初めにお断りしておきますが、本稿は、2022年8月3日に公開したコラム「人口と世帯からみる市川市の姿」の続編に位置づけられます。
市川市の「人口」、「世帯数」、そして、この2つのデータから算出される「世帯人員」(「人口」÷「世帯数」、すなわち「1世帯当たり人員」)を確認する定期企画の最新版が本稿ですが、これらのデータを眺めながらあぁでもなくこうでもなくと語っている過去記事(上記)も併せてリード(Read)することをお勧めします。
市川市の人口の推移(毎年10月1日)
まずは、市川市の人口の推移をみていきます。下図は2013年から2022年までの10年分の人口データです。
一貫して増加基調にあります。いや、一貫して、ではないのですが、ほぼ毎年のように増加していますね。縦軸の基点を0人から46万人にしてみます。
市川市の人口は増加を続けていましたが、2021年には、前年より少なくなりました。2022年には盛り返しており、2020年よりも多い、49万6834人になっています。50万人まで、あと3,166人です。
参考までに、各年における前年からの人口の増減をみてみると、2015年の増加幅が抜きんでて大きいですが、これは国勢調査実施年だからかもしれませんね。2014年から2019年までは、毎年2,800人以上増加していましたが、2020年以降はそれまでのような大きな増加はみられません。先ほど、「50万人まで、あと3,166人」と述べましたが、到達は可能なのか?それとも?
市川市が人口50万人都市になるかどうかなんて、どっちだっていいじゃん!という人がほとんどだと思いますし、私自身もそんなことはどうでもよいと思っています(2,000本安打とか200勝に過度に意味を持たせる風潮を苦々しく思う私です)。
なお、松戸市の人口と市川市の人口はほとんど同じで、いずれも50万人弱で足踏みをしています。少し前に綴った2市の人口に関する記事はこちらです。
千葉県の人口
ちなみに、千葉県の人口は、というと、2011年に初めて減少に転じ、2013年まで3年連続で減少した後、2014年から2020年まで増加し、2021年以降再び減少しています。2020年の国勢調査によると、628万4,480人で、全国6位です。
日本の人口
ちなみに(Part2)、日本の人口は、というと、2022年10月1日時点で1億2494万7千人です。まだ(あえて、「まだ」と書きますが)、日本には1億2000万人の人口がいるのです。
※人口がいる?何か変ですね、この表現。
2011年から12年連続で人口が減少していますが(人口のピークは2008年)、近年は社会増減がプラスの年が多いのに対して、自然増減は2007年から16年連続でマイナスなのです。日本国内では出生数がものすごい勢いで減っているというニュースを見たり聞いたり読んだことがあるかもしれませんが、自然増減がマイナスというのは、そういうことです。
市川市の世帯数の推移(毎年10月1日)
続いて、世帯数の推移をみます。
人口が50万人弱なのに対し、世帯数は25万弱です。縦軸の基点を上にぐっと上げてみます。
2019年まではぐんぐん伸びていますね、棒グラフの高さが。2019年以降は、その伸びに陰りが出ています。人口の推移とおおむね同じ動きをしています。世帯数は単体でみるよりも、人口を世帯数で割った「世帯人員(1世帯当たり人員)」という指標をみるほうが10倍くらい興味深いので、さっそく割り算をしてみましょう。
市川市の世帯人員(1世帯当たり人員)の推移(毎年10月1日)
下の折れ線グラフは、人口を世帯数で割った「世帯人員(1世帯当たり人員)」の推移を表しています。
2013年には2.1を超えていましたが、2016年に2.1を下回り、2022年には2.012になりました。1世帯当たり人員の平均が、ほぼ2人というわけです。
2016年から2022年までは、2020年を除き、世帯人員は1年に平均0.017人減少しています。2023年10月1日時点の世帯人員が2を下回る可能性は十分ある、というのは、あながち大胆予想でもないと言えましょう(∵2.012-0.017=1.995)。
市川市の世帯人員がどんどん少なくなっている理由は、1人世帯の数が増加している(その割合は上昇し続けている)ことにあります。
全世帯の45%が1人世帯なのです。1人世帯と2人世帯の合計は70%に達しています。これは、100世帯のうち、45世帯は世帯人員が1人で、25世帯は世帯人員が2人、というイメージです。少人数世帯が多くを占めるのが、市川市の世帯構成の特徴です。
千葉県の自治体の世帯人員の比較(2023年1月1日時点)
千葉県の他の自治体と比べても、市川市の世帯人員は少なく(千葉市の区を除けば)千葉県の中で最も少ないのです。
https://www.pref.chiba.lg.jp/toukei/toukeidata/joujuu/nenpou/2022/index.html
1人世帯、単独世帯、単身世帯、一人暮らし、おひとりさまなど、呼び方は様々ですが、1人世帯がこれほど多いという特徴をうまくいかして、「一人暮らししやすい街」を目指すのも悪くないと思います。
なお、1人世帯といっても、若者なのか中年なのか高齢者なのか、それをきちんと見てみないと、「まちづくり」の観点で「一人暮らししやすい街」を目指すこともできません。というわけで、この話題はいつかまた別の機会に持ち越します。
市川市では既に一人暮らしの人が生活しやすいような各種の施策を講じている可能性もあります。というか、たぶん、私が気づいていないだけで、至る所に敷き詰められているのかもしれません。ちょっと調べてみます。
それでは、またお会いしましょう。
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執筆日 2023年12月30日、31日
公開日 2024年1月2日