2022年6月25日(土)に、『第19回いちカイギ~いちかわフードバンクbyフリスタ 第1回シンポジウム&報告会~』を、南八幡にある京葉ガス様のコミュニティ・スペース「てらす」で開催しました。
イヴェント実施報告は、稿を改める予定ですが、余韻冷めやらぬ中、速報をお届けします(なお、本稿の掲載写真は全てスマートフォンによるもので、一切の調整を施していません)。
公開日:2022年6月26日
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『第19回いちカイギ~いちかわフードバンクbyフリスタ 第1回シンポジウム&報告会~』
日時:2022年6月25日(土)13時30分~16時50分
会場:KeiyoGAS Community Terrace(てらす)
■開会の挨拶(フリースタイル市川:サワディ)
■フリスタにゅ~す(フリースタイル市川:ノスタルジー鈴木)
■いちかわフードバンクbyフリスタ活動報告(フリースタイル市川:ずん、ノスタルジー、Jumps、マッキー)
■基調講演 NPO法人みんなのサンタ(代表理事 西宮敬子様)
■報告
・いちかわ子ども食堂ネットワーク
・NPO法人ダイバーシティ工房
・市川市生活サポートセンターそら
・市川市社会福祉協議会
・市川市 こども政策部 こども家庭支援課
・京葉ガス株式会社
・生活協同組合コープみらい
(コメント 株式会社市進ホールディングス)
■パネルディスカッション
フリスタ(ずん、Jumps、マッキー)および基調講演、報告、コメントをした各団体
■閉会の挨拶(フリースタイル市川:サワディ)
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フリスタからの報告については、稿を改めて記す予定です。
※以下、組織名には敬称を付けず、個人名には「さん」を付けています。
私たちが当初は想定していなかったフードバンク事業に取り組むきっかけを与えてくださったのが、基調講演をしていただいた「NPO法人みんなのサンタ」の西宮さんでした。
西宮さんは、かつては市川市にもあったものの、閉鎖してしまった「おもちゃ図書館」※1を国府台駅前にオープンさせ、「みんなの食堂」(子ども食堂)や「子どもの居場所(あそびとまなび)」などの活動をしています。講演では、活動の原点となるエピソードを皮切りに、「生活困窮者や障がい者の心のよりどころになりたい」、「障がいを持つ子やその親たちを手助けしたい」という想いを常に持っていること、目指す地域の姿、「みんなの食堂」の紹介、コロナ禍で陥った苦境とクラウドファンディングの成功、そして、今秋立ち上がる予定の新事業のこと、今後の展望について、熱のこもったお話を聞かせていただきました。
「いちかわ子ども食堂ネットワーク」からは、市川市内の子ども食堂の現状についての紹介がありました。コロナ禍で、食堂で食べてもらう方式から、感染防止のため、お弁当の配布に切り替えたケースも多かったものの、行列ができている場合は、弁当を渡して終わりになってしまい、会話をするなどの交流できないという難点もありました。現在は、学習支援や、ゲームなどを楽しむ会を開くなど、食事以外の交流の場を設ける子ども食堂も増えているとのことです。また、市川市内で小学校区に1箇所は子ども食堂がある状態が理想だそうです※2。
「NPO法人ダイバーシティ工房」は、様々な事業を展開しています。今回、ご紹介いただいたのは、オンライン(LINE)で行っている相談「むすびめ」です※3。2年前に始まった「むずびめ」は、現在、登録者3,400人、相談は約50人/日という規模で展開しており、登録者がLINEを通じて、匿名で気楽に相談することができます。2年間の活動から見えてきた「つながりづらさ」をめぐる課題についての話もありました。
「市川市生活サポートセンターそら」は、生活に困っている人に対して開かれている相談窓口で、自立に向けたサポートを行っています。家賃が払えない、仕事がみつからない・続かない、家計が苦しい・保険料や税金が払えないなど、生活全般の困りごとを抱えた人からの相談を無料で受け付けています。
「市川市社会福祉協議会(いちかわ社協)」は、2018年5月1日に「いちかわフードバンク」を始動しており、フリスタにとっては、市川市におけるフードバンクの先輩です。現在、市川市内の複数の郵便局に、「フードバンクポスト」(フリスタにおける「フードドライブ・ボックス」)を設置し、食品の寄贈を受け付けています。また、千葉商科大学、和洋女子大学で行われる、フードパントリー(食品の無償提供)に食品を供給しています。お話の中にもありましたが、フリスタがフードバンクの活動を開始するにあたって、名称をどうするかを相談させていただきました。その結果、2団体とも「いちかわフードバンク」として、「いちかわフードバンクbyいちかわ社協」、「いちかわフードバンクbyフリスタ」を名乗ることとなりました。MIKAZUKI.Designさんによるロゴは共通です。
「市川市こども政策部こども家庭支援課」からは、田中甲市長の演説でも触れられていた、「子どもの居場所」を市内につくっていきたいという話などがありました。
「京葉ガス株式会社」からは、市川市を拠点に、長年に渡って地域で事業を行ってきており、フリスタとの提携をきっかけに(「いちカイギ」の共催と会場「てらす」のご提供)、フードバンクへの協力を開始し、社内での反響も大きいという話がありました。6月17日に「てらす」1Fに設置したフードドライブ・ボックスには、「てらす」利用者の他、社員の方も食品を入れてくださっているそうです。
