【コラム】NPO、協働、まちづくり――ラジオを聴いて考える

コラム

ご無沙汰しています。

もしかしたら、「はじめまして」かもしれません。

令和7年も12月。今年は、昭和100年、戦後80年という節目でもあり、当サイトでも、昭和時代を、あるいは太平洋戦争および日中戦争をも含む十五年戦争のことを振り返る機会が少なからずありました※1。

そんな1年も、まもなく終わります。あわてんぼうの誰かが、この街にやってくるかもしれません。

今年の秋、2020年のコロナ禍真っただ中に、「まちづくり」をやろうということで、「いちかわTMO講座」の9、10、11、12期の受講者を中心に結成した「フリースタイル市川」がNPO法人になってから、5周年を迎えました。

ちょ、待てよ!5周年というのは、5年目のこと?4年目?それとも6年目?

このへん、わからなくなりますよね。

確認しておきましょう。ここでは、NPO法人となった直後、キックオフミーティングを開催した10月24日を始点とします。

  • 1年目:2020年10月24日~2021年10月23日
  • 2年目:2021年10月24日(1周年)~2022年10月23日
  • 3年目:2022年10月24日(2周年)~2023年10月23日
  • 4年目:2023年10月24日(3周年)~2024年10月23日
  • 5年目:2024年10月24日(4周年)~2025年10月23日
  • 6年目:2025年10月24日(5周年)~2026年10月23日

ということで、今年(2025年)10月24日が、キックオフミーティング開催から5周年の節目の日でした。この日、「5周年」の日から始まり、来年(2026年)10月23日まで続く1年間が、「6年目」です。

楕円形の陸上トラックの1周が1年だとすると、このトラックを5周走り終え、休む間もなく6周目に入った、それが現在のフリースタイル市川です。もちろん、実際には同じ場所をグルグルグルグル(グルコ○ミン?)と走っているわけではないのですが。

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NPO法人となり、キックオフしてから5年がたってしばらくした11月1日には、「フリスタ万博」というイヴェントを開催しました。

私たちの5年間の歩みを皆さんと一緒に振り返る、もちろん、そのような側面もありましたが、それよりも、一緒に地域を盛り上げようと(いや、決して、活動を一緒にしたというわけではありません。が、それぞれの持ち分で、それぞれの領域で、地域を良くしたいという想いで、同じ時期に)活動してきた仲間たちに、私たちはこんな活動をしているのですと高らかに謳い上げていただきたい、そして、横のつながりや斜めのつながりをつくって、関係性を築く契機になればいいな――

縦の糸はフリスタ、横の糸は皆さん!

そんな気概で、たくさんのNPOや地域活動団体の皆さんに次々登場いただいて、プレゼンテーションをしていただいたのでした。上の記事をぜひチェックしてみてください。

プレゼンしてくださったのは15団体で、それ以外にも飲食店さんなど、仲間たちが参加してくれました。その(ほとんど)全ての皆様の(短い)テーマソング、(短すぎる)イメージソングを、ノスタルジー鈴木こと筆者が制作したことは、あまり知られていませんよね。この記事で紹介していますよ。

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参加団体の中には、NPO法人という形態で活動している団も少なくなく、私たちフリスタもNPO法人です。地域で活動するNPO法人は、この10年間、全国で次々と誕生してきた、ようです。ようです、というのは、私がその根拠たる数値を、データを、チェックして書いているわけではないことを示しています。が、数日前に聴いたラジオ番組(何という番組であるかは、後で紹介します)の中で、パーソナリティの男性(後で紹介します)が、そのようなことを語っていたので、きっと確かなのでしょう。

しかし、その日、その番組にゲスト出演していた方(後で紹介します)は、NPO法人は活動を休止するところも増えているようなことを話していました。多くの場合、関わるスタッフはボランティアとして関わっていることもあり、時間や資金が十分ではなく、活動を継続することは容易ではないことが大きな理由なのではないかと思うのですが、この放送は非常に興味深い内容だったので、番組の公式YouTubeチャンネル――ラジオ番組なのにYouTube?とお思いかもしれません。動画はなく、音声だけが再生されるチャンネルです――を紹介したいと思います。

