【コラム】「文学フリマ東京37」と「第26回市川リバーサイドマラソン」に参加して考えたこと

コラム

私事ですが、今からX年前の11月11日、日曜日、曇天模様の空の下、JR本八幡駅で総武線から下り、歩いて数分の国道14号線沿いにある市川市役所第一庁舎(旧庁舎)に赴きました。そして、守衛室の守衛さんにある書類を手渡しました。この書類は、私と同行者が、婚姻をしようとして提出したものです。

最近は少なくなりましたが、婚姻することを、入籍すると表現する人々が、今でもいます。恐らく、そう表現している人々のうち、実際に入籍した人はほとんどいないと思います。私(たち)も、婚姻をしましたが、入籍はしていません。

おっと!否、おっと!話がれてしまいました。

今年、私は、X年前に婚姻した記念すべき11月11日に、

  1. 第26回市川リバーサイドマラソンに出場(ランナーとして)
  2. 文学フリマ東京37に参加(客として)

しました。1、2の順で。後者のイヴェントは東京都内での開催ですが、市川市にも大いに関連するので、今回の記事の後半でたっぷり取り上げます。

第26回市川リバーサイドマラソンに(ランナーとして)参加して

4年ぶりに開催された市川リバーサイドマラソンですが、私がこの大会に出たのは、前身の市川リバーサイド健康マラソンを含めると、今回で7回目でした

14年前に初参加~市川リバーサイドマラソン参加歴

この大会への参加歴は次の通りです。

2009年10月18日
第15回市川リバーサイド健康マラソン 10km ← 学校の体育を除いて人生初のマラソン大会出場

2010年10月17日
第16回市川リバーサイド健康マラソン 10km

2014年10月5日
第20回市川リバーサイドマラソン 10km

2015年10月18日
第21回市川リバーサイドマラソン ハーフマラソン

2018年10月21日
第24回市川リバーサイドマラソン 10km

2019年10月20日
第25回市川リバーサイドマラソン 10km

2023年11月11日
第26回市川リバーサイドマラソン 10km ← 今回

抜かりない準備、そして快調な走り出し

第26回市川リバーサイドマラソンのゴールゲイト。走る前に撮影しました。

かなり肌寒い気候でしたが、JR市川駅から会場である江戸川河川敷まで、1.32kmを7分51秒という、ゆったりとしたペースでジョグして行くことで、体を温めるなど、準備は抜かりなくおこなっていました。事前のエネルギー補給もしていました。

市川リバーサイドマラソン10㎞部門のスタート前の筆者の脚。
何の気なしに左脚を前に出していますが、この左脚がこの後とんでもないことになるとは…

普段、ほとんど練習をしていないので、無理はしたくないと思いながらも、スタートして多くの選手と一緒に走っていると、自ずとペースが速くなってしまうもの。1km当たり4分台(最速4分45秒)で快調に走っていたのですが…

好事魔多し!走る私の左脹脛に走った痛み

ちょうど4㎞の地点で、頭巾ズキン!、否、ズキン!と左脹脛ふくらはぎに痛みが走りました。それはすぐに激痛に変わり、その後の道程は、終始、顔をゆがめながらの苦しいrun(ルン)になりました。装着していたランニング・ウォッチ(ガーミン)によれば、最もペースが落ちた時は、1km当たり6分38秒でした。脚の痛みによるペースダウンが顕著ですね。

それでも、なんとか頑張って走り終えました。

走り終えた私がいただいたうれしいプレゼントです。ヤマザキさん、コカ・コーラさん、ありがとうございました!

しかし、ゴールして、コースのある堤防から、緩やかな坂を下って河川敷に着いたあたりで、走っている最中(さいちゅう、または、さなか)には感じなかったレヴェルの大激痛が電流のように左脹脛をしびれさせました。もしや、肉が離れたか?という疑いを抱くほどの痛み。かつて長嶋茂雄氏が「ミート・グッバイ」と言ったと噂される症状である可能性もあると思うほどの。

更衣室で着替えるのも一苦労でした。いただいたランチパックをムシャるのも大仕事です。

バンテリンといろり庵

左脚を引きずりながら、なんとか辿りついたのは、JR市川駅前にあるサンドラッグでした。そこで、インドメタシン配合の「バンテリンコーワ液α」を購入し、JRの駅改札内にある「いろり庵きらく」で、ランチを食したのでした。