「生活協同組合コープみらい」は、私たちを含む千葉県内の4つのフードバンク団体と連携し、食品を供給しています。SHOPS内のコープ市川店にフードドライブ・ボックスを2021年12月末から設置させていただいています(元々フードバンクふなばしのボックスだったものを、フリスタが引き継いでいます)。
「市進ホールディングス」では、フリスタのフードパントリー会場として「大人の学び舎 大黒家」を提供しています。学習塾の運営会社であり、学習支援をしている地域もあるということです。
最後に行われたパネルディスカッションでは、各団体から色々な悩みや提案が飛び出しました。出たコメントから抜粋します。
- 企業の立場では、自治体ごとにフードバンクや子ども食堂ネットワークのようなハブ機関があると、繋がりやすく、地域密着で社会貢献がしやすくなる
- 企業は意外とこのような地域団体の集まりに参加する機会がない
- 団体同士の情報交換を定期的に行えればよい
- 子ども食堂を始めたいという人が次々と現れている
- 子ども食堂という名称だと、困りごと相談者に多い40~50代独身者が行きづらい(NPO法人みんなのサンタでは「みんなの食堂」と呼んでいる)※4
たくさんの関係団体の皆様にご登壇いただき、大変充実したシンポジウムとなりました。また、市川市にお住いの方を中心に、お勤めの方など、たくさんの市川パースン※6の皆さんにご参加いただき、フードバンクや子ども食堂などの活動に対する興味の高さを実感しました。
関わってくださった皆さん、ありがとうございました!
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〈注釈〉
※1:〈「おもちゃ図書館(トイライブラリー)」は親子で、またボランティアと一緒に、たくさんのおもちゃの中から好きなものを選んで自由に遊ぶことができ、家でも遊べるように貸し出しをするところです。おもちゃ図書館がスタートした当時(1983年頃)は、障害のある子どもとその兄弟姉妹のための活動でしたが、現在は障害のある子もない子も共に遊び、交流し、育ち合う場となっています〉(出所:認定特定非営利活動法人おもちゃの図書館全国連絡会、「おもちゃ図書館ってどんなところ?」、https://www.toylib-jpn.org/donnatokoro.html#donnatokoro、2022年6月26日閲覧)
※2:2022年6月21日の市川市議会における代表質問(越川議員)で、「市川市は子どもの居場所づくり事業で、子ども食堂支援を強化するとのことだが、それだけでは不十分」、「市川市の子ども食堂は10団体程度で、各団体が概ね月1~2回の開催であり、全ての小学校学区をカバーしてはいない」、「心身不調な時は、子ども食堂に出掛けるのも大変」、「市は、さらに踏み込んだ政策を検討してほしい」といった主旨の発言がありました。私は、この発言を、「共助として市民の善意に支えられている子ども食堂に頼りきるのではなく、行政による公助を手厚くして、全ての子どもの食を質と量を担保すべきである」という意味だと理解しました。
※3:「むすびめ」は、〈生活をする上でのちょっと誰かに話したいこと、知りたいことどこに相談していいかわからないことについて、情報をお伝えしたり、一緒に考えたりする無料のLINE窓口です。内容や年齢にかかわらず、だれでもつかうことができます。誰かの手を借りたいなと思った時に、ちょっと相談してみると、新しい繋がりが見つかるかもしれません。生活の困りごと、悩みごとを、ちょっと話してみませんか?〉(出所:こどもと家族の総合相談まどぐち むすびめ Webサイト、https://www.musubime-diversitykobo.org/、2022年6月26日閲覧)
※4:誰もが使いやすいように、あえて「子ども食堂」とは呼ばないケースは散見されます。〈長野市平林の生花店「花ボケー」。その奥で、大人と子どもが食事をしています。ここは先日オープンした朝食専門のこども食堂。子どもも大人も集えるようにと「こどな食堂」と名付けられました〉(出所:NBS長野放送Webサイト、「シングルファーザーが始めた「こども食堂」 父子家庭の経験から朝食専門に 『心のよりどころになれば』」、2021年12月23日、https://www.nbs-tv.co.jp/news/articles/2021122300000001.php、2022年2月26日閲覧)
※5:「グラフィックレコーディング」とは、〈ミーティングや講演の内容を、文字とイラストを使って記録する方法のこと。参加者がリアルタイムで記録を共有できるよう、大きなホワイトボードや模造紙に描かれるスタイルが一般的。〉(出所:IDEAS FOR GOOD Webサイト https://ideasforgood.jp/glossary/graphic-recording/)
※6:市川パースンとは、市川市民だけでなく、元・市川市民、市川市で働いている人、市川市の学校で学んでいる人、市川市が好きで頻繁に訪問しては飲食店を漫遊してエンジョイしている人※7などを含む、市川市に関わりのある人(パースン)を指す語です。
※7:市川市が好きで頻繁に訪問しては飲食店を漫遊してエンジョイしている人としては、週末八幡botさんがよく知られています。