえば、昨年、新潟県に行った際に足を運んだ駄菓子屋さんでは、学校給食も食べることができました。時間の都合で給食1セットを食べることは叶いませんでしたが、昔も今も給食の人気メニューである、「あげパン」は食べましたよ。懐かしい味でした。

そういえば(Part2)、先日(2023年2月21日)、市川市を拠点に活動するクリエイティヴ・ユニット「ミカヅキデザイン」さんが、市川市内の小学校で出張授業を行った際に、学校給食を食べたそうです。羨ましいですね!

2023年の2月にミカヅキデザインさんが市川市内の小学校で食べたという給食です。

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市川市では、子どもの成長を社会全体で支える施策のひとつとして、子どもたちの、安心で充実した食の環境を整える取り組みを進めるため、今月(2023年4月)より、全ての市川市立の学校で給食費が無償となります。

出所:市川市公式Webサイト、「学校給食費が無償になります」(2023年2月6日更新)、https://www.city.ichikawa.lg.jp/edu08/00000410285.html、2023年4月9日閲覧

市川市の田中甲市長は、2022年の市長選挙前に行われた候補者による公開討論会の場で、次のようなことを話していました。

  • 食べ物を食べることができない子供たちがいる。これをなくさなくてはならない
  • 給食費を無償にしても、土日はどうするのか
  • 子ども食堂などを発展させ、それを市がバックアップする

参考記事

田中市長の上の言葉にあるように、土曜日や日曜日、あるいは、夏休みや冬休み、春休みなど、給食のない日に、家で十分な食事を取れない子どもたちがいます。給食費無償化だけでは、食べることに困っている子どもたちを支えるために十分ではないということですね。

貧困の問題は、身近なものです。フリースタイル市川ではフードバンク事業を行っていますが、皆様から寄贈していただいた食品を、必要としている方々に無償でおすそわけする「フードパントリー」を毎月実施していますが、ご利用される世帯数は増加傾向にあります。コロナ禍、ウクライナ戦争、インフレと、ここ数年で生活が苦しくなっている人が増えている可能性があります。

地域にいる他者の抱える生きづらさ(その全てとは言えないまでも、そのうちのいくつか)は、地域の課題でもあり、地域住民にとっての課題です。フードバンク事業をしていると、地域課題が多くの人の目に触れることが「何よりも大切」※1だと思えます。

そんなわけで、フリースタイル市川としては、地域にこんな課題がありますよ、という情報発信、情報共有を積極的に行っていきます!

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〈注釈〉

※1:米米CLUBの『浪漫飛行』では、〈「逢いたい」と思うことが何よりも大切だよ。苦しさの裏側にあることに目を向けて〉歌われています。一方、同じく米米CLUBの『君がいるだけで』では、〈たとえば、君がいるだけで心が強くなれること。何より大切なことに気付かせてくれたね〉と歌われます。