左:カツカレー丼(ミニ)、右:温かいそば

空腹を満たした後、総武線(緩行かんこう)で秋葉原駅に至り(この時、シートに座って患部にバンテリンを流布しました)、山手線外回りに乗り換えて、浜松町駅で東京モノレールに乗り換え、会場のある流通センター駅に到着したのは13時20分でした。

文学フリマ東京37に(客として)参加して

今では全国各地で開催されている文学フリマですが、私はかなり初期、まだ東京だけ、あるいは、東京と他に1、2都市でしか開催していなかった頃に、2度、足を運んだことがあります。当時は秋葉原の会場で行われていました。

17年前に初参加~文学フリマ参加歴

2006年11月12日
第五回文学フリマ(東京) ←初参加
長嶋有さんが所属する同人 「ブックスフクナガシマシバサキホウキナクイ」(あるいはゴニングミ/goningumiという名だったとも記憶しています)のブースで、「メルボルン1」を購入しました。
福永信さん、長嶋有さん、柴崎さん、法貴信也さん、名久井直子さんにサインをいただきました。
福永信さんは私の名の文字を見た瞬間、由来を言い当てたのでした。

2008年11月9日
第七回文学フリマ(東京)
記憶は曖昧ですが、東浩紀氏のゼロアカ道場の関連企画を開催していた日だったと思います。
配偶者と旧友と私の3人で訪れた後、なぜか柏の猫カフェに行ったという記憶があります。

2021年11月23日
第三十三回文学フリマ東京
13年ぶりに行った文フリです。ここから4回連続、坊と赴きました。

2022年5月29日
第三十四回文学フリマ東京

2022年11月20日
文学フリマ東京35

2023年5月21日
文学フリマ東京36

2023年11月11日
文学フリマ東京37 ← 今回
今回(第26回市川リバーサイドマラソンを走った後で)訪れた文学フリマです。予定のあった坊は不参加でした。

奇しくも、市川リバーサイドマラソンも、文学フリマも、私が2023年11月11日に参加した/赴いたのは、私にとって通算7回目でした。

#文学フリマで買った本 千葉商科大学&和洋女子大学のZINE

文学フリマ事務局(当局?)は、SNSなどで「#文学フリマで買った本」というハッシュタグを添えて、文フリで入手した本の感想を投稿することを推奨しています。そこで、ここ(フリースタイル市川のWebサイト)はSNSではありませんが、「#文学フリマで買った本」を添えることにしました。

文学フリマ東京37の会場前に設置された大看板。

文学フリマ東京37の開催場所は流通センターであり、所在地は東京都大田区ですが、市川市にゆかりのある「作家」が書いた文章を収めたZINEが販売(頒布)されており、私はそれらを入手することを、今回の文学フリマ参加の目的の一つにしていました。

無事、入手した、市川市にゆかりのある作家による文章を収めたZINEは、これらです。

上:左から順に、「冬の華」、「勝鹿」、「勝鹿」、「春の華」(千葉商科大学)
下:「詞藻」(和洋女子大学)

文教都市・市川の中でも、大学のキャンパスがいくつも広がるのが、国府台の地。南北に走る松戸街道を挟んで東西に位置する千葉商科大学と和洋女子大学が、それぞれブースを構え、制作したZINEを販売、あるいは無料配布していました。

千葉商科大学が文学フリマに出展したのは久しぶりだったそうです。今回は、ヌ・アント!無料で4種類のZINEを配布していました。「勝鹿」という名のものが2種類と、「春の華」「冬の華」です。「勝鹿」は「かつしか」と読み、「葛飾」の別表記です。古い地名で、下総国に属していた郡のひとつですね※1

ここ最近、毎回、文学フリマに出展している和洋女子大学の日本文学文化学科が制作した新しいZINEの名は「詞藻」です。「しそう」と読みます。「詞藻」とは、デジタル大辞泉によると、

  1. 言葉のあや。修辞
  2. 文章や詩歌
  3. 詩文に対する才能

という意味だそうです。主に、太宰治の「新釈諸国噺しんしゃくしょこくばなし」に収録された短編を、学生の皆さんが独自の解釈により、現代風にアレンジしたものなどが掲載されています。同じ作品(例えば「人魚の海」)を題材としていても、ここまで大きく違う表現をするのだなと、読みながら感心しました。

ちなみに、購入した「詞藻」には、このような紙が挟まれていました。大学コンソーシアム市川、ご存知ですか?

