【コラム】期待される「いちカレ」事業~国民食カレーライスを無償提供~

コラム

今、市川市で話題になっている「いちカレ」って何のことだと思いますか?

  1. CoCoココ壱番屋いちばんやのカレー 略して「いちカレ」
  2. 映画『一秒先の彼』 略して「いちカレ」
  3. 一番好きな彼 略して「いちカレ」
  4. 一関市いちのせきしの「いちのせきカレンダー制作プロジェクト」 略して「いちカレ」

正解は…

といっても、いずれも短縮型(「木村拓哉」略して「キムタク」型)の略称で、間違いということはありません。

ちなみに、3番目の選択肢を書きながら、綿矢りささんの小説『勝手にふるえてろ』の主人公の女性が2人の彼氏を、1番(または一人目)を意味する「イチ」と2番(二人目)を意味する「ニ」と呼んでいることを念頭に置いていました。大九明子監督が松岡茉優さんを主演に迎えて製作した映画版もあります。実にめっちゃヘンテコな傑作であり、カルト的な人気を博していると思われます。私がこれまでで(2023年12月時点で)最も多く映画館で鑑賞した作品としても(2~3人に)知られています。

出所:eiga.com『勝手にふるえてろ』

さて、前置きはこれぐらいにして、本題に入っていきましょう。

2023年12月12日、市川市のWebサイトに、こんな文が掲載されました。

いちカレ事業における事業者を募集します

市川市では、日々の生活に困窮している方などに、国民食であるカレーライス(愛称:いちカレ)を 提供するため、カレーライスの調理、提供及び飲食ができる事業者を募集します。

出所:市川市公式Webサイト「いちカレ事業における事業者を募集します」(2023年12月12日更新)https://www.city.ichikawa.lg.jp/wel01/0000443463.html、2023年12月15日閲覧

少し気になるのは、「カレーライスを提供するため、カレーライスの提供ができる事業者」という表現と、「カレーライスの飲食ができる事業者」という表現です。後者は、きっと、「飲食をする場所を提供できる事業者」ということを伝えようとしているのだろうと想像します。

カレーライスの提供は2024年1月中旬から始まる予定です。

協力事業者になってみたいお店の方、興味があるというお店の方は、「いちカレ」の協力事業者の要件などが掲載されている、以下のページをチェックしてみてください。

市川市公式Webサイト
いちカレ事業に関する説明ページ
https://www.city.ichikawa.lg.jp/wel01/0000443463.html
※冒頭の画像はこのWebページからの引用です

田中市長、肝入りのこの事業ですが、2023年11月20日の記者会見によると、市長が市内を歩いていて、市民の中に仕事がない方、生活保護を受けていない方がいると受け止めたそうです。そこで、こうした方々に、あたたかい食事を食べてもらって、未来への活力をつけてもらいたいと考えたとか。国民食であるカレーライスを無料で提供するという、この活動が、「いちカレ」事業というわけです。

ちなみに、協力事業者となる店舗でカレーライスを提供することになるわけですが、レシピは和洋女子大学の学生さんが考案することになるようですよ。おいしくて栄養満点なカレーライスのレシピが考案されることを期待しましょう!

ちなみに、協力事業者となるための応募資格条件のひとつに、「支援が必要と思われる方が利用された場合は、市や関係機関へつなぐこと」というものがあります。市長が記者会見で述べていましたが(また、2023年12月の市川市議会定例会でも確か述べていましたよね)、生活保護を受けないで頑張っている市民がいる、という認識を、市長はお持ちだということです。そのような方が、協力事業者のお店に「いちカレ」を食べに来たら、事業者(お店の人)は、市の福祉課などに連絡をする、ということが想定されます。

これは私の荒っぽい予想ですが、「いちカレ」事業に対する市民の評価は賛否が分かれるような気がします。ポップな呼称も相まって、突っ込みがたくさんはいるのではないかと思うのです。他方で、困窮者支援を補正予算で行うことを高く評価する人もそれなりに多いと予想します。たくさんの人が利用し、たとえば、用意していた皿数では足りないくらいに需要が多いことがわかれば、公助が不足していることが広く知れ渡ります。

私が 前Mayorの時代に感じていたこととして、Mayorは、市民に対して、実施している事業、施策の内容やねらい、効果などについて、会見などを通じて説明することが求められる(が、それが 前Mayorには圧倒的に不足していた)ということがあります。

