【コラム】地域イベントに多い「●●カフェ」と「●●マルシェ」

コラム

こんにちは。

産官学民をつなぐ地域のハブとして流れをつくる、千葉県市川市のまちづくりNPO「フリースタイル市川」のノスタルジー鈴木です。

地域活動をしていると、地域で行われる様々な催しに、「●●カフェ」や「●●マルシェ」と名付けられたものが少なくないことに気付きます。

どちらも、言葉の本来の意味から広がって、比喩的に「場」を名づける記号になっているのだと思います。
「カフェ」が「会話と居場所」のメタファーだとすると、「マルシェ」は「販売と交流」のメタファーになっている、と解釈できそうです。

「カフェ」は「集い」「対話の場」を象徴する

地域での催しに「カフェ」が冠される場合、本来のカフェの意味(喫茶店)ではなく、「集い」「対話の場」を象徴する言葉として使われているようです。

「●●カフェ」の例

  • アトミックカフェ(音楽と政治をつなぐイベント名として定着)
  • 認知症カフェ(本人・家族・地域住民が集い、対話する場)
  • 哲学カフェ(哲学対話を行う場)
  • 子どもカフェ/地域カフェ(居場所づくり活動)
  • サイエンスカフェ(研究者と市民の対話の場)

市川市における「●●カフェ」

市川市でも、

  • ケアカフェいちかわ【団体名・活動名】
  • オレンジスマイルカフェ【認知症カフェ】
  • いち☆カフェ@ウィズ【女性の就業】

といった活動が知られています。

「カフェ」という語に込められたニュアンス

「カフェ」には、以下のようなニュアンスが込められているようです。

  • 日常的で気軽に集える
  • 形式ばらずに対話できる
  • ちょっとおしゃれで、入りやすい(おしゃれ感はフランス語であることに起因?)

「マルシェ」には「販売」「にぎわい」のイメージがある

こちらは「カフェ」とは対照的に、「販売」や「にぎわい」を演出する場を示す記号になっている印象です。

「●●マルシェ」の例

  • プチマルシェ
  • ハンドメイドマルシェ
  • オーガニックマルシェ
  • 朝マルシェ/夜マルシェ
  • 学生マルシェ/農家マルシェ

市川市における「●●マルシェ」

市川市で行われている催しで「●●マルシェ」という名を冠したものは本当に多いですよ。

  • いちかわごちそうマルシェ【鬼高】
  • 鬼まちマルシェ/鬼まちナイトマルシェ【鬼越】
  • にわにわマルシェ【菅野】
  • 菅野マルシェ/菅野夜のプチマルシェ【菅野】
  • 山王マルシェ【曽谷】
  • オアシス妙典マルシェ【妙典】
  • なかやま参道夕涼みマルシェ【中山】
  • いちかわテーブルゲームマルシェ【ゲーム制作者】
  • ICHICO de プチ・マルシェICHICO de 中山参道プチ・マルシェ【市川市公式】

ちなみに、マルシェ(フランス語)を日本語で表せば市場になりますし、英語ならマーケットですね。
「いちかわごちそうマルシェ」は鬼高にある「市川地方卸売市場」で開催されている催しです。会場は本物の「卸売市場」で、そこで、小さなお店が集まる「マルシェ」が開かれるのです。

「ICHI-ICHIマーケット」は英語の「マーケット」を冠していますね。

「マルシェ」に付与されているイメージ

「マルシェ」には、以下のイメージが付与されていると言えそうです。

  • 生産者(作り手)や販売者(売り手)と消費者(買い手)が直接つながる
  • 普通の市(いち)よりおしゃれ(フランス語だから?)
  • 都会的・ヨーロッパ的な雰囲気(フランス語だから?)

と、いうわけで――

地域活動をしていると、地域で行われる様々な催しに、「●●カフェ」や「●●マルシェ」と名付けられたものが少なくないことに気付きます。

どちらも、言葉の本来の意味から広がって、比喩的に「場」を名づける記号になっているのだと思います。
「カフェ」が「会話と居場所」のメタファーだとすると、「マルシェ」は「販売と交流」のメタファーになっている、と解釈できそうです。

※このブロックの3文は冒頭に登場したものと全く同じでした。お気づきでしたか?歌でよく「※くりかえし」という箇所がありますが、そのような表現手法を用いてみました。

皆さんも、身の回りの「●●カフェ」や「●●マルシェ」に、注意を払ってください。意外と多いか、意外と少ないか、意外ではない(予想通り)か。

観察しているうちに、もしかすると、「●●サロン」や「●●ラボ」、「●●アトリエ」などの新種(?)が増えつつある、その兆しに気付くことがあるかもしれません。

気になる町の、気になる言葉。またお会いしましょう。フリースタイル市川のノスタルジー鈴木でした。

備考

冒頭の写真は、左の1枚が、2019年8月10日に葛飾八幡宮で開催されたニューボロイチで筆者が撮影したもので、右の2枚は、2021年10月23日に開催されたニューボロイチで筆者が撮影したものです。2019年8月10日、筆者はニューボロイチに赴いたことを、X(当時Twitter)に以下のように投稿しました。

本日のニューボロイチでは、奥原商店さんのスモークさばサンドと、梅シソドリンクをゴット(got)。歩きながらムシャりました。#むろんストリートで #ストリートムシャリスト #ニューボロイチ

出所:ノスタルジー鈴木X(当時Twitter)投稿、登校日は2019年8月10日。

奥原商店さん、懐かしいですね。スモークさばサンド、また食べたいです。

執筆日など

執筆日 2025年8月26日
公開日 2025年8月26日
執筆者 ノスタルジー鈴木