普段、市川市にまつわる報道に触れた際、当サイトで取り上げるべき内容と判断した場合は、記事の中で触れるのですが、あまり、この種のニュースは扱うことがほとんど、あるいは、これまでは全くなかったかもしれません。いわゆる市の職員の不祥事というものです。市議会議員の疑惑の行動を取り上げたことはありましたが(切手の大量購入の件ですね)。
しかし、今回は、フリスタの事業にも関わることでもあり、あえて取り上げようと思います。
2024年3月13日の産経新聞(Web版)にこんな記事が載っていました。
一方、福祉部の主任主事(27)は2年度以降、福祉関係の事業所から、おむつ代やタクシー代など、市側に請求するために送られてきた領収書などを、机の中に放置した。必要な会計処理をせず、70件以上、総額計170万円分の支払いで遅れを生じさせた。
主任主事は発覚しないようにと一部を自ら負担していた。市側の聞き取り調査には「事務がたまっていたが、上司を含め誰にも相談できず、打ち明けられなかった」と語ったという。
また、男性主事は、生活保護の収入認定を巡り、収入がない家庭であっても「収入がある」と認定し、必要な手続きを怠っていたことも問題視された。
出所:産経新聞公式ウェブサイト「通勤代を不正請求、おむつ代などの会計処理を4年怠った職員…千葉県市川市が懲戒処分」(2024年3月13日)、https://www.sankei.com/article/20240313-LPOL2YDEUJK2VBQCVSRGCVXPYU/、2024年3月14日閲覧、太字は筆者
市川市の福祉部には、福祉関係の事業所から、事業所で発生した費用を市に払ってもらうために送られた請求書が届きます。これを適切な処理をして、きちんと、市から福祉事業所にお金を払うひつようがあるわけですが、事務手続きを職員が怠ったという話、これが、1つ目の問題です。
記事によれば、同じ職員が、別の問題も起こしていたということです。2つ目の問題は、福祉部では、生活保護の申請を受けて、認定するかどうかを判定する必要があるわけですが、収入がない家庭について、収入ありという偽りの認定(この表現が正しいかどうかわかりませんが)をしていたということです。「問題視された」とありますが、そりゃ問題ですよね。申請した人からしたら、たまったものではありません。この若い職員が自分自身の判断でそういうことをしたのか、それとも、同僚(先輩など)から教わって、このようなひどいことをしたのか、この点を明らかにして、2度と同じことが起きないようにしてほしいと思います。
産経新聞の記事と同じ日(2024年3月14日)に、東京新聞(Web版)に、生活保護制度の不適切な運用をする自治体に関する記事が載っていました。
東京新聞公式ウェブサイト(2024年3月14日)
生活保護「水際作戦」は桐生市だけじゃなかった…関係者が明かした「申請書を渡さない」手口の実態
https://www.tokyo-np.co.jp/article/314999
困っているから市に頼っているわけです。生活保護は国民の、市民の、当然の権利です。権利を行使させてほしいと頼みに来る市民に対してひどい仕打ちをする行政職員。個人の問題なのか、組織ぐるみの悪行なのか。
私たち、フリースタイル市川は、フードバンク事業をおこなっています。市川市内の子ども食堂団体や、フードパントリー実施主体、あるいは、福祉事業所などとのつながりがあり、情報共有をしていますが、様々な事情から生活が困窮している人が市内や周辺地域にいらっしゃるという現実と向き合ってもいます。
お願いですから、自治体の福祉部におかれましては、人々の当然の権利を踏みにじるようなことがないよう、個々人の倫理観にだけ頼るのではなく(もちろんそのようなことを高めるための教育研修なども必要だと思います)、不正を働けないような仕組みを導入する等の対応を進めていただきたいと思います。
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執筆日 2024年3月15日
公開日 2024年3月15日