田中市長はX(旧Twitter)で毎朝動画であいさつをしていた時期もありますし、ご自身の言葉で市民に語り掛けようという意欲は高いようですので、「いちカレ」事業についても、進捗を報告していただきたいですね。

出所:市川市公式YouTubeチャンネル、2023年11月20日の定例記者会見(キャプチャ)
https://www.youtube.com/watch?v=oP38rF1KgC4

以降は完全に余談です。

ネーミング(Webページには「愛称」とありますが、記者会見でMayorは「通称」だと説明していました)については、「いちカレ」よりも、「いちカレー」の方が良いのでは?と思っている人も少なくないと思いますが、この愛称を考えた人の頭の片隅には、『キン肉マン』に登場する、カレーの入った皿を頭に乗せた超人「カレクック」の名があったのかもしれません。「カレークック」ではなく、「カレクック」。「いちカレー」ではなく、「いちカレ」。「おつカレー」ではなく、「おつカレ」。「元カレー」ではなく、「元カレ」。「ボンカレー」ではなく、「ボンカレ」。

『キン肉マン』に登場するカレクック。
これは「肉リマンシール」のカレクックです。

ところで、「いちカレ」のハートをモチーフにしたマークを見ていると、1991年1月25日に発売された、米米CLUBの名盤『K2C』のジャケットを想起します。K2Cとは、KOME KOME CLUB のことです。

米米CLUBの6枚目のアルバム『K2C』の素敵なジャケット。
出所:米米CLUB公式Webサイト

アルバム『K2C』収録曲

  1. I・CAN・BE
  2. Peeping Tom
  3. FUNKY STAR
  4. En mi corazon
  5. Troubled Fish
  6. KOME KOME WAR
  7. Paradise
  8. Simple Mind
  9. sure danse
  10. Transfer
  11. STAY
  12. Just U

初回限定盤の付録8cmCD収録曲
※3曲の頭文字を並べるとK2Cとなります

  1. Kick Knock
  2. 2much 2ist
  3. Co-Conga

なお、米米CLUBは、アルバム『K2C』の発売から3か月後の1991年4月25日には、7枚目のアルバムにして、セルフタイトルアルバム『米米CLUB』を発売しました。この2作のアルバムの振れ幅に驚かない人は皆無なのではないでしょうか(『K2C』は上半身、『米米CLUB』は下半身)。

『キン肉マン』のカレクック、そして、米米CLUBの『K2C』へと、話が展開していきましたが、こんな展開を果たして誰が予想できたでしょうか?こんな未来予想図を、誰が思い描いたでしょうか。

今気づきましたが、1週間後はクリスマスイヴですね。

クリスマスが近づいてきた、ということで、以前の記事を紹介して、本稿を締めくくりたいと思います。

よいクリスマスを!

市川市公式Instagram 初投稿(2019年12月23日)
https://www.instagram.com/p/B6aVdobnho3/?img_index=2

静止画と動画があるので、是非、両方をウォッチしてください。美しい写真と映像!

ところで、この投稿に添えられた「メリークリスマスイブイブ!」という言葉、そして、おびただしい数のハッシュタグに注目した人はいるでしょうか(私以外に)。数はたくさんあるのですが、中でもこれらは気になります。

  • #今夜も寒いぜ…
  • #いちたび
  • #イブイブ
  • #きっと君はふんふんふん

「#いちたび」というハッシュタグは、2016年5月20日の初投稿の際も添えられていました。最近はもう用いられていないようですね。

「#今夜も寒いぜ…」ですが、私ならばTRF(当時trf)の曲名「#寒い夜だから…」を添えたかもしれません。

さて、最も気になるのは、「#きっと君はふんふんふん」です。

もし、あなたがInstagramのアカウントを持っていたら、今年、クリスマスキャロルが流れる頃、クリスマスらしい夜景の写真を投稿し、このハッシュタグを添えてみてはいかがでしょうか。

出所:特定非営利活動法人フリースタイル市川公式Webサイト「【ローカルメディア漫遊記】担当者ごとの雰囲気を味わうのも楽しい『市川市公式Instagram』」(2023年10月15日)https://fs-ichikawa.org/local_media019/、2023年12月16日閲覧

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執筆日 2023年12月15日、16日
公開日 2023年12月17日