番組名:荻上チキ Session(セッション)
ラジオ局:TBSラジオ
放送日:2025年12月5日(金)
パーソナリティ:荻上チキ、南部広美
ゲスト:向井清史氏(研究者。ちなみに、「パンサー」向井慧氏の父)
コーナー名:フロントラインセッション
特集名:「ポピュリズムに対抗しうる<新しい市民協働>とは何か」

☞ URL:https://www.youtube.com/watch?v=Rc9XTv5c75o

■NPOの役割(20分53秒~)
https://www.youtube.com/watch?v=Rc9XTv5c75o&t=1253s

■スフィア基準への言及(33分15秒~)
https://www.youtube.com/watch?v=Rc9XTv5c75o&t=1995s

☞ 関連記事:【コラム】市川市議会で「スフィア基準」への言及がありました(2022.9.21)

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To be honest(正直に言って)、向井氏の話は――とても丁寧な語り口ですが、語られる内容が専門的なものであるため――簡単には理解できなかったのですが、たまに聴き返したい内容だということは、直感的にわかりました。

向井氏は、先日、新しい著作『「新しい市民協働」を拓く――ハーバーマス、ロールズ、センの思想から考える』をリリースしたばかりです。出版元の藤原書店のウェブサイト内の、向井氏の最新著作のページから引用します。

向井清史 著
「新しい市民協働」を拓く――ハーバーマス、ロールズ、センの思想から考える

2025年10月刊

「市民協働」のバージョンアップに向けて――「市民協働」の関係者・実践者、必読の一冊!
ポピュリズムの激化と社会的分断の拡大に、いかに対峙するべきか。既存の組織形態や地域の垣根を越えて育ちつつある「新しい市民協働」に注目し、市民的公共圏の担い手としての可能性を問う。
ハーバーマス、ロールズ、センを援用しつつ、「新しい市民協働」の運動・組織・分配のあり方を思想的・理論的に明確化!

目次

  • まえがき
  • 序 ポピュリズムに対抗しうる「新しい市民協働」
  • Ⅰ 「新しい市民協働」とは何か
  • Ⅱ いまなぜ「新しい市民協働」なのか
  • Ⅲ 「新しい市民協働」を支える社会的正義――正統な合意基盤の構築とアソシエーション
  • Ⅳ 市民協働組織のガバナンス――参加型意思決定の組織論的合理性
  • Ⅴ 「新しい市民協働」の発展をどう展望できるか――効率を競う競争から有効を競う競争へ
  • Ⅵ 「新しい市民協働」における参加と義務観念
  • Ⅶ 「新しい市民協働」と公正な分配
  • あとがき
  • 参考文献

読んでみたいですね。この書籍を読書会のテーマにしたいです。

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最後に、最近「東スポWEB」に掲載された記事を紹介します。

 お笑いトリオ「パンサー」の向井慧(39)が、3日放送のTBSラジオ「パンサー向井の#ふらっと」に出演。大学教授の父・向井清史さんに言われた言葉を明かした。

 最近、清史さんは「『新しい市民協働』を拓く ハーバーマス、ロールズ、センの思想から考える」という本を出版。向井は「正直内容は私もほぼわかりません」とぶっちゃけ。

出所:東スポWEB「パンサー向井 大学教授の父がキッパリ『慧がスキャンダルで騒がせても絶対に謝りません』」(公開日:2025年12月3日、閲覧日:2025年12月9日)https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/368980

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〈参考〉

※1:以下は、(西暦2025年、令和7年、昭和100年、戦後80年の)今年、当サイトで公開した「昭和を振り返るようなタイプの記事」の例です。

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執筆日:2025年12月9日
公開日:2025年12月9日
執筆者:ノスタルジー鈴木(特定非営利活動法人フリースタイル市川、ノスタルジー&ルミエール、ロングホーントレインなど)