【コラム】市川市のDXは「早い!安い!うまい!」

コラム

突然ですが、まずは、ある市川市の職員の方の発言を紹介します。

新規事業をやる場合、役所の仕組みだと、予算を上げて、議会を通し、業者の入札をやり、業者がシステムを作り…と時間がかかってしまいます。でも、このやり方だと市の情報政策部が持っていた未使用のカメラを設置するだけだったので、すぐに導入できました

出所:千葉日報公式Webサイト、「呼出番号『直撮り』をライブ配信 市川市のDX施策がSNSで話題 最低限のコストで便利さ実現」(2022年11月2日)、https://www.chibanippo.co.jp/news/local/993636、2022年11月19日閲覧

このコメントは、今(2022年11月)、Twitterで話題になっている、市川市のある施策について、担当者が発したものです。

話題になっている施策とは、どのようなものかと言うと、「行徳支所の市民課に設置されている、証明書の申請や転入・転出届などの手続きの受付呼び出し状況を映すモニター画面を、天井に設置したライブカメラで撮影して、YouTubeの市川市公式チャンネルのライブ配信で流しっぱなしにする」というものです。

スマートフォンがあれば、どこにいても待ち状況を確認できるので、大変便利ですね。私も坊の病院の診察の待ち人数をスマートフォンで(スマートに)確認していますが、それと同じです。違うのは、病院の診察待ち状況確認は、システムが導入されているのに対し、市川市の施策は、画面をただ映してYouTubeでライブ配信しているだけ、というところです。

市川市のこの施策を、素晴らしいDXディーエックス(デジタルトランスフォーメーション。デジタル化により業務プロセスを変革し、組織風土なども変えてしまうこと)だと賞賛する声もあります。これがDXかどうかは別にしても、

・予算を上げて、
・議会を通し、
・業者の入札をやり、
・業者がシステムを作り…

という、時間がかかり(遅い!)、費用もかかる(高い!)業務プロセスが、「早く」、「安く」できる、実に「うまい」やり方ではあります。市民が知りたいことを知らせる、という目的を達成する、実にスマートな(賢い)方法です!

エクセレント!※2

YouTubeの市川市公式チャンネルによるライブ配信映像のキャプチャ。行徳支所の呼び出し状況を知らせるモニタ画面を映しています。

YouTubeライブ配信を見た人が驚いて、Twitterにこのような投稿をし、これがバズった(この話題が拡散された)のです。

通常の意思決定プロセスを経た場合、何か月も(場合によっては半年程度も)かかり、費用も発生するサービスの導入が、〈KとUとFとU わりとフツーに言うと「工夫」と言う〉(作詞:宇多丸・Mummy-D)でお馴染み、「K.U.F.U.」※3することで、数日で、そして無償で実現したのは画期的です。

フリースタイル市川も、市川市のこの取り組みを見習って、日々、K.U.F.U.にK.U.F.U.を重ねていきたいと思います!

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〈注釈〉

※1:冒頭の画像は、Gerd Altmann氏によるもので、Pixabayに掲載されています。

※2:「エクセレント!」は、2004年にフジテレビジョンで放送されていた番組『WORLD DOWNTOWN』(ワールド・ダウンタウン)で頻繁に用いられていた発言です。

※3:「K.U.F.U.」は、2010年に発表されたライムスターの楽曲です。素晴らしい歌詞(作詞:宇多丸・Mummy-D)を是非読んでホシーノ!
歌詞:https://www.uta-net.com/song/90059/