公開日 2023年4月6日
※冒頭の画像はイメージです。市川 CLUB GIO の写真ではありません。
かつて、JR市川駅の南口に「メトロプラザ」というビルがあり、その地下1階に「市川 CLUB GIO」というライブハウスがありました。20年前の2003年まで営業していましたが、駅前再開発に伴い、この年の12月31日に、その歴史に幕を下ろしました。
――と、書きましたが、私はこのライブハウスに行ったことはなく、営業終了後に伝聞で知ったのでした。
千葉県本八幡市(公式)さんは、Twitterで、市川 CLUB GIO について、こんな投稿をしていました。
V系、すなわち、ヴィジュアル系のバンドの登竜門のようなライヴハウスだったのでしょうね。V系の聖地として私が認識していたのは、東京都の目黒にある「鹿鳴館」というライヴハウス(広義のヴィジュアル系に含められる場合もある「米米CLUB」が出演していたことでも有名な場所)でしたが、地元、市川市に存在した、こちら、CLUB GIO も、また、ヴィジュアル系の数々のバンドがしのぎを削り合った場だったとのこと。
市川 CLUB GIO が再開発に伴うビルの取り壊しによってなくなった、その跡地が、どうなっているのか気になっていたという人が、現地を何度も訪問してレポートしている記事がWeb上にあります。
chweb online
市川CLUB GIOの跡地って今どうなってるの?【行ってみた】(2016年10月7日)
https://chweb.onl/ichikawa-club-gio/
この記事には、2009年、2010年当時の、市川駅南口の再開発真っ最中の様子を収めた写真が数枚掲載されています。とても貴重な写真です。
記事から一部を引用します。
そして2010年5月、前回からちょうど4ヶ月経ち、もう何か建物が建ってしまったのだろうかとドキドキしながら市川駅南口に降り立ちました。
そこにあった光景はわたしにとっては予想外のものでした。
再開発が終わった市川CLUB GIOの跡地にはなんとゆったりした、緑の多いロータリーが出来ていたのです。
多分、写真左側の大きな木が立っているあたりがGIOの入り口だったあたりではないかと思います。
わたしは勝手に何か建物が建つのだろうと思っていたのでこれは嬉しいサプライズでした。
ライブハウスのあった場所が、広場になって木が植わってるなんて、なんか素敵じゃありませんか?
2016年10月現在も、もちろんCLUB GIO跡地はロータリーになっていて誰でも自由に行くことができます。
市川CLUB GIOに思い入れがある方、是非市川駅南口に出向いてGIOの思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。
出所:chweb online、「市川CLUB GIOの跡地って今どうなってるの?【行ってみた】」(2016年10月7日)、https://chweb.onl/ichikawa-club-gio/、2023年4月4日閲覧、太字は元記事を踏襲
とても素敵な文章ですね。
さて、上で紹介した、千葉県本八幡市(公式)さんによるTwitter投稿には、市川 CLUB GIO に出演したことのあるヴィジュアル系や、それに準ずるジャンルのバンドとして、以下の面々が名を連ねていました。
- GLAY
- L’Arc〜en〜Ciel
- Malice Mizer
- SIAM SHADE
- PENICILLIN
- DIR EN GREY
- PENICILLIN
- Janne Da Arc
- PIERROT
- Plastic Tree
- ムック
- ギルガメッシュ
この中でも、「GLAY」は、その歴史において、市川 CLUB GIO が極めて重要な場所となっているバンドと言えるでしょう。
上の投稿で語られているのは、今から30年前の1993年、10月17日に、GLAYが市川 CLUB GIO に出演した時、「X JAPAN」(前年の1992年にXから改名) のYOSHIKIが来場し、GLAYをスカウトした件ですね。
GLAYは、1995年12月29日にもここでライヴを行っています。この、1995年の年末というのは、11月8日に7枚目のシングル「生きてく強さ」を発売した直後であり、翌月の1996年1月17日に8枚目のシングル「グロリアス」を発売する直前でした。この日のライヴのセットリストは、以下の通りです。
SET LIST
1 千ノナイフガ胸ヲ刺ス
2 生きてく強さ
3 Yes.Summedays
4 LADY CLOSE
5 Freeze My Love
6 Life~遠い空の下で~
7 Day Tripper (The BEATLES)
8 Rock’n Rol Is Dead (Lenny Klavitz)
9 Cynical
10 LOVE SLAVE
11 ACID HEAD
12 More Than Love
13 彼女の“Modern…”
アンコール 1
1 HAPPY SWING
2 REGRET
3 if~灰とダイヤモンド~
アンコール
1 グロリアス
2 TWO BELL SILENCE
3 KISSIN’ NOISE
4 BURST
発売前の「グロリアス」も演奏しています。アンコールで。
※セットリストの情報出所はGLAY公式Facebook(https://www.facebook.com/glayalg/posts/377506998955769/)。
さて、GLAY以外のバンドに話を移しましょう。
大阪で結成、活動していた「L’Arc〜en〜Ciel」にとっては、1991年8月31日の市川 CLUB GIO でのライヴが、関東初ライヴということです。
「Plastic Tree」は、この名義での初ライヴが、1994年の市川 CLUB GIO 出演時で、以降、2001年まで相当数のライヴに出演しました。1995年12月11日には、インディーズ・ミニアルバム『Strange fruits -奇妙な果実-』を、GIO RECORDS レーベル第1弾アーティストとしてリリースしてもいます。
他にも、以下のようなバンドがこのライヴハウスに出演しています。
黒夢
1998年6月14日
THE YELLOW MONKEY
1992年9月24日
BOOM BOOM SATELLITES
1993年5月1日
エレファントカシマシ
1991年4月6日
1992年10月20日
1994年7月13日
1995年1月20日
今、名前を挙げたのは、いずれも名を成した、スターになって輝いた人たちばかりです。同じように 市川 CLUB GIO に出演したものの、光ることができなかったミュージシャンもたくさんいます。そのような人の方が圧倒的に多いのです。かつて出演したことさえ忘れている人も多いでしょう。あるいは、観客として、GIOに何度も足を運んだものの、そのことを忘れてしまっている人も。
そんな人が、何かの偶然で、このコラムを読み、懐かしい気持ちになったとしたら、それは、少し奇妙で、少し切ない、そして、少しだけ美しいことだと思います。
本稿を締めくくりにあたって、最後にもう1度、このフレイズを紹介します。
ライブハウスのあった場所が、広場になって木が植わってるなんて、なんか素敵じゃありませんか?
出所:chweb online、「市川CLUB GIOの跡地って今どうなってるの?【行ってみた】」(2016年10月7日)、https://chweb.onl/ichikawa-club-gio/、2023年4月4日閲覧