【コラム】地球沸騰化時代の到来~the era of global boiling has arrived.~

コラム

国連のアントニオ・グテーレス事務総長が7月27日の記者会見で、7月の世界の平均気温が過去最高を更新する見通しとなったことを受け、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と述べました。

“The era of global warming has ended; the era of global boiling has arrived.”

出所:アントニオ・グテーレス国連事務総長の記者会見でのコメント(2023年7月27日)、太字は筆者による強調

「温暖化」という生易しい言葉では現状を表現するのには十分ではなく、強烈な比喩として、「沸騰(化)」という語を用いたのだと思われます。

日本でも2023年の7月は各地で猛烈な暑さを記録しました。また、局地的に大雨が降り、山口県、福岡県、佐賀県、大分県、島根県、秋田県に被害をもたらしました。

ここで、市川市の7月の気象を振り返ろうと思ったのですが、市川市内の地点で詳細な気象データを追跡することができない(その術を僕は知らない※1)ので、妥協して、「船橋」のデータを確認することにします。

船橋における、2000年以降の7月の日別最高気温のトップ10は以下の通りです(データ出所は気象庁。以下同様です)。

  1. 38.4℃ (2023/7/26)  
  2. 38.0℃ (2004/7/20)
  3. 37.8℃ (2022/7/1)
  4. 37.7℃ (2023/7/18) 
  5. 37.5℃ (2023/7/25)  
  6. 37.2℃ (2023/7/27)  
  7. 37.1℃ (2018/7/23)
  8. 36.9℃ (2023/7/17)  
  9. 36.6℃ (2010/7/21)
  10. 36.4℃ (2001/7/24)

24年分の7月、31日間のデータなので、全744日(24×32=744)あるわけですが、その744日、各日の最高気温を高い順に並べ、上位10を表すと、こうなるのです。

1位の7月26日、38.4℃をはじめ、10位以内に5日もランクインしている今年(2023年)の7月の最高気温。地球沸騰化時代の夏は過酷です。

平年(ここでは1999年~2020年)値と比べて、今年(2023年)の7月の毎日の気温はどの程度高かったかを見てみましょう。

出所:気象庁のデータより作成。

今年の7月の31日間のうちで、最高気温が平年値を下回ったのは、27.5℃だった7月1日だけで、この日は平年値より0.2℃低かったのですが、この日以外の30日はいずれも平年値を超えていました。平年値より3℃以上高かった日が、ヌ・アント!19日もありました。

これは船橋のデータですが、隣接する市川市でも概ね同じような状況だったと考えて良いでしょう。

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病気(熱中症など)にならないように、個人レヴェルで注意する必要があるので、自治体や企業などが注意を促し続けることの意味は大きいです。

その一方で、「暑さ」を語る時、単に「猛暑を避ける」という話をするだけでなく、この「気候変動」は「地球環境」の問題であり、人が経済活動をする過程で排出している温室効果ガス(二酸化炭素など)が引き起こしていると考えられること、政府や企業などが緊急に対応すべき問題であることを併せて語られるべきだと思います。

「暑さ」の話をする時、「気候変動」や「気候危機」への対策のことも同時に考えよう、そういうことです。

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地球沸騰化とも言われるこの時代に、地域ではどんなことができるでしょうか。市川市でこの問題に取り組んでいる人はいるのか、というと、いるのです。8月19日(土)に行われる『第26回いちカイギ~燃えろ!夏カイギ!~』では、ゲストの1人として、深刻化する気候変動の防止に寄与し、地域の活性化と住民の安全や福利や 、子どもたちの健全な未来のために、千葉県市川市とその周辺地域をフィールドに、持続可能な再生可能エネ ルギーを最大限に普及させるために活動する「NPO法人いちかわ電力コミュニティ」の久富雅史さんをお迎えし、お話をうかがいます。

本稿を読んでいる方は少なからず環境問題に関心をお持ちだと思います。是非、『第26回いちカイギ~燃えろ!夏カイギ!~』にご参加いただき、皆で一緒に気候危機の問題に対して、何が出来るかを考えましょう!

NPO法人いちかわ電力コミュニティの久富雅史さん。

久富雅史さんのプロフィール(自己紹介文)
行徳在住44年。
猛暑や大雨など激甚化する気候、電気代の上昇、地球温暖化の進行・・・私たちの便利な暮らしに欠かせないエネルギーが悩みの種になっています。
地球に、環境にやさしい魅力的な市川をつくるために私たちが出来ることとは?
2015年から活動を開始し、2018年には1号発電所「つなぐ・つながる発電所」が稼働しました。
本業は鉄道会社に勤務。持続可能なまちづくりを目指して、社会課題の解決に資する新規事業創造に取り組んでいます。

▼NPO法人いちかわ電力コミュニティ公式Webサイト
https://ichikawapower.com/

■第26回いちカイギ~燃えろ!夏カイギ!~ 開催概要
開催日:2023年8月19日(土)
時間:14:00~16:00
場所:KeiyoGAS Community Terrace (てらす)/千葉県市川市南八幡3丁目14−1
参加方法:会場にて観覧ください
参加費:一般 1,000円、 学生 無料
※当日、プログラムが変更となる場合がございます。ご了承ください。

■参加申し込み
https://evawat.com/event-check?event=5091&event-facility=5099

8月19日(土)の『第26回いちカイギ~燃えろ!夏カイギ!~』は、お子様の夏休み期間なので(それ以外の時期でも歓迎ですが)、with チャイルドでのご来場は大歓迎です。会場の「てらす」2Fの円卓で宿題をしているもよし、「いちカイギ」の内容と感想をまとめて自由研究とするもよし、本棚に並んでいる児童向け書籍を読んだりボードゲームをするもよし…

燃えるように暑い日々ですが、クールな頭で持続可能な地域のあり方を考えたいものですね。それが、持続可能な地球環境の実現につながるはずです。

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〈注釈〉
※1:「その術を僕は知らない」は及川光博さんの楽曲で、シングルとして1997年に発売された後、1998年のセカンド・アルバム『嘘とロマン』の3曲目にも収録されました。

執筆日 2023年8月1日
公開日 2023年8月3日