この紙に書かれていることと同じ内容ですが、和洋女子大学のWebサイトに掲載されている説明を引用します。

大学コンソーシアム市川は、千葉県市川市に所在する5つの高等教育機関が、教育資源や機能等の活用を図りながら幅広い分野で相互に連携協力し、教育研究の質的向上を図り、地域社会の発展に資することを目的として、2018年11月に設立しました。また、市川市の発展を目的とした地域課題の解決に取組むために、市川市・市川商工会議所と産官学連携包括協定を締結し、大学コンソーシアム市川産官学連携プラットフォームを形成しました。

出所:和洋女子大学公式Webサイト、「大学コンソーシアム市川産官学連携プラットフォーム」https://www.wayo.ac.jp/introduction/activities/collaboration/university_consortium、2023年11月14日閲覧

大学や短期大学が教育研究の質的な向上を図るためにつくられたコンソーシアム、そして、それを基につくられた地域の発展、地域の課題解決に取り組むための産官学連携プラットフォームというものがあり、この産官学連携プラットフォームの助成を受けて制作されたのが、この「詞藻」というわけです。

千葉商科大学&和洋女子大学のZINE、時間をかけて、じっくり堪能したいと思います。

ちなみに、11月上旬、両大学の学園祭(瑞穂祭by千葉商科大学、里見祭by和洋女子大学)が、4年ぶりにフルスペックで開催されました。私も足を運び、楽しみました。その時の様子を、こちらの記事に綴りました。

2019年以来のフルスペックの学園祭、ということは、2020年4月に入学した学生さんは、1年生(2020年度)、2年生(2021年度)、3年生(2022年度)は、満足には楽しめなかったわけですね。この秋、多くの4年生が、制限なしで開催された学園祭を存分に楽しんだものと思われます。千葉商科大学の久々の文学フリマ出展に携わった皆さんにも、同じような喜び、感慨があったことでしょう。

#文学フリマで買った本 TBSラジオ番組関連ZINEなど

千葉商科大学&和洋女子大学のZINE以外にも、色々なZINEなどを購入しました。

こちらは、TBSラジオのブースで購入した3冊、「高校演劇ZINE Vol.1」、「セイジドウラク handbook Vol.1」、「私のLife Vol.1」と、TBSラジオの番組にもしばしば出演している山本ぽてとさんの個人ブースで購入した「踊れないガール」です。

上段左から「高校演劇ZINE Vol.1」、澤田大樹・宮原ジェフリー「セイジドウラク Handbook Vol.1」
下段左から 山本ぽてと「踊れないガール」、塚越健司編「私のLife Vol.1」

「高校演劇ZINE」はTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の名物企画「高校演劇特集」から誕生したZINEで、高校演劇をやっていたTBSの日比麻音子アナウンサーのインタビューが掲載されています(表紙も日比さん)。

「セイジドウラク Handbook」は、TBSラジオ記者の澤田大樹さん、選挙ライターの宮原ジェフリーさんがパーソナリティを務める、「政治を道楽として楽しむ」ことをモットーとするポッドキャスト番組「セイジドウラク」のハンドブックです。

「私のLife Vol.1」は、TBSラジオで2006年から放送されている「文化系トークラジオLife」のZINEで、番組出演者やプロデューサー(黒幕こと長谷川裕さん)など、総勢20名が寄稿しています。

「踊れないガール」は、「文化系トークラジオLife」で時にはメインパーソナリティを務めることもある、山本ぽてとさんの著作です。山本ぽてとさんのnote(https://note.com/yamamotopotato/n/n01192e58aa96)より、本書の概要を引用します。元神童の伯父の話、ズシンときました。腹に。

私は踊れない。踊れないから沖縄に居場所がないんだ――踊ってばかりの場所、沖縄で踊れないことを自覚する少女の哀しみと成長を描く表題作「踊れないガール」。料理が下手な祖母、自宅警備員の祖父、ニセモノのお金を作る工場で働く元神童の伯父、退職後にヤギを飼う父、頼んでいないのに金魚の作り方を教えてくる老人、泡盛を飲み泥酔するおじさん。沖縄を舞台に様々な人との交流を回想するエッセイ集。

