BUCK-TICKの櫻井敦司さんが、2023年10月19日に亡くなりました。57歳でした。
櫻井敦司さんのご冥福をお祈りいたします。
後述するように、亡くなったことを、今も全く信じられません。今日は、櫻井さんについて、少しだけ、切れ切れに、書いては貼り、貼っては書いてみたいと思います。
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その日の午後、小さな会議室で、音楽好きな人と仕事の打ち合わせをおり、彼女が使用するノートパソコンの画面を室内の大型モニタに投影しながら、X(旧Twitter)での情報発信について検討していました。Xの画面を映し出すと、トレンド・ワード(多くの人が言及している単語)として、「櫻井敦司」が挙がっており、通常であれば仕事と関係なさそうな語(リンク)をクリックすることはないのですが、その時は私が「あ、BUCK-TICKの櫻井さんだ」と声に出したこともあって、「見てみましょう」ということになり、パソコンを操作する彼女が櫻井さんの名前をクリックしたところ、亡くなられたことを伝える投稿が大画面に表示されたのでした。
全く信じられませんでした。
高橋幸宏さん、鮎川誠さん、坂本龍一さん、谷村新司さん、PANTAさん、もんたよしのりさんといったミュージシャンが亡くなっている今年ですが、彼らよりもずっと若い櫻井さんの死去は、衝撃的でした。今も現実味がありません。
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確立された世界観、徹底した美意識。それらBUCK-TICKの要素を、歌詞とメイン・ヴィジュアルの面で表現していたのが櫻井さんだったのだと思います。
BUCK-TICKは日本でいちばんマニアックで、ダークで、実験的で、万人受けしない、変てこなロックを36年間一貫して鳴らしてきたにもかかわらず、日本でいちばんポップなロックバンドです。そしてフロントマンの櫻井敦司は、その非日常的な存在感と世界観を一身で体現してみせた、稀有な“負のエンタテイナー”でした。
出所:ORICON NEWS「『さよなら櫻井敦司』――市川哲史」(2023年10月24日)https://www.oricon.co.jp/news/2299896/full/、2023年10月30日閲覧
親交が深かった市川哲史さんの言葉にある通り、私もBUCK-TICKのサウンドはポップだと常々(というほと熱心なリスナーではありませんでしたが)感じていました。
多面的で流動的なバンド・BUCK-TICKの楽曲の中でも、特にポップなこの一曲を紹介します。
Alice in Wonder Underground
https://www.youtube.com/watch?v=fugcZHTxQxM
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尾崎豊さんが1992年4月に亡くなった時、尾崎豊が好きだったクラスメイトのことを思い出したのですが、31年後の今年、櫻井敦司さんが亡くなったことが報じられた日には、BUCK-TICKが好きだったクラスメイトのことを思い出しました。
私が思い出したのは、二人ではなく一人、同一人物(尾崎豊とBUCK-TICKが好きな、通算で4年間おなじクラスだった男子)です。
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BUCK-TICKは、私が知る限り、市川市でかなり多くライヴを行っています。
- 1987年5月27日 本八幡ルート14 HURRY UP MODE
- 1990年4月6日 市川市文化会館 悪の華 TOUR
- 1993年7月15日 市川市文化会館 darker than darkness-style93-
- 1997年3月12日 市川市文化会館 TOUR ’97 RED ROOM 2097
- 1998年2月26日 市川市文化会館 TOUR SEXTREAM LINER
- 2000年9月21日 市川市文化会館 PHANTOM TOUR (ツアー初日)
- 2002年4月10日 市川市文化会館 WARP DAYS
- 2005年6月8日 市川市文化会館 13th FLOOR WITH MOONSHINE
- 2014年6月21日 市川市文化会館 TOUR2014 或いはアナーキー
- 2016年10月10日 市川市文化会館 TOUR アトム 未来派 No.9
- 2018年6月3日 市川市文化会館 BUCK-TICK 2018 TOUR No.0
情報出所:Wikipedia「BUCK-TICK」
今世紀に入ってからも5回の公演を行っています。残念ながら、櫻井さんご健在のうちに、リニューアルオープンした後の市川市文化会館で公演を行うことはありませんでしたが、氷室京介さんのファンの方が「音が良い」と絶賛していた市川市文化会館でのライヴの数々は、BUCK-TICKのメンバーにとって、もちろん櫻井さんにとって、ファンの皆さんにとっても、大切なものだったことでしょう。
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冒頭の画像はBUCK-TICKのシングル『JUPTER』のミュージックビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=RAlAtQ7_chs)からの引用です。
この曲は、CDラジカセ「CDios(シーディオス)」のコマーシャルソングとして使用されていました。櫻井さんはこのコマーシャルに出演しており、下の画像のように室内で浮遊していました。
この曲の歌詞を書いた櫻井さんによれば、亡くなったお母さまへの鎮魂歌という意味合いがあったそうです。
今、『JUPITER』を聴きながら、櫻井さんが安らかに眠りにつけるように、祈りたいと思います。
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執筆日 2023年10月30日
公開日 2023年11月3日