出所:山本ぽてと公式note「『踊れないガール』を文学フリマ東京で発売します(A-31)」(2023年11月5日)https://note.com/yamamotopotato/n/n01192e58aa96、2023年11月14日閲覧

#文学フリマで買った本 「読みたい夜に」「人文的、あまりに人文的 同人版 #001」「矢野利裕の LOST TAPES」そして山崎ナオコーラさんの著作とZINE

営業を終える決断をされたことを発表したことも記憶に新しいkamebooksさん主催で、妙典のgate.で開催された「妙典一箱古本市」にも出店していた「一夜文庫」さんが手掛けるZINE「読みたい夜に」(1&2号を購入したら、創刊準備号もプレゼントしてくださいました!)、「哲学の劇場」(山本貴光さんと吉川浩満さんが運営するWebサイト、ならびに、YouTubeチャンネル、ポッドキャスト番組の名前です)の「人文的、あまりに人文的 同人版 #001」、TBSラジオ「文化系トークラジオLife」出演でも知られる矢野利裕さんのエッセイ集「矢野利裕の LOST TAPES」を購入しました。

「読みたい夜に Vol.2」の峰庭梟さんによる「ショートショート&短歌」は実に素敵でした。

また、小説家でエッセイストでもある山崎ナオコーラさん制作のZINE「たくさん読みたい 山崎ナオコーラ書評集」と、著作「ミライの源氏物語」を、「ソーダ書房」のブースでご本人の手から購入しました!(と書きましたが、文学フリマではZINEの作者が自ら販売するケースがほとんどです)

山崎ナオコーラさんにサインをいただきました!感激です。大切にします。

この書籍『ミライの源氏物語』ですが、ZINEではなく一般書籍なので、一般の書店でも購入できるのです。「アフター6ジャンクション」に山崎ナオコーラさんが出演して、この作品について話をした回をリッスンして、大変興味を持ち、絶対にこの本を読みたい!と思い、書店で探していたのですが、見つけることができずにいました。

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」2023年6月7日
特集:「千年超えた今だからこそ面白い!現代人ならではの読み方で名作古典『源氏物語』をたのしもう!特集」by山崎ナオコーラさん
Voicy https://voicy.jp/channel/3413/544462
Spotify https://open.spotify.com/episode/22ArNX7oDtIkxDYiIeDva5

その本と文学フリマの会場で出会い、著者ご本人に「アトロクに出演した時の放送を聞いてからずっと読みたくて…」と興奮気味にお伝えして、サインまでいただいて、じかに購入できたのは、忘れがたい体験になりました。

イヴェントを支えるボランティアの皆さんに感謝しています

そんなこんなで、2023年11月11日、私は、「第26回市川リバーサイドマラソン」と「文学フリマ東京37」をハシゴしました。帰り道に下総中山駅前のガストで、できるだけ早く左脹脛の筋肉が負ったであろう傷を回復させたいとの思いから、タンパク質含有量の多いチキンを食したことについては、あえて書きませんが、長い一日でしたね。この日は。

両イヴェントとも、その開催には、たくさんのボランティア・スタッフの皆さんのご尽力が欠かせません。会場の設営と撤収、掃除など、かなりの力仕事だと思います。また、参加者の受け入れ、配布物の手渡し、怪我人や病人の対応、現地でのアナウンスなど、数え上げればきりがない大小さまざまな仕事があります。

Xでフォローしている市川市にお住いのランナーの方が、市川リバーサイドマラソンには出場せず、ボランティア・スタッフとして運営のお手伝いをされたことを知りました。本当にありがたい限りです。

また、「一夜文庫」さんは、文学フリマの出展者(販売主)でしたが、ボランティアで会場設営にも関わったということです。そのことが、とても良い経験になったとおっしゃっていました。Xの投稿で。ご自身が販売主として参加したイヴェントの運営に関わったと思えることで、意識が変わったといことです。素晴らしいですね。

フリースタイル市川が主催する、いちカイギのようなイヴェントや、フードバンクの活動も、ボランティアの皆さんによって支えられています。

ボランティアに依存することの良し悪しはあると思いますし、労働や貢献に対する対価を支払うべきという考え方もあります。色々な考え方、見方、価値観があるのは当然で、例えば私たちがNPOであるからといって、働いてくれたメンバーに何の対価もなくてよいのか?ということは、よく議論していることでもあります。

2021年11月の文学フリマ終了後に、運営に携わっている方々が、X(当時Twitter)のリアルタイムで音声での会話ができる「スペース」という機能を使って、反省会というか、振り返りと未来への展望を語るということをしていたのを聴いたのですが、その場で、「文学フリマは、単なる定期イベントではなく、運動体、ムーヴメントであり、100年続いていくものとして活動している」と語っていたことを鮮明に覚えています。

2回後の文学フリマ東京は、会場を東京ビッグサイトに変更し、会場に入るためにはお金を払うことになるそうですが、これも、継続的に実施していくために、何度も何度も議論を重ねて出したとりあえずの結論なのだろうと思います。果たしてどうなるか?

このようなチェンジには勇気が要りますよね。成功するか失敗するか、わかりません。また、チェンジした1回目が成功しても、それが長く続けられるかはわかりませんし、チェンジ直後の1回目が失敗に見えても、反省、改善を重ねることで、中長期的には大きな成功につながっていくかもしれません。

フリースタイル市川の活動は、必ずしも永続的なものにしたいというわけではありません。まぁ、モノにもよりますね。たとえば、フードバンク活動は、それをする必要がない社会になれば、存在意義がなくなるので、消滅します。課題がある以上は、なるべく継続していきたいと思っています。

今回参加した2つの大きなイヴェントの主催者の皆さん、協賛企業の皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、参加したすべての人たちに(こんなところではありますが)感謝を伝えたいと思います。

また、上で、何の断りもなくお名前を出した方々にも感謝してます。

関連記事:文学フリマへの言及があるコラム

注釈

※1:日本大百科全書の「葛飾(古地名)」の項には、次のような説明が掲載されています。

東京都・千葉県・埼玉県・茨城県にまたがる江戸川流域一帯の古地名。旧郡名。可豆思加、勝鹿、葛餝などと書かれた。『万葉集』にも詠まれた歌枕(うたまくら)の地。古くは下総(しもうさ)国に属し隅田(すみだ)川以東の地をさしていた。中世になり太井(ふとい)川(現江戸川)を境として以東は葛東(かっとう)、以西は葛西(かさい)とよばれ、葛東には下河辺(しもこうべ)氏、葛西には葛西氏の各地方豪族が居住した。その最盛時の勢力範囲は葛飾郡だけでなく、遠く上野(こうずけ)国邑楽(おうら)郡(群馬県)、下野(しもつけ)国都賀(つが)郡(栃木県)、下総国相馬(そうま)郡・猿島(さしま)郡(茨城県・千葉県)に及び、関東平野の中央部を占めていた。

出所:コトバンク「葛飾(古地名)」日本大百科全書(ニッポニカ) 「葛飾(古地名)」の意味・わかりやすい解説、https://kotobank.jp/word/%E8%91%9B%E9%A3%BE%28%E5%8F%A4%E5%9C%B0%E5%90%8D%29-1517739、2023年11月14日閲覧

※2:ジョホールバルの歓喜とは、この瞬間のこと。

言葉で表現すると、日本の男子サッカーが初めてワールドカップに出場することを決めた試合の勝利の瞬間に炸裂した歓喜のこと。
1997年11月16日、FIFAワールドカップフランス大会アジア最終予選のイラン戦が、マレーシアのジョホールバルで開催されました。試合は2-2の同点のまま、延長戦に入りましたが、この時は得点が決まった時点で試合終了になる「ゴールデンゴール方式」が採用されていました。延長戦開始から、ここまでの最終予選で出場機会がなかった、野人こと岡野雅行選手が出場、中田英寿選手から繰り出されるパスに持ち味の俊足をいかして何度もイランゴールを脅かすも、相手キーパーと1対1になる場面でシュートを打たず、中田選手にパスを出すなど、なかなかチャンスをものにできませんでした。延長後半13分、中田選手がドリブルから放ったシュートを相手キーパーがはじき、そこに詰めていた岡野選手がスライディングしながら右足でシュートし、これが入り日本の勝利が、そして、初となるワールドカップへの出場が決まったのでした。
それが、今から26年前の11月16日の出来事です。

執筆日・公開日

執筆日 2023年11月13日、14日
公開日 2023年11月16日(26年前、1997年のこの日、「ジョホールバルの歓喜」※2